Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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年末に照れる
年の暮れ 今日もお仕事 嬉しいな。

稲城市の同業者からいただいた2種類の仕事は、思いのほかボリュームがあって、年末の忙しさを実感している。

毎年正月に原稿が入る社内報の仕事は、一昨年から担当者が変わって、年内に校了になるので、正月の風物詩ではなくなった。
それで、肉体的にも精神的にも楽になるはずだったが、むしろ物足りなさを感じるのだから、人間というのは勝手なものだ(いや、私だけが勝手なのか?)。

今年の年末年始は、とりあえず2種類の仕事を自分のペースでこなすつもりだ。
この状態が、私の精神を安定させるのだから、つくづく俺は貧乏性なのだと、自分で呆れている。

振り返ってみると、正月の私は、絶えず動き回っていた気がする。
高校時代は、陸上部の友だちの別荘にお邪魔をし、温泉三昧の暮らしをしていた。
大学時代は、毎年スキーに行くか、スキー場のホテルに住み込んで、皿洗いや布団の上げ下げのバイトをした。

ヨメとつき合いはじめの頃は、毎年正月は旅行だった。
京都、伊勢志摩、金沢、草津、札幌。
そして、結婚して、子どもができるまでは、大阪神戸、軽井沢、仙台松島、高山、函館札幌。

子どもが生まれてからは、お年玉をもらうために、数箇所をあいさつ回り。

そして、独立してからは、仕事。

年末だからといって、大掃除はしない。
大掃除をする意味がわからない。

正月だからといって、特別なことはしない。
おせち料理は作らないし、食わない。
初詣にも行かない。
意味がわからないからだ。

仕事の合間に、子どもたちとゲームをし、ツタヤで借りてきたDVDを見ることと、子どもたちにお年玉を与えることだけが、変わったことと言えば、変わったことか。

今年、唯一変わったことと言えば、娘の中学校のお友だちが、今年の7月から我が家にいるということ。

正月は、どうする? 家に帰るか? と聞くと、お友だちは、無言で私を見上げる。
顔に、「帰りたくない」と書いてある。

正月もうちで過ごすか? と聞くと、満開の笑顔で、大きく頷く。
帰りたくない事情を私は知っているので、ヨッシャ! と私が言うと、お友だちも「ヨッシャ!」と答える(お友だちの親御さんには了解を取ってある)。

うちは、おせちも雑煮もないよ、と私が言うと、不満げに「餅が大好きなんだけど」と言われた。
じゃあ、きな粉餅と磯辺焼きを作ろうか?
そうすると、また「ヨッシャ!」とガッツポーズ。
サトウの切り餅を二袋買ってきた。

今度は、年越しソバは、うちはやらないんだけど・・・と私が言うと、「私んちは、私だけ、どん兵衛だった」と、なぜか淋しそうに答えた。
よし、じゃあ、豪華な天ぷらソバを作って、みんなで食おうぜ! と言うと、「ほんとうですかぁ!」と喜ばれた。

だから、今年は、年越しソバを食うことになった。
世間様と同じことをするというのは、どこか気恥ずかしい。
俺なんかが、世間様と同じことをしていいのかと、いつも思っている。

だから、照れる。

そう言えば、いつもと違うことが、もうひとつあった。
普段は、1本3百円程度のワインしか飲まないのだが、年末年始だけは、1本千円前後のワインに格上げする。
格が3倍以上も上がるのだ。
身分不相応だと思う。

これも、照れる。

年末30日。
稲城市の同業者のところに、年末のご挨拶に行った。

そのとき、はじめて同業者に奥さんを紹介された。
奥さんは、同業者より9歳年上の姉さん女房。
東京恵比寿で、小さな事務所を構えていると聞いていた。
つまり、女社長さんである。

そして、この社長さんは、とても綺麗な人だった。
美人というのではなく「綺麗」と表現した方が、正確な形容詞であるような気がした。

同業者より9歳上ということだから、30代後半、あるいは、40に届いているか。
若い方はご存じないかもしれないが、女優の酒井和歌子さんに似ていると言ったら、オジさん世代の方は、きっと大きく頷くに違いない。

上品で、とても姿勢のいい社長さんだ。

「いつも主人がお世話になっています」と、完璧なお辞儀で挨拶された。
綺麗な空気が事務所全体に充満して、まるで季節が春に変わったかのような錯覚に陥った。

「これからも主人をよろしくお願いします。頼らせていただきます」と、また完璧にお辞儀をされた。

照れた。
体が、火照った。

帰りに自転車で、多摩川原橋という長い橋を通る。
その中間地点で自転車を止め、火照った体を冬の風に曝して、火照りを冷ました。

火照りを冷ましているとき、声をかけられた。
声の方に顔を向けると、60過ぎの桂歌丸似の男の人が、首に一眼レフのカメラをぶら下げて、立っていた。

そして、意外なことを言われた。
「一枚、撮らせていただけませんか?」

俺を、写真に?
「はい。幸せそうなお顔をしているので」

まさか! この貧乏顔が、幸せに見えるわけがありませんよ。

「いやいや、幸せそうですよ。いい顔をしていらっしゃいます」

パチリ!

照れた。



私が幸せかどうかは、わからないが、皆様は、幸せな新年を迎えられますように。

良いお年を。




2010/12/31 AM 08:33:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | [日記]



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