Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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通るときはスッと
大学3年の娘から嬉しいことを言われた。

アルバイト先のIY堂のパートのオバ様方に、娘が「Mさんは、親の愛情をたっぷり受けて育った感じよね。明るいし、人が嫌がることは絶対に言わないし、人の話をよく聞いてくれるし、不愉快なところが一つもないんだもの」と言われたらしいのだ。

大学のお友だちにも、「カホは、無邪気だし、人の悪口は言わないし、誰とでも平等に接しられるのはすごいよね。親が愛情を持って育てたのがわかるよ」と言われたことがあるという。

「まあ、確かに愛情は百点だな。他はルックスも含めて零点だが」と娘。

そうか、ということは、平均すると50点ということになるか。

「いや、平均しても百点だ」

(むせび泣く)


・・・という愛情自慢から一転して「痔」の話である。

20年くらい前から、2年に1回くらいの頻度で、お尻から血を流すことが習慣になった。
出血は、5日程度続いて、突然に終わる。

自分では、一つの行事のようなものだと思っていたのだが、小金井公園でランニングをしているとき、顔に「私は医者です」と書いてある40歳前後の男性と出くわす機会がたまにあった。

走るペースが私とほぼ同じだった。
だから、お互い話しかけやすかったのだと思う。

走り終わって、5分程度立ち話をすることもあった。
そのときに、外科医だということを知り、「尻」の話を何気なくしてみた。

すると、「ああ、それは見たいですねえ。ぜひ、見せてくださいよ」と、にこやかな顔で仰っしゃるので、別の日に見せることになった。
そして、見た途端「ああ、これは手術しないと、近い将来エライ事になります。すぐに知り合いの医師を紹介しましょう」と私の尻に向かって言った。

その2日後に、紹介された医院で日帰り手術を受けた。

・・・と、ここまで書いてきて、これを読んでおられる方の中には、食事中の方もいらっしゃるのではないかと思い至った。
その方々に、尻から血がドバーッだのコーモンがどうの、などという話をするのはあまりにも失礼である。

だから、ここで話を変えることにする。


水戸コーモンの話をしようかと思う。

水戸コーモン様のお供の格さんの決まり文句「この印籠が目に入らぬか」は、あまりにも有名なフレーズだ。

しかし、私はこのフレーズを、大学時代の友人カネコの娘ショウコが6歳のとき、「このコーモンが目に入らぬか」と教えたのである。

コーモンに関しては、ショウコが、一番目の被害者だった。

家に帰って、「このコーモンが目に入らぬか」を母親に向かって使ったショウコは、かなり怒られたらしい。
「女の子がなんということを!」

それからしばらく、カネコの奥さんは私のことを陰で「コーモン野郎」と呼んでいたという。

二番目の犠牲者は、私の娘だ。
やはり、6歳のときだった。

ただ、娘の場合は、余程の大間違いでない限り、言い間違いには寛大な家に育ったから、小学校高学年でお友だちに向かって言うまで、その言い間違いに気づかないでいた。

「おい! コーモンじゃなくてインロウじゃないか! 大笑いされたぞ! まあ、ウケたから良かったが」

他にも、牛乳パックに書いてある「生乳(せいにゅう)」を「なまちち」と覚え込ませたことがあって、これは中学2年まで間違いに気づかなかった。

お友だちからは「あんたの親、とんでもない親だね」と呆れられたというが、本人は「まあ、ウケたから良い」と娘も寛大だった。


三人目の被害者は、テクニカルイラストの達人、アホのイナバである。

ただ、彼は、いまだに「コーモンが目に入らぬか」を信じきっているので、被害者とは言えないかもしれない。
もしかしたら、一生「コーモンが目に入らぬか」を貫くかもしれない。

イナバ君は、羨ましいほどのアホだ。
(今年アラフィフに到達するというのに)
そして、愛すべきアホでもある。

その愛すべきアホと調布のバーミヤンで打ち合わせをした。
イナバ君が年に3回程度持ってくる怪しい同人誌の仕事だった。

今回も原稿が2つ間に合わないと言うので、私がゴーストを務めることになった。
毎度のことなので、もう心は痛まない。
簡単に他人になり切れる自分に、ただ呆れるだけである。

W餃子と生ビールを食いながら、打ち合わせを終えた。
エビチリとレタスチャーハン、餃子サラダセットを食い、最後にエッグタルトを食った満腹顔のイナバが、「そういえば、Mさん、コーモンの手術をしたんでしたっけ」と聞いてきた。

イナバ君、何を言っているのかね。
俺は、コーモンの手術なんかしていないよ。

「え? 違うんですか?」

ああ、学校のコーモンを通ろうとしたらケツがコーモンに挟まったんだ。
そのとき不運にも血が止まらなくなったから、手術をしたんだよ。
コーモンではなくて、ケツだ。

「ああ、そうなんですか。
そうですよねえ。コーモンを手術するわけないですもんね。
ケツの手術だったかあ。でも、治るまでかなり時間がかかったんじゃないですか」

いや、一日で治ったよ。

「え! 本当にぃ!
さすがだなあ!
すごいなあ!
俺だったら1ヶ月はかかってますよ。
いやあ、すごい!」

イナバ君も、コーモンには気をつけた方がいいよ。
コーモンを軽く考えてはいけない。
あれは、出入りの激しいところだからね。

力んじゃだめだ。
通るときは、無理やりではなく、軽くスッとしたほうが安全だよ。
そうでないと、運が悪いと出血する。
そして、手術だ。

手術は嫌だろ?

「嫌ですねえ。
今度、娘の学校のコーモンを通るときは気をつけますよ。
え〜〜〜と・・・スッと通ればいいんですよね」

そうだよ。
コーモンは、通るときはスッとね。

「わかりました。
スッと通ることにします」


帰り道、イナバ君のベンツでオンボロアパートまで送ってもらう途中に、桜満開の中学校のコーモンの前を通った。

イナバ君、ほら、あそこにコーモンが。

このコーモンが目に入らぬか!

「はいはい、入りました。入りました。
コーモンが目に入りました。
あそこをスっと通ればいいんですね。
ああ、そういうことかあ!」



皆さまも、ぜひコーモンは、スっと通りますように・・・・・なんちって(RADWIMPS)



2016/04/09 AM 06:22:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | [Macなできごと]



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