Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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グラスアイーンの同好会
前回のエントリーで、左手の指を怪我した話をした。

薬指が劇的に痛すぎるので、外科にコッソリ侵入したら、8針縫われた。
どSの外科医だった。
(薬指を使えなくても、キーボードは打てますよ、皆さん。だから、仲良く薬指を怪我しましょう)


ところで、仕事が一段落して、いま手元にあるのは、神田のイベント会社とテクニカルイラストの達人・アホのイナバのものだけになった。

ちょっとノンビリしましょうか。

と思っていたら、イナバからメールが来た。
「頼んだ仕事の原稿が、ひとつ間に合わない。また捏造をして欲しいんだけど」

捏造ではありません。
ゴーストです。
ご本人から文章の要旨をいただいて、それに沿って書くのだから、代筆だ。

もちろん、あとでご本人に校正をしていただく。
これを捏造とは言わない。
人聞きの悪いことは言わないでもらいたい。

ということで、イナバと毎度おなじみ調布のバーミヤンで打ち合わせ。
ダブル餃子を食いながら、まずは雑談。

「先週2泊3日で、家族でイシザキジマに行ってきたんですよ。ダイビングはしませんでしたけど、釣りマンザイでしたね」

「イシザキジマ」ではなく、石垣島。
「釣りマンザイ」ではなく、釣り三昧でしょう。

イナバのおうちは、お金持ちである。
石垣島以外にも、国内に2つ奥さん名義で別荘を所有している。
そして、海外にも1つ別荘がある。

ただ、世の中には、お金持ちに対して、異常なほど敵意と偏見を持っている方がいらっしゃる。
嫉妬が怖いので、詳しいことは省くことにする。

ひとつ断言できるのは、イナバ家族が、いい人ばかりだということだ。
だが、イナバの場合は、「いい人」というより「いい人だけどアホな人」と言った方が、正確な表現だと言える。

イナバの外見は、至ってまともだが、頭は至って不完全である。
言い間違い、勘違いが、ひどい。

たとえば、イナバに、こんなことを聞いてみた。
最近は、どんな「ジローラモ」を作っているんだい?

「いま、ちょっとスランプなんで、ジローラモは休んでいるんですよ」

おそらく他の方には通じないと思うが、「ジローラモ」とは「ジオラマ」のことだ。
イナバは、むかし私が冗談で「ジオラマ」を「ジローラモ」と言ったのを間に受けて、それ以来「ジローラモ」と言い続けている。
面倒くさいので、「ジローラモ」で通している。

手先の器用なイナバは、3年前からジオラマ作りを始めた。
ジオラマといっても、イナバが作るのは景色ではなく、コンサート風景だ。
自分が見たエリック・クラプトンやザ・ローリング・ストーンズのライブをジオラマで表現するのである。

オーディエンス(聴衆)を一つ一つ作るから、かなり時間がかかる。
だから、ひとつのジオラマを作るのに、半年以上かかる。
根気がなければできない作業だ。

アホは、根気だけはあるのだ。

今は、アホの好きなテイラー・.スウィフトのライブを再現するために、早くスランプから抜けようと「ガンケケ」のために、魚を断っているのだという。

この「ガンケケ」は、願掛け。
そして、イナバはもともと魚をそれほど食わないので、魚を断つことに意味はないと思う。

「えーと、この同好会も、もう13号になりました」
同好会ではなく同人誌。
これは大きく外れているわけではないので、ノータッチ。

この同人誌は、多摩地方の郷土史や人物に興味を持った11人の同好者が立ち上げたものだ。

1〜2号までは、他の人が組版をした。
私が、同人誌の組版をし始めたのは、3号から。
最初は、出来上がったフォーマットに流し込むだけだったから楽だったが、5号あたりから余計な仕事が増えた。

原稿が間に合わない、と泣きをいれる人が毎号1〜3人いらっしゃるようになったのだ。
商業雑誌ではないのだから、間に合わないなら延期をすればいいのでは、と思うのだが、延期はしたくないと皆さま意地を張りなさる。

俺、多摩の歴史には素人だからさ、毎回調べ物をするのが、憂鬱なんだよね。

私がそう言うと、アホのイナバが、「Mさん、何事もコックダイベンというじゃないですか。それが、いつか役に立つときが来ますよ」と言いながら、自分の餃子を二つ私の皿に移動させた。
私を励ましているつもりらしい。

だが、「コックダイベン」ではなく、それは「刻苦勉励(コックベンレイ)」であろう。

アホはいいなあ。
私も、これほどアホを極められたら、幸せなのだが。

そう思った私は、イナバに言った。
主治医の優香観音様から、一日グラス一杯のアイーンだったら、飲んでもいいとお許しが出たんだよ。

だから、俺に、グラスアイーンを奢ってくれないか。

イナバは即座に反応して、「ああ、それはおめでとうございます。グラスアイーンですね。喜んで奢らせてもらいますよ」と右手でガッツポーズを作った。

私は、こんなイナバの性格をガッキーと多部未華子さんの次に愛している。

イナバが、ベルを鳴らした。
そして、やってきた24から37歳に見えるウエイターさんに、イナバが注文したのである。

「グラスアイーンを1つ下さい」

イナバが言った「グラスアイーン」の「アイーン」のところで、私がウエイターさんに向かって、華麗に志村けん師匠の名人芸「アイーン」のポーズをした。

それを見たウエイターさんは、目を細め、まるでオオヒキガエルに遭遇したような引きつった顔で、一歩後ずさりした。

私がもう一度、「アイーン」。
それを真似したイナバが「アイーン」。

ウエイターさんは、注文を復唱することなく、我々の前から消えた。


イナバくん。
もしかしたら、この店から「デイリーキンシチョウ」になるかもしれないな。

「え! Mさん、鳥にも詳しいんですかぁ! デイリーキンシ鳥かあ、見てみたいなあ!」


こんなイナバとの会話が何よりも楽しい私は、きっとイナバと「同好会」なのだと思う。


最後に、もうひとつ、イナバくんの言動で意味不明なことを。

「俺、最近、アリモリカズミちゃんが好きなんですよ。可愛くないですか?」

そのときは、何のこっちゃ、だったが、「アリモリカズミ」でゴーグル検索をしてみたら、「有村架純(アリムラカスミ)」さんが出てきた。

これって、合っているんですかね。

アホの勘違いは、常軌を逸しているので、正解にたどり着くのが大変だ。



ただ、そんなことも含めて、私はイナバを愛しているんですがね。

(ホモじゃないですよ)



2015/04/24 AM 06:46:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | [Macなできごと]

左手がマイケル
ギターの弦6本が切れた拍子に、左の指先を怪我した。

人差し指、中指、薬指だ。
痛みから察して、大したことなかろうと判断したのだが、3つの指先から血が滴り落ちるという楽しさ。

汚い雑巾で傷口を抑え、いつか止まるだろうと安易に考えていたら、雑巾が真っ赤っか。
最近、お尻以外から血を出したことがないので、うろたえましたよ。

逆上しながら、それぞれの指の根元を輪ゴムでしばって、様子を見た。
すると、あら不思議。
2分程度で、血が止まりました。

さすが、「共和」の輪ゴムは優秀でございます(共和の輪ゴム愛好者より)。

血が止まったので、絆創膏を巻きつけて仕事をしたのだが、キーボードを打つたびに快楽的な痛みを感じ、喜びまくりながら5時間キーを打ち続けた。

(嬉しすぎて泣いた)

勇気を振り絞って我が指先を見ると、バンソーコーが真っ赤っか。

めまいが。

とは言いながらも、晩メシは、いつも通り作りますよぉ。

左手に負担にならないような料理といえば、「闇鍋」です。
冷蔵庫にある野菜を手当たり次第に引きちぎって、鍋に投入。
白菜、キャベツ、長ネギ、玉ねぎ、大根、人参、椎茸、エノキダケなどの端切れを保存しておいたものだ。

これで、ダシを取る。
2時間近く煮込んだら、野菜を取り出して、藻塩で味をシャープにする。

そして、好きなものを各自適当に鍋にブチ込む。

豚バラ、豆腐、イカ、タコ、ハンペン、イワシのすり身、鶏団子、韓国唐辛子、すいとん、魚肉ソーセージ、トマト、餃子、レタス、チキンラーメンなど。
そして、最後にゴマ油を数滴垂らす。

支離滅裂だとは思うが、支離滅裂なりに華麗なハーモニーを奏でて、箸が進むのですよ。
具材は右手でちぎるだけだから、左手には、それほど負荷はかからない。

最後は、冷やメシを投入して、美味しくいただきました。
鍋物を考えた先人に感謝しつつ、完食。


次の日。
神田のイベント会社で、打ち合わせ。

私は、人に自分の弱みを見せるのを極端に嫌う変態体質なので、左手だけ、マイケルジャクソン氏になった。
まあ、左手に白い手袋をしただけなんですけどね。

ポーッ!

だが、中村獅童氏似の担当者に、簡単に見抜かれた。

「左手、怪我したんでしょ?」

ポーッ!

華麗にムーンウォークをしようと思ったが、50年間していなかったので、ムーンウォークの仕方を忘れた。
思い出をたどりながら、それらしい動きをしたら、獅童氏似に、「ああ、カズダンスですね」と言われた。

キングカズだと思っていただけるなんて、光栄なことでございます。

「でも、キングカズを侮辱したオッサンがいましたよね」と鼻息の荒い獅童氏。

それは私もヤホーのトップニュースで見出しだけ閲覧、さらにサッカー好きの息子が怒り心頭だったので知っていた。
野球界のご老人が、三浦知良氏に引退勧告をするという越権行為だ。

引退勧告なら、まだご老人の驕り高ぶりだけで済むが、ご老人の意見の根拠となっているのが、「サッカーの2部といえば、プロ野球で言えば2軍でしょ」となると、話はだいぶ違ってくる。

私はご老人と同じくサッカーには無知だが、サッカーの2部と野球の2軍が全く別物だということは知っている。
根本的な「組織の構成」が、異なる。

それを根拠に、一人の英雄を斬るなど、介護が必要なほどの「無知」だ(これは差別用語かもしれませんので、謝罪しておきます。私は傲慢なご老人とは違うので、すぐに謝ります)。


本当に、無知、無知。


私がそう言ったら、獅童氏が、「そういえば、最近の俺はムチムチの女の子が好きなんですよね。去年までは、スレンダー美女が好きだったんですけどね」と言いやがった。

すっ〜ご〜く話が飛びましたね。

そのあと、獅童氏が、10人近い人の名を挙げたのだが、私は、その方々をほとんど知らなかった。
おそらく、ポッチャリの女優さん、タレントさんなのだろう。

ただ、深田恭子さんだけは、知っていた。

ああ、いいですねえ、と私が言ったら、獅童氏が、ハイファイブを求めた。
獅童氏が右手、私は左手。

イエーィ!


(痛ッ!)



帰りの中央線の車両の隅っこで、ひとり泣いた私だった。





ところで、私はウッカリさんだ。
サーバーの使用料金が消費税分上がっていたことを知らずに、以前の料金を振り込んでしまった。
だから、ホームページとブログが止まった。

止まったとしても、誰も困っていないとは思いますが、一応謝らせていただきます。


弁解の余地もございません。
深く反省しております。


2015/04/18 AM 06:26:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | [Macなできごと]

オチなかったオチ
ここだけの話ですが、右目の調子が悪い。

光は感じるのだが、ほとんどのものがボヤけて、靄がかかった幽体物にしか見えない。
要するに、右目だけ役に立たない。

「眼科に行けよ」という天使の囁きが絶えず聞こえているのだが、眼科に行ったら、検査の後、悪徳メガネ屋を紹介されて、天文学的なメガネ代金やコンタクト代金を請求されるのではないかと不安になって、夜も眠れない。
メシも喉を通らない。
2キロ太った。

だから、眼科に行ってきた(あれ? オチてない?)。

検査の後、「視力、だいぶ落ちてますねえ」と言われた。

まあ、だから、来たくもない眼科に来たんですがね。

2百メートル離れたマサイ族とジャンケンができそうな視力8の眼科医に、「もっと詳しい検査は、機器の揃った大病院でないとできないです」と、深刻な顔で言われた。
そして、「ただ、私の経験上、これは、ストレスからくる視力低下のような気がしますがね」とも言われた。
「だから、心療内科の分野かもしれません」と、胡散臭さ100%の真顔で追い討ちをかけられた。

「病院を紹介しますので、そちらで検査を受けてください」

そうですかぁ。
じゃあ、面倒くさいので、見えなくてもいいです。

だって、私にストレスなんぞ、あるわけがない〜んだから〜。


ヨメが無言で、「カネ稼げ! 働け働け!」と圧力をかける。
大学2年の娘が、「学費よこせ! 教科書代、早く出せ!」と脅す。

2歳年下の極道コピーライター・ススキダが「年上なら年上らしく威厳を見せろ! オラオラァ!」と威嚇する。
10歳年下の杉並の顔デカ社長が、「仕事出すからよお!」と、でかい顔を近づける。

オンボロアパートの庭に住み着いた猫の「セキトリ」が、「メシがマンネリだな。工夫しろよ!」と上目遣いで睨む。
4月から、ケチャップ、食用油、乳製品、インスタントコーヒーの値段が上がった。

私が不在のとき、大切にしていた食器を皿洗いの最中に、2枚割られた。
友人に「お茶をこぼしたら起動しなくなった」と泣きつかれ、ノートパソコンを1ヶ月かけて直して返したら、その日のうちに、今度は缶コーヒーをぶちまけやがった(嫌がらせか)。

毎週楽しみにしていた柴咲コウ様主演の「○○妻」が終わった。しかも、最後にコウ様が死んだ。泣いた。
年が明けて3ヶ月以上経つのに、友人金子の娘・ショウコに「お年玉、まだもらってないんだけど」と押しかけられて、3人分のお年玉をふんだくられた。

むかし埼玉の団地のゴミ捨て場に捨ててあったアコースティックギターを拾って、修理して今も使っていた。しかし、昨日弾いたら、全部の弦がネックの上の部分から切れた。左指を怪我した。

そして、極めつけはこれ。
5年間乗った愛車(自転車)で武蔵境駅近くの駐輪場に行こうとしたとき、工事中の段差を乗り越えた途端、奇跡的に前輪後輪が同時にパンクした。
自転車屋さんに持っていったら、「二つともタイヤとチューブを代えなければダメですねぇ。両方で8千円」と言われた。

8千円あれば、メイド・イン・チャイナの新品自転車が買える。
新しいのを買おうと思ったが、私のは国産なので、いまさらグレードを落とすのは、プライドと矜持と自尊心が許さなかった。
だから、言われた通りタイヤを替えることにした。

サドルもボロボロで、剥がれた部分をガムテープで止めて使っていた。
それを見た店の人に、「このサドルでは、お尻が可哀想でしょう」と言われた。

確かに、このサドルでは「サトルのケツ」が可哀想なので、ケツに優しいサドルに「サトルのサドル」を替えてもらった。
トータル1万円以上の出費だった。

営業に持ち歩くバッグがボロボロだったので、買い換えるつもりだったが、諦めた。
バッグと同じ色の頑丈な糸を買って、綻びを縫い付けて使うことにした(不器用だから苦労した)。
取引先の人に、「すっごいオリジナルバッグですね」と、産業廃棄物を見るような目で言われた。


私にとって、これらはストレスでもなんでもない。
娯楽だ。
毎日が楽しくて楽しくて仕方がない。

それに、右耳が聞こえず、右目が見えない、という場合、都合のいいこともある。

たとえば、ヨメの文句を聞くとき、右側に立ってもらえば、文句はあまり聞こえないし、姿も見えない。
ススキダと仕事の打ち合わせをするとき、右斜め前に座らせれば、醜い極道顔を直視しないで済む。

あるいは、右側を宇宙人やオバケや稲川淳二氏が通り過ぎても、気づかないから怖くない。
たとえば、右側で落とし穴に人が落ちたとしても、気づかないから助けなくても心は痛まない。


ただ、困ることがひとつだけある。

3D映画を観るための3Dメガネが、全く役に立たないことだ。
そして、サラウンド音声が、サラウンドに聴こえない。

ただ、私は3D映画を観たことがない。
これからも、観る予定はない。

本気で困ってはいない。


だから、時間ができたら、病院で検査を受けてみようかと思う。
(あれ? これもオチない)



2015/04/12 AM 07:34:15 | Comment(1) | TrackBack(0) | [日記]

優香観音様のお許し
当たり前のことだが、こちらが仕事をドタキャンすることはないが、得意先には、ドタキャンされることが稀にある。

今回もドタキャンされた。

朝8時55分、家を出て武蔵境から中央線に乗って、阿佐ケ谷駅に着いたあたりで、iPhoneが震えたが、電車内だったので新宿に降りたってから留守番電話を聞いた。

中央区新川の得意先からだった。
「資料を全部取り替えることになりましたので、全く新しい仕事として、打ち合わせをし直しましょう。資料が揃ったら、お知らせします」

もちろん、そのことに関して、私は異議を唱える立場にはございません。
仰る通りに致します。
ただ、昨日のうちに電話をしていただけたらよかったのに……とは思いましたが。

いま、慌ててやらなければならない仕事はない。

これは、神様が、休め、と言っているのかもしれない。

じゃあ、まずはどこかの吉野家さんで、朝定食でも食いましょうかね。
朝は、でかいネギ味噌オニギリ1個を食ってきたが、まだ全然足りない。

納豆定食を食ってから、そのあとのスケジュールを考えましょう。
新宿駅で降りて、吉野家さんに入ることにした。

しかし、すぐに気が変わった。

小諸そばの看板を見てしまったからだ。

ある時期、「太ろう、太らなければ、太ってやるんだから」という欲求に凝り固まっていたとき、小諸そばの二段かき揚げ丼をよく食った。
もちろん、二段かき揚げ丼などというのはメニューにないのだが、無理にお願いして作ってもらったのだ。

ご飯にツユを大量にかけたあとで、掻き揚げを二つ乗せてもらった(掻き揚げにツユをかけると、フニャフニャになってしまうので)。
厨房のお兄さん、オジさん、オバちゃんからは、毎回のように、「えー!(面倒くせえな)」というリアクションをいただいたが、結果的に要望は叶えてもらった。

今回も、それをお願いしてみようかと思った。
今回は、二段を要求しなかったが、ツユだくで、とお願いした。

「えー!(面倒くせえな)」
露骨に拒否反応は示さなかったが、眉間にシワはよっていた。

申し訳ございませぬ。
美味しくいただきました。

満腹でございます。

腹が満ちたら眠くなるのは、人間であらせられる聖徳太子様でも同じ。
聖徳太子であらぬ我など、况んや凡夫においておや(なぜ古文?)。

ということで、どこかで睡眠天国に溺れようかと思った。
デイユースのホテルを思い浮かべたが、新宿のホテルは高そうなのでやめた。
そして、どうせ眠るだけなら、インターネット喫茶でもよかろう、という安易なことを考えた。

新宿には、インターネット喫茶が多そうだが、混んでいる帰宅時の中央線に乗りたくなかったので、武蔵境駅まで戻ることにした。

武蔵境近辺には、国際基督教大学(佳子さまご入学)、亜細亜大学、武蔵野大学、日本獣医生命科学大学、ルーテル学院大学などがあって、若者が多くいるにも関わらず、インターネット喫茶が1店舗しかなかった。

私は、その1店舗がいつも気になっていたのだ。
だから、そこに入った。

禁煙のフラットシートが空いていたので、それを選んだ。
180センチの私にとって、膝を曲げなければ横になれない空間は窮屈だったが、こんなことで文句を言う大人にはなりたくない。

おとなしく眠った。
3時間のつもりだったが、5時間半眠った。

パソコンも使わず、漫画も読まず、無料のドリンクも飲まず、ただ眠っただけで、インターネット喫茶を出た。
そういえば、過去4回ほどインターネット喫茶を利用したことがあるが、睡眠以外のことをした記憶がない。
この利用方法が正しいのかどうか、私には自信がない。

外の空気を吸ってすぐ、昼メシを食っていないことを思い出した。

午後5時10分前。
昼メシを食う時間帯ではないが、自分が昼メシだと思えば、それは昼メシだ。

「すきっぷ通り」に、「餃子の満州」があったのを思い出して、入ることにした。
店内は5時前ということもあって、客は2人だけだった。

そして、そのうちの一人が、偶然にも顔見知りだった。

しかも、その方は、私の主治医の優香観音様!

まさか、こんな場末の餃子専門店で、お会いできるとは。

先方も私に気づいて、会釈をしてくれた。
そして、その仕草に、私は気を失いそうになったのだが、テーブルの向かいの席を指し示して、「よろしかったら、どうですか?」とまで言っていただいたのである。

半分気を失いながら、前の席に腰を下ろした。
気を失っていたせいだと思うが、私は優香観音様に、「ダブル餃子定食、スープ抜きで」と注文してしまったのだ。

優香観音様は、お怒りにならずに、「わかりました」と言って、店員を呼んで、注文してくださった。
自分のした無礼に気づいたとき、顔が赤くなった。

しかし、そんなことはまったく意に介さない医者の顔になって、優香観音様が「体調は安定していますか」と聞いてきた。

一ヶ月に一回、受診しているが、最近の数値は、ほぼ正常範囲内を維持していた。
「おかげさまで、20キロ走れるまで回復しました」と答えた。

優香観音様が、「Mさんは、感心するくらいストイックですからね」と言った。

私は、理由があって、ストイックを母親のお腹の中に忘れてきた人間だが、ここでそれを否定したら、優香観音様の機嫌を損ねるかもしれないと思ったので、にこやかに、ありがとうございます、身に余るお言葉を頂戴しまして、と答えた。

そして、頭を下げたついでに、優香観音様がお食べになられているものを観察した。
かた焼きそばと生ビール。

な、生ビール!
5時前から、生ビール!

私の顔が、羨ましさ全開に見えたのだろう。
優香観音様が、少しばつの悪そうな顔になって、上目遣いで私を見た。

美女の上目遣いはいい! ということを発見した。

その上目遣いのまま、「あれ……ですね。Mさんは、意志が強いので、一日ワイン一杯くらいなら、もう飲んでも大丈夫かもしれませんね」と言った。

その「いっぱい」は、「a lot of」ではなく、「one cup of」の方ですか?

「それは……もちろんです」

2015年4月3日、午後5時7分、主治医でおわす優香観音様から、お許しが出た!


ということで、先週の土曜日から、毎晩グラスワインを1杯、体内に注入しております。

私は、理由があって、「意志の強さ」を母親のお腹の中に忘れてきた男だが、今回の優香観音様の言いつけだけは守ろうと思っている。

晩メシ前に飲むグラスワインが喉を通るときの幸福感、爽快感は、まるで赤い色をしたブドウ味のアルコールが、喉を通っているような感覚だった。


晩メシの「長崎トルコライス」が、美味でございます!




2015/04/06 AM 07:16:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | [Macなできごと]



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