Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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妄想的腰痛
不思議な体験談をお話ししましょう。

同居する79歳の(おうな)が、ある朝、首が痛いと言い出した。
そして、頭が痛い、と言い出した。
「くも膜下だ。痛い! 痛い! 死ぬ!」とも言い出した。

見ると、リビングに置いたベッドから落ちて、床に「気を付け」の姿勢で、仰向けに転がっていた。

それは、大変だ。
動かしてはいけない。
救急車を呼びましょう、と言ったら、嫗は「やだ、恥ずかしい」と答えた。

いつもは、「救急車はタダだから便利だわ」と言っている嫗が、なぜこんな危急のときに恥ずかしがるのだろう。
そんなに痛いのなら、すぐに医者に見てもらうべきです、私がもう一度そう言うと、嫗はまた「救急車は恥ずかしい!」と泣き叫んだ。

顔色を見てみると、普通である。
頚動脈に触れると、脈は正常に思えた。
呼吸も安定している。

これは、しばらく様子を見るべきだろう、と思い、布団を2枚かけた。
嫗は、それで安心したのか、いびきをかいて寝始めた。

1時間ほど、経過を観察したが、異変は起きなかった。
首が痛いのは寝違えのせいだろう、と断定して、私はその場を離れた。

数分後、嫗が目を覚まし、「痛い!」と叫んだので、私はリビングに駆けつけ、力づくで嫗をベッドに押し上げて、ベッドで寝かせることにした。
すると、嫗はまた、いびきをかいて寝た。

30分後に起きた嫗は、「首が痛い」のほかに、「膝が痛くて歩けない」とアピールしたので、大きい湿布薬を首と膝に貼り、また経過観察をすることにした。

「痛い、つらい」の二重奏。

食欲は、どうだろうか。
嫗の場合、それで大抵のことは判断できる。

しかし、昼メシ前、不思議なことに、誰かが突然ドアを開けて、外に出た気配がした。
私の仕事部屋は、玄関に一番近いところにあるので、家族の出入りを察知するのは、簡単である。

そのとき、嫗のほかに、家族はいなかった。
つまり、ドアを開けて出て行ったのは、嫗に間違いがない。

窓越しに、駐車場側の歩道を見てみると、嫗が杖もつかずに、少々体を前かがみにして、スタスタ歩いていくのが見えた。
その様子を見て、膝が痛い、首が痛い、というのは、何だったんだろう、と私は思った。
嫗は、30分ほどで帰ってきて、「食欲がない」と言い、昼食を半分残した。

本当に痛いの・・・・・かな?

夜も「首が痛い! 膝が痛い! 食欲がない!」と言い、夕食をきっちり半分残した。

次の日も、同じように過ごし、昼メシ前に、30分ほど外へスタスタ。
上から嫗の歩く姿を見る分には、とても体に痛みを抱えているようには見えない。
しかし、家に帰ると「首が痛い! 膝が痛い! 食欲がない!」と言い、食事を半分残す。

3月31日夜。
締めの仕事が二つ重なったので、徹夜をした。
正確に言えば、4月1日午前4時13分

仕事部屋前の廊下の向こうから、嫗の声が聞こえた。
「ムコさんよお。首も膝も、痛いのが治ったよ。いま、レストランまで歩いていったら、全然痛くなかったよ。あの店のうな重は美味しいねえ。もう元気になったよ」
そういいながら、「ヨイショヨイショ」と嫗は、遠ざかっていった。

さて、この話には、いくつかの疑問点がある。
夜中の4時にレストランに、うな重を食べに行った?
そんな時間に空いているのは、この近所ではガストだけである。
だが、ガストに行ったとしても、私の記憶によれば、ガストには、うな重はなかったと思う。

私は、この夜、一度も気を失うことなく、真面目に仕事をしていた。
嫗が真夜中に出て行ったのなら、確実に気配でわかる。
今晩、玄関の出入りは、一度もなかったと断言できる。

嫗は、何を勘違いしているのだろうか。

そこで、私の頭の中に、一つの推理が組み立てられた。
これは、いつもの妄想ではないのか?
「首が痛い、膝が痛い」という夢を見て、首と膝が痛くなり、どこかのお店で、うな重を美味しく食べた夢を見たことにより、痛みが消えた。
すべては、嫗の夢・妄想だったのではないか。

そして、毎月1日は、嫗の長男がお小遣いを送ってくる記念日である(そのことに関しては、コチラに書いたことがある)。
その日に合わせて、嫗の「痛い痛い」の妄想がピリオドを打ったのではないか。

現金書留を受け取った嫗は、ヨイショヨイショとタクシーで大宮に行き、ヨイショヨイショと買い物をし、夕方5時前にヨイショヨイショと両手に買い物袋を掲げて帰ってきた。
痛い様子は、どこにも見えない。

そして、言う。
「あたしゃ、晩ご飯は、軽めでいいからね。食欲がないからさ」

わかっていますよ。
すべて、お見通しです。
カツ丼かうな重をお食べになったのですね。

「痛い! 痛い!」と、嫗が叫んだ、この二日間。
あれは、妄想なのか現実なのか。

真実は、わからない。

しかし、不思議なことに、今度は、4月1日の夜から、突然私の腰の腰痛が痛み出した。
左の腰が痛くて、前屈みにならないと、歩くことができない。

間違いなく痛いですよ。
風呂に入るのも大変。
トイレも大変。
食事を作るのも、普段の倍以上の時間がかかります。

これは、決して妄想ではない。

・・・・・・・・・・と、私は思うのだが。




2010/04/03 AM 08:56:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | [日記]



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