Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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相性が悪い
相性の悪い作家というのが、いると思う(いないか)。
私にとって、それは内田康夫氏だった。

友人から何冊か本を借りたことがある(ほとんどが無理矢理押しつけられた)が、毎回30ページ読むとため息をついて、本を閉じることを繰り返した。
何だこのフニャフニャした文章。緊張感のない展開。
これは、本当にミステリーなのか?
「ユダの愛した探偵」というのを何とか我慢して後半近くまで読んだが、苦痛に感じて、結末までは至らなかった。

内田康夫氏は超人気作家である。
その作品は、ドラマ化もされているらしい。
しかし、私とは相性が合わない。
それは、相性が悪いとしか言えないものだと思う。

ベストセラー作家の作品が、面白くないはずはないのだ。
私の感性が、きっとおかしいのだろう。

海堂尊 氏というのも、最近のベストセラー作家である。医者でもある。
友人が彼の作品を絶賛していて、3年前に、彼から「チーム・バチスタの栄光」を借りた。
これも、相性が悪かったようだ。

比喩を多用している文体が、すべて上滑りしているように感じて、物語に集中できなかった。
この程度の話なら、半分の文章でまとめられたのではないか。
そう思ってしまったら、ページをめくる手が、鉛のように重くなって止まってしまっのだ。

百ページも行かずに挫折した。

友人には、「楽しめなかった」と正直に言った。
すると、次に「螺鈿迷宮」というのを貸してくれた。

「これは、おまえ好みかも」と言われて読んだが、30ページで挫折。

友人は、今度は意地になって「ジェネラル・ルージュの凱旋」を貸してくれた。
「これは、俺が一番好きな作品なんだ」

しかし、50ページも行かずに挫折。

「何でだろうな」と友人。

文章に、無駄が多すぎるんだよ。
それが、ミステリーだと言われたらそれまでだが、もっとスッキリまとめられないのかな。
いたずらに文字をこねくり回した比喩は、自己満足にしか思えないんだが・・・。

それに対して、友人はあきらめ顔で言う。
「まあ、お前は、変わっているからな」

そうです。
私は、まぎれもなく変人です。

他にも、その友人は、音楽が好きな男だった。
それも、大御所のミュージシャンが好きなようだ。

例えば、さだまさし、松任谷由実、長渕剛、矢沢永吉、中島みゆき、チャゲ&飛鳥、小田和正、井上陽水、吉田拓郎など。

「松任谷由実の新しいアルバム買ったんだけど、聞く?」
聞かない。
「矢沢永吉の新しいやつ、いいよ。聞く?」
聞かない。

その人たちは、きっと今もいい曲を作っているのだろう。
しかし、その人たちの曲は、昔も聴かなかったから、いまも私は聴かない。
おそらく、一生聴かない。

きっと相性が悪いからだろう。

団地の住民で、オオタケさんというのがいる。
彼は、40歳から50歳前後の男の人を集めて、「男子厨房会」というのを作っている。
会員は、4名だという。

3年前まで、オオタケさんに「Mさんも、入りませんか」と頻繁に誘われていた。
私より4つ年下の小太りの男。

彼は、私がジョギングをしている姿を見て、「Mさんは、いつも走ってるから、そんなにガリガリなんですね」と言う。そして、「貫禄ないですよ」と言われた。

私が買い物袋を両手に捧げて団地内を歩いていると、オオタケさんは袋の中身を遠慮なく見て、「ずいぶん野菜が多いなあ。なに? Mさんは、ベジタリアンなの? ああ、違うの? ベジタリアンみたいな顔してますけどね」と言った。

近所のマクドナルドで、のんびりコーヒーを飲んでいたとき、突然そばに立って、「自営業はいいですね。優雅ですね。なんか、そんな姿を見ると、覇気が感じられませんね」と、オオタケが言った。

団地内を子ども二人を連れて散歩していたら、「Mさんは、子離れしていないんですね。俺なんか、娘と出歩くことなんか、とっくの昔にやめてますよ。気恥ずかしいじゃないですか」と、オオタケは胸を張った。

ガストで得意先の人との打ち合わせを終え、自転車にまたがった時、偶然出くわしたオオタケは「あれ、Mさん、自転車? Mさんって、健康ヲタクだねえ。百歳まで生きるつもり? 家族に嫌われますよ」と、ぬかした。

私が、団地内の遊歩道を歩きながら、iPhoneで仕事先と会話をしていた時、それを見ていたオオタケの野郎は、「Mさん、iPhoneなんか使ってるの? Mさんって、もしかして、外国かぶれ?」と、ほざいた。

ロジャースで食料品を買ってレジで並んでいると、「あれ、Mさん、車がないのに、そんなに買って大丈夫かい? 自転車で持っていける? 運んでやろうか」とオオタケが、タメ口で言った。

冬のある日曜日、ジョギングを終えて、遊歩道のベンチで日向ぼっこをしていたとき、オオタケが通りかかって、私の姿を見て「アハハハ」と笑いやがった。

オオタケには、いつか得意の右フックをお見舞いしてやろうかと思っている。

相性の悪いやつというのは、いるようだ。



2010/01/09 AM 08:12:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | [こんな本読みました]



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