Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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野ブタの結婚
9月になったからというわけではないが、高熱を出した。

ただ、今はもう回復している。

38.7度の熱など、2年前までの私だったら、鼻で笑って平気で仕事をしただろう。
しかし、今はある事情があって、風邪による脱水症状が命取りになることもある、と観音様から脅されていることもあって、一日だけ安静にしていた。

私は人に弱みを見せることが、無理やりな安全保障関連法案の次に嫌いな人格破壊者なので、仕事部屋にテントを設営して、まる一日そこで眠った。
夕方、家族のメシを作ったときだけ、人間界に姿を見せたが、あとはずっとテントに籠っていた。
アクエリアス2リットルとゆで卵4個で栄養を補給した。

そうやって優等生の生活を送っていたら、次の日の朝、あら不思議、熱が37度まで下がった。
体も気のせいかもしれないが軽く感じた。

体は軽かったが、点滴をした方がもっと回復は早いだろうと考え、かかりつけの医院に行った。
しかし、主治医の優香観音様は、その日は欠勤日で、オネエ疑惑のある若い医者に裸を見られた。
そして、血を採られた。

最近では、血液中のヘモグロビンの数値は10分も待たずに検査結果が出るから楽だ。
オネエ医者に「これは、どうかしらねえ。ちょっと感心しない数値だわよね。いま点滴してあげるから、家に帰ったら鉄剤を2倍飲んでね」と甲高い声でクネクネと言われた。

あんたの喋るのを聞いたら、誰でもめまいがするわい。

点滴してもらって、完全復活。
家に帰って、通常の倍の鉄剤を飲んだあとで、仕事を再開した。

浦和のドラッグストアのチラシの2校だ。
週末セールの商品を4箇所差し替えて、他に価格を変える箇所が11という比較的簡単な校正だった。
1時間もかからずに終わった。

やや遅い昼メシのアジフライ、サーモンフライ、エビフライを食っていたら、iPhoneが震えた。
荻窪のWEBデザイナーのタカダ君(通称ダルマ)からの電話だった。

出たくはなかったが、エビフライ、アジフライを食っていたら、シッポがあまりにも美味だったので、気分がよくなって反射的に出た(シッポは上手く揚げると美味しいんですよ)。

「ああ、師匠! ショックじゃないですかぁ! 大丈夫ですか? 落ち込んでないですかぁ?」
いきなりネガティブな問いかけをぶっ込んできやがった。

だから私は答えた。
ああ、ショックだね。大丈夫じゃないね。すこぶる落ち込んでるね。

「ああ、そうですよねぇ! やっぱり、そーですよねえ!」
ダルマが嬉し気に、鼻息荒く声に力を込めた。
そして、こう言ったのだ。

「堀北真希が結婚するなんて、俺もショックでしたよ。全然油断していましたね。だから、師匠もショックを受けてるんじゃないかと思ったんですよ」

さあ、話がわからなくなってきたぞ。
堀北真希さんの結婚情報は、少し前にヤホーのトップページの見出しを見ていたから知っていたが、ショックを受けたというほどではなかった。

ご結婚、おめでとうございます、としか思わなかった。
つまり、これは、いつものダルマの早とちりの勘違いということになる。

タカダ君。
申し訳ないが、私は堀北さんとは、縁もゆかりもないのだが。

「縁もゆかりもなくても、ファンだったじゃないですか」

はて、その情報は、どこから仕入れたものであろうか。
俺は一度もそんなことを言った覚えはないが。

「何をとぼけているんですか、師匠! イケメンパラダイス、面白いって言ってたじゃないですか!」

何年前の話だよ。
面白いとは言ったが、堀北さんを好きだと言った覚えはないぞ。

「え? え? え? え? え? え? え? え? えーーーー!」

俺、病み上がりだからさ、切るぞ。
いたずら電話になんか付き合っている暇ないんだよね。

「いや、師匠は、ショックだって、さっき言ったじゃないですかぁ」

タカダ君が正確に主文を語らないから、テキトーに答えただけだ。
君ももうアラフォーなんだから、言葉の最初に主文を語る訓練をしたほうがいいぞ。
そうしないと、言葉がただの雑音になって、コミュニケーションが取れなくなる。

ようするに、あれだろ?
堀北さんが結婚した、という悲しみを俺と共有したかったんだろ。
「野ブタをプロデュース」からのファンとしては、現実を受け入れたくなかったんだろ。

「そうなんですよ。堀北真希の結婚を聞いてから、生きる気力が湧いてこないんですよねえ」
湧いてこなくてもいいんじゃないか。

「食事をしていても、よく味がわからないんですよ」
じゃあ、食わなければいい。

「これから何を楽しみにしたらいいのか」
楽しみなんかなくても、空気と水があれば人は生きていける。

「絶対に結婚なんかしないと思っていたのに!」
結婚していないと思い込めばいいんじゃないか。

「夜も眠りが浅くて、俺、病気になりそうです」
君が眠らなくても朝は来るし、病気になったら医者が儲かるから、君は役に立っているってことだ。

「むかし買った写真集を開く勇気がありません」
オークションで売り払えばよかろう。

「もうダメです。俺、立ち直れません!」
立ち直らなくても大丈夫だ。
君の奥さんのトモちゃんは、早速若い男を見つけて再婚するだろうから。

「・・・・・・・・・・・・・・(不気味な無言が続いたぞ)」


「師匠!
俺のこと、嫌いなんですか!
そんな意地悪なことばっかり言って!」


いや、大好きだけど。


「・・・・・・・・・・・・・・(また不気味な空白が)」


(泣き声で)「師匠は、どうしていつも、そんなに優しいんですかぁ?」

はて? 優しくした覚えはまったくないのだが、これもダルマの勘違いか。

「要するに、俺に早く立ち直れってことを言ってるんですよね。お前には家族がいるんだから、現実の家族を大事にしろと言ってくれているんですよね!」

うん・・・・・・・まあ、そうだよね。
そういうことにしておこうか。


最後に、ダルマが私にこんなことを聞いてきた。

「もしもですけど・・・師匠が、結婚してショックだと思う有名人って誰ですか?」

そのことに関して、私は躊躇なく答えることができた。

芦田愛菜ちゃんだね。
あとワカメちゃんも。
武蔵野市境2丁目に住む4才の愛栞(あいり)ちゃんが、いま結婚したらショックでゼッタイに俺は寝込むな。


iPhoneからの応答が突然途絶えた。


国際宇宙ステーション!
応答せよ!



2015/09/05 AM 06:26:03 | Comment(1) | TrackBack(0) | [Macなできごと]



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