Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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7時間の活用法
ホテルのデイユース・プランを利用するのは2回目だ。

武蔵野のオンボロ・アパートから約2 . 5キロ。
徒歩25分程度のところに、そのホテルはあった。

12時から19時まで部屋を借りて、6千円。
もちろん、普通の感覚で言えば、高い値段だ。
休むなら、家で休めばいいではないか、という非難を浴びせる野次馬が大勢いるのは知っている。

だが、本当の安らぎを買えるのなら、私はそれが高いとは思わない。
そして、私は、その場所で、その時間、確実に安らいでいるのだ。

「しかし、寝るだけなら、インターネットカフェでもいいだろうし、そっちの方が安くないか」と余計なことを言うノナカのようなアホもいる。

もちろん、安さと手軽さを考慮したら、インターネットカフェは魅力的である。
寝るだけなら、安い方を取った方が合理的だ。

それは、わかる。

ただ、空間の独占感というのがある。
インターネットカフェは、そこが希薄だ。
拒否できない音が、無遠慮に押し寄せてくる場合がある。

ホテルでは、その拒否できない音が最小限に抑えられている。
つまり、そこでは確実に、一人分としては充分に広い空間を私的に平穏に所有できる。

それは、充実した睡眠を得るために、今の私が一番必要としているものだ。
私は相当にビンボーだが、充実した休息のために、この空間に高い対価を支払うのは、やむを得ないと思っている。

7時間のうち、おそらく5時間以上を睡眠に使った。
それは、質の高い睡眠だった。

そして、残りの時間は、ソファに座って窓の外を眺め「無」になった。

何も食わない。
家から持ってきたマグ・ポットに入れたホット・コーヒーを飲むだけである。

無ではあるが、自分の心臓の鼓動や呼吸は意識している。
ときどき脈が飛ぶが、これはいつものことなので気にしない。
息苦しくならないので、呼吸は正常なのだと思う。

つまり、生物として機能しているということだ。

家で仕事をしているときは、当たり前のことだが、鼓動も呼吸も意識しない。
仕事を遅滞なく進行させることだけに集中している。

だが、以前の私なら、疲れなどは、ほったらかしにして、ぶっ続けで仕事をしたものだが、今の私は別人である。
疲れを感じる前に、仕事場の隅に置いた独り用のテントに入り、毛布にくるまって20分ほど仮眠を取るのだ。

医者から「働くのはいいですけど、適度な休息を毎日必ず数回とってください」と圧力をかけられているせいだ。
それに、わざわざテントで寝るのは、私が、疲れて眠りこけている姿を家族に見せたくない、という変態体質から来ている。

あからさまな「睡眠不足自慢」はしないが、おそらく同年代の同業者の話から推測すると、半分くらいだと思う。

ただ、これにも変態的な理由があって、私は自分が極端な「ナマケモノ」だという認識が強い生き物なので、一度休んだら、死ぬまで休み続けるのではないかという恐怖心を絶えず持っている。

それを避けるために、同業者から、どんな仕事のおこぼれでも毟り取ることを私は最大の趣味にしている。
そうしないと、私は本当のナマケモノ亜目化するとの強迫観念から逃れることができないからだ。

その結果、この夏のはじめに、突然の不調に襲われて、優香さん似の女医さんとの運命的な出会いをすることになったのだが、残念ながら、ベタなドラマのような展開にならなかったのは、私にシナリオを作る能力が欠けていたからだろう。
(どうでもいい話?)


早足で帰宅して、すぐ晩メシづくり。

遅いので、凝ったものは作らない。
以前作って冷凍しておいたシチューを温め、シーフードミックスのアヒージョと庭のプランターで作ったレタスのサラダに、自家製低塩バターを使ったガーリック・トーストを付けたものだ。
これを30分以内に作って、8時前に、家族で食った。

家族にとっては、「普通の一日」だろうが、私にとっては、極めて楽しい一日だった。


12時50分まで仕事をして、温かい甘酒を飲んで寝た。

目が覚めたのは、5時36分。
驚いたのは、自分がテントで寝ていたことだ。

1階の和室で家族揃って寝たことは覚えている。
しかし、起きたのは、2階の仕事部屋に置いたテントの中だった。

いったい、私の身に何が起きたのだろうか。

単純に考えれば、私が「異常なほどの孤独なテント好き」であるという結論に落ち着く。

それ以外に、理由があるだろうか。

あるいは、ただ寝ぼけただけ?
もしくは、夢遊病?
アルツハイマーの可能性も否定できない。

おもろいオッサンになったものだと、つくづく感心する。



また今日も、楽しい一日が始まりそうだ。




2014/10/29 AM 08:19:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | [Macなできごと]



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