Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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お約束の熱
桜は満開。

東京武蔵野は満開。
横浜港北区も満開。

「満開だから、見に来てくださいよ」とポニーテールさんに誘われた。
「見に来て」と言われても、もう中央線武蔵境駅の桜並木を満喫したから、別にいいよ、と言ったのだが、ポニーテールさんから「親子の縁を切るぞ」と脅されたので、涙目になりながら行ってきた。

ただ、お断りしておくが、私とポニーテールさんは親子ではない。
親子もどきだ。

奄美大島という羨ましいほどのいい環境で育ったポニーテールさんは、誰も知り合いがいないのに、高校を卒業するとすぐ東京に紛れ込んできたのである。
そして、都会に幻滅を感じ始めた3年目に、横浜根岸森林公園で、シラガのガイコツに出会った。

すると、なぜか私にすぐになついたポニーテールさんは、私を「キリンおやじ」(首が長いから)と呼んで、強引に私を「東京での親代わり」に仕立て上げる暴挙に出たのだ。
そのポニーテールさんは、昨年の春、横浜戸塚生まれの「ちっちゃい男」(差別用語を使ってしまいました。謹んでお詫び申し上げます)と結婚して、いま人妻のポジションにいた。

幸せですか、と聞いたら、「つまらないことを聞くなよ、キリンおやじ!」と言い返す様は、出会った頃の初々しさはカケラもなく、「安定」を手にした女の自信に満ち溢れていた。

随分、偉そうではないか。
そんな偉そうな態度は、子どもを産んでからにして欲しいね。
(マタニティハラスメント用語を使ってしまいました。謹んでお詫び申し上げます)

「まだ産んではいないけど、できたんだもんね!」

できたんだもんね?
まだ膿んではいないが、できものができたということか?
これから痛くなるかもな。

「ベイビーに決まってるだろうが!」

つまり……やったぜ、ベイビー! ってことか?

「それは、昭和の流行語か?」

いや、アメリカ南北戦争の頃だな。
カスター中佐が、流行らせたんだ。

「それ、全然面白くないよ」と無情のダメだし。

(うろたえながら)で………いま何ヶ月だ?

「安定の5ヶ月だぁ!」

それは……おめでとうございます(涙目)。

「だから、桜を見に来てくださいまし」

おくんなまし?

「くださいまし!」

という軽いコントを演じたあとで、東横線大倉山駅から徒歩16分のポニーテールさんとちっちゃい男・クロサワの暮らすアパートに行ってきた。

私の顔を見るなり、ポニーテールさんが、「キリンおやじ、太った痩せた、どっち?」と聞いてきた。
俺は、1.7キロ太った、と答えた。

「勝ったぞ、私は7キロ太ったからね。人生で初の50キロ超えだ! まだまだ太るぞお!」

ポニーテールさんの身長は、155センチあるかないか。
体重は、だいたい45キロ前後をキープしていたらしい。

それが、50キロを超えたというのだ。
それは、おめでとうございます。
確かに、全体が丸まっていたかな……。

「でも、あまり太りすぎるのも良くないんですよね」と、クロサワが真面目な顔で異を唱えた。

身長180センチの私から見ると、まるで微生物のような存在だが、その微生物は性格が温厚で気配りが体を支配している男なので、まったく不快感はない。

品格という言葉が一番似合わない私と比べたら、その品格のレベルは、確実にメジャーリーグで「殿堂入り」してもいいクラスだ。
3千本安打も300本塁打も300盗塁も3333三振も成し遂げてはいないが、彼は品格だけで殿堂入りする資格を持っている男と言っていい。

その男が、「大倉山公園に行きましょ。桜が綺麗ですから」と言ったのである。
しかし、私は、大倉山公園に、いい思い出がないのです。

結婚して数年間、横浜日吉に住んでいた頃のことだが、私たち夫婦は、たまに大倉山公園に足を運び、有名な梅園を散策したりした。
だが、私はそのあと大概、熱を出したのですよ。

もちろん、「鉄人」である私は、そんなことで仕事を休むことはしなかったが、61パーセントの確率で熱は出した。

大倉山公園の「熱の妖精」が、その都度、私に取り憑いて、天使のように純粋な私がそれに反応したのだろうが、そこは間違いなく私の貴重な時間を奪い取った「悪夢のエリア」だった。

そんな風に、大倉山公園に行くことを遠まわしに拒否したら、クロサワが、「大丈夫ですよ。そのときと今では、時代が変わっています。21世紀に、そんな非現実的な現象は起きませんから」と、真顔で私に説教をしたのである。

そんなことを真顔で言われたら、こちらも真顔で「どすこい!」と言うしかないので、悪夢の大倉山公園に3人(プラス0.5人)で行かざるを得なくなった。

桜は満開。
有名な梅ほどの数はないが、上品な枝ぶりの桜が多くて、目の保養にはなった。

見覚えのある、趣ゆたかな大倉山記念館の前で記念撮影。
そのあと、私がポニーテールさんに、ほとんどのレシピを伝授したお弁当を公園の隅っこで食いながら、楽しいときを過ごした。

「今年の夏には、赤ちゃんが、私の腕にいるんだよね」
「そうだよね。夢のようだね」
「夢じゃないよね。キリンおやじ、夢じゃないんだよね!」

はいはい、夢ではございませんよぉ。

悪夢かもしれませんけどねえ………。

……というような、リアルに充実した二人の姿を目に焼き付けて、大倉山公園を後にしたシラガのキリンおやじでした。




そして……昨日から、37.7度の熱が出てるんですけど、これって、誰に文句を言えばいいんですかね。


この大倉山には、知人の極道コピーライター・ススキダの事務所があった。


この熱は、つまり、ススキダの呪いということかもしれない。


除霊の費用を請求することにしようか。



2015/03/31 AM 07:30:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | [日記]

「壁ドン」はできない
ガリガリのガイコツから、ひとこと言わせていただきます。

恒例の同業者との飲み会で、カロリーの話題が出た。
毎日新聞に掲載された「20代女性のカロリー摂取が少なくて危険である」という記事だった。

それは、私もネットの記事で読んだ。
20代女性の1日のカロリー摂取量が1600キロカロリー前半で、それは第2次世界大戦後の日本女性の摂取するカロリーより少なく、平均2100キロカロリーを摂取する北朝鮮よりも少ない、と警鐘を鳴らす記事だった。
これは、先進国としては、かなり特殊な数値らしい。

「何ででしょうかね? そんなに痩せたいって、病的ですよね」
「逆に、恵まれすぎているってことでしょ」
「そうそう」

いつも思うのだが、この種の記事を鵜呑みにできる人が、私は羨ましい。
戦後のGHQ(連合国総司令部)が関わったであろう日本人のカロリー摂取の統計が正確であるという保証はない。
そして、北朝鮮が公表する数値が正確であるという保証もない。

さらに、先進国としては特殊、というが、たとえば欧米社会では、モデルの細い体型に憧れて、拒食症になる女性の割合が、日本よりも多いと聞く。
それらの現実も考慮に入れたら、単純に「今の日本の若い女性は危ない」とは言えないような気が、私はするのだが。

それは、少年犯罪が報道されるとすぐ、「少年の凶悪犯罪が増えたから、少年法を改訂せよ」という無理やりな議論に似ている。
少年の凶悪犯罪は、昔と比べれば、はるかに減少しているのをご存知ですか。

インターネットがない時代と、インターネットが24時間情報を垂れ流す現代とは、情報の質が違うのですよ。

そんなことを私が言うと、「Mさんは、物事をまっすぐ見ないよね。いつも、ねじ曲げて見てるよね」と非難される。
「それにさあ、そんなに痩せていて不健康だよね。見ていて痛々しいよ」という非難が続く。

痩せている、イコール不健康。
実に、愚かで短絡的だ。

では、あなたがたは、20キロを1時間20分で走れますか。
腹筋が割れていますか。
体脂肪が10パーセントを切っていますか。

「えー! シラガの旦那、10パーセントないのお! 腹筋割れてるのお! 20キロ走れるのお! 鉄人じゃないですか! 尊敬するわ!」
馴染みになった居酒屋の店長代理、片エクボさんが、私の右肩を揺さぶった。

「外見はガイコツだけど、中身は鉄人だなんて、そのギャップに、やられたわあ!」

そうですか。
やられましたか。
私は、やったおぼえはないんですがね。

「まあ………やったやらないは別にして、尊敬はしますよね」
また、右肩を揺さぶられた。

もしかしたら、片エクボさんは、私の右肩が好きなのかもしれない。
今度からは、右肩を重点的に鍛えることにしようか。

「でも、Mさん、どう見たってガリガリですよね。もっと食べたほうがいいですよ」
人類史上、最も馬に激似の「お馬さん」が、ヒヒーン、と言った。

しかしですね。
冒頭の毎日新聞の記事の中で、若い女性の一人が「一汁三菜を作って食べるような時間や気力があるなら、それを別のものに使いたい」ということを述べていたのだが、私には、それが実によくわかるのだ。

フリーランスは、仕事が1番。
次が睡眠。
最後が栄養だ、と私は思っている。

出来上がった仕事をクライアントに渡さなければ、福沢さんや野口さんの顔を拝むことはできない。
福沢さん、野口さんをいただくことが何よりも優先される悲しくも気高い職業。
毎月同じ日に、ほぼ同じ額の福沢さんたちとお会いできる職業には憧れるが、今の職業を選んでしまった以上、羨ましがってばかりでは、前に進めない。

だから、安定した状態で、福沢さんを拝みたいがために、オンボロアパートにこもって、液晶画面に食らいついてキーボードと格闘している。
そして、疲れたら眠る。

腹が減ったとしても、眠ってしまえば、腹が減ったことなど忘れる。
私にとって、食い物は「友」ではなく、眠りこそが「友」である。

そんな暮らしを16年間続けてきた。
あんたらは、そんな俺の16年間を否定するのか!

ああ! 上等じゃないか、表へ出ろ!

……というようなお茶目な三文芝居を演じてみたのだが、同業者は、それを本気に受け取ったらしく、誰もが青ざめた。

いつもは冷静な最長老のオオサワさんでさえ、口から泡を吹きそうな顔をしていた。

ジョ、ジョーダンでございますのに………。

「ま、まあ……あれですよね。本来なら俺たちみたいなメタボが不健康ってのが普通なのに、運動もしてスリムなMさんが、アレコレ言われる謂れはないですもんね、ハハハ」
若い頃は相当のワルだったカマタさんが、怯えた目をしながらフォローしてくれたので、同業者も怯えながら、互いの顔を見ながら頷きあい、理解してくれた。

そこで、この話は、一件落着かと思われた。

しかし、居酒屋の片エクボさんが、みんなの顔を見回しながら、無邪気に言ったのだ。

「でもさ……シラガの旦那、最近アルコールやめてるよね。それって、不健康ってことじゃないの? ねえ、違う? 違う? ん?」


(一同) …………………。


おお! 上等じゃないか!

壁を背にして立ってみろ!

「壁ドン!」してやろうじゃないか!

両手で壁ドンしてやろうじゃないか!



「はい、いいですけど……」

本当に、壁に背を向けやがった。



そこは、拒否するところでしょうに……。

申し訳ありません。

私が悪うございました。


2015/03/24 AM 07:41:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | [Macなできごと]

社長の圧力
東京杉並の顔デカ社長と仕事の打ち合わせをした。

顔を合わせるなり、「血色が戻ったな。目にも力が戻って、まあまあじゃねえか」と言われた。

ボチボチでんがな。

打ち合わせは、午前10時に始まって、11時20分には終わった。
仕事は、リフォームのキャンペーンチラシだ。

これは、新聞の折込ではなく、ポスティング用だ。
5万部作って、アルバイトに配らせる。
2度目だから、戸惑うことはない。

「腹減ったな」と顔デカ社長。
「すぐ近所に、ラーメン屋ができたんだが、ラーメンは嫌いか?」

でかい声で、いらっしゃいませー! と怒鳴らない店ならいいですね。
あと、厨房のお兄さんの眉間にシワがよってないこと。
ラーメン以外にもメニューがあること。
客が会話もせず、飼い慣らされた豚のようにラーメンにかぶりついてるラーメン屋でなければ、好きでございます。

「なんか、面倒くせえな。ようするに、嫌いってことか?」

いえ……ようするにですね……客にテメエの価値観を押しつけないラーメン屋は、大好きということです。

「ああ、それなら、俺もわかる」
ラーメン屋ではないが、顔デカ社長には、外食に関して、トラウマがあるのだという。

昔、上野のカレー屋に入ったところ、その店は客に水を出さないのをポリシーにしていたらしい。
水を要求したら、無言で壁の注意書きを顎でクイッと示されたものだから、「この野郎! 初めての客にそんなことわかるか! 入口に書いておけ!」と抗議したら、「うるせえ! だったら帰れ!」と喧嘩になったという。

寿司屋に入って、カウンターで握りを食っていたら、店主から「あんた、食べるの早すぎだよ」と文句を言われて喧嘩になった。
料理屋の個室で一人でメシを食っていたら、まだ15分も経っていないのに、女将がやってきて「混んできたので、早く食べて他の人に譲ってくださいよ」と催促されて喧嘩になった。
料理屋で「おまかせコース」を頼んだら、4品出てきたところで、「材料が傷んでいるから、今日はもうおしまい」と宣言され、「じゃあ、白米だけでも食わせて欲しい」と頼んだら、「うちは米屋じゃなくて料理屋だから、それはできない」と言われて、喧嘩になった。

他にも色々と修羅場を演じて、顔デカ社長は、外食を控えるようになった。
家で食うのは、中華料理屋とピザ屋、ガストのデリバリーだけ。
朝はコンビニ弁当、昼は仕出し弁当だ。

「もう5年以上、外でメシを食ったことがないな。悪いが、久しぶりの外食に付き合ってくれねえか」

いいともー!

昼メシ前なので、店は空いていた。
15人程度が座れるカウンターに、客が3人。

しかし、怒鳴り声の「いらっしゃいませー!」。
顔デカ社長と顔を見合わせた。

厨房のお兄さん2人を見ると、ハチマキの下の眉間に、見事なシワがよっていた。
ご苦労様でございます。

券売機はなく、口頭で注文するシステムだ。
メニューを見ると、醤油とんこつが主流らしい。
それに、野菜やら煮玉子やらチャーシューをトッピングする形式のようだ。
しかし、メニューは文字だけで、商品画像がないから、具体的なイメージがわかない。

壁に大きなポスターが貼ってあって、「爆盛りラーメン」という文字とともに、モヤシがテンコ盛り、チャーシュー8枚、煮玉子プラス海苔が乗っていることが理解出来るだけで、普通のラーメンが、どんな表情をしているか想像することができない。

そこで、顔デカ社長が、フロアの店員を呼んで、「普通の醤油とんこつは、どんな感じなんだい?」と聞いた。

すると店員が、「チャーシュー、ネギ、メンマ、海苔」と答えた。
実に簡潔なお答えであった。

「麺は太いのかい? 細いのかい?」
それに対して、店員は素っ気なく「普通」と答えた。
これも、実に簡潔だ。

つべこべ言わずに、早く注文しろよ、ということかもしれない。

では、ワタクシは、その普通の醤油とんこつで、とお願いしようとしたとき、厨房の眉間しわ寄せ男が、店員に向かって「おい、ミゾグチ、そろそろ混み始めるから、気合い入れていけよ!」と怒鳴ったのである。

目の前の客が注文しようとしているときに、話の腰を折って、いきなり、気合い入れていけよ? 
注文しようとしたのに、店員さんは、気合いを入れるために、我々から離れていったのです。

気合いと客と、どっちが大事なのでしょう?
客も注文するときは、気合いを入れなければダメだということなんですかね。

顔デカ社長が、舌打ち混じりに、「普通のラーメンと無料のライスでいいか?」と聞いてきたので、怯えながら、ハイでございます、と答えた。

顔デカ社長が、店員さんを呼んで、「あのよ、醤油とんこつとな……」と言った。
それに対して、店員は、「ニンニクの量は、どうしますか」と注文を全部聞かずに言葉をかぶせてきた。

ニンニク?
さあ、聞いてませんよぉ。

「ニンニクってなんだ? メニューに書いてあったか?」

店員が、これも素っ気なく「常連さんは、ニンニク多めを頼みます」と答えた。
おそらく、店員さんは、親切心から教えてくれたものだと思われる。

それを聞いて、「俺たち、初めてだから、わかんねえわな。面倒くせえな」とつぶやいてしまった顔デカ社長。

それに対して、店員は、ぶっきらぼうに「面倒くさいのなら、他に行けば?」と、顔デカ社長と同じトーンでつぶやいた。

あんらまー、すごい店に来てしまったようだ。

面倒くさいのなら、他に行けば。

この言葉を聞いた人の67%は、店員が客に喧嘩を売っていると思うだろう。
世の中には、客に言ってはいけない言葉が3万種類はある、と私は思っている。
この言葉は、間違いなく、その中に入っているのではないだろうか。

顔デカ社長が、爆発する前に、私が手を挙げた。

スミマセン。
店長さんは、いらっしゃいますか?

厨房内のハチマキ眉間しわ寄せ男が、「はい」と答えた。

では、店員さん。
私たちに言ったのと同じことを、いま店長さんに仰ってください。

「や……あのー」
店員から立ち上る空気が、先ほどとは明らかに違っていた。
170センチの身長が、17センチに萎んだように見えた。

「あ………そ……の」

「何だよ、ミゾグチ、おまえ、なんて言ったんだ!」

小さなため息とともに、下を向く店員。

おやおや、店長さんの怖い顔を見たら、自分の言ったことを忘れてしまったようですね。

スミマセン。
お手間を取らせました。
普通の醤油とんこつと無料ライスの大盛りを二つずつお願いします。

ラーメンが運ばれてくる間、13秒に1回、顔デカ社長が、店員と店長に向かってガンを飛ばしていたのだが、これが営業妨害になるかどうか、インターネットで調べてみたのだが、そこまで親切に書いてあるサイトは見つからなかった。

無言で運ばれてきたラーメンは、美味かった。
マルちゃんの正麺・とんこつ味より、麺は5ポイント点数が低いが、スープは10ポイント上を行っていた。
つまり、プラス5ポイント正麺より美味かった。

店員の非常識な対応については、店の名前を晒すことでお仕置きをすべきかとも思ったが、顔デカ社長の存在を忘れてはいけない。

かつて数々の武勇伝を演じてきた顔デカ社長の目に見えない「圧力」が、今回もマイナスに作用した可能性もありうる。
「無言の圧」ほど、怖いものはない。

ここは、むしろ、店員さんに、同情すべきなのかもしれない、とも思った。

なぜか店長さんから、代金の支払いを拒否されるという仕打ちを受けて、店の外に出た顔デカ社長が、こう言った。
「きっと俺が原因なんだろうな。俺の何かが店員をいつも刺激するんだよな。楽しくメシが食えない空気を俺が出してるんだよな。そう思わないと、説明がつかないもんな」

打ちひしがれている、というほどではないが、顔デカ社長の顔は、どこか寂しげだった。

しかし、ですね、社長。
人に絶えずプレッシャーをかける人間は、今の時代、必要だと思いますよ。

所属議員の半分以上が世襲の自民党おぼっちゃま集団が主流の社会では、ネットウヨクさえも世襲になって、世間の空気がヌルくなっています。

ウン……ホントですよ。

俺は、社長の顔を見るたびに、眠気が飛びますからね。
眠気覚ましにスルメを噛むより、はるかにシャキッとしますよ。

だから、ありがたい存在なんですよね、社長って。


「つまり、俺は、スルメよりはマシってことかい?」

はい、まあ……少しは……ああ、ごちそうさまでございます。


ケツをグーで殴られた。


親父にも、ぶたれたことないのに!



2015/03/18 AM 08:01:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | [Macなできごと]

いっぱいいっぱい
カプセルホテルのハシゴ旅は、なかなか面白かった。

ただ眠っただけだったが、現実生活とは異質の空間にいるという高揚感が味わえたのは、心体のリフレッシュにはよかった。

カプセルホテルを利用したことがある知人からは、「音が丸聞こえなんだよね。いびきも聞こえるし、テレビの音や足音も聞こえるから、落ち着かないぞ」と脅されていた。

それは困るな、と思ったが、私にとって、それは無駄な心配だった。

寝つきが良すぎる私は、目を瞑れば、大抵10秒以内には眠れる。
眠ってしまえば、騒音など聞こえない。
朝8時過ぎまで、何の邪魔もなく眠ることができた。

カプセルホテルは、寝つきの悪い神経質な人には辛い宿泊場所かもしれないが、私のように「睡眠能力の高い」男には、安い分だけ快適だ。

やる気のないフロントスタッフの態度だけ我慢すれば、1ヶ月居続けてもいいくらいだ。

どれくらい快適だったかといえば、行く前の体重56.7キロが、帰ってきたときは58.5キロだったという事実が、それを証明している。

最近の私は、朝メシの割合5、昼メシ3、晩メシが2という配分で、食い物を摂取している。

今回の旅もそうだった。
朝メシ付きのホテルなら、朝メシを食ったあと、外で吉野家さんの納豆定食か焼魚定食を食う。
あるいは、松屋さんの定番朝定食。
(どうでもいいことだが、私は付属の味噌汁はいつも断っている。水分を摂りながらメシを食う習慣がないので)

朝メシが付いていない場合は、喫茶店のモーニングを食ったあとで、立ち食いソバ屋で月見そばを食う。
昼メシは、500円前後のランチを食う。

そして、晩メシは、イートインできるコンビニを探して、オニギリ2個とサラダを食うか、小さめのスーパーを見つけて、50パーセント引きの弁当を買って、カプセルホテルで食う。

それの繰り返しだった。

消費するカロリーより、摂取するカロリーの方が多いから太った。
実に単純な数式だ。

八百屋さんで、きゅうり3本を買って、それを洗ってもらい、歩きながら齧ったこともあった。
地味な商店街の肉屋さんで、コロッケを1個買って、「あっつあっつ」と言いながら歩いたこともあった。
ノンアルコールビールを飲みながら、焼き鳥を頬張って、鼻歌まじりに歩いたこともあった。

すべてが、新鮮だった。

そして、8軒の都会の銭湯を満喫した。
どれも最低1時間半は浸かっていた。
最初は、都会の銭湯の湯温の高さに驚いたが、すぐに慣れた。

サウナや露天風呂、ジェットバスがあるところもあって、そのコストパフォーマンスの高さに感激した。
お風呂屋さん、これで、儲かるんですか?

そして、熱い湯に浸かった風呂上りは、ビールよりも水の方が美味いことも発見した。

熱い湯が、体の老廃物を体外に排出してくれたからか、朝の目覚めは、いつも爽快だった。
いつもは絶えず目に疲れを感じていたが、5日の間、目の疲れを感じたことは一度もなかった。

ただ、家庭の湯を、いつもより熱くして入っても、同じような爽快感を朝感じなかったのは、開放感の質が違うからだろう。
家に帰ってから2日目には、いつもの疲れ目に戻っていた。

さらに楽しいことに、カプセル旅行の間は、まだ多少なりとも機能していた右目が、家に帰ってからは、光を感じる以外、ほとんど機能しなくなった。

右耳がお亡くなりになった次は、右目ですか。

気が向いたら、眼科に行くことにしよう。
(気が向くことは、おそらくないだろうが)


いつものことだが、私は外に出ると、必ず人様から道を聞かれる。
今回も、6日間で、17組(!)の方々から道を尋ねられた。
そのうちの4組は外人さんだった。

5日目の横浜では、野毛山動物園の坂の下あたりで、道を教えている最中に、その人たちの後ろに、もう1組が列に並ぶように待っていて、「俺は歩く交番か!」と心の中で突っ込んだ。

横浜市さん、お願いがあるのですが、みなとみらい・馬車道近辺専属の道先案内人として、雇っていただけないでしょうか。

おそらく私のお尻あたりから「道を聞いてくださいよ」オーラが、出ているのかもしれないと思った。
今度からは、お尻を隠して、街を歩くことにしようか。
少なくともパンツとズボンは履いたほうがいいだろう。


今回は、道を聞かれる以外、人様との会話は全くなかった。

会話は、大学1年の娘との電話だけ。

社会との根絶って、意外と快適なんだと思った。

しかし、その快適な根絶状態も、最終日に突然断たれることになった。


「あのよお、仕事があるんだけど、明日きてくれるかな?」

いいともー!
(いや、違う違う)

杉並の顔デカ社長からだった。

申し訳ありません。
わたくし、ただいまバカンスの真っ最中でございまして、すぐにお伺いするわけには参りませぬ。

「珍しいな、あんたが休むなんて。まあ、しかし、休んだほうがいいわな。この間なんか、病人みたいな疲れた顔してたしな」

いえいえ、私など、休んでばかりですよ。
人生の95パーセントは、休日でございます。

私がそう言うと、社長は、思いのほか上機嫌な軽い口調で、「もう、あんたとの付き合いは4年以上になるから、俺には、あんたの性格がわかるんだが、あんたが軽口を叩くときは、心も体も余裕がないときだよな。大丈夫か? 本当に休んでいるのか? 無理すんなよ」と言ったのである。

まさか、あの傍若無人、顔デカ星人の社長から、そんな優しい言葉をいただけるとは思っていなかった。

感動で体が震えた………ということはないが、鳥肌は立った。

そして、その鳥肌が、ケツの面積まで侵食しようとしていたとき、顔デカ社長が、さらに優しい声で言ったのだ。

「あんた、いっぱいいっぱい、じゃないのか。新しい仕事を頼もうかと思ったんだが、一ヶ月伸ばすことにしようか」


いっぱいいっぱい。
いっぱいオッパイ。


とても下品な光景を想像してしまったので、私は、それを打ち消すために、大丈夫です! いっぱい仕事をください! いっぱいいっぱい仕事をください! いっぱいいっぱい! と叫んだ。


それを聞いた社長が、呆れた空気を吐き出すように言った。

「なんか、『いっぱい』が、『オッパイ』に聞こえるんだが、気のせいか?」


(いえ、気のせいでは、ございませぬ。下品な私をお許し下さい)



昨日、顔デカ社長と仕事の打ち合わせをしたのだが、このおもろい話は、次回に続きます。




4年の歳月の重みに思いを巡らせて・・・・・黙祷。


2015/03/11 AM 07:59:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | [Macなできごと]

カプセル旅行
2日前から放浪中。


贅沢な悩みだが、仕事が忙しかった。


甘えていると取られそうだが、休みたかった。


今年はまだ「おふろの王様」には行ってないし、ランニングもしていない。


餃子パーティをする暇もない。


そろそろ、心の内蔵電池の取り替えどきだ。


ウジウジと話が堂々巡りするのが嫌いな私は、休むことにした。


だから、急ぎの仕事は、稲城市の同業者に丸投げした。


そして、5回生まれ変わっても、私への恩が返せないほど、「恩義の負債」を抱えたタカダ君(通称ダルマ)にも、丸投げした。


そのなかの一部は、極道コピーライターのススキダに回して、借りを作ってやった。


酒が飲みたいなあ。


目の前に酒があって、誰にも見られていなくても、決して私は飲まないだろうが、酒が飲みたいな。


いかん! 堂々巡りをしてしまった。


そこで、心のスパイラルを断ち切るために、私は一度利用してみたいと思っていたカプセルホテルのハシゴをする計画を立てた。


カプセルホテルでは、ただ寝るだけ。


何もする気はないし、建設的生産性のあることは何一つやらない。
(繁華街を徘徊した。都会の銭湯のハシゴもした。今日もする予定)


期間は、5日間だ。
(ヨメには、長期出張と言ってある)


決して、私を探さないでください。


とは言っても、どこかのカプセルホテルには、必ずいますけどね。
(神田、新橋、赤坂、川崎、横浜あたり)


家族の5日分の晩メシを作って、冷凍庫へ格納。


月曜の朝、コッソリと出発した。


(*^ω^*)パンツ忘れた!


百円ショップで買った。



(初めて、iPad Air で投稿してみました。文字化けしないことを祈ります)



さて、10時のチェックアウトまで、また眠りまする。


おやすみなさい。



2015/03/04 AM 07:27:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | [Macなできごと]



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