Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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ゴールデンウィーク前の怪物
おはようございます。
ホームレス・デザイナーのホネホネ白髪おやじです。


ゴールデンウィーク前の駆け込みの仕事が2件。

浦和のドラッグストアと杉並の建設会社のGW用の折込チラシの仕事だ。
この2つを6日間で仕上げた。

そして、WEBデザイナーのタカダ君(通称ダルマ)からのSOS。
GIFアニメを作ったのだが、サーバにアップすると、上と右横に原因不明の筋が入るというもの。

ダルマからデータをもらって検証してみたが、アップする前にブラウザで確認すると線は確認できない。
しかし、サーバにアップすると線が入ってしまうのである。

まったく原因がわからないので、FLASHで作り直したら、線は消えた。

「師匠! ありがとうございます!」

よし! 今回のは、百万を要求する!

「わかりました。1万回払いでお支払いします」

よかろう。


この4日間が、あまりにも忙しかったために、日常生活で記憶障害が頻発した。

オンボロアパートの庭に住みついた猫に、丸一日餌を与えるのを忘れて、次の日に、猫に非難の目で睨みつけられた。

2時間でもいいから寝なければ、と思って、パジャマに着替えたつもりが、全裸で寝てしまい、目覚めてトイレに行こうとしたら、娘と遭遇。
娘にケツを蹴飛ばされた。

「晩御飯はイタリアンが食べたい」というヨメのリクエストを忘れて、ちらし寿司を作ったら、「エーッ! イタリアンって言ったのにィ!」と、しつこく責められた。
自分は、人の言うことをまったく聞いていないのに、私には厳しいヨメである。

ガッキー主演のテレビドラマを録画したつもりが、時間を間違えて10時からのドラマを予約してしまった。
激しく落ち込むオレ。

しかし、いいこともある。


杉並の建設会社のチラシが校了になったとき、社長が「忙しくさせて悪かったな」と言いながら、森伊蔵の一升瓶をドン! とテーブルの上に置いたのである。

「2本手に入ったからよお。あんたに1本あげるよ。酒、好きだったよな」

おお! 幻の焼酎!
抽選でしか手に入らないと言われている貴重品が、目の前に。

ホ、ホントーに、よろしいので?

「本当も何も、目の前にあるじゃねえか」

やはり、幻ではなかったようだ。
社長の気が変わらないうちに、さっさと貰って帰ろう。

「俺は、お湯割りで、毎日1杯飲んでいるんだが、たまんねえぜ!」

では、私は毎日2杯飲むことにしましょう。

「お! 意外と負けず嫌いだな」

ガハハハハハハ・・・・・・。

最近、やっとだが、社長のでかい顔にも慣れてきた。

それが果たして、いいことなのかどうか・・・・・。


浦和のドラッグストアのチラシの担当者は、度々変わる。

社長の方針で、宣伝の方向性が硬直しないように、アイディアを色々な人に出させるためらしい。
人によっては、思いもよらない斬新なアイディアを提示する場合があるから、それは、こちらの勉強にもなるし、刺激されていいと思う。

ただ、斬新すぎて、ほとんどがボツになるのであるが・・・・・。

今回は、担当者が季節外れのインフルエンザに罹ったというので、4年ぶりに社長自らが担当した。

普段は、浦和の本社に行っても、社長の顔を拝むことはない。
最初のうちは、毎回挨拶をしていたが、「気を使わなくていいですよ」と社長が言うので、特別用がない限りは、担当者とだけ話をすることになった。

社長と私は、同い年。
しかし、社会的な必要度、存在感、人間性では、社長側が100対0のワンサイド・ゲーム。

比較することさえ、身の程知らずというものだ。

私など、部屋の隅に溜まる、ダニやカビの付着した有害なホコリのようなものである。


今回、そのホコリの前に、社長の他に、若い女性がひとり。

社長の娘さんである。

娘さんには、5年近く前に、4ヶ月ほどMacの操作を教えたことがある。

そのとき、驚異的な吸収力で、たった4ヶ月間で、イラストレータ、フォトショップ、クォークエクスプレスをマスターした姿を目の当たりにした私は「この世には、間違いなく怪物が存在する」ことを実感した。

4ヶ月間、と言っても、毎日教えたわけではない。
月に2、3回、一日3時間程度教えただけである。

それなのに、いとも簡単に(当時の)デザイナーの三種の神器をマスターし、尚かつ、デザインセンスも非凡なものを持つ「怪物」。

その怪物は、大学を卒業したあと、アメリカに渡ってビジネススクールに2年通い、昨年の10月から東京港区のコンサルタント会社に就職したという。

怪物は、大学時代は、頭の良さそうなお嬢様、という感じだったが、2年のアメリカ暮らしで、洗練された大人の雰囲気を身に付け、威厳さえ感じさせる雰囲気を持った人に変わっていた。

長かった黒髪も短くして、「自信」が全身から漲っているように見えた。


その自信に圧倒され、心の中で、ワォ! ワォ! ワォ! と唱え続けたら、徐々に心拍数が上がっていった。


何から話をしていいか分からず、「向こうで、ボーイフレンドはできましたか?」と聞いてしまった部屋の隅のホコリ。

聞いたあとに、マズイ! と思って、社長の顔を盗み見た。
父親にとって、それは不愉快な話題だということに気づいたからだ。

しかし、社長は柔和な笑顔を崩さずに、娘の横顔を見ている。

怒っては、いないようだ。

娘さんも気を悪くした様子もなく、時々社長の顔を見ながら、笑顔で言った。

「ボーイフレンドは、一人います。遠距離ですが、毎日連絡は取り合っています。
でも、アメリカで知り合った日本人の友だちは、アメリカ人のボーイフレンドができて付き合ったのですけど、2ヶ月付き合って、その人がゲイだということを知って、とても落ち込んだんですよ。
そんなことがありますから、私のボーイフレンドも安心できません」

3人で大笑い。

それが本当のことなのか、アメリカン・ジョークなのかは分からないが、間違いなく私の緊張は解けた。


ところで、この日は、平日。
会社は、休みなんですか? と聞いた。

しかし、休みではなく在宅ワークだという。
娘さんの勤めているコンサル会社は、社員には決まった机を提供せず、会社では、どの机を使ってもいいことになっているという。
役員や部長にも机はない。

そして、社員にノートパソコンとスマートフォンを与えて、それで全ての仕事の処理を任せる。
ノートPCとスマートフォン、WIFI端末、USBメモリだけで仕事ができるから、会議やクライアントとの打ち合わせのない日は、会社に行く必要がない。
その結果、在宅ワークが多いのだという。

さすが、コンサルタント会社。
仕事効率化のプロだ。
無駄がない。

そんな部屋の隅のホコリの間抜けな感心顔を見て、娘さんが鋭く言った。

「M先生。まさか、この話、先生のブログに書くつもりでは?」

いや、その・・・あのぉ・・・。



(ワォ! ワォ! ワォ! カ、怪物ゥ!)

また、心拍数が上がった。


2012/04/26 AM 05:46:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | [Macなできごと]



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