Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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お正月
正月の仕事は、2件。
しかし、それも年末にほぼ終わった。

WEBデザイナーのタカダ君(通称ダルマ)から恵んでいただいたホームページ作成の仕事は9割がた終わって、あとは最終校正を待つだけだ。
もう1件の仕事。この10年来レギュラーでいただいている年初の社内報も、年末にほとんど組み終わって、やはり最終校正を待っている状態だ。

この社内報は、2年前に担当者が変わってから仕事がしやすくなった。
以前の担当者は、年末ぎりぎりに原稿を出して、三が日に初稿、2稿を出させるという計画性のないことを平気でやる人だった。
原稿が揃うのがあと3日早ければ、私は人並みの正月を送ることができたのだ。
仕事って、人が変わると、こんなにも楽になるものなんですね。

それによって、私は昨年から念願の人並みの正月を手に入れることができた。
しかし、人並みの正月って、退屈なんだな。
テレビは見る気にならない。

「年末から、同じ顔ぶればっかりじゃん!」という、中学2年の娘の鋭いツッコミが聞こえる。

年末の歌合戦は、NHK主催の敬老会の催し物。ご老人の精神安定剤。
年末年始のバラエティ番組は、予算を無駄遣いする学芸会。
年始の駅伝は、大新聞社演出の綺麗ごとと感動の押し売り。

我々はここ数年、ツタヤで借りてきたDVDを観る習慣になっている。
今年は、「ナイト・ミュージアム2」「ハリー・ポッター/謎のプリンス」「インディ・ジョーンズ/クリスタルスカルの王国」「レミーのおいしいレストラン」「レッドクリフ」など。

我が家のご老人は駅伝画面に釘付け。テレビに向かって、「頑張れ、キャー、抜かれる!」と叫んでいる。
幼稚園の運動会で、我が子の走る姿を見ている親の気分なのかな。

しかし、倒れこむほど走って、いったい何の意味があるの?
自分の走るペースくらい身体に覚えこませておけよ。
普段、真面目に練習しているのかね(いいがかり)。
母校が出ているが、ニュースのダイジェストで、結果を知れば十分。

そんなことを考えながら、私は元旦恒例のジョギングを自分のペースで、へたり込むことなく終えた。
走り終わったあとの、クリアアサヒが美味い!

世間では正月恒例の初詣には、私は一度も行ったことがない。
大学時代、「明治神宮に行こうぜ」という友人の誘いに、私はこう答えた。
「我が大学内には、ご立派なチャペルがある。手を合わせるなら、何も神社でなくてもいいだろう。お前たちは神道か」

「じゃあ、お前はクリスチャンか」
その工夫のない問いに対して、私は答える。

私は、目に見えないものは、空気以外は、ないものだと思っている。

神様も仏様も、見たことがない。
ご立派な神殿も十字架も、それは神殿であり、十字架であるに過ぎない。
何かを象徴しているのだろうが、ご本体は、目に見えない。
だから、存在が見えない。
存在の見えないものは、ないのと同じだ。

「罰当たりめが!」

そうです。罰当たりです。私は、最低の日本人です。

私のヨメは、ある宗教の信者なので、彼女だけは罰当たりではないが、宗教上の理由から、彼女も神社に詣でたことは一度もない。

そこで、暇を持て余した罰当たり家族は、ブックオフに出かけた。
娘が、昨年から「名探偵コナン」と「One Piece」を揃え始めたからだ。
ただし、娘は105円の中古本だけで全巻揃えるという偉業を成し遂げるつもりのようだ。

「だって、新品を買うと高いだろ」

娘と私は、価値観がよく似ている。
簡単に言うと、感覚が二人とも貧乏臭い。
たとえば、ブックオフで「名探偵コナン・29巻」を売っていたとする。
105円のものと250円のものがある。

ヨメと息子は、250円の綺麗なほうを選ぶが、娘と私は250円の本は眼中にない。
105円のものにしか目がいかないのだ。
「だって、内容は、同じだろ」

たとえば、昼メシ。
正月の繁華街は、どこも混んでいる。
かなりの時間並ばないと、メシにありつけない。

そんな時、娘と私は、立ち食いソバでいいだろう、という価値観を持っている。
しかし、ヨメと息子は、それを「貧乏臭い」と言って嫌がるのである。

「食えりゃ、いいじゃん!」
コンビニでおにぎりを買って、駅のホームで食ったって、娘と私は平気だ。

しかし、それも「貧乏臭い」とブーイング。

「それが平気なのは、心が貧しいからなのよ」と、ヨメ。
痛いところを突いてくる。

確かに私の心は、貧しいと思う。
もしも、「心が貧しいワン-グランプリ」があったら、私は初代王者に輝く自身がある。
優勝だぞ! 誇らしいではないか。

しかし、結局、ヨメと息子連合に押し切られ、30分待って、ファストフード店に腰を落ち着けた。
店内は、大混雑。
うるさいし、慌しいし。
落ち着きませんよ。

娘と私は黙々と食い、そしてすぐに食い終わった。
それに対して、ヨメと息子は、店内の喧騒をよそに、優雅にノンビリ食っている。
息子は、マンガ本を読みながら食っているから、よけい遅い。

何気なくあたりを見回すと、トレイにハンバーガーとフライドポテトを山盛りにして、席を探しているお父さんの姿が、2つあった。
娘もそれに気付いた。
娘は、モグモグのんびり食うヨメと息子を「早く食おう、席の空くのを待っている人が沢山いるんだから」と急き立てた。
そして、席を探しているお父さんに対し手を上げて、「ここいま空きますから」と言ったのだ。

おお、気配りのできる、なんと偉いやつ!
娘は、私と同じ価値観を持ってはいるが、この子の心は、私と違って絶対に貧しくはないと断言できる。

帰りの電車。
ちょうど3席分空いていたので、私以外の3人は、座席に座った。
最寄り駅まで2駅、立っていても疲れる距離ではない。

電車が発車する寸前、杖をついたお年寄りが二人、スローモーションで入ってきた。
それを見た娘と息子は、競うように立ち上がって、お年寄りに席を譲った。

貧しい正月、貧しい家族。
しかし、少なくとも子どもたち二人の心は貧しくない、と私は誇らしげに胸を張った。

正月早々、えげつない子ども自慢でした・・・・・。



2010/01/03 AM 08:18:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | [子育て]



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