Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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恐怖の桶川事件 本編
朝から色々なアクシデントがあったことは、前回書いた。

結局、朝メシも昼メシも食わず、寝不足も解消されないまま、得意先の桶川に向かった。
ヨメが、私のために栄養ドリンクをボックスで買って、冷蔵庫に入れてあるのだが、私には栄養ドリンクを飲む習慣がない。

あんな胡散臭いもので、健康になるわけがないと思っている。
だから、ヨメには悪いが、まったく飲まずにいるのだが、気がつくと本数が減っている。
子どもたちも飲む習慣がないので、きっとヨメか異星人が飲んでいるのだろう。

この二人の「しゃべくり」は大変元気だから、栄養ドリンクは「トーク」に効くのかもしれない。
売れないお笑い芸人のかた、試してみてはいかがでしょうか。

腹ペコのまま、1時半に得意先に着いた。
この桶川の得意先に関しては、何度か書いた(たとえばコチラコチラ)。

おバカなフクシマさんと麻生久美子似の女子事務員のコンビは、絶妙だ。
ただ、二人の掛け合いは、ほとんどなくて、私が入ると途端に場が盛り上がるのが常だから、私こそが、おバカだという説もある。

麻生久美子似が、迎えてくれた。
営業は、いつも通り出払っているようだ。
いきものがかりのヴォーカルを3回振り回した顔の女子事務員もいない。

では、フクシマさんは?

なんと、社長に怒られていたのである。

「フクシマぁ! なんだ、この企画書は!
てめえ、何年営業をやっている!
俺は、こんな企画書の書き方を、てめえに教えたか!
こいつは、トウシロ(素人)のもんじゃねえか!
10分で書き直して来い!」

私が、この会社の社長に持っているイメージは、愛犬のマルチーズと優雅に遊ぶ姿だけである。
会社にいる間は、ほとんど愛犬のお相手をしている姿しか見たことがない。

それも、楽しそうに、幸せそうに・・・・・。

だから、この罵声は、腹に強烈に響いた。
この人、こんなに太くて、大きな声が出せるんだ。
呆気に取られた。

「10分で書き直すなんて、無理ですよ!
そんないい加減な企画書、俺は書けません!
だいたい社長は、いつも無理ばっかり言って、社員の苦労なんて、まったくわかろうとしないんだから!
みんな言ってますよ!
社長は、身勝手で、社員を消耗品だと思っているって!」

「なんだとぉ!」

果たして脳みそが存在するのか、と思われるフクシマさんだが、そのおバカさんが社長に楯突いている。
それも、社長に負けないくらいの大声だ。
このおバカさんにも、こんな一面があったのか。
人間というのは、わからないものである。

チョット見直した。

「ふざけんなよ! 俺ほど社員を可愛がっている社長はいねえぞ!
おまえらの目は節穴か!
蹴り飛ばしてやろうか、この野郎!」

本当に、蹴るつもりなのだろう。
社長は、机を大またで回り込んで、肩を怒らせてフクシマさんに迫ろうとした。
顔は、朱色に染まっている。
赤い仁王という感じだ。

それを見て、麻生久美子似が、私の前から身を翻し、意外なほどの速さで「社長、それだけは!」と止めに入った。

「社長! フクシマさん! もっと冷静に!
冷静になってください!」

麻生久美子似が、社長の前に、両手を広げて立ちはだかる。

なんか、まるで劇を見ているみたいだな。
しかし、麻生久美子似は、必死な顔をしている時も、美人だな。
変なところで感心する、おバカな観客。

「アリマさん、止めるな!
俺は、こいつを蹴り飛ばさないと、気が済まないんだ」

「おお、上等だぁ!
蹴りなよ! 蹴ってみろよ!
こんな会社、辞めてやらあ!」

「ダメです! お二人とも、それは、駄目ですぅ!」

迫真の演技だ。
素晴らしい。
このわざとらしい三文劇に、思わず私は拍手をした。

パチパチパチ・・・・・。

それを聞いて、
「え? ばれた?」
と、三人の大根役者。

振り返った時の社長の顔が、三人の中で、特に間が抜けていた。

そりゃあ、わかりますよ。
だって、部屋の隅の三脚に、ビデオが据え付けられているじゃないですか。
あれは、ちょっと不自然ですよ。

「あら〜〜〜」

詳しく聞いて見ると、10月の慰安旅行で、映像コンクールがあって、それに優勝すると10万円の商品券が貰えるらしい。

つまり、この場面は、フクシマさんが、商品券欲しさに、社長と麻生久美子似を巻き込んだ寸劇だったのである。

「本当は、Mさんが慌てて止めに入って、オロオロする姿も台本には書いてあったんですけどね」
恨めしそうに私を見る、真正おバカのフクシマさん。

私が呆れていると、信じられないことに、社長と麻生久美子似が、突然頭を下げてきたのだ。
それも、深々と腰を折って。

「Mさん、お願い!
止めに入るオッサンの役をやってくれない?
優勝したら、4等分するから!」


・・・・・・・・・・(なんだ、この展開?)。

やりましょう!

ただし、俺、今日何も食べていないので、天丼を奢ってくれたら、という条件付きで。

「よし! アリマさん。天丼の上を1人前、頼んでくれ」
社長の力強い鶴のひと声で、メシにありつくことができた。
ついでに、一番搾りも。

その後、取り直すこと、2回。
全員が満足する出来の「マルチーズ社長vs垂れ目社員の戦い」のビデオが出来上がった。

なんと、これが、恐怖の桶川事件の真相だったという・・・・・。



まったく・・・、眠いよ・・・・・・・・・・。


2009/09/18 AM 07:46:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | [日記]



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