Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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コンピュータは6針縫ったことを予測できるか?
武蔵野に越してきたことに関して、色々と誤解があるようだ。

一番多いのは、「安易な考えで、引っ越したのではないか」というご意見だ。

人には、あまり詳しく説明しなかったので、そう思われても仕方ない部分もある。
そこで、言い訳と取られることを覚悟しつつ、いきさつを語りたいと思う。

武蔵野に引っ越すにあたって、嫗(ヨメの実母)の長男・次男に来てもらって、現状を説明した。

嫗が「三鷹に帰りたい」と夢遊病者のように、繰り返しつぶやいていること。
嫗が、さいたま市に居場所がなくなった、その理由など(それに関してはコチラに書いた)。

嫗は、介護の認定を受けている。
我が家に転がり込んで来た17ヶ月前には、介護の段階は、「要介護の2」だった。
しかし、それが今年の2月には劇的に改善されて、「要支援」という認定になった。

歩くこと意外は、何もする気がなかった嫗が、それなりに自立できる状態になったと、役所のコンピュータは判断したのだ。
それは、嫗にとって、喜ばしいことである。

認定の基礎的な部分に関しては、お役所の認定係の人が口頭で質問するのだが、最終的に介護の段階を判断するのは、コンピュータだという。

しかし、困ったことに、コンピュータは、その人の性格までは認定しない。
その人が、どんなに困った性格をしていたとしても、そこまではコンピュータは判断しないのだ。

話は、脱線する。
2日前の夜、暗い中、野川をジョギングしていた私は、折れて倒れかかった細い木の幹に、膝の下側をぶつけて、膝を血まみれにした。
暗かったので、幹の存在を認識した時は、すでに走りすぎたあとだった。

かなり痛かったが、「俺は痛くない」という呪文を唱えて、アパートまで走って帰ってきた。
アパートの階段を登るとき、衝撃的な痛さを感じて膝を見てみたら、膝が横に3センチくらいの幅でパックリと口をあけていた。
そして、そこから血が噴出していた。

慌てて浴室に入り、冷水で血を洗い流したが、血は止まらない。
濃い臙脂色のタオルがあるので、それを強く膝に巻いて、止血した。
そうすれば、血はそれほど目立たない。

「なんだおまえ? そのタオルは?」と中学3年の娘に聞かれたが、「アイシングだよ」と微笑みながら(気持ち悪い)答えた。

その夜は、激痛の波に襲われて、眠りが浅かった。
傷口を覗くと、見事にパックリ割れていた。

昨日の午後、医者に行ったら、「縫いましょうよ!」と嬉々として言われ、6針縫われた。
歩くと激痛が走るが、痛み止めを我慢して(飲むと治るのが遅いので)、普通の顔をして生活をしている。

私は、人に弱みを見せるのが嫌な性格なんですよ。
しかし、その性格は、おそらくコンピュータでは判断できない。

「痛えよ! 痛えよ!」と叫ぶことができるひとは、コンピュータに「痛がっている」と判断されるが、私の場合は、絶対に判断されない。

こんなひねくれ者のことなど、自己申告しない限り、コンピュータには、判断のしようがないのである。

介護の認定も、それと同様だ。

だから、嫗の性格も、コンピュータには、判断のしようがない。
いくら「要介護の2」から「要支援」に事態が好転したと判断しても、嫗の性格は、少しも好転していないのだ。

「おお! 要支援まで回復したか!」と、嫗のバカ息子たちが、いくら表向きだけで感動したとしても、実態は何も変わっていなかったのである。

つまり、言い訳を総括すると、こうなる。
今年に入って、嫗が、ほとんど鬱状態で「三鷹に帰りたい」と繰り返したこと。
介護の認定が、介護2から要支援に好転したこと。
都合のいいことに、我々家族が生活しやすそうな、そして、嫗のマンションに近い住居が見つかったこと。
嫗を介護施設に入れるという選択肢は、少なくともヨメと私は持っていなかったこと。

これらを総合的に判断して、我々夫婦は、三鷹移住を決心したのである。

嫗のバカ息子たちは、口を開けば「施設、施設」と、ほざいたが、「その前に、あなたたちの豪邸に母親を引き取るのが先決だろ」と私が言ったら、ふたりのバカ息子は、貝になった。

三鷹に帰るにあたって、事前にヘルパーさんと訪問看護師さんによる毎日のサポート体制を組んだ。
我々もできる限り訪問して、世話をすることにした。

これで、万全だと思った。

埼玉にいた時は、昨年末から、嫗の糖尿病の状態は、かなり安定していて、医師もその状態に太鼓判を押した。
この状態なら、三鷹に帰っても安心だ―――誰もが、そう思った。
認定係もコンピュータも、そう判断した。

しかし、嫗の「破滅的な性格」は、我々の予想を遥かに超えていたのだ。
まるで我々の浅い考えを嘲笑うがごとく、事態は急転した。
もちろん、悪い方に・・・・・。

医師も看護師さんも、ヘルパーさんも匙を投げる日々。

俺たちは、決して安易な考えで引っ越したわけではないのですよ。
ただ、小さいと思っていたハリケーンが、予想を超える速さで大型化したのです。

私の浅薄な考えを批難する方々に申します。
そのハリケーンの大型化を防ぐ方法を教えてください。

3週間前までは、あんなにも優秀な糖尿病患者だったのに、一人暮らしになって、万全のサポート体制が機能しない理由は、いったい何故なのか?
嫗のまわりの善意の人々だけが悪くて、嫗は悪くない、と言いきる人の、その根拠は何なのか?

「痛い」と大声で言えない膝を意識しつつ、いま私は考えている。

性格を判断できるコンピュータは、いつできるのだろうか、と・・・・・。




2010/04/28 AM 06:47:46 | Comment(3) | TrackBack(0) | [日記]



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