Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
[TOP] [RSS] [すくすくBLOG]








スイーツは別腹? フルーツは?
高校、大学の7年間をラグビー部で男臭い汗を撒き散らした29歳のユカワさん。
いい加減、人に迷惑をかけるのはやめて、大人になりましょう。

お節介とは思いましたが、神田のイベント会社の中村獅童氏似担当者に成り代わって私がお叱りの言葉を申しました。


一昨日の打ち合わせで、獅童氏が、「俺、急性アルコール中毒で、2日間入院したんですよ」と言ったのである。

お盆休み前に、新入社員歓迎会を仕事終わりに社内でやったという。
普段は居酒屋でやるそうだが、予約を取り忘れるという単純ミスがあって、社内での飲み会になった。

獅童氏は、怖い顔をしているが、酒は弱い。
全く飲めないというわけではないが、ビールなら中ジョッキ1杯、酎ハイなら1杯、ウイスキーの水割りも1杯、日本酒とワインは体がほとんど受け付けないという。

そんな獅童氏がなぜ急性アルコール中毒になったか。
それは、私が冒頭で叱ったユカワさんのせいだった。

新入社員とは、ユカワさんのことだ。
新入社員といっても、新卒ではなく、遠回りしての「新入」だった。

試用期間の3ヶ月満了が近づいて、まもなく本社員になるのが決定的だった日の歓迎会。
ユカワさんが、ターゲットにしたのは、獅童氏であった。

獅童氏が何歳なのか私は知らないのだが、ユカワさんよりは年上らしい。
そして、ユカワさんが高校、大学時代をラグビー部で練習に明け暮れたのと同じく、獅童氏も高校3年間をラグビーに打ち込んだと言う。

ユカワさんは、獅童氏より一回り体がでかかった。
おそらく、フォワードとバックスの違いだろう。

ユカワさんは、獅童氏のことを「先輩」と呼んだ。

そして、「先輩、もっと飲みましょうよ」と、しつこくビールを勧めた。
まわりの人が、「こいつは、酒が弱いから、あまり飲ませるなよ」と忠告しても、「ラグビー部のしきたりですから」と勘違いのルールを持ち出して、挙げ句の果ては、「先輩! 後輩の俺が勧める酒が飲めないんですか」と、からんだ。
(俺の酒が飲めない教は、とっくに死に絶えたと思ったが、脳みそ筋肉属の中に生息していたのか)

獅童氏は怖い顔に似合わず、根が優しいから、後輩の勧める酒を何杯か重ねた。

「コップ4杯までは覚えていたんですよね」
「でも、心臓が破裂しそうになって、ぶっ倒れました」
「気がついたら、病院のベッドですよ」
「幸い症状は軽かったんですけど、大事をとって2日間入院させられました」

災難でしたねえ。
で、ユカワさんは、お見舞いに来ましたか。

獅童氏は、歌舞伎役者が見栄を切るような芝居がかった顔を作って、「来ませんよ。会社辞めちゃったんですから」と肩をすくめた。
獅童氏に申し訳なくなって辞めたわけではないようだ。

獅童氏がぶっ倒れた次の日、ユカワさんは部長に呼ばれた。
そして、社内規則に従って、3ヶ月の試用期間をさらに3ヶ月延長すると言い渡された。

社内規則には、試用期間中に会社に迷惑をかけたときは、解雇か試用期間の延長があると書かれていた。
しかし、解雇では重すぎると配慮して3ヶ月延長にするという、それは会社側の親心だった。

だが、その親心はユカワさんには通じなかったようだ。
翌日から、会社に来なくなったというのである。

自己中心的な、なかなか楽しい性格の人だったようだ。
安保反対の若者に喧嘩を売って、挙げ句の果ては金銭トラブルで自民党を離党した楽しい議員と同類なのかもしれない。

「俺がぶっ倒れなければよかったんでしょうけどね」と、どこまでも人のいい獅童氏だった。

そして、獅童氏が言った。
「Mさんは、さぞかし酒の武勇伝があるんでしょうね」

ありませんよ、そんなもの。
俺、酒飲んで酔っ払ったことないですから。
酔ったふりをしたことはありますけど、演技が下手っていつも笑われてましたよ。

私は他の奴らより多くの酒を飲みながら、他の奴らが限界を超えないように監視するのが役目だった。
(私は人に弱みを見せるのを極端に嫌う人格破壊者だったから、意地でも酔わなかった)

「おい、ハゲ! もうやめろ、あとはタンパク質を摂ることに専念しろ」
「カツラ! そこでおしまいだ。それ以上飲むとカツラを剥きとるぞ」
「デッパ! 目が座ってきたぞ。水をたくさん飲め。浴びるほど水を飲め」

とは言いつつも、結局酔いつぶれるのが自分の仕事だと思っている奴が多くて、介抱が仕事の私は、飲み会ごとに忙しい時間を過ごしたものだ。

「それは………俺みたいに酒の弱い人には、想像できないことですよね」
獅童氏から尊敬の眼差しで見つめられた。

(俺に惚れるんじゃねえぜ)


「でも、あれから俺、食欲がまったくないんですよねえ〜、それが心配でっ!」と獅童氏の顔が、梅干を12個食ったような酸っぱい顔になった。

聞いてみると、「牛丼は一杯食べるのがやっとですよ」「定食は、ご飯のおかわりなんて無理です」「ラーメンは、サービスのライス抜きです」「弁当は、ライスの大盛りは無理で普通盛りです」と嘆くのだ。

でも、普通に食っているんですよね。

「いや、普通じゃないですよ。ライスをお代わりしない定食や無料のライスを食べないラーメンなんて、俺、人生で初めてですから」

それで、ちなみに、昨日は何を食いましたか。

「朝は目玉焼きとトースト。昼はカレー。夜は近所の定食屋で焼肉定食でした。その他、合間にバナナ」

完食しましたか。

「一応全部食べましたよ。もったいないですからね。ただ、晩ご飯の定食はご飯のお代わりはしてませんよ」
「食欲が全然ないんでっ!!」

あのー……このテーブルのカゴに盛られた「三角どらやき」は、おそらくどなたかが富山県に帰省したときのお土産だと思うのですが、さきほどから見ておりますと立て続けに4個ほど口にされていますが……。

それって、結構ヘビーだと思うのですが、それでも食欲がないと……?


「ああ、スイーツは別腹って言うじゃないですか。これはカウントしないでください」


ああ、別腹?

どらやき1個150キロカロリーとして、4個で600キロカロリー。
それを別腹だと?

ちなみに今日のお昼は何を?

「とんこつラーメン、ライス抜きでっす!」
得意げに胸を張られた。

とんこつラーメンのカロリーが600キロカロリーとして、どらやきと合わせると1200キロカロリー。
カロリー過多ではないかい?

しかし、別腹?

「そうですよ。別腹。
スイーツが別腹なのは常識です。だって、俺、ぜ〜んぜん食欲ないんですからねっ!」

しかし、合間にバナナも食っているんですよね。

「知らないんですか? フルーツも別腹だって!」

初耳だわ。


そうですか。
平成も27年を過ぎると、知らないことがたくさん出てきますね。

今に、200グラムのハンバーグステーキも別腹、なんて時代が来るかもしれませんね。


私がそう言うと、「そんなことあるわけないでしょ! 肉が別腹なんて、どうしたらそんな発想になるんですか!」と、真顔で完全否定された。


ジョ……ジョジョ立ち…いや、じょ、冗談ですのに。



チッキショー!

(尊敬する小梅太夫先生の顔真似をしてみました)


腹を抱え、涙を流しながら悶絶する獅童氏。


これで、獅童氏の食欲も(おそらく)復活することでしょう。



2015/08/22 AM 06:38:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | [Macなできごと]



(C)2004 copyright suk2.tok2.com. All rights reserved.