Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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ココロ貧しき人
腹具合が、だいぶ落ち着いてきた。

腹を下している時は、発泡酒は飲まない(打ち合わせの最中に、勧められたらイヤイヤ飲むが)。

ただ、ウィスキーやウォッカは飲む。
それも、ストレートで。

それは、医者には「馬鹿なことを」と笑われる行為だろうが、ウィスキーを飲むと、一時的に腹痛が治まるからである。
私にとって、医学的な根拠などは、どうでもいい。
腹痛が治まるんだから、いいじゃないか、と思って飲んでいる。

腹の調子が悪いからといって、消化のいいものを食おうとは思わない。
そんなものを食ったって、治ったためしがないのだ。
だから、激辛キムチを食うし、ペペロンチーノやタバスコをたっぷりかけたピザも食う。

どんな食生活をしていても、日が経つと自然と症状は治まってくるものなのだ。
ヨメは、そんな私を見て、「そんなことをしてると、取り返しのつかないことになるわよ。貧しい食生活の祟りが、いつか来るわよ。それに心も貧しくなるわよ」と言う。

貧しい食生活。
一日三食、おにぎり一個でも平気な俺。
忙しいときは、丼メシに塩をぶっかけて食い、そのあとミネラルウォーターをがぶ飲みする俺。
さらに忙しいときは、トマト4個を一気食いして、一日の食事を、それで済ます俺。
外に出れば、立ち食いそば屋で、かけソバを食うだけの俺。

確かに、貧しいですな。
そして、心が貧しいことは、自分が一番自覚している。

昨日、友人のWEBデザイナー・タカダ(通称ダルマ)からお呼びがかかったので、行ってきた。
電話で、「師匠にご報告したいことが」と言ってきたのである。

ダルマの緊張した声を聞いて、私はすぐに察した。

あれだな・・・・・・・・・。

ダルマの荻窪の事務所に行くと、ダルマの奥さん、微笑みの天使・トモちゃんがいなかった。
ダルマに目で問いかけると、ダルマが気持ち悪い顔で頭をかきながら「彼女は、気分が悪いんで、横になっています」と言った。

やっぱりな・・・・・。

結婚2年目。
まあ、妥当なところではないだろうか。
一人うなずく、心の貧しい男。

「師匠、お昼まだですよね。近所に、行きつけのイタリアンレストランがあるんで、行きましょうよ。師匠、イタリアン好きじゃないですか」

そりゃ、俺は、イタリア人・・・・・・。

「歩いて、5分もかかりませんよ」

ちぇっ! 冗談も言わせてくれないのか。

ということで、イタリア料理店に入った。
こじんまりした店だった。
テーブルは、10畳くらいの店内に、丸いものが5つだけ。

そして、ランチは「おまかせランチ」1種類だけ。
お一人様2,100円。

高いよねえ。
でも、まあ、ダルマの奢りだから、許してやる。

飲み物は、別料金。これは、当たり前かな。
「師匠、ワインはいかがですか」
俺は、ビールがいいな。生で。(私は安いワインしか飲まない主義なので、変なのを出されても困るし)

食ったのは、ブロッコリーとズッキーニ、ベーコンのガーリックソテー。
魚介てんこ盛りのペスカトーレ。

これぞ、イタリアン。
美味かったですよ。
しかし、心の貧しい男は、つい余計なことを言ってしまうんですね。

俺なら、これくらいのものは、600円で作れるかな。

「いや、師匠。600円は、ありえないでしょう。無理ですよ」
ダルマが口をとがらせて抗議する。

「いやあ、ご家庭で作るのなら、一人前それくらいでできるかもしれませんね、ホント」
聞きなれない声が後ろから聞こえたので振り返ると、漫画家の蛭子能収を思わせるユルい雰囲気のおじさんが立っていた。

「ああ、シェフ」と、ダルマ。
蛭子さんが、シェフだったようである。
狭い店なので、私のホラ吹きが彼の耳まで届いてしまったようだ。

蛭子さんは、ニコニコしている。
気分を害した様子ではない。
そこで、私は調子に乗って、またこんなことを言ってしまったのである。

このお皿、百円ショップで売っていたのに似ていますね。
キャンドゥで見たのに、似てたんです)

怒るかと思ったら、蛭子シェフは、頭をかきながら、こう言うのだ。
「タカダさん。すごい人を連れてきちゃいましたね」

「すみません。ここは、俺に免じて、お許しを」と、タカダが、赤いダルマになって、ペコペコと頭を下げる。

蛭子シェフは、「いやいや」と、両手を左右に振って、「本当に百円ショップで買ったものですから」と、また頭をかいた。

「ホントですか!」とダルマ。
やっぱり、と俺。

「この店の食器の半分は、百円ショップで調達したものなんです。馬鹿にできませんよ、百円ショップは」
そう言いながら、蛭子シェフが、大きくうなずく。

心貧しい男の因縁を、やんわりと受けとめる大人のシェフ。
大いに反省して、ビールをもう一杯いただきました。

ん? 反省することとビールは、関係ない?

いやいや、私には、ダルマに言わなければいけないことがあったのですよ。

タカダ君。おめでた、おめでとう(日本語として変?)。

カンパーイ!

「師匠ォ〜!」

ダルマの目にも涙。



2010/03/26 AM 08:08:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | [日記]



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