Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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イエスかノーか
先の参院選で、民主党に投票した人のうちで、子ども手当てに否定的な人が66%いる、というネットの報道を見て驚いた。

3人に2人が、反対。

財源が、ばらまき政策が、と報道するから、貰う側も及び腰になって否定的になっているのか、と思った。
しかし、記事には、具体的な根拠は何も述べられていない。

66%の人が、何を根拠にして子ども手当てに否定的なのか、まったく報じていないのである。
これを責任ある記事といっていいのか。

説明なしに、66%という答えだけを取り出して、何が報道か。
66%の数字を根拠にして、「子ども手当てノー」を強調したいだけなのか。


ワールドカップもそうだったが、メディアの報道は、ゼロか百である。

開催前に戦犯扱いだったカントクが、勝てば即「英雄」になる。

率先して「やめろコール」をしたメディアは、率先して「名カントクコール」で、過去の罵倒を覆い隠す。

ゼロか百。

アンケートの質問も、ゼロか百。

メディアは、いつもセンセーショナルな結果を誘導する質問だけを用意する。

たとえば、ワールドカップ後も、オカダ監督に代表監督を勤めてもらいたいですか、という質問があったとする。
「諾」か「否」か、二つしか選択肢はない。

サッカーに詳しい人は、オカダ監督の戦略面や用兵を考慮し、熟考の末、新しい監督に代表を託したいと思うかもしれない。
つまり、答えは、「否」。

サッカーにあまり詳しくない人は、今回のワールドカップの大々的な報道を見て、オカダ監督こそ最高の監督であると思うだろう。
つまり、答えは、「諾」。

我々が色々なことを判断するとき、このように、その人の興味の度合い、経験によって、同じ「否」「諾」でも、意味合いが違ってくる。

ゼロか百か。
選んでしまえば、それは結果的にゼロか百になるが、考える過程に、人はもっと色々なことを考慮し、条件付けをする。


結婚してください。

「はい」「いいえ」。

答えは、二つに一つだが、結論に至るまでに、相手の収入や親、性格、相性など、数え切れないほどの項目を、頭の中のチェック表に思い浮かべ、自分にとって最適な答えを選ぼうとするのが普通である。


結論は、ゼロか百でも、悩んだ工程は、そうではない。
極端な言い方になるが、99%に近いゼロもあるのだ。
やむを得ず、1%を選んで、結果、百の結論を得ることもある。


質問する側は、特にメディアは、自分にとって都合のいい結論を、アンケートで導き出そうとする。
要するに、見出しになりやすい結果を導くように、細かい条件付けなしで「はい」「いいえ」を聞く。

もしくは、こんな聞き方をする。
「子ども手当ては、バラまき政策という批判がありますが、あなたはどう思いますか。子ども手当ては、必要ですか、必要ないですか」

質問の前提に、批判を書いてしまったら、それは、公平な質問とは言えない。

ようするに、恣意的である。
彼らにとって、思い通りの結果が出たら、紙面の目立つところで、太い見出しを躍らせ、誘導の材料にする。
思い通りの結果が出なかったら、目立たないところで、ベタ記事扱いだ。
あるいは、アンケート結果自体が、ボツになる。


同業者との新年会で、子ども手当ての話題が出た。
参加した4人全員が、規定の子どもがいるから、全員が子ども手当てを得る資格があった。

将来は、どうなるかわからない。「バラまき」という批判もある。財源もはっきりしない。
しかし、とりあえず「子ども手当て」の支給が決定した。
「子ども手当て」、どう思う?

質問の前段に、私が否定を強調したからか、「無責任なバラまき政策だよ。必要ないね」という声が、3人。

「俺は、助かるよ」と言ったのは、私ひとりだった。

「まったく、無責任に何でもバラまきゃいいってもんじゃないだろ。これ以上、借金を増やすなよ!」

正論が、飛び交っていた。

ただ、そのうちのひとりは、後で私に耳打ちをし、もうひとりは、電話でこう言った。
「さっきは、ああ言ったけど、『子ども手当て』は助かるよ。俺の奥さんも、表向きは『バラまき反対』って言ってるけど、支給されたらどう使おうかって、悩んでるよ」

私も助かる。
貧乏人は、見栄を張っているヒマがない。

財源は、「誰か」が考えればいい。
私は、税金を納め、真面目に選挙権を行使すれば、それで国民の義務は果たした、と思っている。
私にできることは、それしかないのだから。

だから、義務の結果として、いただけるものは、喜んでいただく。
格好をつけている余裕が、私には、ない。


ただ、引越しの混乱で(行政のミスで)、2か月分いただけるはずの手当てを1か月分しか、いただいていない。

それは、「いいこと」か「悪いこと」か、と聞かれたら、もちろん百%「悪いこと」だ。

だから、行政の事務能力に対しては、「ノー」だ。
(結局、これが言いたかっただけ)




2010/07/21 AM 07:24:36 | Comment(5) | TrackBack(0) | [メディア論]



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