Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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テクニカルノックアウト
白状するが、あまり体調がよくない。

体調を崩した理由は、私の計画性のなさからくる。
まるまる3日間、仕事がなかった日がある。
余裕のある人だったら、それを休養に当てるのだろうが、私は余裕ゼロの人間である。

得意先、知人に片っ端から電話をして、「仕事をくだせえ。仕事がないと、オラァ死にますだ」と頼み込んだ。
その成果もあって、違う種類の仕事を4件手にすることができた(俺って、営業向き?)。

ホームページ、チラシのデザイン、画像の切り抜き362点、そしてライター(火が点くやつではない)の仕事。

貰ったはいいが、どれも納期は短い。
すべてが、一週間以内の仕事だ。

私がメインで使っているMacは、G4/450MHz。
これは化石といっていいほど、優雅に動きやがる機械なのである。
大学一年の息子が使っているウィンドウズのノートパソコンの5分の1程度の速度しかない、まるで大正レトロの機械だ。
だから、能率が悪い。

そして、皆さんも薄々お気づきだとは思うが、私には才能も仕事の処理能力もない(キッパリ)。
一週間で、4件の仕事。
才能に溢れたお方は、絶対に徹夜などはしない。

頭の中で、自分の処理能力を見事に計算しつつ、効率的な仕事をなさる。

しかし、才能をデスクトップのゴミ箱に捨てた人間は、4件の仕事をこなすには、徹夜をするしかないのである。
今週の木曜日、金曜日と土曜日。
仕事が大詰めに来たので、朝5時まで仕事をした。
しかし、私の場合は家事も同時にこなすのである。

そんなもの、ヨメさんにさせればいいだろうという、当たり前のご意見は、とりあえず無視する。

だって、家事をしていないと、俺がオレでなくなるような気がするんですよ。
オレは、変人ですから。

金曜日の朝は、徹夜明けの澱んだ頭脳を意識しつつ、家族の朝メシを作った。
そして、ヨメ、息子、娘を送り出し、ご老人がメシを食い薬を飲む様子を監視しながら、自分はおにぎりを一個頬張る(ツナマヨ)。

そのあと、仕事にかかろうとすると、ご老人が廊下に粗相をする。
それを、雑巾と両手に持ったファブリーズで除菌しながら、廊下の景色をレマン湖のほとりのような清浄な空気に変換する。

ご老人が我が家に来てから、ファブリーズの消費量が半端ではない。
メーカーの方、お願いいたします。
いくらでも宣伝いたしますので、ファブリーズ一年分を、ただでいただけないでしょうか。
本当に、ハンパねえんですよ。
ファブリーズの消費量。

このままでは、我が家はファブリーズ破産をしてしまうかもしれません。

両手に持ったファブリーズを仕事場の床において、また仕事を始める(雑巾は洗濯機に放り込み、すぐにお洗濯)。
残ったのは、花の画像の切り抜き、約200点と文章書き。
目がチカチカする。
そして、イライラする。
あーあ、めんどくせえ!

昼メシまえ、ご老人が私に、廊下から声をかける。
「ムコさんよう。今日のお昼は、力(チカラ)うどんが食べたいんだけど」

しかし、力うどんには、餅が入っている。
ご老人の歳では、餅は危険物だ。それは、やめたほうがよろしい。

「じゃあ、餅の入っていない力うどんを作っておくれ」
はいはい(古典的な漫才ですな)。

そして、夜。
晩メシを作っていたら、部活から帰った娘がキッチンに顔を出した。
「おい、今日の夜メシは何だ?」

鮭のムニエルとラタトューユだ。
「あちゃぁ! 今日の給食はラタトューユだったぜ」

本当か。じゃあ、君のだけシチューにするか。
「ウッソー! 給食にそんなの出るわけないだろ! バーーーーーカ!

おバカな私・・・・・。

そして、仕事が一段落した午後11時55分。
風呂に浸かっていた。

そのとき、ご老人の声が聞こえた。
「ムコさんよう」
はい。

「あたしゃ、睡眠薬飲んだかねえ」
さあ・・・・・。
「ああ、思い出した! 飲んだ飲んだ。でも、ちっとも眠くならないんだけどねえ」
いつ飲みましたか。
「今だよ」
じゃあ、もう少し待ちましょうか。
(またまた古典的な漫才ですな)

そんな馬鹿馬鹿しい一日を終えて、一時間ほどの仮眠。
全身が痺れるような奇妙な感覚の睡眠を終えて、気だるい朝を迎えた。

そして、土曜朝早く、桶川の得意先・フクシマさんから電話。
「あけましておめでとうございます」

なんだって?
「だって、Mさんと話をするの、今年初めてですよ。だから新年のご挨拶を」
相変わらず、おバカなフクシマさん。

「急ぎの仕事があるんですけど」
なに! 急ぎの仕事だって? 何でこのクソ忙しいときに!
(たじろぎながら)「い、いらないんですかぁ?」

いただきます。
ただ、フクシマ様。ワタクシ、忙しいのでございます。ホントに忙しいのでございます。
「ああ、じゃあ、Mさんちの近所のガストで打ち合わせってことで」

それと、フクシマ様。ワタクシ、朝から何も食べていないのでございます。
「ああ、俺にピザをおごれと?」

はい。しかし、フクシマ様。ピザを食べている間に、のどが渇いたら、いかがいたしましょうか。
「ああ、ビールですね。了解です!」

ガストでフクシマさんと密会。
フクシマさんは、私の顔を見るなり言った。

「Mさん、顔が白いですね」

なにぃ! あなたに私の「顔がひどい」と言われる筋合いはない!

「いやいや、『ひどい』ではなく『し・ろ・い』。顔色のことですよ」

フクシマさん。今まで隠していましたが、私は白人だったのです。

・・・・・・・・・・。

という恒例の挨拶を1分30秒で終えて、料理の注文に20秒。仕事の打ち合わせに10分。ピザとビールをかっ食らう時間、3分20秒。
しめて15分10秒の時間を消費したあと、私はフクシマさんを置いて、ガストを後にした。

土曜日は息子と娘がいるので、作って冷凍しておいたチヂミを昼メシとして食わせた。
ご老人のリクエストは、カツ丼。しかし、当然のことながら無視。五目いなりを高速で作って出した。

あとは、仕事、仕事、仕事。
夕飯は、ビーフシチューwithフランスパンとしゃきしゃきレタスのサラダ。
ご老人は、別メニュー。
懐石料理と間違うくらい、素晴らしい料理をテーブルに並べたが、ひとこと「味が薄い」(減塩醤油をドバドバドバとかけやがった)。

ケッ!

また、仕事、仕事、仕事。
夜は、作業している最中に気分が悪くなって、失神すること数回。
しかし、そのたびにカウントエイトで立ち上がって、ノックアウトは、かろうじて免れた。

ただ、熟練のレフェリーなら、確実にテクニカルノックアウトを宣告したかもしれない。
それほど、ダウン寸前の状態だった。

仕事の目途が96パーセントついた日曜午前4時。
気合を入れるために、風呂に浸かった。
そして、気合を入れるために、東京事変の「修羅場」「群青日和」「ミラーボール」「OSCA」「スーパースター」を防水ラジカセで流した。

気合が、入った。

まさか椎名林檎様も、自分の歌で気合を入れる人がいるなんて、想像しなかったに違いない。

日曜日午前4時35分。
気合が入ったまま、Macの前に座り、友人から貰った黒糖梅酒をストレートで飲んだ。
飲んだあとで、少しだけ目をつぶった。

目を開けたら、時計は、午前6時5分(つまり、つい先ほど)を表示していた。

1時間半も、寝てしまったようだ。

テクニカルノックアウト!

テンカウントのゴングを聞きながら、私はブログを書いている。



あーあ、体調が悪い。



2010/02/07 AM 08:41:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | [日記]



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