Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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ガラパゴスの死に方
恥ずかしながら、「ガラケー」の名称由来がやっとわかった。

ガラパゴス・携帯のことだったのですね。

つまり、進化の止まった携帯のことを指していると知った。
こんなことがわからなかったとは、私の頭も、進化が止まったようだ。


今年読んだIT関係の記事の中で、「日本のスマートフォンもガラパゴス化している」というのがあった。
そのタイトルを見て、日本のスマートフォン技術の進歩は、もう止まってしまったのか、と思った。

しかし、読み進んだら、世界のスマートフォンの分布図では、iPhoneの使用比率が少ない(お膝元のアメリカでも少ないらしい)のに、日本だけが、突出してiPhoneの使用率が高いという記事だった。

そこで、日本のスマートフォンユーザーは、世界から孤立して、「ガラパゴス化している」という論理だった。

だが、本人は、得意げに書いたつもりだろうが、iPhone自体が、今でも進歩し続けていて、OSも順次アップデートしている機種のユーザーを「ガラパゴス」というのは、論理的に無理がある。

孤立していたとしても、取り残されてもおらず、進歩が止まっているわけではないからだ。

要するに、比率だけを取り上げて、「世界はAndroidの時代だよ」を、流行りの(?)「ガラパゴス」という言葉に、かけたかっただけだろう。
単純に、統計の使い間違いですね。
論理が破綻しています。

たとえば、占有率を考えたら、WINDOWS OS と比べたら、Mac OSなどは遥かに占有率が低い。
つまり、筆者の論理から推察すると、Mac OS を使っている人も「ガラパゴス化」していることになる。

すごいな、俺。

世界で使用比率の少ないスマートフォンを使い、使用比率の少ないパソコンを使っているなんて、稀少生物ではないか。
なんか、嬉しい。


話は違うが、我がオンボロアパートこそ、ガラパゴスの象徴かもしれないとも思った。

我が家では、ガラパゴス化(部品生産終了)した洗濯機やオーブンレンジが元気に動いている。
絶えず異音を発しながら、空気をかき回してくれる扇風機などは、ガラパゴスそのものかもしれない。

そして、アパートの壁の所々にヒビ。
防音性が低いから、我が家のにぎやかな会話は、一時期、外に筒抜けだったらしい。
だから、いま、家族で話すときは、6浪生を抱えた受験前のご家庭みたいに、小声の会話が当たり前になった。

4軒となりの家のピアノが下手くそだ、などと言ったら、すぐに届いて、村八分にされるに違いない。

シャワーの音も外に漏れるので、我が家のシャワーヘッドは、一番出の悪いものに交換した。
錆びかけた鉄の階段を上るとき、普通に上ると、音が「ドンドン」とうるさいので、みな、ソーっと上る習性がついた。

大きなくしゃみが出そうになったら、押し入れが一番防音性に優れていることに気づいたので、押し入れまで我慢して、くしゃみをすることも覚えた。

家族みんなが、世間様に気を使うことを覚えたから、これは、決して悪いことではない。

ガラパゴスの効能と言っていいだろう。


ここに、キヤノンのインクジェット・プリンターがある。
A3まで出力できる、昔のものとしては、優れたものだ。

10年以上前、オークションで5千円で手に入れた。
製造年は、おそらく2000年頃。

数年前から、部品の生産が止まり、インクの生産も止まり、ドライバーのアップデートもなくなった。
それでも、インクが生産中止になる前に、オークションで5セットを手に入れて、今まで使っていた。

ただ、新しいOSには対応していないので、古いMac G4に古いOSを入れてプリントしていた。
我が家のカラーレーザーはA4対応なので、A3を出力するなら、このプリンターを使ってJPEGで出力するしかない。
今どきのプリンターに比べたら、色は荒いが、色の雰囲気とレイアウトがわかればいいから、不足はしていなかった。

ただ、インクジェットの欠点は、プリント音がうるさいところだ。
特に、このプリンターは、元サッカー日本代表監督を呼び捨てにする、という暴挙に、毎回出るのである。

ジーコジーコジーコジーコジーコジーコジーコジーコ・・・

サッカー界のカリスマに対する尊敬が、全くない。

さらに、このプリンターは、年を経るごとに、その音がでかくなってきたから、近所迷惑なやつでもある。
夜間には、絶対に使えない。

その呼び捨てを夜間に聞いたら、元サッカー日本代表監督のファンが、殴り込んでくるはずだからだ。

2週間前、いつものように、そのプリンターに働いてもらった。
彼は、A3を4枚、綺麗な色で吐き出してくれた。

ジーコジーコジーコジーコジーコジーコジーコジーコ・・・

だが、一昨日、使おうと思ったら、電源がつかなかった。
ACコードを何度抜き差ししても、彼は起きてくれなかった。

2週間前、私は、彼に、こう呟いた。

もう、このインクが最後のセットなんだよね。

私のそのつぶやきを彼は、重く受け止めたのかもしれない。
それで、寿命を悟ったのかもしれない。

だから、動くのを諦めたのだ。

そんな彼の生き様を見て、私は思った。

寸前まで、あんなに懸命に働いてくれたのに、逝くときは、あっという間の潔さ。


すごいなあ、と思った。


そんな「ガラパゴスの死に方」ができる人が、この世の中に、何人いるだろうか。

私もそんなガラパゴスになりたいと思った。



ご苦労さまでございました(頭を垂れつつ合掌)。



2014/07/30 AM 06:40:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | [Macなできごと]



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