Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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俺たちタメ
大事な仕事の打ち合わせの後半、からだに不調を感じた。

ああ、こんなときに来るのか、と少々いら立った。

脈が不規則に飛ぶ。

昨日の夜中の一時半。
得意先の病院から依頼されたFLASHアニメの更新を終えて、ブラックニッカをストレートで呷り、寝ようとしたときのことだ。
実の姉から、iPhoneに電話があった。

姉のことは、このブログで何度か書いている(コチラなど)。
私の生涯で、選択することのできない唯一の痛恨事が、実の姉を持ったことである。
彼女の存在は、私の感情を両腕で上から泥の沼に押し込こまれたように、私の動きを封じようとする。

真夜中の一時半に、いきなり言う。
「私は余命一ヶ月なの」

そんなことはない。
私は、医者から毎月彼女の病状を聞いているが、術後は悪くないと聞いている。

そうか、でも、お酒もパチンコもやめたら、もっと長生きができるかな。

「なに寝言いってんのよ!」

切られた。

もう、眠れなかった。



私の場合、不整脈の持病が起きるのは、寝不足とストレス。

昨日の午後2時過ぎ、ドラッグストアの担当者・スズキさんの説明を聞きながら、不規則に打つ脈を、まるで幼なじみに会ったときのような懐かしい感情とともに、からだが浮くような感覚が、私のからだを絡めとっていた。

およそ15分間のスズキさんの説明を聞いていたとき、頭の膜の外側で、オアシスの歌が流れたような気がした。
そして、オアシスの次は、グリーン・デイ
それが突然、ディープ・フォレストに変わった。

まったく、脈絡がない。

要するに、錯乱しているということだ。

だが、それでも、打ち合わせの内容は、はっきり覚えている。
最低限、プロとしての気概は持っていたようだ。


それでも、脈が、飛ぶ。


短い打ち合わせを終えて、挨拶をし、帰ろうとした。

しかし、スズキさんに言われた。
「Mさん、大丈夫ですか。変な汗をかいてませんか?」

そうか。
俺は、汗をかいていたのか。
まったく自覚がないが。

「ちょっと休んでいきませんか。お疲れのようですので」
無理矢理、別室に連れて行かれた。

ドラッグストアの本部のビルの一室には、保健室があったのである。
当たり前と言えば、当たり前か?
ドラッグストアなんだから・・・・・。

適度に硬くて気持ちいいベッドに横たわると、すぐに睡魔が襲ってきた。

眠っているのだが、自分がすごい汗をかいていたのは、自覚できた。
ワイシャツの全面積が、重い水分を吸って、不快指数100パーセントになるほどの汗。
髪の毛も、汗でビショビショだ。

だが、そんな不快感も強烈な睡魔には、適わない。

眠りに眠った、と言ってよかった。

私を呪う悪夢を、汗がすべて流し去ったとき、外はもう暗くなっていた。

目を開けた。

目の前に、ドラッグストアの社長の顔が見えた。

その唇が動くのが見えた。

「Mさん、休もうよ。僕は、Mさんには、元気でいて欲しいな」

そして、言われた。


「僕たち、タメですから」


それを聞いて、一瞬、脈が飛んだが、おそらくそれは不整脈のせいでは、ないはずだ。




2010/09/03 AM 08:01:37 | Comment(2) | TrackBack(0) | [Macなできごと]



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