Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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モネちゃんは天然?
体脂肪率が、11パーセント台になった、と言うと「嫌みだな」と怒るヤツがいる。

増えた結果なのか、減った結果なのかには関係なく「嫌み」と取られる。

さらに私は、相手を怒らせるために、体脂肪率の数値を意識するようになってから、俺は10パーセントを超えたことがないんだよ、と言ってみた。
「おまえ、バカにしてるのか!」と、間違いなく30パーセントを超えているだろう相手は、真顔で怒った。

しかし、彼は、私のことを「そんなにガリガリで大丈夫かよ。まるで飢えた捨て犬だな」「ガイコツの方が、まだ太ってるんじゃないか」などと言って、からかうのである。
私の痩せた体を、からかいのネタにしているのに、こちらが低い体脂肪率のことを話題にすると怒るのは、矛盾していないか。

おそらく、バカだから、その矛盾に気づかないのだろう。
慈悲深い私は、許してやることにした。


9パーセント台だった体脂肪率を11パーセント台にするのは、簡単だった。
我が家では、私が家族のメシを作っているので、カロリーほか栄養分の調整をしやすい。

私が太れないのは、定期的な運動、基礎代謝率の高さと胃下垂のせいではあるが、真剣に食事と向き合えば、体重をある程度増やすことは難しくない。
油物の食事をやや増やし、炭水化物の摂取量を増やせば、カロリーの量は確実に増える。

だから、1か月で2パーセント体脂肪率が増えたのである。

では、なぜ増やしたのかというと、医者から「そんなに痩せていたら危険ですよ」と言われたからだ。
今までの私だったら、医者にそう言われても「ケッ!」だったが、今回はご忠告を素直に受け入れた。

さらに、「アルコールは、しばらくダメですよ」と言われた私は、直立不動で、ハイッ! と答えた。
それからの2か月間、一滴も飲んでいない。

なぜかと言うと、担当する医者がタレントの優香さんに似た女医さんだったからだ。
優香さんの忠告を無視する男が、この地球上に、いるはずがない。
地球上の男の一人である私が、拒絶する理由がない。

だから、太った。

2キロ太りました。体脂肪率が2パーセント増えました、と言ったら、優香さんが「素で」喜んでくれた。

「水分は、1日2リットル摂っていますか?」と聞かれたので、スポーツジムで毎回プールの水を飲み干しています、と言ったら、「素晴らしいですね。毎日続けてください」と褒められた。

「クスリは欠かさず飲んでいますか?」と聞かれたので、朝昼晩、クスリを飲むのが楽しみで仕方ありません、クスリ(笑)と答えたら、「素晴らしいですね。毎日続けてください」と微笑まれた。

「体重が増えたのなら、もうビタミン剤は出さなくてもいいですね」と言われたので、はい、ビタミンにバイバイします、と手をバイバイの形に振ったら、「素晴らしいですねぇ………」と言葉がフェイドアウトした。
そして、医者の顔に変化した優香さんは、私の顔から目を離し、モニター画面を見ながら「次回からは、1か月に1回の検査にしましょうか」と事務的に言った。

その言葉を聞いて、優香さんが医者だったことを思い出した私は、「御意」と両手を膝に置き、堅苦しいお辞儀をした。

看護師さんは笑ったが、優香さんは笑わなかった。

その姿を目の当たりにした私は、医者と患者の立場を実感した。

感謝の言葉を述べて立ち上がり、診察室を出ようとしたとき、「これからも優等生でいてくださいよ」と優香さんが声をかけてくれた。
優等生、と人から言われたら、私は反射的に相手を殴る癖があったが、優香さんを殴るわけにいかない。
歯を食いしばって我慢した。

もう一度頭を下げたとき、優香さんの足下が見えた。
スリッパを片方しか履いていなかった。
しかも、スリッパを履いていない方のストッキングが著しく伝線していた。

意外と「天然」な人なのかもしれない。


我が家に晩メシを食いにくる大学1年の娘のお友だちの一人にも、優香さんに似た子がいた。

女医さんは、79パーセントの確率で似ていたが、モネちゃんは、68パーセント似ていた。

私が柚子ポン酢を作ろうとしていたとき、「なに作っているの?」とモネちゃんが聞いてきた。

柚子ポン酢だよ、と私が言うと、「え? 柚子ポン酢って自分で作れるの?」と真ん丸目で驚いた。
そういう顔は、優香さんに101パーセント似ていた。

皮は、青唐辛子と合わせて柚子胡椒にするけど、中身は絞って、だし汁と合わせてポン酢にするんだよ。

柚子の中身を細かく切って、布巾でくるみ、汁を絞り出す作業を、モネちゃんは隣で見ていた。
そして、私の手元を見ていたモネちゃんが言った。

「ニンニクを作っているの?」

え? ニンニク?
ニンニクは作ってないけど。

モネちゃんが私の手元を指さしながら言った。
「だって、それ、ニンニクだよね。大きなニンニク作れるんだぁ!」

柚子を絞っている布巾の形が、大きなニンニクに見えたのか?
(見えないこともない?)

しかし、柚子ポン酢を作ると言っているのに、ニンニクを作っているように見えるというのは、どういう感性をしているのか。

以前、麻婆ナス丼を作って食わせたら、モネちゃんは「超絶ウマい!」と感激してくれた。
そして、次に我が家に来たとき、こう言ったのである。

「ねえ、パピー(私のこと)、スーパーにはマーボーナスっていうナスは売っていなかったけど、あれは、予約しないと買えないの?」

マーボーナスという種類のナスがあると思っていたようだ。

これを「天然」と言っていいのか?


水餃子を食いながら、iPhone6 Plusの大きさは、アルフォートと大体同じくらいらしいよ、と言ったら、モネちゃんが「えっ? そんなに小さいの? 画面が小さすぎて見えないじゃない。それに、その大きさで電話はできるの?」と困り眉を作って言った。

アルフォートのケースではなく、中身一つ分の大きさだと思ったらしいのだ。

「天然」というより、バ…………カ?


テレビ画面に、東北新幹線に遅れが出ています、というテロップが出たことがあった。

「そろそろ、帰らなくっちゃ」とモネちゃんが言ったので、私は、もう少し様子を見た方がいいよ、東北新幹線が停まっているみたいだから、と言った。

「あらぁ! じゃあ、もう少し待たないとダメだよね」

モネちゃんの家は、武蔵野のオンボロアパートから自転車で15分程度(西東京市)のところにある。
つまり、東北新幹線は使わない。

「いつ動くんだろう?」と、本気で心配するモネちゃん。

今日は無理かもね。
泊まっていったら?

冗談で、娘とふたり、モネちゃんに提案してみた。


その日、本当に、泊まっていったモネちゃんであった。




本物の優香さんは、こんな「天然」ではないと思いますが………。




2014/10/11 AM 08:17:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | [日記]



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