Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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喪失感
家族の喪失感は、強いようだ。

ヨメは、義母が死んだ午前6時50分頃、ちょうどパート先の花屋の鍵を開けていたころらしい。
だから、毎日店の鍵を開けるたびに、後悔を覚え、涙が出るという。

息子は、救急車や消防車を見ると、体がすくむという。

娘は、義母と同じ老齢の女性が道を歩いているだけで、目が潤んでくると言っている。

無理のないことだと思う。

ただ、私は薄情なので、喪失感はない。

事務的に、ことを進めた。
警察、消防署、役所。

煤まみれの家具は、中身を出して、業者に下まで下ろしてもらい、市役所のゴミ対策課に委ねた。
半分以上溶けたリサイクル家電は、専門業者に引き取ってもらった(もちろん有料)。

そして、煤まみれの布団、洋服、食器などは、とりあえず一つの部屋にまとめ、食器と洋服は、ダンボールに詰める作業を暇なときを選んで、しているところだ。

床の煤は、業務用掃除機を借りて、早急に処置したいと思う。
そうしないと、煤のにおいがひどくて、隣近所に迷惑をかける。
いや、現実的に、かけている。

まわりの方々は、「大丈夫ですよ」と言ってくれているが、それを真に受けるわけにはいかない。

床だけでも、明日までに、綺麗にしておきたい。

そのほかに、壁。
こちらも上の方は、真っ黒だ。
ただ、これは素人には、手に余る。
しかし、業者に頼むと、お金がかかる。

義母は、火災保険に入っていなかったので、すべてが自腹になる。
なるべく金のかからない方法で煤のにおいをとる手段を、いま模索中である。

義母の生活の場であった6畳の和室は、熱風で、ほとんどのものが変形したり、黒くなったりしたが、不思議と仏壇だけは原形をとどめていた。
この種の現象が好きな人は、偏った意見を言うかもしれないが、私はただの偶然だと思っている。

義母が信心していた宗教のトップが書いた著作が百冊以上あったが、こちらは黒焦げになった。
しかし、同じ棚に並べてあったアルバム2冊は綺麗なままだった。

だから、その中から、一番いい表情をしたものを遺影にした。

7年前に死んだ義父と笑顔で写っている写真があった。

それを見て、目が曇ったが、それは、きっと強烈な煤のせいだろう。


朝起きて、ふと気づくと、義母のための糖尿病食の献立を考えている自分がいる。

だからと言って、喪失感はない。

絶対にない。



2011/01/31 AM 07:32:06 | Comment(1) | TrackBack(0) | [日記]



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