Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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クライアントは、オレ様か
クライアント様に、言いたいことがある。

今週の月曜日、ドラッグストアのチラシの最終稿を持っていって、オーケーをもらった。
「ご苦労さまです」とも言われた。

あとは、印刷会社にデータを送るだけだ。
校了になったときは毎回のことだが、身も心も軽くなって、家路についた。

浦和駅から最寄り駅。
最寄り駅の改札を通り、階段を下りて、地下の駐輪場に向かおうとしたときのことである。

「おい! あんた!」

恐ろしいほどの大声が聞こえた。

私の周りにいるひと全員が、声のした方に顔をひねった。
それほど、非常識な大声だった。

人さまを「おい! あんた!」と呼ぶ人間に、真っ当なやつはいない。
ヤクザさまだって、もう少し上等な礼儀を持っていると思う。
その意見は、おそらく多くの方々の賛同を得られるはずだ。

駅前のロータリー。
車の中から、見覚えのある顔が覗いて、私を手招きしているのが見えた。

ロータリーは、車を停めるところではありません。
バスも入ってくるし、他の車も頻繁に行き来している。
占領していい場所ではないのだ。

しかし、声の主は、「尊大」という呼び名が、一番似合う男だった。
この人に関しては、コチラコチラのブログに書いた。

それをお読みいただくと、私が彼を嫌う理由が、おわかりいただけると思う。
嫌いなやつ。
だから、無視をしてもよかったが、無知な男に「一般常識」を教えるのも、大人の役割である。

近づいて、「ここは、車を停めるところではありません」と、当たり前のことを言った。
すると、スドウ氏は、意味のわからない外国語を聞くような顔をして、少しの間、放心状態になった。

おそらく5年ぶりに会うスドウ氏。
電話では2、3度話をしているが、友好的な会話をした記憶がない。
私が、「オレ様キャラ」のスドウ氏に、毎回腹を立ててしまうからである。

スドウ氏は、すぐに放心状態から戻って、オレ様を復活させた。

ふんぞり返るように顎をしゃくって、車をロータリーのはじへ移動させた。
普段だったら、無視するところだったが、今日は、ひとつの仕事が終わって開放感を味わっていたところだ。
少し、心が広くなっていたのかもしれない。

スドウ氏の車についていって、窓越しのスドウ氏と話をした。
5年ぶりに見るスドウ氏は、私の記憶どおりの角度で、体を反り返らせていた。
つまり、5年経っても、オレ様。

いかにも血圧の高そうな赤ら顔は、5年前と変わっていなかった。
頭を覆うカツラ(?)も、同じ位置に存在していた。

「あんた! もう、仕事やめたんだろ!」

いいえ、やめてませんが。

「じゃあ、なんで、電話が繋がらないんだ! モグリで、仕事してるのか!」

私は、屋号を掲げ、税金も毎年欠かさずに納めております。けっして、モグリではございません。

「じゃあ、なぜ、繋がらんのだ!」

それは、固定電話をやめたからでございます。
そして、携帯電話の番号も変わったからでございます。
ただ、そのことをそちら様に教える義務はないと、私が勝手に判断いたしました。
なぜなら、5年間に1度しか仕事を出してくれない会社とは、お付き合いをしたくないからでございます。

「ちょうどいい、急ぎの仕事があるんだがね!」

まるで、ひとの話など、最初から聞く気はないと言わんばかりに、ひとの話に言葉をかぶせて、また大声で話すオレ様。
進歩のない男だ。

「囲碁サロンのポスターをレイアウトして、インクジェットプリンタで5部出力。サイズは、A2。明日の5時までに頼みたい」
大声は、まだまだ続く。
「いくらで、やる?」

進歩のないオレ様には、日本語は通じないようだが、一応無駄だとしりつつ、日本語で返事をした 。

10万円ですね。

つかの間、スドウ氏が、息をのんだ。
そして、それを恥じるように誤魔化すかのように、また大声で吠えた。
「馬鹿か、あんた! なぜ、そんなに高い!?」
スドウ氏は、血圧の数値が30以上あがったような赤い顔をして、私を睨んだ。

私の場合、1日拘束されて5万円です。
2日なら、10万円。簡単な算数ですね。
(もちろん、嘘です。そんな素晴らしいギャラを毎回いただいていたら、私は間違いなくメタボおじさんになっていただろう)

赤鬼のような顔で睨まれた。
あるいは、ゆでダコ。

私のほうは、睨むというほどではないが、スドウ氏の目を覗き込んだ。
何度か書いているが、私はにらめっこは得意である。
いくらでも黙って相手の目を見つめていられる。

ただし、筋者(すじもん)の顔は、怖くて見ていられない。
また、仲間由紀恵さんクラスの美女の目も、恐れ多くて見ることができない。

だた、目の前の男のように、ただハッタリだけで生きてきた人間の目だけは、怖がらずに、いくらでも見つめていられる。
だから、にらめっこをした。

しかし、スドウ氏は、つまらない人だった。
にらめっこは、1分も続かずに、「チェッ」と大きく舌打ちをして、逃げるように車を出したのである。

サヨウナラ〜、オレサマ〜〜〜〜!
5年後にオ会イシマショウ〜〜〜!


さて、ここで、真面目な話をしておきたい。

クライアントは、少しも「偉い人」ではない、と私は思っている。
どんな時でも、仕事を出す方、請ける側は、対等である。

お互いを尊重し、尊敬し合わないと、いい人間関係は築けない。
仕事は、「やるもの」でも「与えるもの」でもない。
お互いが、作り上げるものだ。

それを勘違いして、仕事を出す側が「オレ様」になるのは、仕事の本質を理解していないとしか思えない。

仕事は、共同作業。
片方が片方に隷属を強いるような関係では、決して「いい仕事」は、生まれない。

私は、そう思っているのだが、違うだろうか。



2009/10/07 AM 06:33:46 | Comment(3) | TrackBack(0) | [Macなできごと]



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