Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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今日も渋谷で偶然
渋谷を歩くと、ホッとする。

渋谷は危険な街という人がいるが、私はむしろ安心感を持って歩いている。

それは、渋谷という街が、小さいころから私のそばにあったからだろう。

中目黒に住んでいた子どものころ、歩いて渋谷までよく行った。
小学生の足で、40分くらいで行けたと思う。
友だちと行ったこともあったし、一人で歩いていったこともあった。

東急百貨店の前を路面電車が、走っていた。
のんびり優雅に動く路面電車を、「でっかいなあ、カッコいいなあ」と思って眺めていた。

高校・大学は、渋谷だった。

道玄坂宮益坂は庭のようなものだったし、246を通る西麻布までの道、あるいは渋谷警察署から恵比寿までの道、明治通りを通る原宿までの道も、ほとんど把握した。

今の表参道ヒルズは、むかし同潤会青山アパートという名だった。
歴史を主張する蔦のからまる威容が、どこか誇らしげだった。
木の駅舎だった代官山駅の、田舎の駅めいた風情は、今も目に焼きついている。

渋谷には、私の歴史がある。

街並は変わっていても、歩くたびに、歴史がよみがえるような気がする。
だから、落ち着く。

昨日足を運んだのは、宮益坂下の画材店・ウエマツだった。

むかし油絵とパステル画を趣味で描いていたころは、画材は必ずウエマツで買った。

しかし、埼玉に越してからは、時間的にも精神的にも全くゆとりがなくなったので、絵にはほとんど感心を持つことがなかった。
油絵の道具は、大学時代の陸上部の友人・出っ歯に引き取ってもらった。

出っ歯は、意外なほどの画才を発揮して、3年か4年に一度、絵描き仲間と共同で展示会を開いている。
出っ歯の風景画は、どこか郷愁めいた侘しさがあって、私は気に入っている。

ウエマツに足を運んだのは、だから17、8年ぶりになるかもしれない。

細かいところを言えば、門構えも店内も変わっていたが、イメージ自体は、私の頭の中にあるものと、それほど変わっていなかった。

今回求めたのは、陶芸に使う絵付け用の筆だった。
筆だったら、吉祥寺のロフトにも売っていそうだったが、今回はウエマツで買うということにこだわった。

私の絵の基本は、このウエマツにある。

だから、基本に戻ろうと思ったのだ。

筆は、何も陶芸用でなくてもいい。
自分の手に馴染めば、それが専用の絵筆になる。
とにかく、自分の手にしっくりくるものを選ぼうと思った。

10分ほど、色々な種類の絵筆を見て触って、感触を確かめた。

細い筆、中ぐらいの筆、太い筆。
色々ある中から、やや太い筆を選んだ。
太いと細かい作業ができないだろうと思うかもしれないが、太くても細かいところを塗ることはできる。

油絵を描くとき、太い筆一本で、風景画を描いたことがある。
太くても、工夫をすれば、細かいところも描けるのだ。
細い筆を使ったのと同じ描き方ができる。
それを経験上知っていたので、自分の手に馴染むということにこだわって、やや太目の筆を選んだ。

私は、気に入った絵筆を見つけた満足感に浸った。


それをレジで清算していたとき、「おや?」という声を聞いた。
「Mさんじゃないですか」

振り返ると、得意先の会社の社長・澁谷氏の顔があった。

渋谷で澁谷氏に会う。

心の中で「ははは」と笑った。

渋谷氏とは、何か因縁めいたものがある。

このブログに一度書いたことがあるが、澁谷氏の奥さんが、むかし埼玉にある事務機器の会社に勤めていたとき、出張でパソコンを教えたことがあった。
その後、奥さんは澁谷氏と結婚して、澁谷氏の会社をサポートすることになった。

そして、奥さんが妊娠したとき、出産・子育てで、数ヶ月間、夫のサポートができなくなるため、奥さんは、パソコンを教えた私のことを思い出して、一時的に夫の仕事を助けて欲しいと依頼してきたのである。
デザインにまつわる仕事だったので、私はそれを快諾した。

さらに、澁谷氏と仕事をしているとき、面白い偶然を発見した。

澁谷氏が今の新宿御苑近くの会社で起業する前、私の桶川の得意先に、籍を置いていたというのだ。
二人して、愛犬を異常に可愛がる社長の噂話をして、盛り上がった。

澁谷氏の奥さんとは、埼玉でパソコンを通して知り合い、それが縁で仕事をもらい、澁谷氏とは、桶川の得意先で繋がっていた。

要するに、我々は縁があるということだ。

そして、今日、私が10数年ぶりで足を運んだ画材店で、顔を合わせるという偶然。

偶然って、面白い。


さらに、この偶然には、もっと面白いオチがある。

澁谷氏には、二人の子どもがいる。
最初の子どもは、私が澁谷氏の仕事をサポートしたときに生まれた子だ。

男の子で、名前は「コウヘイ」。

そして、画材店のレジ前で、澁谷氏は一年前に生まれた女の子を抱っこしていた。
その子の名前が「カホ」。

どちらも、私の子どもと同じ名前だったのだ(漢字は違うが)。




こんな偶然って、すごくないですか?




2011/02/20 AM 09:15:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | [日記]



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