Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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不愉快
不愉快な思いをさせる人というのは、必ずいる。

武蔵野に越してきて2人目に出来た同業者の知り合いがいた(過去形。今は付き合いを絶ったから)。

メールを数回やり取りして、「仕事場、見に来る?」と言われたので、5月の半ばに、一度だけ行った。
相手の年齢は聞かなかった。
キャリアも知らない。

その種のことには、興味がないから。

まあ、40〜50くらいだろうな、と見当をつけただけだ。
最寄りの駅は吉祥寺。
吉祥寺駅から西荻窪方向に15分程度歩くと、彼が仕事場兼住まいとしているマンションがある。

立地条件はいい。
だから、いいところですね、と言ったら「さあ・・・・・」と皮肉な笑みを向けられた。
はじめての訪問だから、お土産にクッキーの詰め合わせを渡そうとしたら「ああ・・・・・」と言うだけで手にとってもらえなかったので、事務所の端っこに勝手に置かせてもらった。

どんな仕事が多いですか、と聞いたら「まあ・・・・・」とまた唇の片方だけを持ち上げて、笑った。
ウィンドウズのデスクトップが4台もあるんですね、と言ったら「そう・・・・・」と言われた。
大型のインクジェットプリンタがあったので、羨ましいですね、と言ったら「別に・・・・・」と、どこかで聞いたようなことを言われた。

まるで、選挙区以外の人間は人にあらず、という信念を持つ政治家と話しているような気になった。

10分で、辞去させてもらった。
(見に来い、と言ったのは向こうの方なのに・・・)


不愉快なこと、で思い出した。

8年ほど前のことであるが、嫌なことはすぐに忘れる特技を持つ私でも、忘れられない不愉快なことに遭遇した。
それが2回も続けば、ほんの少し人間が嫌いになる。

そのとき、私は腰痛に悩まされていた。
大変痛い思いをしていた。
しかし、いつものように極限まで我慢した。

何ごともないように振る舞った。
しかし、いつか限界は必ずやって来る。

「もう、駄目だぁ!」
入院した。

医者から、呆れられた。
椎間板ヘルニアです。それも、かなり重症ですよ。いいですか、我慢大会なんかやったって、誰も褒めてくれませんよ!」

アイテテイテテ・・・・・・(病名を聞いて、やっと素直に痛いと言えた)。

そのとき、Kという同業者の仕事を受けていた。
ただ、その仕事は5ヶ月以上経過しても、アリの一歩ほども進展しない得体の知れない仕事だった。
Kはいつも、上から目線で高飛車な言い方をする人だったが、その物言いとは掛け離れた彼の仕事の段取りの悪さに呆れ、私は彼のことを密かに「口先男」と呼んで、その仕事は99パーセントないものだと思っていた。

5ヶ月たって、ほとんど何の進展もない仕事が、いきなり動き出すわけがない。
少なくとも、私の経験では、それはそのまま消えていく運命の仕事だった。

だから、入院したことを彼に知らせなかった。
私は、アリさん以下の仕事より、そのときは腰の痺れと激痛を取り除くことを優先したのだ。

ただ、アリさん以下の仕事とはいえ、仕事は仕事。
相手に入院を知らせるのは、最低限の礼儀である、と言われたら返す言葉がない。

これは完全に言い訳になるが、私の心の中では、その仕事がボツになることを望んでいたのだと思う。
あまりにも時間が経ち過ぎているし、Kのことが信頼できなかったからだ。

まことにもって、申し訳ない。

だが、運が悪いことに、この仕事が、私の入院中に予想を裏切って、少しだけ進展した。
私と連絡が取れないKは、焦った。
それは、彼にはできない仕事だったからである。

さらに、運が悪いことが重なる。
義父が、交通事故に遭って入院したのだ。
そして、それがショックだったのか、義母が鬱病になった。

ちょうど春休みだったので、ヨメは子ども二人を連れて、実家に帰ることにした。
だから、埼玉の我が家には、当時誰もいなかった。

私の携帯電話は、病院内では電源を切ってあるから繋がらない。
Kが我が家に電話をかけても、誰もいないから、留守電を吹き込んでも意味はない。
Kが我が家を訪ねてきても、誰もいないから、反応はない。

焦るK。
それに対して、ブロック注射を打ってもらって、痛みから解放される俺。
しかし、立つのも歩くのも、つらい俺。

椎間板ヘルニアの経験のある方には、その痛みはわかるだろうが、当たり前のことに、経験がない人には、痛みは想像すらできないかもしれない。

もう一度、言い訳を言わせてもらうが、アリさん以下の仕事より、当時の私はヘルニアの痛みから逃れることを優先したのだ。

五日間の入院を終え、コルセットを着けて家に帰った私は、留守電とFAXと大量のメールで、Kがパニックに陥っているのを知り、お詫びの電話をかけた。

まことにもって、申し訳ない。

しかし、私の説明は、彼の耳には届かなかったようだ。
Kは、自分がいかに大変な思いをしたかを最大限興奮した口調で語り、同時に私を罵った。

そればかりか、私が入院したことや義父が交通事故に遭ったことを、嘘だと決めつけたのである。

私だったら、たとえ相手がどんなに嫌いな人間でも、入院したと聞けば、絶対に相手の体のことを心配する。
相手の義父が交通事故に遭ったと聞けば、「大丈夫ですか」と聞く。

しかし、Kは、そうしなかった。
ただ罵り、嘘だと決めつけるだけ。

だから、逆恨みのようなものかもしれないが、私は不愉快になって、電話を途中で切ってしまったのだ。


それ以来、Kとの付き合いはない。
Kがいま何をしているか、私には全く興味がない。


それと、同じときのこと。
近所に古い印刷屋さんがあった。
そこからは、月に数回仕事をいただいていた。

だから、入院する当日に、しばらく入院することを告げに行った。
しかし、そのとき社長は不在だったので、事務の女性に社長への伝言を頼んだ。
念のため、社長の自宅の留守電にも、しばらく入院することを吹き込んでおいた。

退院した次の日、長く休んだことを詫びるため、印刷屋さんに挨拶に行った。

すると、「え? 入院? 聞いてないよ! 留守電? 俺、留守電は聞かないから(使い方がわからない?)」と言われた。

そればかりか、「Mさん、入院じゃなくて、借金取りから逃げてるんじゃない? だって、Mさん、腰が痛いなんて、今まで一度も言ったことなかったじゃない。突然そんなこと言ったって、信じられないよ! 大丈夫かなぁ? 俺、そんな人と付き合うの嫌だな。ちょっと仕事出すの遠慮するよ」と言われたのだ。

実際、それから一年近く、その印刷屋さんからは仕事が来なかったが、突然「パソコンが壊れたから、直して」という電話がかかってきた。

そのとき、社長が、無神経に言ったことば。

「Mさん、借金のケリはついた? いいかい、忠告するけどね、バレバレの嘘は勘弁してよ。不愉快だからさ」



不愉快なのは、俺だよ!





激しい立ちくらみは、昔の不愉快を思い出させるようだ。





2011/05/24 AM 06:14:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | [Macなできごと]



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