Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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正義の味方
元気のいいおジイさんに「あんた、馬鹿だね!」と怒られた。

年は、おそらく70歳前後。
もしかしたらおジイさんと呼ぶのは、失礼かもしれない。

体は細身だが、顔が大きくて肩幅が広い。
そして、姿勢もいい。
ご老人と呼ぶのが憚られるような活力を持った男の人だった。

場所は、私がよく利用する小金井市のスーパーだった。

色々なものを買い物して、レジで清算していたときのことだった。
POSシステムを通したときに、フランスパンの消費期限が過ぎているのが、見えたのだ。

最近の私は、自転車に乗るとき、眼鏡をかけるようにしている。
右目が超超弱視の私は、自転車に乗るとき、普通の人より危険が大きい。
そして、右耳がほとんど聞こえないから、その危険度は倍加する。

だから、まわりから「せめて眼鏡をかけて」と土下座して懇願されているのだ。

まわりからそこまでされて言うことを聞かないというのは、とても大人気ないことである。

だから、自転車に乗るときだけ、仕方ないから眼鏡をかけてやっている。

いつもは自転車から降りたら、眼鏡をはずすのだが、このときは、かけたままだった。
それもあって動体視力のいい私は、消費期限が見えてしまったのである。

一日消費期限の過ぎたフランスパンを食ったからといって、問題ないとは思うが、とっさに私は、ああ、これ期限が切れてますね、と言ってしまったのだ。

フランスパンを手にとって、蒼ざめるレジの女性。

そして、彼女は高速で頭を下げ「すぐに新しいものと交換します」と、蒼ざめたまま言った。

しかし、そのとき、私の後ろにはレジ待ちの客が5人列を作っていた。

ここで、時間をとらせるのは、申し訳ない。
だから、私は言った。

手間をかけて申し訳ないけど、そのフランスパン、キャンセルしてくれますか。

すると、レジの女性は、戸惑った表情で「あのー、すぐお取替えいたしますが」と、遠くにいた遊軍扱いのパートの男性を呼ぼうとした。

だが、そんなことをしたら、時間がかかってしまって、後ろに並んでいる人に申し訳ない。
だから、私はもう一度、お願いした。

キャンセルでいいです。
駄目ですか?

レジの女性は、私を見上げて(身長150センチくらいの小柄な人だった)「でも、必要なものでは・・・?」と目を瞬きした。

いや、絶対に必要なものだというわけではありません。
本当は、チーズフォンデュをしようと思ったので、必要ではあったが、これは献立を変えれば済むことである。

無事レジを通過して、エコバックに買い物を詰め始めた。

そのとき、肩を叩かれたのだ。

振り返ると、ご老人が「あんた、なんで怒んなかったんだい! あれは、店のミスだろ。もっと強く叱らないと、また同じことをしでかすぞ」と鼻の穴を膨らませて言った。

思いもかけない言葉だった。

商品の消費期限が、たまたま過ぎていた。
それを私は指摘した。
そして、レジの停滞を防ぐために、その商品をキャンセルした。

それだけのことで、なぜ私が怒られなければいけない?

消費期限が過ぎていることを指摘したことで、私は店側に意思表示をしたではないか。
なぜ、レジの店員を怒る必要がある?

それは、時間の無駄だろう。

私が怒ることでレジが停滞したら、うしろで清算を待っている人たちは、いい気がしないと思うのだが。


私が黙っていると、ご老人は「まったく根性がないなぁ、最近の若いやつは!」と鼻息荒く捨て台詞を残して、その場を去っていった。


すみませんが、ご老人。
俺、ちっとも若くないんですが・・・・・。


熱いですね、ご老人。

これからも「正義の味方」を貫いて、「若いやつ」を叱ってやってください。


ただ、くれぐれも喧嘩腰にはなりませぬように。



2011/05/12 AM 05:52:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | [日記]



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