Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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うれしい誕生日
痛風持ちの友だちが二人いる。

そのふたりが、11月22日の「いちいち痛風の日」に、私の前回のブログを読んでLINEで絡んできた。

「おまえ、バカだろ」

もちろん、自分が馬鹿なのは、小学校を入学する前に今も尊敬する亡き祖母から教えられたので、私は幼い頃から知っていた。
「いいですか。あなたは頭が良くないんだから、授業では先生の言うことをよく聞くんですよ。他のことは考えないで、先生の言葉だけを聞いていなさい。わかりましたね」

わかりました。

祖母の言いつけを守って、私は懸命に先生の言葉を聞いた。
しかし、私の小学1年、2年の成績は、体育以外は1か2だった。
ところが、3年の2学期からは、祖母の魔法が効いて、オール5を取るようになった。

きっと担任の先生は、「人が入れ替わった」と思ったはずだ。
私自身も自分が完全に生まれ変わった、と子ども心に感じたほどの変わりようだった。

・・・・・と、さりげなく自慢を織り交ぜたあとで、私は、それなぁ〜、と痛風持ちに返信した。

「それなぁ〜、じゃなくて、なんでミネラルウォーターを持ち歩かないんだ。そうすれば人に迷惑をかけることもないだろ」

それは無理だ。
俺のバッグは防水じゃないんだ。
だから、ミネラルウォーターをそのまま入れたら、水漏れをする。
原稿が水浸しになったら、仕事にならない。
それに、iPadだって水没するだろう。
ムリッ!

「馬鹿にしてるのか」

いや、からかっているだけだ。

ついでに言うが、水道水入りのペットボトルは常に持ち歩いている。
だが、500ccなんて、すぐ消費してしまうんだな。
俺のバッグは、2本入れられるほど大きくはない。
空気の詰まったペットボトルでは、俺を救うことはできないんだよ。

わかったかな。
高尿酸血症で苦しむ人よ。


あれ? 返信がない。
既読は確認した。
もしかして尿酸値が悪化したのかな。


痛風といえば、極道コピーライターのススキダだ。

ススキダは、12年ほど前、仕事のストレスから暴飲暴食を重ねた結果、痛風になったことがあった。
しかし、元看護師の奥さんが指導した綿密な食事療法と有酸素運動、平均体温を0.5度上げる入浴療法を取り入れて、一年足らずで痛風を克服したのである。

顔と頭が悪くて意志の弱いススキダだから、一人では絶対に克服できなかっただろう。
元看護師の奥さんがいたから、彼はカタギになることができた。
ススキダは、実に悪運の強い男だ。

その悪運の強い男が、私の目の前にいた。
もちろん、元看護師もいた。

「いい夫婦の日」が過ぎたある日、夫婦で、私のおんぼろアパートに押しかけてきたのである。

「寒くなったな」とススキダが言った。

悪かったな。
おんぼろアパートは風通しが良すぎて、外気がまともに入ってくるんだ。
寒くて・・・ごめんね、ごめんね〜(むかし少し流行ったような?)。

寒くて我慢できないなら、ドアの外に灯油のタンクがあるから、近所のスタンドで給油してきてくれ。
灯油を切らしちまって困ってるんだ。

そう言ったら、本当に夫婦でタンクを持って出て行きやがった。

冗談も言えないじゃないか。
(実は我が家は灯油の宅配を頼んでいるのだ。だから、わざわざ買いに行かなくてもいい)

帰ってきた「いい夫婦」は、灯油のタンクを2つ抱えていた。
外に置いたタンクは一つだったはずなのに、もう一個増えていた。
美女と野獣は、手品が得意なのかもしれない。

「一つでは効率が悪いだろうから、スタンドで一つ買ってきた。これも使ってくれ」

いくら払えばいい、と聞いたら、「お前から金を取れるかよ」と言われた。

じゃあ、体で払う、と言ったら、元看護師が、「クククケケケ」と身悶えしながら笑った。
融通のきかないススキダは、「バカ」と眉間にしわを寄せた。

なかなかの「いい夫婦」ではないか。

灯油のお礼に、パエリアを食うかと聞いたら、「食べる」と言われたので、前日作りすぎて冷凍しようか迷っていたパエリアを温めて出した。

ススキダが、「本格的じゃないか」とけなしたので、「それなぁ〜」と答えた。

しかし、おまえは重大なことに気づいていない。
このパエリアは俺らしくないとは思わないか。

「普通に美味かったが」とススキダ。

それは、どうもありがとうございます。
だが、このパエリアの意味がわからないとは、おまえも悲しい男になったものだな。

私がそう言ったとき、元看護師が、「はい、先生!」と手を上げた。

ススキダ夫人に発言を許します。

「心がねじ曲がったM先生は、料理をするとき、必ずアレンジを加えて常識的な味から外れたものを作ります。でも、このパエリアは全く普通のパエリアです。これを作ったとき、M先生はとても疲れていてアレンジを加える気力がなかったのかもしれません。つまり、これはM先生にとって失敗作ということです」

はい、正解です。
このままセカンドステージまで進んでください。

「ワーイ!」

頭が、水で戻す前の高野豆腐並みに硬いススキダには理解できなかったようだ。
頭の上に、はてなマークが7つ見えた。

「しかし、何でわかったんだ?」と元看護師に聞くススキダ。

「それは簡単ですよ。Mさんは、ひねくれていますけど、ヒネクレの角度がほぼ一定なんです。だから、その角度さえ頭に入れておけば、答えを導くのは簡単です」

流石ですな。

ご両親は香港在住の中国人。
そして、元看護師は中学卒業後、日本にやってきて、お寺の住職さんの養子になった。
同時に日本国籍を取得し、専門学校を優秀な成績で卒業して、日本で看護師になるという子どもの頃からの夢を実現させた。

つまり、人間としての「純度」が違うのだ。

五流大学を卒業したゴキブリと比べるのは失礼というものだ。
そして、瀕死のガイコツとも根本的な素養が違うのである。
下等なゴキブリとガイコツたちの歯が立つ相手ではない。

私は元看護師にひれ伏したが、ゴキブリはプライドが邪魔したのか、不貞腐れたままだった。

丸めた新聞紙で叩いてやろうか。

・・・・・と思ったが、ゴキブリが「おまえの自転車、もう危ないんじゃないか。何年乗っているんだ」と聞いてきたので、相手をしてやった。

天才・芦田愛菜ちゃんの誕生日を知っているか。

「知るわけないだろう」

教えてやろう。
2004年6月23日だ。

ちなみに、6月24日は、俺の娘の誕生日だ。
憶えておけ。

「憶えてるさ」

それは、ありがとうございます。

つまりだな。
芦田愛菜ちゃんが生まれた日の翌日。
娘の9歳の誕生日に、俺は自転車をプレゼントしたのだよ。

そして、そのどさくさに紛れて、自分の自転車も買ったのだ。
だから、もう11年使っていることになる。

「まわりくどい話だな」

ごめんね、ごめんね〜。

話が脱線したのを力ずくで戻すように、元看護師が「では、Mさんの誕生日プレゼントに自転車というのは、いかがでしょうか」と言った。

「サイクルベースあさひ」が、ここから約1.6キロのところにあります。
26インチのシティサイクル、LEDオートライトが16,800円で販売中ですが、いかがでしょうか。
それがお高いようでしたら、「ケイヨーD2」で8,980円のママチャリもございますが。

有無を言わさず、サイクルベースあさひに連れて行かれ、27インチの外装6段変速24,980円を買っていただきました。

ほんとうに、いいのか?

「乗るたびに、俺たちのことを思い出すんなら買ってやる」

ありがとうございます。
もう決して、ゴキブリを丸めた新聞紙で叩き潰すことはいたしません。

私がそう言うと、元看護師が「うちはゴキブリが出ないんですよね。ゴキジェットとか用意しているんですけど、一度も使ったことがないんです」と無邪気に言った。

いつもの私なら、ゴキブリならすぐそばにいるから、使う機会はいくらでもあるでしょう、と言うところだが、24,980円の恩があるので、使わないにこしたことはありませんよねえ、と愛想笑いをした。

そんな軟弱な自分が、私は大嫌いだ。

しかし、24,980円のmade in Japanの自転車は大好きだ。



あれから、用もないのに、自転車に乗って世間を徘徊することを繰り返している。


私は、そんな自分が大好きだぁ!



2015/11/28 AM 06:30:58 | Comment(3) | TrackBack(0) | [Macなできごと]



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