Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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お引越し会議 その2
前回のブログで、私が冗談で言ったことが、おおごとになったという話を書いた。

話が思わぬ方向に行ったので、小休止。
みんなでピザを食った。

そして、その後四者首脳会談B4(バカ4人という意味)が再開された。

私は、話を正常な方向に戻そうと、冷や汗を背中に滲ませて力説した。

すべては、ご老人の我がままのせいである。
ご老人が孤独になった現実は、冷たい言い方をするなら、自業自得でもある。
俺たちは、ボランティア集団ではないのだ。
その尻拭いを、なぜ俺たちがしなくてはならないのか?

その私の意見に対して、中学二年の娘が反論。今回も彼女が主導権を握る。

「じゃあ、放り投げるのか。
お前は、伯父さんたち(ご老人の長男次男)に対して、意地があったんじゃなかったのか。
あいつらが土下座して、ばあちゃんを引き取りに来るまで、決して放り投げないって心に誓ったんじゃなかったのか!
アタシは、そんなお前の意地を応援してきたんだぞ。こんなところで、折れるなよ」

14歳の娘の鋭い指摘。

背中から、さらに汗が出てきた。
冷たくて、しかし最後は熱い汗だ。
だが、どこか嬉しい汗でもある。

俺の14歳のときは、確実にアホだった。
親にこんなことを言える子どもではなかった。

私は、ふと思った。

こいつ、本当に俺の子か?

偉大なる14歳が、言う。
「みんなで意地を貫き通そうぜ。ただ、もちろん今すぐ引越すというのは、無理だけどな。学校の手続きはあるし、マミーのパート先をどうするかも問題だ」

ヨメが、小さく頷いて言う。
「私はどこでもいいわよ。花屋のパートなんか中央線沿線に、いくらでもあると思うし・・・」

次は、大学一年の息子。
「俺は、三鷹の方が大学に近くていいな。全然問題なし!」

いいのか、そんなに簡単に決めちゃって。
これは、かなり重要なことだと思うんだが・・・・・。

首を傾げるバカ親父に向かって、娘が諭す。
まるで親が間抜けな子どもに言い聞かせるように。
「大事なことだからこそ、瞬間的な決断力が重要なんだ。こんなときは、悩んだら確実に迷路に迷い込んでしまうんだよ」

しかし、しかしだよ。
それって本当にご老人のためになるのだろうか。
三鷹に帰っても、孤独だったら・・・・・。

「ばあちゃんにとって、三鷹は自分ちなんだよ。でも、ここは自分ちじゃないんだ。だから、どんどん病んでいくんだよ。自分ちに帰れば、今より悪くなることはない」

そして、さらに言う。
「まあ、今までも、お前が一番被害を受けているからな。お前のお得意さんのことも考えなきゃならないし。だから、最後に決めるのは、お前だ。アタシたちは、お前の決定に従うよ」

ヨメと息子が、横で頷きながら、私を見つめている。

背中から汗。
わきの下からも汗。
首筋にも汗が出てきた。

からだのあちこちから汗を噴き出しながら、私は一つのことに思い至った。

一番重要なことを・・・・・。

引越しには、金がかかるんじゃないのか。
部屋を借りるにあたっての初期費用と引越し運賃。
これって、相当高くないかい?

俺んちに、そんな金あったっけ。

やばいぞ。
両手両足、汗まみれになってきたぞ。

恐る恐るヨメに聞いてみた。
我が家に引越し費用は、ありかなしか。

ヨメが、弱々しく首を振る。

やっぱり!

悲しいことだが、これが現実だ。
・・・・・・・ということで、今回の話はなかったことに(嬉々)。

私がそう言うと、娘がテーブルをポンと叩いた。
「そこを何とかするのが、お前の役目。いいか。少しばかりの時間をおまえにやろう。だから、何とかしろ。前向きに考えろ」

いや、しかし・・・・・何とかしろ、と言ったって。
お前の判断に任せると言ったばかりなのに・・・。

また汗かいてきたし。

さらに持病の不整脈が・・・・・(胸を抑える)。


ところで、以前ヨメが、あることを境にして、ご老人を避けているという話を書いた(コチラ)。
それに関しては、色々なアドバイスをいただき、御礼申し上げます。

いまも、ヨメはご老人に近づこうとしない。
赦す気はないようだ。

このヨメとご老人との冷戦が、ご老人の孤独感を増幅させたという見方もできる。
だが、それはご老人の自業自得だという見方もできる。

私は、孤独感をばら撒きながら、つぶやき続けるご老人に聞いてみた。
三鷹に帰って、どうするつもりですか。一人で健康管理ができますか。

それに対して、ご老人は無表情な顔をゆっくりと私のほうに動かして、私を睨んだ。
「あたしゃ、4年間も一人暮らしをしていたんだよ。できないわけないだろう!」

しかし、それで糖尿病が悪化して、あなたの長男があなたを私の家に連れてきたんですよ。
あなたが「どうせ世話になるのなら、娘の方がいい」って言ったんです。
とにかく、あの時の病状は最悪だった。言っていることも支離滅裂だった。覚えてますか。

私がそう言うと、ご老人は横を向いて、フンフンと唸った。
これ以上言うと、ご老人は常軌を逸した行動に出る。
だから、私は違うことを言った。

では、私たちが三鷹に行って、あなたの面倒を見るというのは、どうですか?

その言葉に、ご老人は一瞬目を輝かせたが、すぐにいつもの無表情に戻った。

その姿を見て、無駄なことをしているような気になった。

正直な気持ちを言わせてもらうと、どうせ他人である。
他人がどうなろうと、知ったこっちゃない。

今は成り行き上、ご老人の健康を管理しているが、それは本当に私にとってただの成り行きに過ぎない。
好きでやっているわけではない。

今ある生活の場を変えるというのは、私にとっては、大きな犠牲を伴うことだ。
何で、他人のために、そこまでやらなければいけない?

私は自分を嫌なやつだと思っている。
他人のために生きるなどという上品な行いは、絶対に似合わないし、もうご免である。

だから?
・・・・・・・・・・だから。

しかし、あいつらが土下座しに来るまで、俺はがんばらないと。
それが、俺の意地なんだし・・・・・。

どうなんだろう?
もう少し、悩んでみようか。



2010/02/19 AM 08:37:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | [日記]



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