Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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おもろい話
娘の通う学校で。

体育を教えるのは、生徒指導主任のいかにも、お固そうな女の先生。
その先生が、一番最初の授業の時、女子生徒たちに言ったことば(体育は、女子と男子が別々に受ける)。

「あなたたち、体育は何のためにするか知ってる?」

生徒の一人が「体を鍛えるためです!」

「何言ってんの! 夏に向けて『くびれ』を作るためでしょ! 男は『くびれ』に弱いものなのよ!」

全員、後ろにのけぞったそうだ。


「情報」の授業のとき、パソコンで先生の出した課題を仕上げたときのこと、小学1年からPCに慣れ親しんだ娘は、小学5年のときに、フォトショップを習得するという可愛げのない子どもだった。

だから、先生の出す課題なんて、20分程度で完了してしまったのだ。
まわりを見ると、みな悪戦苦闘。
しかし、娘は退屈。

そこで、娘は先生に臆することなく言ったのである。
「先生、課題終わったんで、YouTube見てもいいですか?」

それを聞いた先生。
半信半疑で、娘のモニタを見たあとで、「あ、ああ・・・確かに、できてるね。で、でも・・・パソコンはロックがかかっているから、残念ながら、YouTubeは見られないんだよ」と躊躇いがちに言ったという。

そこで娘は、「じゃあ、スマホで見ます」とシャープのガラパゴス003SHを先生の目の前に掲げた。

先生は、「んんんんんんんんん・・・・・・・・まあ・・・・・いいかぁ!」


英語だけで授業をするオーラル・コミュニケーション。
先生は在日10年のカナダ人のジョージ。
本人は、日本に10年いながら、日本語が話せないと主張している。

そのジョージの授業のとき、地震があった。
震度2程度だったらしいが、ジョージが慌てて言った。

「ヤバイ! 地震やで、地震! まあ、落ち着け!大丈夫やから!」

関西訛りの日本語だった。

それからは、生徒たちは、ジョージのことを「浪速のジョージ」と呼んでいるという。


国語の授業は、30歳前後の女の先生。

授業を始めたが、10分ほどたってから先生が突然振り向き、生徒たちを見回して言った。

「あんたたち! 何か、先生に言うことがあるでしょ!」

?????????

「わからないの!? 今日、先生は初めてスカートを履いてきたのよ。それも、ミ・ニ! 美脚でしょ!まるで少女時代のスヨンみたいでしょ!」
と言って、誇らしげに皆の前でターンをしたというのだ。

確かに、それまで先生はパンツルックだったということに、全員が遅ればせながら気づき、生徒全員がスタンディング・オベーション。

先生は、満足げにうなずいた後で、残りの授業を「恋バナ」で盛り上げたという。
国語を理解するには、「恋バナ」が一番の近道というのが、先生の持論らしい。


吉本の養成所の話ではない。
ごく普通の高校の話である。

(娘は、『変態でなければ人間ではない』という私の教えを守って、クラス委員の権限を生かしてクラス全体を『変態色』に染めることに成功しつつあるようだ)


そんな話を娘から聞いた後で、数回ブログで書いたことがある、杉並の建設会社の社長のお話を。

「韓流(かんりゅう)が、流行っているって言うけどよぉ。本当かよ! あれは、マスコミのデッチ上げじゃないのか! 俺のまわりにはカンリュウに興味のあるやつなんか、一人もいねえぞ! あんた、そう思わないか?」

まあ、アラフォーの男たちの間では、流行ってないでしょうね。
興味の対象が違うでしょうからね。
しかし、あれはカンリュウではなく「ハンリュウ」と言うんですが。

ヤクザ様のような強烈なメヂカラで睨まれた。
「日本語では、カンリュウって書くだろ。
ここは日本だ。
だから、カンリュウだ!」

「それによぉ、韓国は日本の文化を統制しているわけだろ。それなのに、一方的に韓国文化を輸出するってのは不公平だよな。それは、虫が良すぎるんじゃねえの!」

いや、日本大衆文化統制は、だいぶ前開放に向かっていると聞きましたが。ただ、いまだに日本に対する悪感情が根強くあるのは事実です。まあ、歴史を振り返ると、40年近く日本に支配されていた期間があるわけですから。

「しかし、欧米の帝国主義は、植民地にもっと破廉恥なことをしてきたんじゃないのか。欧米と日本、どこが違うんだ。肌の色だけだろうが!」

それは、まあ、支配された側の人間にしか、わからないことなので・・・・・。

(こういう話題、苦手なんだよな。無理矢理、話題を変えてみるか)


そう言えば、社員を募集したって仰ってましたよね。
どうでしたか?

また、睨まれた。
そして、大きく舌打ち。

「4人来たけどな、そのうちの二人は、●●人の血が混じっているから、最初から除外だよ。『ご希望に沿いかねます』って、丁重にお断りしたよ。そうしないと、人種差別だとか言って何かとうるせえからな。後の二人は、純粋の日本人だが、大卒なんで断った。大学出てるやつは、理屈ばかり達者で、こっちの言うことを聞かないからな。大卒の就職率が下がったっていうと、ざまあみろ、って思うよ。親のスネかじって大学行ったくせに、偉そうなこと、ほざくからな。一応面接だけはしてやるが、絶対に雇わねえ!」

(話題を間違えたか)

貧乏ゆすりをしながら、眉間にしわを寄せ、壁を睨んだ後で、私を睨む。
いつものことだが、ご機嫌斜めのようだ。

そう言えば、この人のご機嫌のいい場面に遭遇したことがない。
どんな話題だったら、ご機嫌がよくなるんだろうか?

(徹底的にヨイショしないと駄目なのかな。しかし、俺にそんなことはできないしな)

話題に困っていると、社長が、唐突に両眉を上げて頬を痙攣させた。
何かの病気か、と恐れおののいたが、それは社長が笑ったときの顔だったことを思い出した。

紛らわしい表情である。

社長が頬を痙攣させたまま「クヒッヒッヒ」と言った(笑った?)。

三鷹のフィリピンパブに可愛い子がいるんだよ」

いきなりのフィリピンパブ!

その飛躍には、ついていけないが、ついていかないといけないのだろう。
せっかく頬を痙攣させているのだから。

「フィリピンパブって言うけどな、その子は、ロシア人と韓国人のハーフなんだってよ。おかしいだろ、フィリピンパブに、ロシア人と韓国人のハーフだぜ。その子が、肌がきれいで可愛いんだな。ロシア人って、肌がキレイだって言うだろ。韓国人も肌がキレイらしいな。だから、その子の肌がキレイなのは、当たり前だよな。いいとこ取りだもんな。透き通るような肌ってのは、あれのことを言うんだな。キム・テヒなんかより絶対キレイだぜ!」

頬が痙攣しっぱなし。
そして、1オクターブ高い声で、話を続ける。

「足もキレイでよぉ! 少女時代なんか、問題じゃねえよ! それに、ほら! KARAが腰振りダンスするだろ、『ミスター』だったっけ? あれを躍らせたら天下一品だぜ! 本人たちより、絶対にうまいよ!」

そうですか・・・・・。
キム・テヒ?
少女時代と、KARAの「ミスター」ですか。


社長ぉ!
韓流(ハンリュウ)、よくご存知じゃないですか。


2011/05/30 AM 06:38:34 | Comment(3) | TrackBack(0) | [日記]

パソコン・デート
桶川の得意先のフクシマさんに、二人目の子どもが産まれた、という明るいニュース。

めでたい!
(たちくらみ、めまいが少しだけ和らいだ気がした)

男の子。
しかし、フクシマさんに似ないことを祈る。

だって、似たら、あまりにも惨めじゃないか。

みんなから、「タレ目!」「タレ目!」と石をぶつけられるなんて。


というめでたい話の後で、少しだけ憂鬱な話が舞い込んできた。

しかし、その電話が、ひとつのヒントになった。

だから、人生は面白い(・・・のかな?)。

電話をかけてきたのは、さいたま市の団地に住んでいたころ、PCの操作を教えた今年70歳になる、キシさんだ。

「先生、あのー、こんなことは本当はお耳に入れたくないんですけど、馬鹿げた噂が、ばら撒かれているようなので、先生のお耳に届く前に、お知らせしようと思いまして」
こんな短い話の間に、ため息を何度もつきながら、ためらいがちにキシさんが、私にとってあまり嬉しくない話題を持ち出した。

ただ、この話は、すでに今年の2月ごろ、団地に住む同業者から聞いたことがあった。

「借金取りから逃げ回って、夜逃げをした」
「お義母さんを見殺しにした」
「お義母さんが亡くなったのだから、団地に戻ってくればいいのに、戻れないのは何かやましいことがあるからだ」
「実は、デザイナーはとっくに辞めていて、人様に言えない良からぬ仕事をしている」
などなど。

誰が、こんな悪意ある噂を流したか、私は、そのことに関して興味がないので、同業者には「噂の主人公になれるなんて光栄です」と答えておいた。

だから、ご心配のキシさんにも、そう答えた。

「いいんですか、先生」と心底から心配したキシさんの声に癒された私は、キシさんに心配していただいただけで、充分救われました、と礼を述べた。

「あらあら」と言って笑うキシさん。

引っ越して一年以上もたつのに、人様が話題にしてくれるなんて、有名人になった気分ですよ。
有名人のゴシップって、きっとこんな感じなんでしょうね
噂だけが一人歩きして、その人がまるで「噂のような人間」に見えてくる。

まあ、私は埼玉に戻るつもりはありませんから、どんなことを言われても、ダメージは少ないです。

極悪人、大泥棒、恩知らず、ムショ帰り、刺青もの、人殺しと言われても、本当の有名人と違って、私のところまでその噂が、ばら撒かれることはないでしょうから。

団地の方々も、わざわざ武蔵野まで来て、そんな噂を流す無駄な時間はないと思いますよ。

私がそう言うと、「おやおや」と言ったあとで、キシさんが少し声を落として「先生、こちらに戻る気ないんですね。では、私は誰にパソコンを教わればいいんでしょうか。まだまだ、わからないことだらけなのに。どうしましょう、本当に」と溜め息を漏らした。

そう言われると、つらい。
キシさんのような「いい人」とは、どこかで繋がりを持っておきたい。

だから、私は言った。

団地に戻る気はありませんが、大宮までだったら、行く気はあります。
大宮駅から15分程度のところに、同業者の友だちがいますから、そこでパソコン・デートしませんか。
彼の事務所の応接セットを借りて、また講義を再開しましょう。
どうでしょうか。

「まあまあ」と言ったキシさんは、声のトーンを、ふた目盛りほど上げて「パソコン・デート! いいですね! 嘘じゃないですよね。年寄りをからかっていませんよね、先生!」と若々しい声を上げた。


パソコン・デート講習。


もしかしたら、新しいジャンルを開拓したかもしれない?




2011/05/28 AM 08:19:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | [Macなできごと]

9割の法則
急ぎの仕事(建設会社のチラシ)を朝3時に起きて、一気に3時間で仕上げた。

手持ちの仕事は一件あるが、今しなければいけないというものでもない。

たちくらみ、めまいは、もう私の体のお友だちと言っていい。
だから、お友だちと一緒に休みたい。
しかし、私が休んでいると異議を唱える人がいるので、スーツを着て午前9時15分にお出かけした(営業の体で)。

ネットカフェで寝ようかと考えたが、金がもったいないので、やめた。
公園の芝生で寝ることも考えたが、一着しかないスーツが汚れるので、やめた。

久しぶりの快晴の中、武蔵野から新宿まで、15キロの道をサイクリング。
中野坂上を通り過ぎ、北新宿図書館の手前まで来て、この近くに大学時代の友人オオクボが会社を構えていることを思い出した。
コンサルタント会社だ。

オオクボに関しては、何度か書いたことがある(コチラコチラなど。ただサーバーの無作為により、リンクが外れている可能性あり)。

忙しいコンサルタント業だから、アポなしで会える訳がない。
無理だろうとは思ったが、ギャンブルのつもりで、突然訪問してみた。

8階建てのビルの8階。
どこかで気後れを感じながら、エレベータに乗った。

8階の半分のフロアを占領して、オオクボは自分の名前とは違う会社名を掲げて商売をしていた。

受付嬢はいない。
社員4人のささやかなオフィスなのだ。

入口に一番近いデスクに座っていた男に名を名乗り、オオクボが在社しているかどうか聞いた。
男は「マネージャーは、おります」と言って、私を頑丈そうな衝立で仕切られた応接室に案内してくれた。
フットワークの軽そうな好青年だと思った。

私の突然の訪問に、少しも嫌な顔はせず、慌てたところも見せなかった。
社員教育が、しっかりしていると思った。

絵画さえもかかっていない殺風景な部屋を二回見廻したところで、オオクボが「何だよ、いきなり」と言って、入ってきた。

忙しいところを悪いが、寝る場所を提供してくれないか。

私のささやかな要望を、オオクボは即座に却下した。
「あるわけないだろ、こんな狭い場所だ。本の隙間で寝られるなら、寝てもいいが」

確かに、事務所の半分は本で埋まっている気配だ。
コンサルタントってのは、古本屋と同じと考えていいのか?

「まあ、同じようなもんだな。ただ、買うのが専門で、売ることは考えていないがな」

暇か、と突然聞いてみた。

オオクボは苦笑いして、「午後いちの相談がキャンセルになった。だから、2時までは暇だ」
時刻は、10時56分。
3時間の暇はあるわけだ。

「昼メシ、奢ってやるぜ」
オオクボが、まるで会社の社長のような威厳を示して、私に顔を近づけた。

よし。
奢らせてやるが、メシはコンビニ弁当でいい。
食う時間は、12時半。
それまでの1時間半、この応接室を借りたい。

「そんなに眠いのか? そんなに忙しいのか?」

忙しかったら、こんな新宿の場末まで来るわけがない。
ただ、眠いだけだ。

オオクボが肩をすくめて、苦笑い。

「わかった。ほっともっとのビーフステーキ弁当でいいな」

いや、のり弁にしてくれ。
290円のやつだ。
クリアアサヒがあれば、さらに望ましい。

オオクボが、また苦笑い。
そして、新品らしき毛布を持ってきてくれた。


眠った。


安室奈美恵のコンサートに行った夢を見た。
「Hide & Seek」を聴いているところで、起こされた。

「満足したか?」とオオクボが聞いてきたので、不満だ、と答えた。

オオクボはもう苦笑いはせずに、私の前にノリ弁とクリアアサヒを無言で置いた。

オオクボは、ビーフステーキ弁当。
まるで、社長は肉を食う権利がある、と言わんばかりである。
飲み物は、ペットボトルの「綾鷹」。
皮肉のひとつも言ってやりたかったが、奢られる側なので、我慢した。


お互い、過去の話で盛り上がるのは嫌いなので、今の大地震と原発の話から始めた。
次に「プリンセス・トヨトミ」の話になり、韓国の話になった。

オオクボが「女房が、韓流ドラマにハマって、夫婦の会話が成り立たないんだよな」と言った。

それは、「9割の法則」だから、仕方がないんだ。

「9割の法則?」

そうだ。
韓流ドラマにしろ、韓流映画にしろ、K-POPにしろ、女性は、韓流に興味を持つと、頭の中の9割が韓流に占められてしまうんだよ。
残りの1割は、亭主の愚痴だったり、世間への不満だな。

9割ってのは、大きいだろ。
例えば、男がゴルフに興味を持ったとしよう。
だが、男の場合は、ゴルフのことが頭の9割を占めるなんてことはない。
プロだったら、有りうるかもしれないが、普通の人だったら、せいぜい半分ってところだろう。
普通の男は、そこまで一極集中はできないものだ。

ところが、女の場合は韓流となると、簡単に集中できてしまうんだな。
女はすぐに、誰もが韓流やK-POPのスペシャリストになれるんだよ。
しかし、その代わり、ほかのことが頭に入らないから、俺たちの言ったことは、すぐに忘れるんだ。

「そうなんだよ。見事に忘れるんだな。『え? そんなこと言った?』の繰り返しだ。だから最近では、女房にものを頼むことを諦めちまったよ。そのほうが、ストレスがたまらないからな」

すごい勢いでビーフステーキ弁当を平らげ、綾鷹を一気に半分まで飲んで一息ついたオオクボ。
体全体に、苦笑いが貼り付いているような、どこか無気力を感じさせるため息を吐きながら、オオクボは残りの綾鷹を飲み干した。

「しかし、韓流となると、なんで女はあんなに集中できるのかな」

それは、わからない。
日本女性特有の感性が、日本人社会、白人社会とは別の「特別感」として、韓流を捉えているのだとは思うが、詳しいことは今後の関係諸機関の研究を待たねばならないだろう。


「そうか、俺は韓流ドラマもK-POPも全く興味がないから、完全に理解の外だな。マツも、そうだろ?」

いや、BIGBANG2EN1は、高度に完成されたヴォーカル・ユニットだよ。
彼らは、世界進出しても不思議ではない。

「???????」

それに、RAINBOWジェギョンちゃんは、いいぞ。
綾瀬はるかに似て、可愛いんだ。
歌は下手だが、あの子は、おすすめだな。

「おまえ・・・・・」

なんだ?

「変わったな」


そ・・・・・・・そうか・・・・・。




2011/05/26 AM 06:01:25 | Comment(1) | TrackBack(0) | [日記]

不愉快
不愉快な思いをさせる人というのは、必ずいる。

武蔵野に越してきて2人目に出来た同業者の知り合いがいた(過去形。今は付き合いを絶ったから)。

メールを数回やり取りして、「仕事場、見に来る?」と言われたので、5月の半ばに、一度だけ行った。
相手の年齢は聞かなかった。
キャリアも知らない。

その種のことには、興味がないから。

まあ、40〜50くらいだろうな、と見当をつけただけだ。
最寄りの駅は吉祥寺。
吉祥寺駅から西荻窪方向に15分程度歩くと、彼が仕事場兼住まいとしているマンションがある。

立地条件はいい。
だから、いいところですね、と言ったら「さあ・・・・・」と皮肉な笑みを向けられた。
はじめての訪問だから、お土産にクッキーの詰め合わせを渡そうとしたら「ああ・・・・・」と言うだけで手にとってもらえなかったので、事務所の端っこに勝手に置かせてもらった。

どんな仕事が多いですか、と聞いたら「まあ・・・・・」とまた唇の片方だけを持ち上げて、笑った。
ウィンドウズのデスクトップが4台もあるんですね、と言ったら「そう・・・・・」と言われた。
大型のインクジェットプリンタがあったので、羨ましいですね、と言ったら「別に・・・・・」と、どこかで聞いたようなことを言われた。

まるで、選挙区以外の人間は人にあらず、という信念を持つ政治家と話しているような気になった。

10分で、辞去させてもらった。
(見に来い、と言ったのは向こうの方なのに・・・)


不愉快なこと、で思い出した。

8年ほど前のことであるが、嫌なことはすぐに忘れる特技を持つ私でも、忘れられない不愉快なことに遭遇した。
それが2回も続けば、ほんの少し人間が嫌いになる。

そのとき、私は腰痛に悩まされていた。
大変痛い思いをしていた。
しかし、いつものように極限まで我慢した。

何ごともないように振る舞った。
しかし、いつか限界は必ずやって来る。

「もう、駄目だぁ!」
入院した。

医者から、呆れられた。
椎間板ヘルニアです。それも、かなり重症ですよ。いいですか、我慢大会なんかやったって、誰も褒めてくれませんよ!」

アイテテイテテ・・・・・・(病名を聞いて、やっと素直に痛いと言えた)。

そのとき、Kという同業者の仕事を受けていた。
ただ、その仕事は5ヶ月以上経過しても、アリの一歩ほども進展しない得体の知れない仕事だった。
Kはいつも、上から目線で高飛車な言い方をする人だったが、その物言いとは掛け離れた彼の仕事の段取りの悪さに呆れ、私は彼のことを密かに「口先男」と呼んで、その仕事は99パーセントないものだと思っていた。

5ヶ月たって、ほとんど何の進展もない仕事が、いきなり動き出すわけがない。
少なくとも、私の経験では、それはそのまま消えていく運命の仕事だった。

だから、入院したことを彼に知らせなかった。
私は、アリさん以下の仕事より、そのときは腰の痺れと激痛を取り除くことを優先したのだ。

ただ、アリさん以下の仕事とはいえ、仕事は仕事。
相手に入院を知らせるのは、最低限の礼儀である、と言われたら返す言葉がない。

これは完全に言い訳になるが、私の心の中では、その仕事がボツになることを望んでいたのだと思う。
あまりにも時間が経ち過ぎているし、Kのことが信頼できなかったからだ。

まことにもって、申し訳ない。

だが、運が悪いことに、この仕事が、私の入院中に予想を裏切って、少しだけ進展した。
私と連絡が取れないKは、焦った。
それは、彼にはできない仕事だったからである。

さらに、運が悪いことが重なる。
義父が、交通事故に遭って入院したのだ。
そして、それがショックだったのか、義母が鬱病になった。

ちょうど春休みだったので、ヨメは子ども二人を連れて、実家に帰ることにした。
だから、埼玉の我が家には、当時誰もいなかった。

私の携帯電話は、病院内では電源を切ってあるから繋がらない。
Kが我が家に電話をかけても、誰もいないから、留守電を吹き込んでも意味はない。
Kが我が家を訪ねてきても、誰もいないから、反応はない。

焦るK。
それに対して、ブロック注射を打ってもらって、痛みから解放される俺。
しかし、立つのも歩くのも、つらい俺。

椎間板ヘルニアの経験のある方には、その痛みはわかるだろうが、当たり前のことに、経験がない人には、痛みは想像すらできないかもしれない。

もう一度、言い訳を言わせてもらうが、アリさん以下の仕事より、当時の私はヘルニアの痛みから逃れることを優先したのだ。

五日間の入院を終え、コルセットを着けて家に帰った私は、留守電とFAXと大量のメールで、Kがパニックに陥っているのを知り、お詫びの電話をかけた。

まことにもって、申し訳ない。

しかし、私の説明は、彼の耳には届かなかったようだ。
Kは、自分がいかに大変な思いをしたかを最大限興奮した口調で語り、同時に私を罵った。

そればかりか、私が入院したことや義父が交通事故に遭ったことを、嘘だと決めつけたのである。

私だったら、たとえ相手がどんなに嫌いな人間でも、入院したと聞けば、絶対に相手の体のことを心配する。
相手の義父が交通事故に遭ったと聞けば、「大丈夫ですか」と聞く。

しかし、Kは、そうしなかった。
ただ罵り、嘘だと決めつけるだけ。

だから、逆恨みのようなものかもしれないが、私は不愉快になって、電話を途中で切ってしまったのだ。


それ以来、Kとの付き合いはない。
Kがいま何をしているか、私には全く興味がない。


それと、同じときのこと。
近所に古い印刷屋さんがあった。
そこからは、月に数回仕事をいただいていた。

だから、入院する当日に、しばらく入院することを告げに行った。
しかし、そのとき社長は不在だったので、事務の女性に社長への伝言を頼んだ。
念のため、社長の自宅の留守電にも、しばらく入院することを吹き込んでおいた。

退院した次の日、長く休んだことを詫びるため、印刷屋さんに挨拶に行った。

すると、「え? 入院? 聞いてないよ! 留守電? 俺、留守電は聞かないから(使い方がわからない?)」と言われた。

そればかりか、「Mさん、入院じゃなくて、借金取りから逃げてるんじゃない? だって、Mさん、腰が痛いなんて、今まで一度も言ったことなかったじゃない。突然そんなこと言ったって、信じられないよ! 大丈夫かなぁ? 俺、そんな人と付き合うの嫌だな。ちょっと仕事出すの遠慮するよ」と言われたのだ。

実際、それから一年近く、その印刷屋さんからは仕事が来なかったが、突然「パソコンが壊れたから、直して」という電話がかかってきた。

そのとき、社長が、無神経に言ったことば。

「Mさん、借金のケリはついた? いいかい、忠告するけどね、バレバレの嘘は勘弁してよ。不愉快だからさ」



不愉快なのは、俺だよ!





激しい立ちくらみは、昔の不愉快を思い出させるようだ。





2011/05/24 AM 06:14:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | [Macなできごと]

意外と金持ちな3姉弟
デリバリーおじさんが、やって来た。

高校一年の娘の中学3年時の同級生から、リクエストがあった。

それは、彼女たちの母親が金曜日の夜から土曜の夜まで家を空けるので、3人分のメシを作ってくれないかというものだった。
3人の内訳は、高校一年の姉、中学1年の次女、小学3年の男の子。

なぜ母親が家を空けるのかを、ヨメは大変気にしていたが、私は、その種のことは気にしないたちだ。

ああ、家を空けるんだ。
3姉弟でコンビニ弁当を食ったり、マックでメシを食うのは嫌なんだ、と思っただけである。

晩メシはハンバーグでいいか、と聞いたら「はい」と言った。
朝は、朝カレーだがいいか、と聞いたら「カレー大好き」と答えた。
昼は、そのカレーを応用したカレーうどんでいいか、と聞いたら「もちろんです」と言われた。

「お金は払いますから」と言われたが、子どもからお金を取るわけにはいかない。
「母が、お金を置いていったので」と言われたが、それは君たちのお金だ、と答えた。

「でも、困ります」と言われたので、それなら作らないと答えた。

困った顔をされたので、こちらも困ったが、娘が「こいつ変人だから、金に興味がないんだよ。まあ、料理をするサルだと思ってくれ。」と私のことを最大限に褒めてくれたので、お友だちは「ハハハ」と笑って、了解してくれた(ウッキー)。


金曜の夕方、激しいたちくらみを、BIGBANGの歌を聴くことで抑えながら、まずポテトサラダを作った。

ポテトサラダの嫌いな子どもは、2パーセント以下である、という世界保健機関(WHO)の統計を信じて(?)、心を込めて作った。
我が家のポテトサラダには、マカロニとハム、人参の細切れが入る。
マカロニサラダ? と言われることがたまにあるが、ポテトが66.6パーセントのポテトサラダだ、と主張すると、相手は確実に黙る。

次にツナと豆腐のコロッケを作る。

これには、ポテトは入らない。
つなぎにオカラを入れるから、成形がしやすい。
そして、美味い。
これを不味いといった人に、私はお目にかかったことがない。
ただ、嫌い、といった人はいたかもしれないが。

嫌いな理由。
「だって、肉が入ってないじゃん!」

肉が食いたいなら、焼肉屋へ行け! 愚か者が!

ハンバーグはトマトソース煮込みにする。

玉ねぎを買ったときは、いつも細かく刻んで、それをすべて冷凍用ジッパーに詰め、冷凍しておく。
今回も冷凍玉ねぎを使った。

まず、トマトを熱湯で皮むきして、徹底的に潰す。
「コノヤロー!」と言いながら潰す。
潰したトマトを鍋に入れ、赤ワインを注入。弱火にかける。

冷凍の刻み玉ねぎも適量入れる。
塩コショウで味をみて、オイスターソースを少々投入。
その時の気分で顆粒のコンソメかトマトケチャップを適当にふりかける。

これで、いいんじゃね、と味に納得したら、オリーブオイルを適当に注入。
煮込んでいく。

そして、冷凍玉ねぎをフライパンで炒めながら、ボールに牛豚挽肉を入れ、塩コショウし、放置。
他のボールにはパン粉を適当に入れ、牛乳を投入し、放置。

玉ねぎがアメ色化したら、それも放置して、粗熱を取る。

そんなこんなで、挽肉を入れたボールに牛乳で浸したパン粉と卵を合体し、冷ました玉ねぎも合体。
上品に捏ねくり回したあと、8等分にして、成形する。

熱したフライパンでハンバーグの両面を焦がし、1個あたり6分間、180℃のオーブンで加熱する。
加熱している間、コロッケを成形し、180℃の油で揚げる。
気が向いたら、トマトソースをかき混ぜる。
そして、味を見る。

「うんま!」と叫ぶ。

ポテトサラダは大きめのタッパに入れて、冷蔵庫で冷やしてある。
オーブンで加熱したハンバーグは、ある程度熱が取れたら、ラップに包んで、タッパに詰め込む。
トマトソースは、鍋に入れたまま、午後7時10分、お友だちの家にデリバリーした。

腹を極限まで空かせた3姉弟の前で、鍋を火にかけ、ハンバーグ3個を投入。
大きな皿にポテトサラダを盛り、個別の皿に、コロッケを芸術的に置く。
ハンバーグは、グラタン用の容器しかなかったので、ソースを絡めながら、グラタン皿に華麗に盛る。

さあ、召し上がれ!

腹を空かせた姉弟が、食い物に群がっているときに、カレーは夜、鍋ごと持ってくるから、寝ないで待っていてくれ、と命令して私は帰った。


次は、カレーづくり。
これは、あめ色化した玉ねぎと細かく砕いたニンニクを絡め、子どもが好きであろうと勝手に想像する「バーモントカレー甘口」をベースに、赤ワイン、ウコンの粉末、オイスターソースをぶち込んで、弱火でしつこく煮込む。
しつこく煮込んだら、一旦冷まして、生姜のすりおろし、りんごのすりおろしを投入。かき回す。

断続的に襲ってくる、たちくらみを懸命に堪えつつ、キャベツの千切りとコーンを絡め、コールスローサラダをつくる。
そして、牛挽肉をバターとカレー粉で、パラパラになるまで炒める。

カレーが冷めたら、20分ほど弱火でまた煮込む。

そして、鍋をバスタオルでくるみ、コールスローサラダは、プラスティックの容器に詰め、炒めた牛挽肉はタッパに保存してバッグに。
それを、午後11時過ぎにデリバリーした。

起きて待っていたお友だちに、「朝カレーは、必ず15分くらい弱火で煮込んで食うこと」「挽肉は、1分半くらいチンして、カレーにトッピングすること」「コールスローサラダは冷蔵庫に」「昼は、余ったカレーに麺つゆを薄めたものを投入し、20分程度煮込んで、茹でたうどんにかけて食うこと。うどんにトッピングするものは、自分で適当にアレンジして」と言って、渡した。

お友だちに「ありがとッス」と言われたので、「どういたしまッステ」と答えた。


家に帰ってホッとしたら、また激しいたちくらみが襲ってきたが、フォア・ローゼスをラッパ飲み(ワイルド!)したら、徐々に治まった。


土曜日の3時過ぎ、鍋類を下げに行ったら、全てキレイに洗ってあった。
水気も見事に切ってあった。

気分がいい。

そして、今どき珍しい坊主頭の小学3年の弟に言われた。
「すっごく、うまかったよぉ! ハンバーグもカレーもカレーうどんも、デニーズのよりもぉー、うまかったよぉ!」


・・・・・そうか、君たちは、デニーズに行ったことがあるのか。
俺は、10年以上行った記憶がない。


君たち・・・・・意外と金持ちなんだね。



2011/05/22 AM 08:48:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | [料理]

社長ふたり
埼玉にいた頃に、お世話になった社長がいる。

ひとりは中古OA販売会社の社長(その風貌からカバ社長と密かに呼んでいる)
もう一人は、建築会社の社長だ(夫婦ともども故芦屋雁之助氏に似ていることからガンノスケ社長と密かに呼んでいる)。

カバ社長からは仕事をいただいたことはないが、事務所のパソコンのメンテナンスをする代わりに、カバ社長が持っている倉庫の一角を「隠れ家」として利用させてもらっている。
倉庫というと埃っぽいイメージがあるが、OAを扱っているせいか空調がしっかりしていて、居心地はいい。

この隠れ家で、私は惰眠を貪ったり、いいちこのお湯割りを飲んだり、カップラーメンを食ったりして気持ちをリフレッシュさせていた。
私がどこにいるか誰も知らない、という状況は、私にとってこの上もなく快適な環境であると言える。


ガンノスケ社長は、奥さんと二人で、細々と建築会社を経営している。

年に5棟から9棟の家を建て、それをチラシと立看板で告知して売るという、昔ながらの至って基本的な販売方法を取っている。

「運が良ければ売れるし、悪かったら売れない。まあ、博打と一緒だね」
とガンノスケ社長は、いつも言っている。

埼玉にいた頃は、年に一度か二度、チラシの仕事をいただいた。
2色刷りのワンパターンのチラシだったが、出すのと出さないのでは、やはり反響は違う。
ガンノスケ社長は、私が武蔵野に越してから、遠慮をして仕事を出すのをためらっていたようだ(あるいは、面倒くさかった?)

去年は「4棟しか売れなかった。バブル以後最低の記録だね」

一年ぶりに会うガンノスケ社長。
そして、その横には、なぜかカバ社長。

場所は、吉祥寺の天狗

カバ社長は、なんこつ唐揚げにかじりつき、ガンノスケ社長は、串焼きを頬張り、私はざるそばを啜っている。

なぜカバとガンノスケが一緒にいるかというと、ガンノスケがカバの会社から中古のパソコンとコピー機を買ったことから、5年以上前から付き合いが続いていたらしい。

衝撃のビックリ!(日本語オカシイ?)

そして、つい最近、会話の中で、共通の知り合いとしてバカなデザイナーがいることを思い出し、「吉祥寺、行っちゃう?」という軽いノリで、昨日の夕方、突然電話がかかってきたのである。


いや、しかし・・・・・私は(激しいたちくらみの中で)家族の晩メシを作るという責務がございまして。


「じゃあ、ご家族も一緒にどうですか。私たちが奢りますから」

お・ご・り・・・・・。

なんと美しい言葉!
おそらく日本語でこれほど美しい響きを持つ言葉はないであろう。


私は、日本に生まれてきたことを誇りに思う。


家族を引き連れて、奢らせにやって来た私は、日本古来の「紹介という儀式」が面倒くさいたちなので「これ、ファミリーです」という実に大雑把な紹介で「奢らせ隊」にご挨拶をした。

同席だと気詰まりするだろう、というガンノスケ社長のありがたいご厚意を受け、ヨメ、息子、娘、居候さんは、我々から9メートル39センチ離れたところに席を取った。

奢らせ隊が「好きなもの食って」というので、我がファミリーは、本当に遠慮することなく色々なものを注文したようだ。
特に、我が息子と居候さんが。


私の顔を見て、「Mさん、やつれたんじゃない?」とカバ社長が心配してくれたが、いや、連れは4人です、と言ってごまかした。

???????

まったく、意味が通じなかったようだ。
(当たり前か)

私が、そばを啜っている姿を見て、ガンノスケ社長が「肉の方がいいんじゃない? いまMさんに必要なのは、肉だよ」と、サイコロステーキと豚肉の生姜焼きを注文してくれた。

ガンノスケに感謝。

「俺たち、吉祥寺は初めてなんだよね! なんか、外国に来た感じだね!」とガンノスケが言う。
「なんか、気後れするよね。俺たち、田舎者なんだなって、本気で思うよ」とカバも言う。

そして、「Mさんは、完全に吉祥寺に馴染んでいるよね。完全に、都会人だね。うらやましいよ!」と、さらにカバ。

カバに感謝。

人の悪口を絶対に言わない、カバとガンノスケ。

私は、その点を最大評価して、お二人のことを尊敬している。

「なんか、嬉しいなあ! Mさん、全体的に萎んだ感じがして、とても心配だけど、話してみるといつものMさんだよね。いいね、いいね、楽しいね!」とカバ社長。

「やっぱ、チラシ、Mさんに頼もうかな。今日は、カアチャンに厳しく言われてきたんだよね。『Mさんの機嫌を損ねちゃダメだよ。絶対にお願いしてくるんだよ。そうじゃないと、家に入れないからね』って言われてるんだよ。だから、ねっ、お願い!」
ガンノスケ社長に、拝まれた。


普通は、仕事をいただく側が、拝むものではないのか。


カバとガンノスケに、ダブル感謝。


ホノボノとした気持ちを抱えて、お二人に「ごちそうさま」を言った。

ファミリーも大きな声で「ごちそうさま!」


さて、トータルの金額は?

ガンノスケ社長が「と、とりあえず、こ、ここの支払いは俺が・・・・・」と狼狽しながら、カードで会計をしていた。


食いやがったな、我がファミリー!


やつれた私には、その金額を聞く勇気が・・・・・・・なかった。





2011/05/20 AM 06:21:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | [日記]

立ちくらみするほどの・・・
俺も年をとったと実感。


4月中旬から5月のゴールデンウィーク明けまで、仕事が押した状態が続いた。
売れっ子でもないのに・・・・・。

その間の平均睡眠時間は・・・(などと言っても意味はないか)。

仕事は、基本的にレギュラーの仕事は、ドラッグストアのチラシ1社だけ。

そのほかに、稲城市の同業者から、入るときは大量の仕事が入る。

一流デザイナーのニシダ君からも、フリーペーパーの仕事が入ることがある。

桶川のフクシマさんから、「急ぎですよ! Mさん」と言って、押し付けがましい仕事が入ることがある。

杉並の建設会社社長から「ちょっと思いついたんだけどな」と、HPの更新を命令されることがある。

そして、WEBデザイナーのタカダ君(通称ダルマ)から、「師匠! ヘルプ!」という本当に緊急の仕事が入ることがある。

お得意様は少ないが、それが集中して入ってくると、お祭り騒ぎになる。
ハッピを着て、鉢巻を締めなければいけなくなる。


今までだったら、忙しくても体調に異変が起きることはなかった。
仕事の最中は、我慢していられた。
そして、疲れは忙しい時間が通り過ぎた後にやってきた。


しかし、今回だけは違った。

仕事をしている最中も、絶えず疲れを感じていた。
疲ればかりか、痺れるような感覚が全身を覆い、ときにマウスを持つ右手が、自分のものではないような違和感を持ちながら作業をした。

駅の階段を2段飛ばしで駆け上がっても、今までは息切れをしたことはほとんどなかった。
息切れをしたのは、私の記憶では、38度以上の高熱が出たときだけだった。

だが、今回は息切れをした。
2回もした。


そして、「師匠! ピンチです! 急ぎの仕事が2件入ったので、(ホームページの)更新が間に合いません。助けてください」とダルマから言われるたびに、ダルマに殺意を覚えた。

稲城市の同業者から、「地図のトレース、Mさん、得意でしたよね。24個あるんですけど、明後日までに仕上げるのは、Mさんにとって余裕でしょ」と言われると、同業者を多摩川に投げ込みたくなった。

桶川のフクシマさんから、「喜んでください。ゴールデンウィークの仕事、取ってきてあげましたよ。俺って、有能でしょ」と言われると、タレ目を力ずくで吊り目にしたくなった。


もともとない食欲が、極端に落ちた。
クリアアサヒを飲もうという気にもならなかった。

ただ、無理やり飲んだときもあったが・・・・・。
いや、本当に無理やり飲んだんですよ。
私は、ちっとも飲みたくなかったんですが、クリアアサヒが勝手に私の右手に忍び込んできたんです。
それほど、私はクリアアサヒに好かれているということです。


しかし、本当に疲れましたね。
これほど疲れに全身ドップリ包まれて仕事をしたのは、初めてかもしれない。

昔の俺だったら・・・・・という言い方は好きではないので、いまの疲れを冷静に受け止めましょう。


4月上旬の私の体重56.5キロ。
今の体重は・・・・・・昨日の夜、体重計に乗って数値を見たとき、愕然とした。


驚いた。
ビックリした。
サプライズした。
驚愕した。
目が点になった。


何キロだったかって?

まあ・・・・・そのぉ・・・・・立ちくらみがするくらいの激ヤセでした。


昨日の夜は、爆弾ハンバーグを作って食いましたが、この効果は、いつ現れるでしょうか。




昨日近所のドラッグストアで、一番下の商品を取るためにしゃがみこんだら、店員が血相を変えて飛んできて「お客様ぁ! お客様ぁ! 大丈夫ですかぁ!」と私の両脇の下に手を入れて、立たせてくれた。

え?????

そして、追い討ちをかけるように言われたのだ。
「お疲れのようですので、事務所でお休みください。ソファで申し訳ありませんが」

事務所に拉致され、ソファに寝かされ、毛布をかけられた。


そして、寝ちまったんですよ。


起きると、薬剤師らしき人が、ユンケルを手渡しながら、「おうちまでお送りいたしましょうか」と親切にも言ってくれた。


「あああ、だ、だ、大丈夫です。一人で、帰れますから」
スリムクラブの真栄田のように、情けない声を出して、頭を深く下げ、家に帰ってきた。



俺は、そんなにも疲れて見えたのか・・・・・・・・・。




2011/05/18 AM 06:06:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | [Macなできごと]

公園で「ビッグかつ」
いま手持ちの仕事は、ドラッグストアのチラシだけだから、時間に余裕がある。
ドラッグストアの仕事は、8割方終わっている。
校了は、火曜日の午前中。

余裕だ。


作業部屋でボーッとしていると、サボっていると思う人が一名いるので、スーツを着て営業のフリしてお出かけすることにした(日曜日だったが)。

と言っても、遠くまで行くのは億劫なので、武蔵野のご近所を自転車で流すというユルい時間を過ごすことにした。

最初、井の頭公園に行こうと考えたが、日曜なので人出が多いだろうと思ってやめた。
小金井公園は、ジョギングで絶えず利用しているので、今回は敬遠。
野川公園は、家族連れが多いと判断して、やはり敬遠。

野川公園のお隣の武蔵野公園の方がすいているだろうと判断して、こちらに行くことにした。

風は強いが、天気良し。
家族連れとカップルがそれなりにいたが、おそらく野川公園ほどではないだろう。
木のベンチに座って、全身から力を抜く。


空を見上げ、「空が青く見えるのは、空気の層が青い光を散乱させるからなんだぁ」とつぶやく(変?)。


さて・・・・・バッグの中に忍ばせた保冷バッグには、クリアアサヒの500缶が入っている。
よく冷えたクリアアサヒを飲みながら、駄菓子の「ビッグかつ」をかじる。
「ビッグかつ」は4個持ってきている。
これが、私の昼メシだ。

クリアアサヒは2本持ってきた。
つまり、1本につき2枚の「ビッグかつ」を食う計算になる。
昼メシとしては、ちょうどいいカロリーではないだろうか(おそらく900キロカロリーくらい)。

カロリーは一応気にする。
しかし、バカ食いしても太らない体質なので、本気で気にしているわけではない(誰にも喧嘩は売っておりませんので)。
それに、私はバカ食いしたことは、長い人生の中で5回しかない。

最初は、高校2年の夏休みだったが・・・・・・・話が長くなるので、カット。


そんな風に遠い昔に思いを馳せていたとき、4メートル左のベンチにご老人が腰を下ろした。
そのご老人を見て、私は小さく息をのんだ。

そのご老人が、今年の一月に死んだ義母に似ていたからだ。
この年代のご老人の着る洋服の嗜好は、たいていは似通っているものだが、ほとんど同じと言っていいセンスをしていた。
体型もほぼ同じ。
人を気軽に寄せ付けない雰囲気も、同じだった。

顔はボヤけて見えないので判断のしようがないが、全身から出る空気感が、そっくりだった。

ご老人は、座るとすぐに独り言を小声で言い出した。
お経みたいな独り言だな、と思っていたら「南無妙法蓮華経〜」と言い出したので、本当にお経だったようだ。

ご老人の横顔を見ていて、思った。
義母は、私の娘の高校生になった姿を見ずに逝ったのだな、と。

それを思うと、小さな何かがこみ上げてきたが、「ビッグかつ」をかじることで、かろうじて抑えた。


この日は、幕張で開かれる「K-POP SUPER LIVE」に居候さんと一緒に行っている娘は、今春から居候さんと同じ都立高校に通っていた。

入学して一ヶ月と少し。
既にクラスの子全員と会話をした娘は、全員の名前とニックネーム、性格などを事細かに、私に教えてくれる。
教師の特徴なども、同じように事細かに教えてくれる。

だから、私は家にいながらにして、娘の同級生と先生の名前、性格を把握するという情報通になっている。

「おい、キョースケ、おまえ、AKBの板野友美のファンなんだってな」
などと突然言ったら、キョースケはビックリするだろうな。

キョースケの顔を見て、その衝動を抑えられる自信が、私にはない。


娘は、自らクラス委員に立候補して、権力のうまみをいま存分に味わっているという。
部活は、ファッション部。
文化祭はまだ先のことではあるが、クラスの女装の似合いそうな男を選んで、女装ファッションショーを開こうと、今から男の子を毎日のようにくどいて、暗示にかけているらしい。

「そのままでもいいけど、化粧すると、プリンセスだね。華麗に変身できるよ」
「もしかして、ウエストくびれてる? それに、美脚じゃない? 香里奈になれるかもね」
「私の見る目が間違っていなければ、君は新垣結衣よりも可愛くなるかもしれない」

悪徳スカウトマンの手口である。

しかし、今のところ、すでに二人その気になったメンズがいるというから、娘は、悪徳ではなく有能なのかもしれないが。


そんな娘が、こんなことを言った。

「授業公開の前日に、ばあちゃんの夢を見たんだよな。ばあちゃんが、授業公開に来てくれたんだ。俺が手を振ると、ばあちゃん、嬉しそうに手を振ってくれたよ。ばあちゃん、きっと見に来たかったんだな。絶対そうだよ!」


それを思い出したとき、また何かがこみ上げてきそうになった。
慌ててクリアアサヒを飲んだが、遅かったようだ。

口の中に、目から流れ落ちた何かが入って、クリアアサヒが苦く感じられた。



ご老人は、相変わらず小さな声で、お経を唱えていた。



2011/05/16 AM 06:19:55 | Comment(2) | TrackBack(0) | [日記]

ある人の星野仙一論
唯一レギュラーの仕事をいただいている埼玉に本社があるドラッグストア。

担当者が二人、インフルエンザでダウンした(季節外れ?)。

ということもあって、今回打ち合わせをしたのは、社長だった。
この社長に関しては、何度か書いたことがあるが、とにかく人格者である。

ただ、あまり褒めると怒られるので、今回は簡単に。

社長は、伊豆高原に別荘を自己所有しているが、これはほとんど社員やパートの保養所になっている。
泊まるのは、もちろん無料。
夕食も、社長が近くのレストランと個人的に提携しているので、無料だという。

社長は、ポケットマネーで、社員旅行の積立をしている。
そして、今回その積み立てた全額を赤十字に寄付したという。

さらに、今年の社員旅行を断念するお詫びに、それと同じ金額を社員に分配したというのだ。
つまり、倍の金額を、社長はポケットマネーから支払ったことになる。
重ねて言うが、会社の金ではない。
すべて社長のポケットマネーである。
(これは、社長本人からではなく、事務の人から聞いた話)

なかなか、できることではない。


社長と私は同い年だ。

共通点と言えば、人を叱らないということとアンチ巨人ということだけ。

あとは、比較するのが申し訳ないほど、社長の人格は、圧倒するほどの神々しさでそびえ立っている。

その特級の人格を持つ社長との共通点を、昨日世間話の中で、もうひとつ見つけた。


「星野監督、あの人は、感心しませんねえ」


今年からプロ野球チーム楽天の指揮をとる星野仙一氏のことである。

「闘将」の冠をつけた、ただの「闘犬」
あるいは、吠えることで羊の群れを恐怖で操る牧羊犬。

「日本人は、『燃える人』とか『熱い人』というと、それだけで仕事熱心な人と好意的に受け取って、無条件で認めてしまうところがありますね。燃える人が、他人を叱って、ときに暴力を振るっても許される。それって、僕には指導される側の人格と可能性を無視しているように思えるんですけどねえ」

意外なほど、ご立腹である。

「相手の人格を尊重するのは、人間関係を築く上で、一番大事なことです。それを怒鳴ったり暴力的な示威行動で人をコントロールするなんて、指導者として一番レベルの低い行動です。指導者として最低です。
あんな手法が認められる世界は、日本の監獄だけですよ。海外の監獄は、もっとまともです。人間の尊厳を保っています。
つまり、星野監督は日本の監獄の看守と同じ。看守的な支配方法を野球に応用している特別な人格を持った人です。
僕は、絶対に認めることができません」

実は、これはかなり要約した文章である。
社長は、20分以上、星野氏の指導方法について辛辣な意見を述べた。
それは、普段の社長の性格からは想像できないくらい厳しいものだった。

社長はこうも言った。
「本当に指導力に自信のある人は、あんなに部下を萎縮させる方法は取りませんよ。それで選手の成績が上がったとしても、おそらく長続きはしないでしょう。一過性のものです。ただ恐怖でコントロールされているだけですから、彼が辞めてしまったら、その効果はなくなると思いますよ」

社長とは、真逆の位置にいる星野仙一氏。

しかし、社長はなぜそこまで、星野氏に批判的なんだろう。

「僕は、今の会社を立ち上げる前に、6年間会社勤めをしていました。その会社の社長が、星野さんと全く同じことをしていたんですよ。
部下をみんなの前で叱責したり、時にビンタしたりで、周りはみな萎縮していましたね。そして、業績が上がると俺の経営能力のおかげだと言って上機嫌になるんです。逆に下がると、怒鳴り散らしていましたね。机を蹴飛ばすこともありました。
業績が上がっても給料やボーナスは一緒。下がると、ペナルティだと言って、仕事もないのに、社員全員に8時までの残業を命令するんです。
仕事がないんですから、その時間は、社長の説教か自慢話を正座して聞かされるんです。
それを毎日のように聞かされながら、僕は、絶対にあんな経営者にはなりたくないと、反面教師にしたんです。
だから、僕は、会社を立ち上げるとき、お客様と社員のための会社を作ろうと思ったんですよ。
経営者に、自己満足のパフォーマンスはいらない。
熱いパフォーマンスにコントロールされた社員は、自分の力を自分では計れません。
熱気が覚めたら、きっと自分を見失うでしょう。彼らは自主的に力をつけたわけではないんですから。
僕はいつも思っているんです。会社も社員も、僕のものじゃないって。経営者は黒衣(くろご)でいいんです。
経営者が、表向きに熱くなる必要はありません。陰で熱くなればいいんです。
そして、その秘められた熱さは、お客様と社員にだけ向けられればいい。
僕は、そう思っています。
だから、嫌いですね・・・・・・・あの人」


そのご意見、もちろん異論のある人は沢山いるでしょうが、俺は、社長を支持します。



2011/05/14 AM 07:39:43 | Comment(2) | TrackBack(0) | [日記]

正義の味方
元気のいいおジイさんに「あんた、馬鹿だね!」と怒られた。

年は、おそらく70歳前後。
もしかしたらおジイさんと呼ぶのは、失礼かもしれない。

体は細身だが、顔が大きくて肩幅が広い。
そして、姿勢もいい。
ご老人と呼ぶのが憚られるような活力を持った男の人だった。

場所は、私がよく利用する小金井市のスーパーだった。

色々なものを買い物して、レジで清算していたときのことだった。
POSシステムを通したときに、フランスパンの消費期限が過ぎているのが、見えたのだ。

最近の私は、自転車に乗るとき、眼鏡をかけるようにしている。
右目が超超弱視の私は、自転車に乗るとき、普通の人より危険が大きい。
そして、右耳がほとんど聞こえないから、その危険度は倍加する。

だから、まわりから「せめて眼鏡をかけて」と土下座して懇願されているのだ。

まわりからそこまでされて言うことを聞かないというのは、とても大人気ないことである。

だから、自転車に乗るときだけ、仕方ないから眼鏡をかけてやっている。

いつもは自転車から降りたら、眼鏡をはずすのだが、このときは、かけたままだった。
それもあって動体視力のいい私は、消費期限が見えてしまったのである。

一日消費期限の過ぎたフランスパンを食ったからといって、問題ないとは思うが、とっさに私は、ああ、これ期限が切れてますね、と言ってしまったのだ。

フランスパンを手にとって、蒼ざめるレジの女性。

そして、彼女は高速で頭を下げ「すぐに新しいものと交換します」と、蒼ざめたまま言った。

しかし、そのとき、私の後ろにはレジ待ちの客が5人列を作っていた。

ここで、時間をとらせるのは、申し訳ない。
だから、私は言った。

手間をかけて申し訳ないけど、そのフランスパン、キャンセルしてくれますか。

すると、レジの女性は、戸惑った表情で「あのー、すぐお取替えいたしますが」と、遠くにいた遊軍扱いのパートの男性を呼ぼうとした。

だが、そんなことをしたら、時間がかかってしまって、後ろに並んでいる人に申し訳ない。
だから、私はもう一度、お願いした。

キャンセルでいいです。
駄目ですか?

レジの女性は、私を見上げて(身長150センチくらいの小柄な人だった)「でも、必要なものでは・・・?」と目を瞬きした。

いや、絶対に必要なものだというわけではありません。
本当は、チーズフォンデュをしようと思ったので、必要ではあったが、これは献立を変えれば済むことである。

無事レジを通過して、エコバックに買い物を詰め始めた。

そのとき、肩を叩かれたのだ。

振り返ると、ご老人が「あんた、なんで怒んなかったんだい! あれは、店のミスだろ。もっと強く叱らないと、また同じことをしでかすぞ」と鼻の穴を膨らませて言った。

思いもかけない言葉だった。

商品の消費期限が、たまたま過ぎていた。
それを私は指摘した。
そして、レジの停滞を防ぐために、その商品をキャンセルした。

それだけのことで、なぜ私が怒られなければいけない?

消費期限が過ぎていることを指摘したことで、私は店側に意思表示をしたではないか。
なぜ、レジの店員を怒る必要がある?

それは、時間の無駄だろう。

私が怒ることでレジが停滞したら、うしろで清算を待っている人たちは、いい気がしないと思うのだが。


私が黙っていると、ご老人は「まったく根性がないなぁ、最近の若いやつは!」と鼻息荒く捨て台詞を残して、その場を去っていった。


すみませんが、ご老人。
俺、ちっとも若くないんですが・・・・・。


熱いですね、ご老人。

これからも「正義の味方」を貫いて、「若いやつ」を叱ってやってください。


ただ、くれぐれも喧嘩腰にはなりませぬように。



2011/05/12 AM 05:52:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | [日記]

イクメン? ケッ!
「俺、イクメンなんです」と桶川のフクシマさんに言われたとき、何言ってんだ、この人、と思った。

どこが、イケメンやねん!
タレ目の金子貴俊が!

「いやいや、Mさん、イケメンではなくイ・ク・メ・ン! です。知りませんか、その言葉?」

知ってる・・・・・・ような気がする。
昨年の流行語大賞の中に、あったような気がする。

イクララーメン、を略したものだろう。

あまり食欲をそそらないが。

あるいは、イクラソーメンを略したものだったか。

食いたくないが。

まさか、田斗真が表紙のメンズノンノのことか。

いくらなんでも、それは無理があるだろう。

そんな妄想の世界に浸りきっていたら、フクシマさんが、あっさりと「育児をする男」と鼻息とともに吐き出した。

「ほら、嫁さんが、コレでしょ」とフクシマさんは、両手でお腹を膨らませるポーズをした。

奥さんが、女相撲を始めたんですか?

私の洗練されたジョークを完全に無視して、フクシマさんが「二人目ですから、なかなか上の子にまで手が回らなくて、俺が育児を手伝ってるんですよね。だから、俺、イクメン」と、胸を張った。

イクラのパスタを食べるボンビーメン(『しつこい!』 と睨まれた)。

そうですか、フクシマさんが、育児をねえ。
意気地のないフクシマさんが、育児を・・・・・。

また、睨まれた。

まあ、えらいといえばえらいですが、今さらですよ、フクシマさん。

あなたは、出産に立ち会ったことがありますか?

「いや、そんな大それたことは・・・」

私は、二回とも立ち会いました。
そして、最初の子のとき、初めは母乳を与えていたのですが、だんだんヨメの乳の出が悪くなって、粉ミルクに代えました。
夜中に、ヨメと交代で、私はミルクを与えましたよ。
そのときは、まだ独立前でしたから、昼は会社勤め、そして夜は子どもを風呂に入れ、真夜中はミルクです。
慢性的な睡眠不足でございました。

子どもが成長したら、離乳食作り。
幼稚園にあがったら、お弁当作り。
下の子が生まれたときも、上の子とまったく同じことをしました。
ミルク、離乳食、弁当作り。

そして、二人の学校行事には、どんなことがあっても参加しました。
ほとんど皆勤賞と言っていいでしょう。

そんな俺に言わせたら、イクメン? ケッ! ですよ。
まるで、男が育児に参加するのが、なにか特別で偉そうな話になっていませんか?

参加しないほうが、おかしいんですよ。


(テーブルを叩いて)仕事を言い訳にすんじゃねえぞ!
俺は、仕事もして、育児もしたんだ!


それは、少しも特別なことじゃない。
俺には、普通のことなんですよ。

男は仕事、女は育児、家事なんてのは、「根拠のない常識」に逃げているだけだ。
安易で居心地のいい方を選んで、大変ぶっているだけだ。

「仕事が忙しくて、育児どころじゃないよ」
「家事は大変だわ。そのうえ育児までするんだから、女は大変」

ケッ! ケッ! ケッ!

だから、フクシマさん。
イクメン、なんて気取ってないで、普通に育児をしましょうよ。
何も力まなくたっていいんです。

それは、普通のことなんですから。


いいですか、フクシマさん。

神は、乗り越えられる試練しか与えないんですよ。 by 仁〜JIN〜 。


「Mさん、惜しい! 完璧だったのに、最後に滑りましたね。途中まで説得力があったのに、ああ、惜しい、ほんとに惜しい!」


こら、フクシマ。
指をさすんじゃない、指を!



2011/05/10 AM 06:06:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | [子育て]

急ぎの仕事が終わったあとで
手持ちの急ぎの仕事は、すべて終わった。

いつものことだが、いっときだけ開放感がある。
自分を解き放ちたい、と一瞬だけ思う。

だが、自分を解き放つ方法を私は知らないので、曇り空の中、自転車で小金井公園に出かけた。

大きな小金井公園の真ん中にある広場の芝生に座って、保冷バッグにいれたクリアアサヒを飲む。

朝9時5分。
気温16度。
寒い。
今にも雨を落としそうな灰色の雲が、斜め20度の方向に浮かんでいる。

しかし、寒くてもクリアアサヒは美味い。

トータス松本たちが出ているクリアアサヒのCMを口ずさみながら、500缶を一気飲みする。

クゥゥゥゥリィィィアァァァサヒィ〜〜〜ット!

控えめに下品な雄叫びを上げていたとき、後ろ12メートル地点を親子連れが通った。

その会話。
「今年のクリスマスプレゼントは、サンタさんにいらないって言おうかな。そのプレゼントをヒサイチの人に寄付してよってお願いしたいんだけど、ねえ、ママ、いいでしょ」

その話の内容に興味を持って振り向くと、5歳くらいの男の子が30代半ばの母親を見上げている姿が目に入った。

そんな「深イイ話」だから、偉いねえ、とお母さんは、彼のことを褒めるのかと思った。

だが、お母さんは、笑い飛ばすように言ったのだ。
「いいんだよ、レン君は、そんなこと考えなくたって。サンタさんは、そんな変な願いは聞いてくれないよ。それにさあ、クリスマスの頃には、レン君は地震のことなんか忘れているよ。半年以上も先なんだからさ」

おやおや、褒めませんか〜。

最近の人は、褒めるのが下手のようですね。

私ならこう言う。

レン君、偉いねえ。優しいねえ。じゃあ、お母さんも一緒に、サンタさんにお願いしてあげる。でも、レン君があんまり偉いから、サンタさんが感心して、よけい立派なプレゼントをくれるかもしれないね(笑)。

背筋が寒くなるような褒め方だが、褒められて悪い気はしない、と私は勝手に解釈している。

私は母親から褒められて育ててもらったので、それが当たり前だと思っている。
だから、私は子どもに対しても、大人に対しても「褒めること」を優先するようにしている。

なぜなら、怒るのは簡単。
褒める方が、難しいと思っているからだ。

難しいから、皆が「褒めること」から逃げている。
「恥ずかしくて褒めてなんかいられないよ」と、言い訳をする。


一番新しいお得意さまである建設会社の社長。
前回訪問したときに、社長が言った。
「息子たちが、俺のことを怖がるんだよね。全然なつかないんだ。まあ、それも当然か。毎日怒鳴って、ときどき叩いて。言うことをきかないときは、庭に放り出すからな。でも、それって、親なんだから、当たり前だろ?」

社長の子どもは、10歳と11歳の男の子だという。
私が、奥さんは何て言ってるんですか、と聞くと「カカアは、いねえ」。
私は、他人の生活を聞く趣味がないので、その話をそれ以上掘り下げることはしない。

そして、「俺は、社員も叩くよ。殴るよ。ヘマやらかしたら、責任をとってもらわなけりゃいけないからな。給料減らさない代わりに、殴る。経営者は、それくらいしてもいいよな」

殴るのは、暴力ですから、時によっては、犯罪になりますが。

私がそう言うと、「はん?」と15センチほど顔を近づけて、私を睨んだ。
「甘っちょろいな、あんた。俺は、あいつらの親みたいなもんなんだよ。親は、殴っても許されるだろ。それと同じだよ」

(それは論理の飛躍だ。経営者が親と一緒というのは、あなたが勝手に思っていることだ。おそらく、社員たちは、そうは思っていない。それに、殴って怪我をさせたら、それは犯罪だ。親だからといって、許されるわけではない)
そう言おうと思ったが、喧嘩になりそうなので、黙ってコーヒーを口に運んだ。

その私の姿を弱気ととったのか、勝ち誇ったように、社長が言う。
「まあ、叩くと半分くらいが辞めちまうがな。だが、働きたいってやつは、いくらでもいるから、俺は困らないよ。『社会は厳しい』ってことを教えるのも、経営者の役目だろ。違うか?」

黙って、コーヒーを飲む。

言いたいことを黙ってこらえていると、体の奥から不快な虫が騒ぎ出して、その虫が段々と大きくなって細胞を叩いて回るのが、背筋のあたりで感じられて、背中がムズムズしてくる。


口答えをしたら、いかん!


懸命にこらえる。

こらえる。

目の前には、勝ち誇ったような顔。

しかし、こらえる

背中に不気味な生き物を背負いながら、聞かなくてもいいことを聞いた。

社長は、褒めたことはありますか?

すると、社長が勝ち誇った顔のまま言った。
「一度もないね。自分の子どもを褒めたことも、社員を褒めたこともない。あいつら、馬鹿だからな。褒めるところなんか、ひとつもない」

聞くんじゃなかった。

背中の異生物が、さらに大きくなった。

大きな危険を感じた危機管理に優れた男は、唐突に「急用を思い出したので、失礼します」と頭を下げ、早足で事務所を後にした。
男は、非常階段を駆け下りているとき「ウギャー!」と大声で三回吼え、地上に降り立ったとき、8段上の階段から飛び降りたのを確認して、満足の笑みを浮かべた。
そして、何事もなかったような顔で、ビルの外に出た。

危ないところだった。
人格が、変わるところだった。
(人格は変わらなかったが、もともと壊れているという噂がある。私は、その噂を信じないが)


そんなことを思い出していたとき、雨が降り出してきた。
最初パラパラ、しかし、すぐにザーザー。

全身を濡らしながら、保冷バッグを自転車のカゴに載せ、近くの東屋まで、全速で走った。

雨宿り。

2本目のクリアアサヒを飲みながら、空を見上げる。
おそらく、しばらく雨がやむことはないであろう。

まあ、いいか。
クリアアサヒは、3本持ってきているし。
クラッカーも持ってきているから、腹が減ったら、それをかじればいいし。
急ぎの仕事はないし

危機管理に優れた男は、フェイスタオルも持ってきていたから、それで濡れた部分をパンパンと叩きながら、クリアアサヒを飲んだ。


しかし、危機管理に優れた男は、突然思ったのだ。

クリアアサヒの500缶を3本飲んで、自転車に乗る。
これは、道路交通法違反ではないのか。

その点を、厳しいお方に、突っ込まれたら、どうしよう?

なんと言い訳しよう。

酒気帯び運転と酒酔い運転は違う。
私は酔っ払ったことはないから、酔っ払って自転車を走らせたわけではない、とでも弁明しようか。


いや、どんなことを言っても、突っ込んでくる人はいる。

だから、私は言う。

雨宿りを12時間したあとで自転車に乗ったから、酒は完全に抜けている。
だから、酒気帯びでも酒酔いでもない。
私は、無実だ。



こんなところで、いかがでしょうか。



2011/05/08 AM 08:33:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | [日記]

恐れていたこと
恐れていたことが、起きた。

それは、米国という臆病で利己的なテロ国家が、戦争好きな世論の後押しを受けて、ビンラディン氏を殺害したこと?
そして、武器輸出大国から兵器を大量に購入したアルカイダが、米国や米国の方針を支持する国に、無条件に報復テロを繰り返す危険性が高くなったことか。

いや、違う。

では、小沢一郎を盲目的に信奉する民主党の子分たちが、まるで言葉を覚えたての3歳児のように「トウカク、トウカク!」と、白痴的な言葉を叫び出し、国家の一大事にもお構いなしで駄々をこね始めたことか。

それも違う。

国際フィギュアスケートの大会で、浅田真央が6位になったことか。
しかし、「ミキティ〜」が優勝したから、満足満足。

では、近くのコミュニティセンターの身長計で身長を計ったら、2ミリ縮んで、179.5センチになったことか。
しかし、まだ四捨五入すれば、180センチだから、それも問題はない。


恐れていたこと・・・・・それは、WEBデザイナーのタカダ君(通称ダルマ)からの電話のことだった。

稲城市の同業者からいただいた仕事と埼玉の同業者から押し付けられた仕事。
この二つの仕事で手一杯のときに、ダルマから「師匠、ヘルプ!」の電話がかかってきたら、間違いなく持病の不整脈が、私の上品な体を弄ぶに違いない。

だから、かかってこないでくれ、と気が向いたときに祈っていたのだが、祈りは通じなかったようである。


「師匠! お願いです。断らないでください。絶対に断らないでください。ピンチなんです!」

俺の弟子になってから、何回目のピンチだ?

「???・・・・・さあ」

今日で、記念すべき百回目だ。
おめでとう!

「ああ・・・・・ありがとうございます」
電話の向こう側に、ざわめきのようなものが聞こえる。
外からの電話のようだ。

まさかのバカンス中?

(遊び先からヘルプの電話をかけてくるとは、いい度胸ではないか)

家族旅行中のタカダ君。
私に買って帰るお土産の相談かね。

「ああ、師匠は、甘いものがお嫌いなので、漬物など・・・・・」

(本当に旅行中とは、恐れ入る。俺は、マウスを持った右手がしびれて失神寸前なのに)

私の怒りを受話器ごしに感じ取ったのか、ダルマの唾を飲み込む音が聞こえた。
そして、意を決したように早口で言った。

「師匠。今度お会いしたときは、ケツを思いっきり蹴飛ばしても構いません。ですから・・・・・・・ヘルプです。お願いします」

ダルマが受話器を持ったまま、頭を下げている気配を感じた。

わかった。
世間の自粛ムードに逆らって、箱根に家族旅行を決行したその勇気に免じて許す。
トラブル解決に力を貸そうではないか

「師匠。申し訳ありません。箱根ではなく、鬼怒川です。日光です」

おお、あの風評被害で客足が遠のいた鬼怒川に行くとは、何と殊勝なやつ。
褒めてつかわす。
おぬしは、鬼怒川観光協会並びに日光観光組合の救世主だ。

アッパレ!

と、ノーテンキな冗談は、これくらいにして・・・。

ダルマからの依頼は、連休前にアップしたホームページの一部が、機能していないから、その原因を探ってくれというものだった。

そこで有能な探偵は、ダルマのサーバのIDとパスワードを聞き、サーバからホームページをダウンロードした。
一通り見ていって、機能していない箇所が2つあるのを探偵は見つけた。

それは、どちらもJavaScriptを使ったものだった。

英文のプログラム言語。
避けられるものなら避けて通りたいところだが、鬼怒川で愛妻と赤ん坊を連れて、楽しくバカンスを楽しんでいる風評被害に負けない男のためにも、ここは、やり通さなければならない。

JEditというエディタの検索機能を使って、記号が重複している箇所を探した。

すると、ひとつは簡単に見つけることができた。
「”」が、一箇所重なっている箇所があったのだ。

それを直して、サーバにアップしたら、一箇所は、動いた。

これは、簡単だった。

しかし、次の箇所を探すのが大変だった。
JEdit教授は、それ以上の不具合を探し出してくれなかった。

あとは、最近とみに衰えた左目を酷使して(右目は超超弱視なので役たたず)、200行近い英文の羅列をクマなく探っていった。

そして、目にクマが出来そうになった1時間13分後、あってはならない「スペース」があったのを見つけた。
スペースを削除。

それをサーバにアップして、動作を確認すると、動いた動いた!


探偵の役目、完了である。

ダルマに、そのことを早速伝えようと、電話をしたが、出んわ(痛)(恥)(滑)。

4回かけなおした40分後に、やっと出やがった。
「ああ、すみません、師匠。温泉に浸かっていたもんで」

そうですか、温泉に浸かっていましたか。
そうですか、温泉に浸かっていましたか。
そうですか、温泉に浸かっていましたか。
そうですか、温泉に浸かっていましたか。
そうですかぁ、温泉にィ、浸かっていましたかぁ〜!


「あのぉ、主人がご迷惑をおかけいたしました。Mさんしか、頼りになる人がいないもんですから。本当に申し訳ございませんでした。帰りましたら、必ずお礼のご挨拶にお伺いいたします」

電話が、微笑みの天使・トモちゃんに代わっていた。

いや・・・・・・・、当然のことをしたまでですよ。
お礼など、ハハハハハ。


俺は、女に弱い?




2011/05/06 AM 07:25:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | [Macなできごと]

瓜二つのひと
似ている人は、世間にたくさんいる。

RAINBOWのジェギョンちゃんは、綾瀬はるかさんに似ていて、とても可愛い。
BIGBANGのテソンは、中尾明慶さんに似ている。
SHINeeのテミンは、神木隆之介さんに似ている。
BIGBANGのG-Dragonは宮藤官九郎さんに似ている。

先日入った立ち食いソバ屋の厨房には、ドリフターズの仲本工事さんに似た人がいた。
秋葉原のMac専門店には、ハリセンボンの箕輪はるかさんに似た人がいた。
井の頭公園を散歩していたら、どこから見ても阿藤快さんにしか見えない人が、携帯電話に向かって大声で話していた(なんだかなぁ〜)。

知り合いの中古OA販売会社の社長は、カバに似ている。
友人のWEBデザイナーのタカダ君は、ダルマに似ている。
アパートの庭の段ボール箱に住みついている「生き物らしきもの」は、猫に似ているかもしれない(ニャンだかなぁ〜)。

偶然にも似てしまう人は、いるようである。


昨日、武蔵境のイトーヨーカ堂ホームセンターに、HP複合機のカラーインクを買いに行った。

しかし、ただ買いに行くだけではつまらないので、買ったあとで店内をうろついた。

それほど広いとはいえない店内だが、雑貨、家庭用品、電化製品などを見ていると、何となく楽しくなる。
渋谷の東急ハンズに迷い込んだら、半日以上は出てこないという趣味を持つ私だから、この空間は、とても居心地がいい。

ルンルン気分(死語?)で、商品の棚の間を彷徨っていた。

LunLun or RunRun ?

そんなとき、目の前に突然現れた40歳くらいの男が、「シバタさんじゃないですか!」と接近してきた。

いや、おれ、シバタではないです。

「え?」
と、固まる身長172センチ。
体重70キロ。
薄いグリーンのスラックスの上に、オレンジのポロシャツ、白のカーディガンを羽織った男。

「シバタ・・・・・さんじゃ・・・・・ない・・・・・?」

はい、私は、シバタではありません。

私がそう言うと、相手は、食い入るように私の全身を上から下に見て、眉間にしわを寄せた。

その眉間のしわの寄り方に、過去の場面がおぼろげに蘇った。
しかし、それは不確かな記憶だったので、私の灰色の脳細胞からすぐに消えた。

相手は、疑うような視線を隠そうともせずに、「なんか・・・・・シバタさんに、しか見えないんですがねえ」と口を歪めた。

面倒くさい展開になったので、私は少し不愉快な表情を作ってこう言った。

アイム ノット シバタ。

しかし、その私の言葉に反応して、さらに相手は、しつこく言ったのだ。

「ああ、その言い方、絶対にシバタさんだよ!」

(そのウザイ言い方、どこかで聞いたことがあるな)

曖昧な記憶をたどりつつ、首を傾げていたとき、相手が「埼玉で仕事してませんでした?」と、私の眠った記憶を喚起するようなことを言ったのである。

その言葉を聞いて、私の灰色の脳細胞がフル回転した。


埼玉県川口市のデザイン事務所のオッサン!


私にホームページの依頼をしたとき、サーバーの概念を理解できず、「レンタルサーバって何? ただじゃないの? ホームページはインターネットがあれば、できるんじゃないの? メールと同じじゃないの? もっと簡単にできないの?」と言った、アナログに染まりきったデザイン事務所の社長だ。

たしかに、この人のことは知っている。

このウザイほどの無神経な疑問形の攻撃は、私の記憶の片隅に、負の記憶としてメモリーされていた。


あの人だったのか!


しかも、俺のことを「シバタさん」で覚えているというお気楽さは、腹立たしいほど昔のままだった。


面倒くさい。


だから、私は「人違いですね。私はシバタではありません。きっとそのシバタさんは、私よりカッコよくて、頭もよくて、イケメンだったと思いますよ。私とは、全然違います」と言って、これ以上できないほどのシワを眉間に刻み込んで、相手を睨んだ。

下世話な言い方をすると、メンチを切った、ということだ。

その私の目力に恐れおののいたのか、相手は、小さく首を振って、私の目の前から瞬速で消えた。


俺は、シバタなんかじゃねえぞ!

とっとと、失せろ!




世の中には、よく似た人が、いるようである。




2011/05/04 AM 08:47:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | [日記]

ゴールデンウィークの仕事
同業者が、いきなりオンボロアパートにやって来た。

アポなしである。

2DKの8畳のダイニングの一角を仕事スペースにしているのだが、その窮屈な状態を見て、同業者は「Mさん、ご苦労なさってますね」と同情した。

同情するなら、カネ・・・・・・(古い!)。

そして、大きくうなずきながら、感心の面持ちで言葉を繋げた。
「年季の入った機械を大事に使っているんですね。尊敬します」

とても尊敬しているような顔には見えなかったが・・・。

昨年末までメインで使っていたのは、G4/450MHzだった。
そして、サブで使っていたのも、G4/450MHz。
メインは、オークションで買ったもの。
サブは、古いG3をオークションで千円で買ったうえで、オークションで買ったG4/400MHzのボードに入れ替え、450MHzにクロックアップしたもの。

最新の機種に比べたら、眠っているとしか思えないような動きをするのだが、私は動画を扱うわけではないので、このスピードでも仕事に支障はなかった。

ただメインで使っていたG4/450MHzが、半年近く不安定な状態が続いたので、昨年末に、またもオークションでG4/867MHzを格安で落札した。

これは、そこそこ安定していて、そこそこ早い。
ただ、Youtubeを快適に見ることまではできないので、私の環境では「夢のYoutube生活」はできない。

いつか、いつの日か必ず・・・・・・。

周辺機器は、化石化したAgfaのフラットベットスキャナ。
化石化したオリンパスのMO。
化石化したFirewire接続のハードディスク。
化石化したDVD-RAMドライブ。
化石化していないXEROXのレーザープリンタ。
化石化していないBaffaloのハードディスクLAN。

プリンタは、友人から見捨てられたWindowsのノートPCをプリントサーバとして使っている。

このプリンタは、MacOS 10.3以降か、Windows XP以上でないと動かないので、Windowsを間にはさんでプリントしているのである。
いちいちOSテンを起動するより、ハードディスクLANを通してWindowsにデータを送った方が早いからだ。

このようなものを狭いスペースに置いて、身を縮めながら作業している。

同業者がまた言う。
「ご苦労してますね」


べつに、してねえよ!
(私は人に同情されるのが、大嫌いなんでございます)


現在進行形の仕事は、ゴールデンウィークの翌週に出すドラッグストアのチラシ。
これは、9割がた終わって、あとはクライアントの小さい価格改定を待つのみ。

あとは、稲城市の同業者からいただいた病院用の人体ポーズのトレースが30点ほど。
これは、何も邪魔が入らなければ、2日あればできる分量の仕事だ。
WEBデザイナーのタカダ君(通称ダルマ)が、「師匠! 助けてください!」と泣きの電話をかけてこない限り、ゴールデンウィーク中に、必ず仕上がるであろう。

仕事部屋を見回して、同業者が、心なし非難をこめた口調で言う。
「そう言えば、パソコン関係の本とか雑誌が、ほとんど見当たりませんね」

細かいことを気にするやつだ。
確かに、パソコン関係の本は少ない。
CGIに関する本、スタイルシート上級編、FLASH MX で使えるアクションスクリプト集、だけである。

雑誌に至っては、一冊もない。

プロとして怠慢、と思われるかもしれないが、買う余裕がないんだもん!
貧乏なんだもん!

4、5年前までは、それなりにパソコン関連の雑誌を買って、新しい情報を漁った。
3年くらい前までは、雑誌は買わなくなったが、本屋で頻繁に立ち読みをして、そこで情報を漁った。

しかし、今は、それもしない。

化石化した環境の中で、新しい情報を仕入れたとしても、たいして仕事に役立たないことがわかったからだ。

古いMacの情報は、ネットで調べた方が効率がいい。
そして、新しいものも、ネットで調べるだけで事足りる。

それを怠慢といわれたら「はい、怠慢で申し訳ない」と、とりあえず頭は下げるが、この方式を改めるつもりはない。

プロは、時間を有効に使って、クライアントの要望どおりの納期を守れば、それでいい。
パソコン関連の雑誌を何百冊も揃えて、喜んでいてもゼニにはならないんですよ!


違いますかね?


挑戦的な目で同業者を睨むと、同業者は、たじろいで、後じさりした。

そして、手に持った角2サイズの封筒を震える手で開け、中身を取り出した。
「パ、パッケージの仕事が入ったんだけど・・・・・、オレ・・・・・、オレ・・・・・」

オレオレ詐欺?

「オレ・・・オレ・・・・・」

オッレー、オレー、オレー、オレー!
(サッカー?)

早く言えよ。
睨む。

(たじろいで)「オレ・・・・・オレ・・・」
(カフェ・オレ飲みたいのか?)

(大きく息を吸って)「カミさんの実家に帰る用が急にできたんで・・・」

つまり、私に、そのパッケージの仕事をやれ・・・・・と。

無言で大きくうなずく同業者。

俺に、やれ・・・・・・・と!(睨む)。

またも後じさりする同業者。


毎度ありぃ!


私が原稿を受け取ろうとして両手を差し出すと、全身から力が抜けてマリオネットのようになった同業者は、カクカクとした動きで、首をガクッと下げた。

アポなしで私のところに来たのは、電話では断られると思ったからのようだ。

初稿は、いつまでですか?

(ためらいがちに)「5月6日の夕方・・・・・です」

納期まで、あまり時間がない。
この仕事、断れたら、どんなに爽快だろうか、と思ったが、そこまで私は意地が悪くない。

細かい仕事の打ち合わせをしたあとで、引きつった笑顔を同業者に向け、同業者を部屋から追い出した。

同業者から渡された原稿を見ながら、頭の中で、瞬時に仕事のスケジュールを組みなおす。

まあ、何とかなるか。
何とかなるような気がする。

何とか、しなければいけない。


しかし・・・・・・・・。



チョットばかり、胃が痛い・・・・・。



2011/05/02 AM 06:37:02 | Comment(1) | TrackBack(0) | [Macなできごと]



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