Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
[TOP] [RSS] [すくすくBLOG]








パソコンおたくプー太郎伝説
引きこもり4日目。
久しぶりに、外の世界に足を踏み出した。

ドラッグストアのチラシの打ち合わせだった。
これは、毎月の仕事なので、段取りはわかっている。
打ち合わせも、30分もかからずに終わった。

午後2時過ぎ。
浦和のKirin Cityで、昼メシをとった。
ピザマルゲリータとキリンラガーを1杯。

団地内で「パソコンおたくプータロー」と言われているオレ。
プー太郎は、昼間から酒を飲んだっていいんですよ(開き直り)。

1杯では物足りないが、この店は、ビール1杯が500円という非常識さである。
財布と相談するまでもなく、1杯で我慢するのが、プー太郎の常識だ。
我慢した。

家に帰った。

早速、仕事をするプー太郎。
フォーマットはできているので、あとは画像と価格、キャッチコピーを変え、目玉商品の枠だけを前回と大幅に変えるだけである。
夜7時前には、もう初稿は終わっていた。

晩メシは、マルちゃん「麺づくり」とんこつ味。
美味しく、いただきました。

食べ終わった頃、ヨメが仕事場に顔を出した。
血糖値が、安定しないのよね」

いつもながらの、主語不在の会話である。
異星人の血糖値が、70〜500の数値を乱高下しているらしい。

2週間前までは、160前後で安定していた。
それが、いきなりの乱高下。

ヨメも食事には気を配っているのだろうが、所詮は、素人料理人である。
私のように、「糖尿病糖質制限食餌療法(私独自の命名)」に関して、気を配っているわけではない。
ヨメには、ある程度の知識は与えたが、気楽に考えていたのだろう。

カロリーさえ抑えれば、いいんじゃない?

それは、糖尿病患者にとって、最低限の役割しか果たさない療法だ。
効果はあるが、万全ではない。

かぼちゃの煮つけを食わせた? かぼちゃ6分の1?
サツマイモの甘辛煮を食わせた? 2分の1本?
しかも、梨をまるまる1個食っただとぉ!
同じ日に?

めまいがした。

糖質のコントロールが一番重要な糖尿病患者に、そんなものを出すなんて!

異星人の体重が、1.5キロ増えた? それでは、血糖値があがって当然だろう!

怒りを溜め込んで、頭をかきむしるプー太郎。

お年よりは、長生きする権利がある。
いや、待てよ、しかし・・・・・。

そんなことを言ったって、異星人や異星人の息子たち、彼女の団地応援団には、私の意思が通じるわけもない。
無駄ですよ。

ア・ホ・く・さ!

もらいもののウォッカを呷って、ふて寝しようとした。
そのとき、携帯電話が震えた。

私のパソコン教室のシルバー生徒・キシさんからだった。
「先生、メールのことで、ちょっとわからないことが出てきたんですけど・・・」

すぐに、伺った。

過去のメールを探し出したいのだが、その数が膨大なので、どう探したらいいのか、というご質問である。
キーワードを打ち込んで検索しましょう。

「あら! 簡単に出てきたわ! なんて、便利なのかしら!」

一件落着。

珈琲を飲みながら雑談をしていると、キシさんが、顔を曇らせて私の顔を見た。
「先生、変な噂が立っているの、ご存知ですか」?」

キシさんのところにまで「パソコンおたくプー太郎伝説」が、届いているらしい。
大きな団地だが、世間は狭いということだろう。

「噂の出どころ(77歳のご隠居らしい)は、何となく想像できますよ。私も団地生活10年ですからね」
無理矢理明るい笑顔を作って、私の顔を控えめに見る、ここにもいた心やさしき人。

「私でお役に立つのなら、その人とお話しますけど。実は、その方とは以前、自治会の『定例会寄席』でご一緒したことがあるんですよ」
ズズズと、お茶をすする69歳の生徒。

しかし、そんな余計なお手間をかけては・・・。

「いいんですよ。暇ですから」と言い、「先生には悪いんですけど、退屈しのぎですのよ」と笑う69歳。

心に沁みるご提案である。

お願いすることにした。

そして、夜9時46分。
また、携帯電話が震えた。
キシさんからだった。

「先方は理解してくれたようですよ。ものすごく恐縮してました。
絶対とは言えませんけど、先生の気苦労は、これで少しは解消されたと思います。
でも、こんなことを言っては失礼かもしれませんけど、くれぐれもおばあちゃんを大切にしてあげてください。
悪気はなかったと思いますから」

はい。
ありがとうございました。

と、一応感謝の意を示した。
しかし、私は思うのだ。
それは、第三者だから言えることである、と。

異星人は悪気・悪意だらけである。

ヨメと結婚して23年。
その間に噴出した悪意ある噂の出どころは、すべて異星人からだった。

私が法律事務所を辞めたときは、「役に立たないからクビになった」と吹聴された。
長男が6歳の時、風邪をこじらせて1日入院した時は、「腐ったものを食べさせた」と、親戚中に言いふらされた。
独立してしばらく、まとまった稼ぎがなくて、印刷会社でDTPの仕事をしていた時は、「大学まで出て、インクこねる仕事して、恥ずかしくないのかね」と罵倒された。

そんな中傷は、数え上げたら、きりがない。
被害者の私から言わせてもらえば、異星人は「悪意が洋服を着ているようなもの」なのである。

今回の「パソコンおたくプー太郎伝説」の創作落語の中に、我々家族が、異星人の住む団地に無理矢理押しかけて、居場所を奪ったという「ありえない話」が存在している。
異星人がこの団地に来たのは、昨年の11月だ。
冷静に考えれば理解できることでも、「同情」という名のフィルターをかけたら、それは真実になってしまうのである。

俺たち家族は、この団地に15年住んでいるんですよ。
俺たちは、何も悪いことはしてないのに、なぜ、そんな噂が、蔓延してしまうんですかね!

悪意の津波は、真実さえも覆い隠すということか。

皆さんもお気をつけください。
「善良」なんて言葉は、「悪意」の前では、赤ん坊同然ですから。

しかし、そう憤慨しても、異星人の血糖値が・・・・・。

冷静な医学データを突きつけられたら、私も折れるしかないではないか。

団地内での「パソコンおたくプー太郎伝説」が収束に向かうのは、はるか先だろうが、異星人の体調は待ったなしである。
だから、日常生活に戻ることにした。

厳しい食餌制限に戻った異星人の生活。

朝ごはんを食べ終わったあとで、「まったく、人でなしだよ、あの男は。こんなまずいもん食べさせて」
リビングから、そんなつぶやきが聞こえた。

人でなしと、パソコンおたくプータローでは、どちらがいいだろうか。

もちろん、どっちもイヤですが・・・・・ネ。


2009/10/01 AM 06:37:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | [日記]



(C)2004 copyright suk2.tok2.com. All rights reserved.