Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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どうしたらいいのでしょうか
ブログを少しの間休んだ、もう一つの理由。
またもトラブル話。
暗い話で申し訳ありません。


心理学の大先生、精神医学のお医者様、是非ご意見をお聞かせください。

私には、3つ年上の姉がいる。
その姉が盲腸癌を患った。
そのことに関しては、以前書いたことがある(コチラ)。

色々な人にご迷惑をかけながら、PET検査という最先端の検査を年末に受けた。
その結果が、年初にわかった。

癌は、転移しておらず、とりあえず術後の経過は良好である、という嬉しい結果が出た。

ただ――――――
検査結果を聞きにいったとき、姉はまた醜態を見せた。
検査を受けた時は、若い男性の医師が担当だった。
だが、結果を教えてくれたのは、40歳前後の女医だった。
運の悪いことに、若い医師は、遅い正月休みを取っていたのだ。

以前にも書いたことがあるが、姉は、キャリアウーマン、高学歴、頭のいい女性に嫌悪感・敵意をむき出しにする。
あるいは、女性全般が嫌いである。
女性から何かを言われると、逆上する性癖がある。
これは、あまりにも極端なので、嘘かと思われるかもしれないが、姉は買い物に行って、レジの店員が女性だと何も買わずに帰ってきてしまうという、救いがたい性癖も持っている。

このとき、姉は首を90度下に向けたまま、女医の顔を見ず、何の反応も示さずにいた。
私としては、逆上して女医を罵倒しなかっただけでも有り難いことだと思ったが、相手から見たら、それは大変失礼な態度だったろう。
女医さんは、終始憮然とした顔で説明を続けた。

帰りのタクシーの中。
「何よ、あの女! 偉そうな態度で人に説教して、私は患者なのよ。私のほうが偉いのよ!
あんな女の言うことなんか信じられるか! もっとちゃんとしたところで検査しなきゃ、安心できないわ!」

姉の異常なキレ具合に、タクシーの運転手が、からだを固くしていた。

何でいつもこうなるのか?
同じ結果を若い男性医師が言ったのなら、素直に聞いただろうに。

「世の中は不公平よ。何で私だけが、こんな目に遭わなくてはいけないの? 私は真面目に生きているのに!」

そうだろうか――――――
高校を出てから、まともに働きもせず、引きこもり状態で無駄なときを過ごした姉。
たまに出かけるのは、パチンコ屋か場外馬券売り場。

6年前に、たまたま当てた万馬券を心の拠り所にして、自分のギャンブル好きを正当化する50過ぎの女。
夜は、缶チューハイを飲んで、年老いた母親を罵倒する日々。
少しでも注意をすると、姉は泣き出し、暴れだす。
実家の壁は、姉の不可解な「抵抗の跡」で、ボコボコになっている。

私が癌になったのは、あんたのせいなんだ!

責任転嫁、という言葉は、姉の辞書にはない。
姉の辞書には、「自分が可哀想」という言葉しか載っていないのだ。

教育者であった祖母、そして母。
教育者だからといって、自分の孫、あるいは娘を教育できるものではない。
そのことは承知している。

しかし、祖母の命日に、数々の花が手向けられている事実。
いまだに母親に、教え子から季節の便りが数十通も届く事実を考えると、二人が優秀な教育者だったことは疑いがない。

だが、姉にとって、その教育は無力だった。
いや、これは教育とは別次元の問題なのかもしれない。
もしかしたら、脳の中に常人とは違う小さな傷・空洞があるとか。

なぜなんだ? と私はいつも立ち止まって考える。

しかし、それを考える時、いつも濃い霧の中で行き先を見失ったような不安な感情だけが、私の心を満たすのだ。
姉は、いったい何なんだ?
どうしてこうなってしまったんだ?

姉は、いったい――――――誰なんだ?

得体の知れない新生物を見ているような、そんな不安感が、私の心に増殖してくる。

タクシーの車内で、姉が感情のコントロールを制御できないまま叫ぶ。

「だいたいさあ!」
大きな声である。

「あんたの娘、私は大っ嫌いなんだよね! だから、お年玉はやんないよ」

何を突然言い出すのかと思った。
なぜ私の娘の話に飛んだのだ。
それに、姉は、私の子どもたちにお年玉をくれたことなど、一度たりともなかったではないか。

「あんたの娘、可愛くないんだよね! 女は、バカでおとなしい方がいいんだよ! その方がみんなに好かれるんだよ!」
その罵声を聞いて、タクシーの運転手さんの肩が、また固まった。

親バカと言われることを承知で書くが、中学2年の娘は、性格はハキハキしている。
そして、成績も学年でトップクラスである。
私が母親にそう自慢しているのを、姉はいつも苦々しい思いで聞いていたのかもしれない。

私の娘は、姉が一番嫌うタイプの子どもかもしれないと、そのとき遅ればせながら思った。

しかし――――――
それは、普通、父親である私の目の前で言うことではない。

少なくとも、私の娘は、姉のただ一人の姪なのだ。
正常な思考回路を持った人間なら、そんなことは遠慮して言わない。

タクシーの運転手さんの肩が、戸惑っているように見えた。
私も、もちろん戸惑った。

反論はできるが、反論したら、車内は恐ろしいほどの修羅場になるのが想像できた。

だから、私は横を向いて、車外の景色を見ることにした。
通り過ぎていく町の景色。
どんなに美しい街並でも、こんな状況では、殺伐としたものにしか見えない。

隣では、姉が「まったく、可愛くないんだよ、あんたの娘は! 勘違いしてるんだよ。女はバカじゃなくちゃダメなんだ!」
酔っ払いのように、呂律の回らない舌で、何度も同じことを繰り返す。

心理学の大先生、精神医学のお医者様。
この人は、いったいどうすれば、人並みの理性を身につけることができるのでしょうか。

数年前のことだが、姉が機嫌のいい時に、「近所で評判のメンタルクリニックがある。その人は若い男性だ」と説得して連れて行ったことがある。

しかし、そのとき、その若いイケメン男性医師は、身内に不幸があったということで不在だった。
代わりに出てきたのが、柔らかい雰囲気を持つ包容力のありそうな女医だった。
誰もが安心して身を任せる空気を身につけた信頼できそうな医師。

しかし、姉にとっては、性別だけが判断の基準だった。

「ふざけんなよ! こんなやつに話なんかできるか! だましたな! だましたな!」

それ以来、姉は精神科医を信じていない。
さらに、そのとき、姉にとって、だました我々が悪人だということになって、私と母親の点数は、永遠にマイナス点がついた。

「私はね、あんたたちのことを許さないからね!」

母親と私は、姉の中では、ボウフラ以下の存在になった。


心理学の大先生、精神医学のお医者様――――――

こんな人間がいるのですが、私たちはいったい、どうしたらいいのでしょうか。



2010/01/21 AM 07:14:25 | Comment(2) | TrackBack(0) | [日記]



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