Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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よかったね
引っ越してから、家族で外食したことが一度もない、とヨメが訴える。

引っ越してから、というより、今年になってから外食したことがない。
いや、もしかしたら、もう一年近く行っていないかもしれない。

もともと中学3年の娘と私は、食い物に関して執着がない。
それは気持ちが貧しい証しだとよく言われるが、「食えりゃ、何でも同じだろ」という意識だけは、変えようがない。

ただ、料理をするのは好きだ。
娘も最近は、料理に興味を持ち始めて、私のハンバーグ作りや、シチュー、餃子作りに参加したりしている。

ただ、外食は、面倒くさい。

それに、たとえば、ファミレスに行ったとしても、娘はハンバーグかドリア、私はピザが定番で、他を試そうという気にならないのだ。
それに対して、ヨメと大学2年の息子は、何でも食う。

その結果、外食料金の8割近くがヨメと息子というのが、当たり前になっている。
そして、請求金額を見て、毎回ヨメが言う。

「うそぉ! こんなに食べたの! 今月、ピンチだわ!」
(ヨメの場合は、冗談ではなく、本当にそう思っているのである)

食ったあとで、そう言われても、困る。

メニューを見れば金額が書いてあるのだから、自分が食べたものが最終的に、どんな結果をもたらすか、普通はわかるはずである。
しかし、ヨメは、毎回のように「ピンチ!」「ピンチ!」と叫ぶのだ。

その声を聞くと、食ったピザが消化不良になるので、私は外食から遠ざかるようになった。

たとえば、ヨメが友だちと2500円のランチを食ったあとで、お友だち推薦の店に寄って、バーゲン品を買ったとする。
「9500円のTシャツが4980円なのよ。だから、思わず買ってしまったの。贅沢だったかしら? 今月、大丈夫かしら?」

買ってしまったあとで、「贅沢かしら、大丈夫かしら」と言われても、私には、どうすることもできない。

だから、いつも「よかったね」と言って、済ますことにしている。

先日、ヨメが、夏物の衣類を買いに吉祥寺まで出かけ、両手いっぱいに洋服を買ってきた。
その中に、私の夏物の洋服だけはない(私は、着るものはどうでもいいと宣言しているので)。

両手いっぱいに持った荷物を私に見せながら、「買いすぎちゃったぁ〜」
そして、こんなときもお決まりの「こんなに買って、今月大丈夫かしら?」

買ってしまったあとで、そんなことを言われても・・・・・。

だから私は言う。

よかったね。

昨日、娘が、お友だちとメル友と合わせて、4人で夜カラオケに行った。
そこで、ヨメが「Kちゃん(娘)も、友だちと楽しんでいるのだから、私たちも、たまには外食しましょうよ」と提案した。

しかし、私は、ヨメの「ピンチ!」に遭遇したくないので、こう答えた。
「俺はいいから、二人で焼肉でも食ってきなよ」

二人は、嬉々として、吉祥寺に出かけていった。

私はひとり、前々から行きたかった、近くの「ほたるの里」に、出かけることにした。

そこは、6月初旬から中旬にかけてゲンジボタルが見られるというのである。
都会でホタル?
実に、興味深い。

アパートから5キロ離れた「ほたるの里」に着いたのが、午後7時45分。
あたりは、暗い。
里に行く手前に、わさび田があって、そこには数十人の人がすでに集まっていた。

ここに、ホタルが? と思って、目を凝らしたら、光が動くのが見えた。
ホタルだ!

20年近く前、裏磐梯で見た数百匹のホタルの乱舞から比べたら、いかにも地味な数だったが、30匹程度はいるようだ。

薄暗闇に光るホタル。
それは、30匹でも、幻想的で、私の目を釘付けにする自然美があった。

立ち尽くして、見とれた。

昼間は蒸し暑かったが、さわやかな微風が頬を撫でて、自分の吐く息までが、清々しく感じられた。
同じ場所にいる観察者たちも、声は出さず、ホタルの光の軌跡に、見とれていた。

心洗われる空間に身を置いている満足感に、私の心はとろけた。
東京の暗闇が、こんなにもきれいだなんて。
満たされた思いを胸に抱えて、家に帰った。

アパートに帰ったのは、午後9時過ぎ。
メシを食うのは面倒くさいので、柿ピーを主食にして、発泡酒をひと口飲んだ。
そのとき、ドアが開いて、ヨメと息子が帰ってきた。

ずいぶん、早いな。
焼肉屋が空いていたのか?

と思って、二人の顔を見たら、怒りを含んだ疲れた顔。

ヨメが言う。
焼き肉屋に行ったら、混んでいるので一時間以上かかるかもしれません、と言われた。
そこで、順番待ちリストに名前を書いて、45分後に店に行ったら、順番をとばされていたのだという。
店員に抗議したら、「席が空いたらすぐに、ご案内します」と言われた。
しかし、20分待っても、名前は呼ばれなかった。

腹が立ったので、そこは諦めて他のバイキングの店に行ったら、やはり混んでいて一時間待ちだと言われた。
食べ放題のピザ屋さんも混んでいた。

結局、吉祥寺で食べる気はなくなったので、武蔵境のイトーヨーカ堂の地下のリンガーハットで、ちゃんぽんと餃子を食って帰ってきたと言う。

「まったく! ムカツク!」

しかし、それを聞いて、私は条件反射のように言ってしまったのだ。

よかったね。

「よくない!」
ヨメと息子に、すごい剣幕で、怒られた。

俺の日本語、おかしいでしょうか?





ところで、私の唯一の趣味であるジョギング。

この5年間で2回、ジョギングシューズを買い換えた。

私の場合、年間で2000キロ以上の距離を走るから、シューズは半年でボロボロになる(単純計算すると5年なら10足が必要になる)。

このブログでも何度か書いているが、独立してから私はお小遣いゼロの人間である。
しかし、ジョギングシューズくらいは贅沢をしたい。
そう思って、一万円前後のシューズを5年間で2回(10回ではなく)、買い求めた。

だが、そのたびにヨメが、つぶやく。
「ジョギングシューズって、意外に高い・・・」

3万円、4万円、服を買いだめして「買いすぎちゃったぁ」で済ませるヨメ。
しかし、ひとの出費には容赦がない。

そして、私のボロボロのジョギングシューズ。

駆け引きが面倒くさい私は、このジョギングシューズの底が抜けたら、ジョギングをやめようと思う。

裸足で走るという選択肢もあるが、私の足の裏は、年齢の割りにキレイだ、キュートだ、セクシーだと、いつもみんなから絶賛されている。
その美しい足の裏を汚したくない。

だから、ジョギングはやめる。

そのあとは、ママチャリがパンクするまで、ママチャリとお友だちになるつもりだ。



よかったね。




2010/06/13 AM 08:06:26 | Comment(3) | TrackBack(0) | [日記]



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