Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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カーストが流行っている?
最近、愚かだな、と思うことがたくさんあった。

埼玉に住んでいた頃、浦和の得意先に、編集、出版会社があった。
40代のご夫婦が、代表で運営していた会社だ。

2年に1度くらいの頻度で仕事をいただいていたが、2年に1度では生産性が悪いので、4年半前に東京に帰ることになったとき、お付き合いをやめさせていただいた。
だから、もう付き合いはない。

その会社の噂を先日耳にした。
今の日本の経済状況では、編集、出版というジャンルは、天下のアベノミクスの効力は及ばないというのが現実だ。
その会社も、ここ数年、細々とした経営を余儀なくされていたという。

社員はご夫婦の他に、営業が3人、事務(経理を含む)が2人。
そして、オールマイティに仕事をこなす人が1人。

社員6人のうち、女性は1人だけだった。
この人が、オールマイティに仕事をこなす若い女性だった。
おそらく30歳はいっていなかったと思う。

営業に出るわけではないし、接客もしないので、社内ではいつも赤ジャージ(ヤンクミ?)だった。
何事に関しても、ものをハッキリ言う人で、しかも表現が的確で無駄がなかった。
だから、打ち合わせがいつも円滑にいった。

段取りも完璧だったので、仕事を請ける側としては、理想的な担当者だと言えた。
この会社の経理は男性だったが、体が弱いので、ときに10日ほど連続で休むことがあった。
そんなときは、彼女が、その代わりを勤めたから、会社の仕事が滞ることはなかった。

要するに、彼女がいるからこそ、会社の仕事がスムーズに回っていたと言っていい。
だが、ここで理解できないことが起こった。

細々とした経営状態の会社だったが、社員のすべてが創業の頃からいる人たちだったので、社長は、社員を切ることも給料を削ることもしなかった。
そのことが、良い経営者の条件なのかどうかは、わからない。

私は、彼をよい経営者だと思うが、おそらく多くの人は、「甘い経営者」の烙印を押すかもしれない。
売り上げが落ちた分を自分たち夫婦の給料や経費を減らすことで凌いできたが、それもすでに限界だったらしい。
金融会社に追加融資の申し込みをすることにした。

そのとき、追加融資の前提条件として、社員の削減を言われたというのである。
それも、名指しで言われたというのだ。

赤ジャージの社員を切りなさいよ、と。

その理由が、愚かすぎて、私は耳を疑った。
「赤ジャージを着た女なんて、必要ないでしょう」

彼女は社内で、唯一の女性社員だったが、その唯一の赤ジャージ社員は、その会社で、一番仕事ができる人だった。
しかし、それを認めない銀行員は、愚かにも削減を要求し続けた。

そして、社長は、その要求を突っぱねようとしたのだが、信じられないことに、社長の奥さんが、追加融資を何としても得たいために、銀行員と組んで、赤ジャージ社員を追い出すことに成功したというのだ。
(元来が献身的な人だったから、空気を読んで、会社のためになるなら、と自ら身を引いたようだ)

誰もが、あり得ない話だと思うだろう。
私も、あり得ないと思った。

しかし、この話を他の知人にすると、赤ジャージ社員の能力を知らない男たちは、一様に「会社に赤ジャージを来てくる女なんていらないね」と言うのだ。

完全に、本質を間違えている。
「赤ジャージ」を着ているかどうかは、彼女の能力を判断するときには、関係がない。
冗談で言っているのならまだいいが、「そんな女は真っ先に切って当然」と言っていたから、彼らはきっと本気なのだろう。

そして、もう一つ、理解できない発言が、これだ。

社長の奥さんの言葉。
「彼女は独身だから、誰も困らないでしょ。こういうときは、女が犠牲になるものなの」

同性が、同性を貶めたのである。

さらに詳しく事情を聞いてみたら、他の男性社員の中で、既婚者は一人だけだった。
彼女以外がすべて既婚者だったら、奥さんの発言は、0コンマ0001パーセントくらいは渋々理解してもいいが、ほとんどの男性社員が独身の場合、「独身だから困らない」理論は、成り立たない。

要するに、あとの「こういうときは女が犠牲」が本心なのだろう。

奥さんの中にも「男社会」の論理が胡座をかいて存在していたようだ。

ちなみに、私にとっては興味がない情報だが、その会社は今、かなり危ない状態らしい。


もう一つ、愚かな話を聞いた。

友人のWEBデザイナー、タカダ君(通称ダルマ)の奥さん、微笑みの天使・トモちゃんからの情報だ。

2人の子の子育て中であるトモちゃんのママ友に新しい仲間がひとり増えた。
その人は、つい最近まで他のママ友グループにいたが、「ママ友カースト」に嫌気がさして、グループを脱けたのだという。

ママ友カースト?

新しい言葉である。
最近では、たいして流行っていない、ごくわずかな空間の現象に過ぎないのに、「みんながしている、言っているのよ」「これが最新の流行だ」的な「みなし的流行」が、インターネット上で横行している。

だから、この「ママ友カースト」も、その類いかもしれない、と思った。
トモちゃんには申し訳ないが、信憑性は薄いと思って話を聞いた。

子どものいる奥さんたちが群れて、グループを作り行動する。
ほとんどは民主的な友好関係らしいが、中には封建的なグループもいて、それを「ママ友カースト」と表現するのだという。

奥様方の旦那様の職業(収入?)の貴賤で、グループ内の地位が決まる、とトモちゃんは言った。
つまり、収入の高い順にリーダー、サブリーダー、サブリーダー補佐、ヒラ……、というように、階級づけがされているというのだ。

ちなみに、「下克上」は、ないらしい。
下克上を目論んだ場合、あからさまではないにしても、何かしらの「嫌がらせ」「イジメ」を受けるシステムになっているからだ。

大奥………ですかね?

大奥というのは、女社会に無理やり「男社会」を持ち込んだものだと私は理解しているが、現代の一部のママ友も「大奥」という男社会システムに縛られているということか。

トモちゃんの新しいママ友が、さらに言う。

「旅行に行ったときも、リーダーより多く買い物をしてはいけないの。車の運転をするのは、いつもヒラの役目なの。リーダー、サブリーダーの子どもたちが悪さをしても、叱ってはいけないの」

冗談だろうと思った。

こんな愚かで時代錯誤の封建的な集団が、この民主的な日本にいるわけがない。

科学技術に優れ、文化的な素養も高く、アニメーションが美しく、BABYMETALとフナッシーがヘッドバンキングするPOPな国に、「カースト」があるわけがない。

私が、そう言うと、微笑みの天使・トモちゃんが、甲高い声で言った。

「本当に、あるナッシーよ!」

ん?

それって、「ある」のか? 「ない」のか?

フナッシー語は、よくわからん。


最後に、もうひとつ。

大学時代の友人の娘さんが、結婚することになった。
24歳だ。

ワセダという超一流の大学を卒業し、ある企業の研究室に入った。
一流の企業だ。

そこで社内恋愛をして、最近婚約をした。

上司に報告したところ、「で…、いつ辞めるのかね」と聞かれたという。
43歳の切れ者の上司で、いつも公平な視点で物事を判断する尊敬する上司だという。

しかし、そんな理想の上司でさえ、「女は結婚したら、会社を辞める」と思っているようなのだ。

娘さんは、即座に「辞める気はありません」と答えた。

上司は、「残念ですね」とだけ答え、それからは、その話題を持ち出さなくなったという。

この「残念ですね」の意味が、私にはわからない。
娘さんもわからないようだ。

自分の言うことを聞かない部下に対しての「残念」。
優秀な部下が、結婚して仕事に支障が出るかもしれない「残念」。
元から辞めさせたかったのに辞めてくれない「残念」。
結婚することは、彼女にとって利益にならないと思う「残念」。

いずれにしても、その上司の「残念ですね」を聞いて、友人の娘さんは、完全に気持ちが萎えたという。

さらに、今まで、あれほど尊敬していた上司が、いまは「愚か者」にしか見えない自分に嫌悪感さえ持っているらしい。
娘さんは、同僚の「辞めるなよ」の励ましだけをエネルギーにして、毎日会社に通っている。

ただ、そんな娘さんを見ても、彼女の父親である私の友人は、無神経にも「上司に逆らうのはヤバいんじゃないか。ここは上司の顔を立てて、辞めたほうが」と、男社会の代弁者のような愚かな顔で言っているらしい。

娘さんのために、私は愚か者に言った。


おまえは、大学時代も卒業後も、ホンっとに、ずーーーーっと、愚かだな! バカだな!


「おまえに言われたくねえよ!」と友人が、気色ばんだ。
「おまえの方が、俺より数段バカだろうが!」
右の人差し指で、18回も私を指さすのである。


その姿を見て私は手を叩いた。

そうか、つまり、俺は「おバカ・カースト」では、リーダーだということだな。


うん! それは、なんか………嬉しい。



下々のもの………控えよ!



2014/10/17 AM 08:19:01 | Comment(2) | TrackBack(0) | [日記]



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