Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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一列横隊とマイナスオーラの関係
猛暑、お見舞い申し上げます。


猛暑とは関係ないが、なぜ、オバさんは、一列横隊で歩くのか?
今回の長いグダグダ話のテーマは、それです。

火曜の昼、神田の得意先に行くため、武蔵境駅までの道を自転車で向かっているときだった。
2メートル幅の歩道を40代と思われる3人の女性が、道を塞ぐようにして歩いていた。
お喋りをしているから、後ろから自転車が来るなど、想像もしていないようだ。

こういうときは、ベルを鳴らせばいいのだろうが、私は一度も自転車のベルを鳴らしたことがない。
自分が歩道を歩くときは、気を遣って隅を歩く。
だが、そんなに気を遣っているにもかかわらず、いかにも「どけどけ」というかたちで、私にベルを鳴らす人がいる。
そんなとき、私は、相手に得意の右フックをお見舞いしたくなることがある。

つまり、自分が嫌なものは、他人も嫌だろうと思うから、私はベルを鳴らさないのである。

だから、3人の後ろ姿に「すみません」と声をかけた。

しかし、お喋りに夢中のオバさんには、聞こえなかったようだ。
そこで、私は最初より11倍大きな声で、「すみません! 通ります!」と言った。
二回目は、聞こえたようである。
二人が、軽く振り返って、道をあけてくれた。

私が、10メートルほど通り過ぎると、「通りますなんて言わないで、ベルを鳴らせばいいのにねえ」という声が聞こえた。
しかし、ベルを鳴らしたら鳴らしたで、「うるさいわねえ」と言われるのではないだろうか。
考えすぎか。

そして、得意先との打ち合わせを終えて、神田駅に歩いていく途中、やはり歩道を横一列に占拠する60代のオバさんが3人いた。
丸く膨らんだ、でっかいケツを揺らしながら、「懐石料理、美味しかったわねえ」と、たいへん賑やかである。
3人は、時速2キロで歩いているから、時速6キロで歩く私の歩調とは、まったく合わない。

私は、3人の間を「すみませんねえ!」と、かき分けて通り過ぎた。

亭主の稼ぎで、昼日中から懐石料理なんか食ってるから太るんだよ、という敵意を胸で大きく膨らましながら、駅を目指した。

帰りはまた、武蔵境から自転車。

しかし、今度もまた、一列横隊の4人組。
歳は20〜30代前半か。オバサンと言ったら、失礼な年代だ。

おそらく、ウォーキングの途中なのだろう。
3人がサンバイザー、一人が黒の山高帽をかぶっていた。
そして、全員が、日焼け防止のために、長い白の手袋をしていた。

今回は、4メートルくらいの道幅だから、4人が一列横隊で歩いても、普通は通り抜けられる。
だが、4人は、ひとり一人の間隔を大きく取って、横に広がって歩いているから、結局道を塞ぐ格好になっていた。

なぜ、後ろから人が来る、という想像力が働かないのだろう。
さらに、信じられないことだが、そのうちの一人は、道端に置いてあった自転車を倒しても、知らんぷりなのだ。
こういう人に限って、「今どきの若い者は」などというのだろうな、と心の中で悪態をついた。

また、「ごめんなさい」を言わなければいけないのか。

うんざりしていたとき、iPhoneが震えた。
WEBデザイナーのタカダ君(通称ダルマ)からだった。

ちょうど、近くに小さな公園があったので、私は、そこに緊急避難をして、自転車を止め、電話をオンにした。

いきなり耳に入ってきた「師匠ォ、データが消えました! 助けてください!」という、ダルマの情けない声。

ダルマは、一流WEBデザイナーだが、機械には疎い。
パソコンの一部しか使用せず、ソフトも一部しか把握していない。
しかし、それでも彼は、一流なのである。

俺は、ほとんど把握してるのに、センスが・・・・・(ここでマイナスオーラ発散)。

詳しく症状を聞いてみると、デスクトップに、ハードディスクLANのアイコンは出るが、アイコンをダブルクリックしても、中が空なのだという。
私のハードディスクLANで、そういう症状が出たことはないが、おそらく原因はあれだろう。

私は、ダルマにハードディスクLANの一番新しいファームウェアを、メーカーのサイトからダウンロードするように言った。

「了解しました」

ダウンロードする間、時間があくので、ダルマに今日あったことを話した。
一列横隊のオバさん軍団のことである。

しかし、ダルマはアッサリと言うのだ。
「俺、一度もそんな場面に出くわしたことないですよ。師匠が特別じゃないですか。たまたま遭遇してるだけですよ」

そうなのか。
俺は、やはり運が悪い男なのか。

「師匠、ダウンロードとインストール終わりましたが、再起動した方がいいですか?」

ああ、俺の人生も再起動したいな(マイナスオーラ発散)。
いや、リセットしたほうがいいかもしれない(マイナスオーラ発散)。

・・・・・・・・・・ウザそうな沈黙。

「ああ、師匠、アイコンの中にデータが出てきました。ありがとうございました!」

ああ、それは、よかったね。
君には、復活できる人生があったんだね。
俺には・・・・・・ない(究極のマイナスオーラ発散)。

そんな私に、ダルマは追い討ちをかけるように言うのである。
「よく考えてみたら、俺が師匠みたいな経験をしない理由が、わかりましたよ。俺、どこ行くのにも(フォード)ステーションワゴンですから。師匠みたいに、自転車乗ったり、歩いたりしないからですよ。だから、そんなこと言われても、俺、わかりませんから」

そうだよねえ、確かに、ダルマの言うとおりだな。
私は、歩道がいつもお友だちだから、歩道にしか目がいかない。
要するに、経験値の違いなのだ。

タカダ君は、いいなあ。
オバさんの一列横隊を見ない人生が、うらやましいよ。

ステーションワゴンの助手席に、若くて可愛い奥さんを乗せる人生も・・・・・、ハァー(ウザイほどのマイナスオーラ発散)。

「師匠、俺、忙しいんで、切りますよ」

切られた。

ついでに、iPhoneの充電も、タイミングよく(悪く)切れた。

もう、マイナスオーラも・・・・・・出ない。



2010/08/06 AM 08:14:41 | Comment(4) | TrackBack(0) | [Macなできごと]



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