Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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ヨイショヨイショ
いいちこが飲みたいな。

現物は目の前にありますが、いま仕事中ですからね。
いくらアル中の私でも、ルールは守ります。

仕事中は飲まない。
それは、最低限守りたいルールです。

ただ、打ち合わせで、クライアントに「どうぞどうぞ」と言われたら、断れません。
気が小さいんで、断りきれないんですよ。
お得意さんを怒らせたら、フリーランスは仕事にあぶれてしまいますから。

本当です!

しかし、いいちこが飲みたいな。

飲みたい理由ですか・・・・・。
得意先からさっき電話があって、「19日の支払いを月末まで延ばしてくれませんか」と言われたんですよ。

こちらが「ヤダ!」と言ったって、相手には決定事項だから、言うだけ無駄です。
嫌な予感がしますがね。

初めて仕事をした会社ですよ。
それが、いきなり支払い延期。
普通は、ありえませんよね。

飲みたくもなるでしょう。
あれは、知人の紹介で貰った仕事です。
会社は、池袋のそれなりに新しいビルにありましたから、安心していたんですがね。

同業者にも、よく言われるんです。
「Mさん、あんた、危ない会社の仕事ばっかりしてるねえ。もっと仕事選んだほうがいいよ」
よく聞いてみると、みんなは普通に請け負い代金を回収しているようなんですよ。

だから、ときどき同業者からは、こんなことも言われます。
「嘘でしょ! ありえないよ! そんな未回収ばっかりだなんて。冗談に決まってるよ」

馬鹿ヤロー! 嘘や冗談でこんなに白髪が増えるか! ボケ!

ああ、いいちこが飲みたいなあ。

おお、12時を過ぎたか。
取りあえず、仕事は一段落したことにして、いいちこを一杯。

ん? 12時?
ご老人の「昼メシコール」がありませんね。
いつもなら、11時半ごろ、「ムコさんよぉ、きょうのお昼は何だい?」という声が必ずかかるのですが。

寝ちまったのかな。

しかし、ご老人がねぐらにしているリビングに行ってみると、もぬけの殻。
部屋着が、芸術的な汚さで散乱していました。
そして、目を凝らして見ると、現金書留の封筒が、いびつな形で捻じ曲げられていたのです。

以前のブログで書いた「現金書留行方不明事件」は、解決を見たようですね。
そして、ご老人は、嬉々として買い物にお出かけになったらしい。
今月の1日に買い物をしたことなど、すべてお忘れになったようです。

あのとき、私たちがご老人のために用立てた1万円とカードで支払った買い物代金、そしてタクシー代は、ご老人のバカ息子が今度の給料日に支払ってくれるというので、実害は最小限に抑えられました。
バカ息子が、このように誠意のある対応をするのは、初めてのことです。

直径1キロの隕石が、落ちてこなければいいのですが・・・・・。

しかし、ご老人は何か行動を起こすときは、必ず「ヨイショヨイショ」と掛け声をかける癖があります。
その「ヨイショヨイショ」のトーンで、ご老人が何をするか、こちらはすべてお見通し。
だから、出かけるときは、気配を察知することは簡単なのですが・・・・・。

もしかしたら、ご老人がお出かけしたのは、得意先から「支払い延期」の電話を受けていたときかもしれません。
私は、右耳が聞こえないので、左に携帯電話を当てていたら、「ヨイショヨイショ」は、聞こえません。
きっと、あのときご老人はお出かけになったのでしょう。

いいちこをラッパ飲みで、グビッ!

クゥ〜〜〜!

昼メシを食うのが面倒くさくなったので、昼は、いいちこだけにしましょう。

ラッパ飲みを3回。
いいちこ臭いため息を22回。
その後、また作業を開始しました。

1時半ころ、ヨメが花屋のパートから戻ってきて、リビングを覗いて事態をすぐに理解し、大きな怒声。
「また、やられちまったかぁ〜」

まあ、いいじゃないですか。
自分のお金をどう使おうと。

ご老人の三食のメシ代、月に一度の診療代、薬代は、ボランティアだと思えばいいことです。
ボランティアは、崇高な精神があってこそできる行いです。
ご老人のバカ息子どもに、理解できるわけがありません。

タクシーで大宮行って、ヨイショヨイショ。
デパートで買い物して、ヨイショヨイショ。
昼メシに、カツ丼か、うな重食って、ヨイショヨイショ。
帰りもタクシーで、ヨイショヨイショ。

そう思いながら仕事をしていたら、午後5時前に「ヨイショヨイショ」が玄関で聞こえましたよ。
そして、ヨイショヨイショ廊下を歩き、ヨイショヨイショリビングへ。
そして、両手に持った買い物袋を、下にドッシーン!

買ってしまったら、あとはどうでもいいんですね。
ほったらかしです。
たまに夜中の3時ごろ、思い出したように整理していますが、決して使うことはありません。

ただ、月に一回(今月は二回)、日本経済に貢献しているんですから、たいしたものです。
表彰してあげましょう。
ご老人は「大物」だから、他人のことなどは眼中にないのです。
まるで、与党の某幹事長のように。

そして、数分後に、ヨイショヨイショ。
仕事部屋の外の廊下から、ご老人の声が聞こえました。

「ムコさんよぉ、今日の晩ご飯は、軽いものにしておくれ。アタシャ、全然食欲がないんだよ。朝も昼も、何も食べていないんだけどね。風邪ひいたのかもしれないよ」

はいはい。
わかりましたよ。
それで、カツ丼は美味しかったですか。

「ああ、高いカツ丼はやっぱり、肉が柔らかくて美味しいねえ。本当に美味しかったよぉ(シミジミと)」

そうですか。
それは、よかったですね。

ヨイショヨイショ・・・・・(遠ざかっていく音)



2010/03/12 AM 06:40:57 | Comment(3) | TrackBack(0) | [日記]



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