Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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担任とじゃれあう
娘の中学3年の担任は、面白い人のようだ。

先週、国語の授業で、漢字のテストがあった。
今回は、問題を解いた生徒から、授業の残り時間は、自分が持ってきた本を読書してもいいというルールだったらしい。

娘が最初に手を上げた。

「先生、終わりました」

それに対して、担任が「何を言うの! 私は、まだ終わってません!」と叫んだというのだ。

「私の人生は、これからです。まだ終わってません!」

それを聞いて、クラスの空気が、笑いで膨張した。

新学期早々には、こんなこともあった。
自分たちの担任になったベテラン教師。
中学3年の生徒たちは、自分たちの担任の年齢が気になるものだ。
それは、彼らにとって当然の興味と言っていい。

「先生は、何歳ですか?」

それに対して、担任が、最初はためらいながら、しかし意を決したように口を開いた。
「わかりました。教えましょう。私の年は・・・・・、えー・・・・・、あら? いま質問したの誰だっけ? おや? クラスの子の名前が思い出せないぞ。あらら? ここは、何組だったかしら? ごめんなさい、さっきまで覚えていたのに、わたし、突然記憶喪失になったみたい」

そうやって、誤魔化したらしい。
他のときは、「日本語わからない。モンゴル語で答える」と言ったこともあるという。
さらに、「私ハ宇宙人。地球人ノ数ノ数エ方ガワカラナイ。ダカラ宇宙語デ答エル」と誤魔化すこともあった。

最初は、生徒たちも驚いたようだ。
クラスの中には、冗談のわかる生徒だけがいるわけではない。
真面目な生徒もたくさんいるのである。

最初は、「変な先生」という受けとめ方をする生徒のほうが多かったという。

「でも、アタシは、とびっきりの馬鹿が身近にいるから、そんな冗談は屁でもなかったぞ」と、娘が威張る。

そうか、役に立ったのか。
こんな親でも、役に立つことがあるんだな。

「それしか、役に立っていないが」と、手厳しい娘。

今では、クラスの生徒たちは、先生の冗談に素早く反応して、授業は和やかに速やかに進んでいくらしい。
そして、チームワークもいい。
誰かが失敗しても、責める生徒は一人もいないのだという。

先月末の中間テストでは、娘のクラスの平均点が、一番高かった。
テスト前に、こんなことがあった。
担任は国語教師だが、一人ひとり「今回は、何点取れるかな?」と聞いたらしい。

娘は、「90点」と答えて、実際90点取った。
娘の答案用紙を見せてもらったら、隅のほうに、赤字でこう書いてあった。

「がんばったね。宣言どおりの90点。Kちゃんは、有言実行の子だね。えらいぞ」

他に、宣言より下回った子には、こんな書き込みが。
「あなたの頑張りを私は知ってるよ」

少なめに宣言して、それより高い点を取った子には、
「すごいね。でも、自分を過小評価しないで、もっと上を目指そう。君ならできる」

私は、なかなかシャレていると思うが、もちろん人によって、受けとめ方は違う。

「生徒に媚びている」
「独りよがりの感想はいらない。教師は、授業だけ教えていればいい」
「ふざけすぎだ」
「友だち感覚で接している」
そんな陰口を言う父兄もいると聞いた。

教育は、難しい。
それは、一人ひとり、相手が違うからだ。
誰にも万能な教育などはない。

あるとしたら、それは「洗脳」か「抑圧」、「支配」であって、「教育」とは遠いものになってしまう。

そして、その先にあるのは、「独裁」。

ただ、「独裁的な教師」が「優れた教師」であると思い込んでいる親も少なからずいるようだ。

「もっと叱ってくださいよ」「抑えつけてくださいよ」「力ずくでも構いませんから」
そう訴える親もいるらしい。

未熟な個性を導くのは、親の役目でもあるし、教師の役割でもある。
お互いが連携しあえれば、悪い子には育たないと、私は思っているのだが、お互いがボールを投げ合うだけでは、子どもは不安になるばかりだ。

今週の火曜日夕方。
娘と二人で、武蔵境駅前のイトーヨーカ堂で、娘のインナーフォンを選んでいる時、娘の担任が通りかかった。

常識的な挨拶を交わしたあとで、娘の短パン、サンダル姿を見た担任は、「おっと、まぶしい! 目の毒だぜ」と言った(女なのに)。

私はすかさず、担任の買い物袋から焼酎の紙パックが覗いているのを見て、「からだに毒だぜ」と言った。

さらに、娘が、私たち二人を交互に指さしながら、「すべてが毒だぜ」と言った。

三人で、ハイタッチ!

もちろん、これは教育とは言わない。
ただの「じゃれあい」である。

それを私たちは、自覚している。

だから、どうか目イルカを、いや、目くじらを立てないでいただきたい。





2010/06/17 AM 06:55:28 | Comment(8) | TrackBack(0) | [子育て]



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