Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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いつか削除する話
つまらない話。

いつか削除してしまうかもしれない、つまらない話。

「マミーは、パピーのこと、こき使いすぎだよ!」
子どもたちが、ヨメに抗議をする。
年に数回、そういうことがある。
私が、疲れきった顔をしている時だ。

ヨメからすれば、「え? なんで?」としか、思えないに違いない。

炊事、洗濯、掃除、ゴミ出し、学校行事、Macでお仕事。

すべて私が好きでやっていることだ。
それは、ヨメに強制されたものではない。
私は、楽しみながら、やっているのだ。

娘が3歳の時、独立した。
今も仕事はないが、最初は、もっとなかった。
だから、時間をもてあました。

料理を作ってみた。
すると、自分でも意外なほど、手際よく出来た。
評判も良かった。

洗濯や掃除もしてみた。
キレイになることが、楽しかった。

食材を買い出しに行った。
安い値段で、いいものが買えたときは、嬉しかった。
俺には、節約の素質があると思った。

要するに、家事が楽しくなった。
子どもたちの学校行事にも、積極的に関わった。
子育ての楽しさを実感した。
だから、それを今も続けている。

そうしているうちに、少しずつだが、仕事が増えた。
仕事が込み合っている時は、ストレスが溜まったが、家事をすると、不思議と心が落ち着いた。

特に、洗濯にこだわった。
どの洗剤を使えば、汚れがよく落ちるか。
洗剤、漂白剤、柔軟剤。
その組み合わせを色々変え、試行錯誤しながら、自分なりの黄金比を作った。
干し方も工夫した。

衣類が、キレイになっている! 楽しいぞ!

そんなことをしていると、確実にストレスが収まった。

だが、当然のことながら、それは、主婦の仕事を奪う行為である。
普通だったら、「そんなの、私がやるわよ」と、怒られるに違いない。

しかし、うちのヨメは、そんなことは言わない。

ヨメは、3歳の頃から、ある宗教を信心していた。
つまり、筋金入りの信者だ。
宗教というものは、真面目に信心すると、忙しいものらしい。
それなりに、金もかかるようだ。

私の家事参入は、ヨメの信心に費やす時間を確実に増やしたから、ヨメは以前にも増して、活発に活動するようになった。
その姿は、生き生きしているように、私には映った。

バチ当たりな無神論者の私にはわからない世界だが、連れ合いが生き生きするのは、悪いことじゃない。
先日の選挙前も、かなり張り切っていた。
毎日、知り合いと出かけたり、選挙情勢をチェックしたりで、「疲れちまった」を連発していた。

そんなヨメだが、私には決して「信心しましょ」とか「この人に投票してね」とは、言わない。
夫婦だからといって、宗教観や政治観が同じでなければいけない、とは、お互い思っていないからだ。
それに、私が信条を曲げない変人だということを、ヨメは呆れながらも理解しているからだ。

もしかして、不仲?
あんたら、仮面夫婦かい?

そんな疑問を持つ人もいるようだ。
ヨメの信心仲間の中には、「そんな理解のないご主人、見込みないわよ」と露骨に言う人もいるという。
私が、信心しないかららしい。

我が家に、昨年の11月から生息する異星人も言う。
「あの男は、見込みがないねえ。夫婦ってもんをわかってないよ」

いや、俺はかなり理解があると、自分では思っているんですが・・・・・。
どう・・・・・なんでしょうか?

4年半前から、ヨメは近所の花屋でパートで働きだした。
午前中だけの仕事だ。
私は、ヨメの時給がいくらで、月給がいくらなのか、聞いたことがない。

それは、我が家の家計には、組み入れていない。
私が、それを望まなかったからだ。
それは、もしかしたら、子どもたちが独立したとき、「あなた、別れましょ」と言うために、貯め込まれているのかも知れない。

「別れるときは、所詮はお金よ!」
離婚経験のある信心仲間の女性に、そんなふうに言われたと、ヨメが楽しそうに笑っていた。
そうやって、笑っているうちは、大丈夫なのかな、とは思う。

「お墓、買ってあるからね」
異星人が、くどいくらいに言っている。

「お父さんも、私も、あんたも、そこに入るんだよ」
どうやら、信者のための墓が、特別にあるらしいのだ。
すでに、義父は、そこに入っている。

私は、見事なほどの、無神論者。

そうか、夫婦なのに、墓は別々なのか・・・。

そう考えたら、背筋が寒くなった。
妙に、淋しくなった。

すると、子どもは、二つの場所に、墓参りに行くことになるのか。
それは、申し訳ないな。
俺の骨は、どこかのドブ川にでも流してくれないかな。
畑の肥料にしてくれてもいいし。

そんなことを思っていたら、娘にこう言われた。
「まあ、1パーセントもない確率だろうが」
DSで「レイトン教授と最後の時間旅行」をしながらだった。

「もしもお前たちが別れるようなことがあったら、アタシは、お前についていくからな」
横でDSを覗いていた息子も「俺もだな」。

(シビアな話を、軽いシチュエーションで言いますねえ)
そんな確率は、マイナス百パーセントだよ。ハハハハハ・・・。

軽薄な笑いで、その場を収めたが、心には、赤い火が灯った。

それは、嬉しいことばだった。踊りだしたいほどの。
実際、心の中では、ブレイクダンスを5曲踊った(ブレイクダンスはできないが)。

どうです? つまらない話でしょ。
きっと、いつか削除すると思いますよ。

つまらない俺の体重、58キロ。
とりあえず、目標到達!

ちょっと、めでたい。

朝だったが、バーボンでも飲んで、祝おうかな。

本当に、バーボン、飲んじまった。
しかも、ラッパのみ。



ところで、未曾有の民主党議員大増殖。

コイズミは、彼の言葉どおり、自民党をぶっ壊したが、民主党には、この国の奢りきった官僚システムをぶっ壊して欲しい。


2009/08/31 AM 08:05:00 | Comment(3) | TrackBack(0) | [子育て]

敬礼社長
中小企業のオヤジの話。

仕事柄、中小企業から仕事をいただくことが多い。
その社長から、直接仕事をいただくこともある。

彼らは、ユニークだ。
独特の感性と信念を持っている。

私が住む団地の近所(半径2キロ以内)に、印刷会社がいくつかあるが、そのうちの2つと懇意にさせていただいている。
どれも、パソコンまわりのメンテナンスをする代わりに、印刷を格安で請け負ってもらい、機器を自由に使わせてもらっている。
会社の鍵も預かっている。

どちらも自由に侵入できるのだが、社長があまりにも個性的過ぎて、面倒くさくなる時がある。
だから、最近は物理的にも精神的にも距離を置いている。
ストレスが溜まるからだ。

他に、会社の鍵を預かっているのは、2つ。
一つは、鴻巣の同業者である。
彼の事務所の機械の設置を、すべて私がしたことから、メンテナンスも頼まれている。

メンテナンス自体はボランティアだ。
しかし、私が設置したから、ここのMacの環境は、私とほぼ同じである。
だから、私のMacの調子が悪い時は、ここの機械を自由に使わせてもらっている。
これは、かなり便利だ。

そして、もう一つは、中古OA販売会社。
その会社のことに関しては、何度か書いた。
倉庫を「隠れ家」として、使わせてもらっているのだ(たとえば、コチラ)。

中古OAを販売しているからといって、その会社の人が、機械を直せるわけではない。
機械の修理は、すべて委託だ。
この会社には、営業3人、事務が2人いるが、彼らは機械に関しては、知識はあっても直すことはできない。

そこで、私の出番になる。
社内では、6台のパソコンと1台の業務用プリンタを使っているが、そのメンテナンスを頼まれているのである。
その代わりに、事務所と倉庫に自由に侵入する権利を与えられている。

午後8時過ぎ。
事務所に侵入して、メンテナンスをしていると、社長が突然歌を歌いながら入ってきた。

「さくらぁ〜ふぶ〜きぃのぉ〜、サライ〜のそらは〜」

酔っているらしい。
顔が赤い。
髪の毛が薄い。
足が短い。
歌が下手だ。

「Mさん、いつもご苦労さまです」
絵に描いたような酔っ払いのポーズで、敬礼をされた。

手には、何か持っている。
それを私に差し出した。

たこ焼きだった。

「屋台で飲んでおりました! きっと、Mさんは機械を可愛がりに来ていると思ったので、お土産に買ってきたのであります!」
また、敬礼をされた。

はいはい。

面倒くさいので、私も敬礼を返した。

すると、社長は敬礼のポーズのまま、左手で椅子を引き寄せて、私の隣に座った。
大変、酒臭い。
安い日本酒の臭いがする。

「ホンッとに、ご苦労さまです!」
まだ敬礼をしている。

面倒くせえ!

「Mさん、もうひとつ、差し入れであります!」
ズボンの右ポケットから、ワンカップの酒を取り出す、敬礼社長。

渡されたが、それは、社長の体温で妙に生温かくなっていて、少し気味が悪かった。

「飲んで」
敬礼社長が、赤ら顔を近づける。

これ以上近づかれたくないので、飲むことにした。
たこ焼きも食う。
このシチュエーションでは、うまいわけがないのだが、一応「美味いですね」と言っておく。

敬礼社長は、満足そうにうなずき、その姿のまま、寝始めた。

Guuuuuuuuu,GuGuGuGuGu・・・・・

その間に、たこ焼きを食い、メンテナンスを続ける。
日本酒は嫌いではないが、今日は飲みたい気分ではない。
ひと口だけ飲んで、ふたをした。

30分以上、敬礼社長は、眠っていた。
敬礼をしたままだ。

時刻は、9時前。
客がひとり入ってきたが、たこ焼きを一心不乱にかっ食らう私と、敬礼しながら寝ている男の姿を見て、怯えた表情を作って、すぐに姿を消した。

電話もかかってきたが、もちろん無視した。
だって、俺は、ここの社員じゃないもん!

2度目に電話がかかってきたとき、敬礼社長が、その音で目を覚ました。
しかし、電話はとらない。

呼び出し音が、10回のコールで止まった。

そして、コール音が止まったとき、社長が、突然叫んだ。
「ラーメン食いたい。締めはやっぱりラーメンだぁ〜!」

敬礼社長は、突然携帯電話を取り出すと、電話をし始めた。

「オレ、オレ! オレだよ! ラーメン食いたい! 事務所の前まで来い!」
かなりの大声である。

意味がわからない。
なんだ、事務所の前まで来い、っていうのは?

「ラーメン、ラーメン・・・・・・・」
狂気を顔に宿しながら、敬礼社長はつぶやき続ける。

ラーメン、ラーメン・・・・・・・。

怯えながら15分ほど待っていると、男が事務所に顔を出した。
敬礼社長に、似た顔の男だった。
彼の弟かもしれない。
それほど、よく似ていた。

敬礼社長は、6人兄弟だと聞いたことがある。
もしかしたら、みな同じ顔をしているのか。
そうだとすれば、ちょっと気持ちが悪い。

弟らしき人が言う。
「ラーメン、何人前?」

「2人前」
敬礼社長が、指を二本突き出した。

5分後、できたよ、という大声が外から聞こえた。
外に出て見ると、屋台のラーメン屋が、事務所の前にあった。

ヨロヨロとした足取りで、敬礼社長が横長のベンチに座る。
そして、私を手招きした。

「こいつ、俺の弟。会社つぶして、いま屋台やってるんだ」
同じ顔の弟が、照れくさそうに頭をかく。

湯気を出して台の上に置かれた二つのラーメン。
具は、チャーシュー一枚と海苔2枚、コーンそして刻みネギ。
色から推測すると、しょう油ラーメンだ。

屋台の隅に貼られた値段表を見ると、600円となっている。
安いのか、高いのか・・・・・。

それは、食べてみてわかることだ。
食べてみた。

味が濃い。
麺がフニャフニャだ。
チャーシューが厚すぎて、食いづらい。

要するに、まずい。

「美味いだろ」と、敬礼社長が聞く。

顔を斜め前から、すくい上げるように覗き見られた。
酔っているかと思っていた目が、完全に正気だったので、少したじろいだ。

私は、その気圧されるような目と、8月らしくない、秋風漂う夜の空気に腹を立て、箸を置いた。

麺に腰がない。味がしょっぱい。チャーシューが下品だ。
はっきりと、そう言った。

それを聞いて、敬礼社長の弟は、ひと目でわかるほど意気消沈。
うなだれていた。

すると、敬礼社長は、真顔になって言うのだ。
「なあ、わかるだろ。おまえはまだ素人なんだよ。こんなの人様に食わせられる代物じゃない。
もっと勉強しろ。おまえは、いつも物事を甘く考えすぎだ。屋台のラーメンだって、奥が深いんだよ。
半端もののおまえが、簡単に踏み込んでいい世界じゃないんだ。
この人の言うことを頭に刻み込んで、もっと勉強しろ!」

敬礼社長の迫力ある声。
醜い酔っ払い親父だと思っていたのが、嘘のような変わりようである。

社長は、実の弟に商売の難しさを教えるために、ひと芝居打ったのかもしれない。
「勉強だよ、勉強!」と、背筋を伸ばして諭すその姿は、威厳に満ちていた。

打ちひしがれる弟。

その姿を見て、私はラーメンをまた食い始めた。
二口目もまずかった。

だが、発展途上だと思えば、そのまずさは、許せる。
完食した。

そんな私の姿を見て、敬礼社長が、私の左肩をたたいた。
「こいつが、まともなラーメンを作ったら、真っ先にMさんに食べてもらいましょうかね」

喜んで。

敬礼社長に肩を強く揺さぶられたが、彼の両目には大粒の涙が盛り上がっていた。
それを見て私は、目に力を込めて空を見上げた。

少しだけ、敬礼社長のことが、好きになった。


2009/08/29 AM 07:24:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | [Macなできごと]

ボンビーな夏
進行中の仕事が2件。
急ぎの仕事は、ない。

休んじゃえよ! という天使の声が聞こえた。
天使の声は絶対だ。
だから、休んだ。

朝メシを子どもたちと一緒に食って、ノンビリした時間を過ごした。

3か月前から読み始めた、北方謙三の「水滸伝」は、14巻まで進んだ。
結末まで、あと5巻。
一気に読もうと思えば読めるだろうが、急ぐことはない。
一日50ページ程度のペースが、丁度いい。
楽しみは、できるだけ先まで取っておきたい。

他に、重松清の「ビタミンF」と真保裕一の「繋がれた明日」も、同時進行で読んでいる。
そのときの気分によって、手に取る本が違う。

一流の作家の文章は、どんな読み方をしても、脳細胞に染み込んでくるものだ。
本当のプロとは、そういうものである。

ピンポーン!
出てみたら、宅急便だった。

大きなダンボールが二つ。
差出人を見てみたら、イトウだった。
イトウに関しては、このブログに書いた。

そのときのお礼として、アルカリイオン水のボトルを2ケース送ってきたようだ。
中身を覗くと、1ケースに6本のペットボトルが入っていた。
そして、手紙も。

「Mさん、先日はお世話になりました。
(中略)
Mさんが、たまに激しい下痢をするということを聞いて、私が飲んでいるアルカリイオン水を送ります。
私も同様に、腸が弱い体質なのですが、これを飲んでかなり改善されました。
私の経験が参考になるかはわかりませんが、とりあえず飲んでみてください。損はないと思います」

そんな内容だった。
確かに、最近の私は腸が弱い。
1ヶ月のうち、2日程度、激しい下痢に襲われる。

そんなときは、何を食っても腹を下す。
おかゆを食っても、他の消化の良さそうなものを食っても、腹を下すのである。
発泡酒の飲みすぎが原因だろう、と言われることがあるが、発泡酒を飲まなくても、腹を下すのだ。
つまり、原因不明。

それをイトウに言ったことがあるのだろう。
彼は、私の体調を気遣ってくれたのだ。
ありがたいことだ。
感謝感謝。

しかし、どうせなら、ビールを送ってくれたほうが良かったのだが。
ビールも、アルカリ性ではなかったっけ。

「図書館に行かないか」と娘に言われた。
団地の中に図書館はあるが、昔ながらの「とりあえず本を揃えました」という趣のものなので、最近の私は、ほとんど活用していない。

最近よく行くのは、少し遠いが、さいたま市北区にある図書館である。
ここは、蔵書の数はそれほどでもないが、空間がゆったりしていて、コミックも置いてあるので、暇つぶしには丁度いいのだ。

あそこに行こうか。
「よし、行こう」

自転車で行った。
我が団地から、図書館まで約6キロ。
私の足なら、20分程度で行ける距離だが、娘のペースに合わせて40分かけて、安全走行で行った。

娘は、夏休みの宿題の仕上げをするという。
かなりの土壇場だが、宿題に関しては、私はうるさいことは言わない。

それに対して、ヨメは、「早くしなさいよ!」と青筋を立てる。
しかし、宿題は、学校生活で不可欠のものではない。
オマケだ。
オマケに、一所懸命になるなんて、野暮だね。
私は、そう思っている。

そもそも私自体が、宿題をしたことがない。
小・中・高校と、宿題を出したことがない。

だって、授業を聞いていれば理解できるんだから、宿題なんか必要ないじゃないか!(ちょっと嫌み?)

息子にも、娘にも「宿題をしろ」と強要したことがない。
もちろん、「勉強をしろ」とも言わない。

それは、私の子ども時代が、そうだったからだ。
私が言われなかったことを、自分の子どもに強制することはできない。
だから、私は言わない。

しかし、ヨメは、強い口調で命令する。
子どもは、その違いに戸惑っているかもしれないが、どちらを選ぶかは子ども自身だ。

宿題は、してもいいし、しなくてもいい。
どうでもいいのだ。
今のシステムでは、宿題を出さないと内申書の評価が著しく悪くなるようだが、それは現在の教育システムとの闘いだと私は思っている。

ヨメは、「そんな無駄な闘いをしなくても」と抗議するが、私は宿題に意義を感じていない。
ただ、それだけのことなのだ。

まあ、感情論ですね。

私は、コミック「20世紀少年」をむさぼるように読み、娘は、「創意工夫」のネタを調べた。

昼メシは、図書館向かいのイトーヨーカ堂のフードコートで食った。
二人ともしょう油ラーメンだった。

「ビールは、飲まなくていいのか」と、娘に言われたので、隣接する食品売り場で、発泡酒とC.C.LEMONを買った。
3時前だったので、フードコートはすいていた。
家族連れが多かったが、稀にサラリーマンらしき人の姿も見えた。

お好み焼きをひとりで食う、淋しきサラリーマン。
「頑張れ!」と、思わずエールを送った。

娘が言う。
「トシコのアツは、あまりナツくなかったな」(今年の夏は、あまり暑くなかったな)

うん、ナツくなかった(うん、暑くなかった)。

「このメンラー、マイウーだな」(このラーメン、美味いな)

ああ、マイウー。

しかし、トシコのアツも、ボンビーだった。悪いな(今年の夏も、貧乏だった。悪いな)。

「まあ、それは、いつものことだ、気にするな。それよりも」
と、娘は、ラーメンを食う箸を止めて、外を見た。
噴水が噴きあがっているが、それに興味を示す子どもたちの姿は、まばらである。
夏の光景としては、どこか物足りない。

「アタシが一番嬉しかったのは、おまえがジョギングを再開したことだな。つまらないことだけどな」
ぶっきら棒な口調だったが、心に染みた。

私は、いい娘を持ったのかもしれない。

私の夏は、そんな夏だった。



2009/08/27 AM 07:15:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | [子育て]

電器屋焼き鳥事件
書くネタがなくなったので、自慢話を。

カツラというニックネームで呼ばれている友人がいる(命名がストレートすぎ)。
20代半ばから、頭が寂しい状態になり、30代目前で、カツラのお世話になった男だ。

そのカツラに、感謝された。
「おまえのアイディアのおかげで、俺の実家の商売が持ち直したよ」

そんなことを言われたが、私にはまったく覚えがない。
それ、いつのことだ?

「たしか去年の9月頃じゃないか。リーマンショックの少し前だったと思うが」

一年前のことなんか、覚えていない。
自慢じゃないが、俺は、先週自分で髪を切ったことさえも、娘に言われて、さっき思い出したくらいだ。
買いかぶってもらっては困る(?)。

ただ、何に感謝されたかくらい、知っていないと気持ちが悪いので、とりあえず聞いてみた。

カツラは、電器屋の長男だった。
しかし、彼は親不孝にも家を継ぐのを拒否して、その権利を弟に押し付けた。
彼の実家が営む電器屋は、東京の私鉄沿線の商店街にあった。
立地条件がいいこともあって、街に量販店がなかった頃は、繁盛していたが、沿線のあちこちに量販店ができてからは、業績が急降下した。

この10年、持ちこたえたことが、奇跡に近かったらしい。
高価な家電品は、量販店の値段には太刀打ちできない。
サービスで張り合うしかないが、今どきの若い消費者は、至れり尽くせりのサービスなど望んでいない。
そんなのは、鬱陶しいらしいのだ。

そこで、必然的に、顧客は電器関係に疎い高齢者が中心になる。
しかし、高額な商品は、やはり量販店に取られる。
結局、蛍光灯や電池、ビデオテープなどの利益の上がらないものしか売れない。
極端に機械音痴の人か電球の交換のできない高齢者などを相手にするしかないのが、現状だった。

家を継いだ弟は、数年で見切りをつけて、赤帽の運転手になった。
電器屋は、高齢の両親が、細々と続けている、という状態だった。

それを聞いて、私はカツラに「焼き鳥屋でもやったらどうだ」と言った・・・・・らしいのだ。

自分でも、その飛躍した話についていけない。
俺は、いったい何を考えていたんだ。
なんで、電器屋が、焼き鳥屋をやるんだ?

カツラによると、私はこう言ったらしい。

店は、商店街の真ん中にあって、土日は人通りが多い。
見たところ、商店街に焼き鳥屋はないし、屋台もないようだ。
それなら、土日だけ、焼き鳥を焼いてみたらどうだろう。
焼き鳥の匂いは、人の食欲を刺激する。その匂いで釣って、客を集めてみるってのは、どうかな。
ウナギよりも庶民的だし、調理も簡単だ。
それは、それほど難しいことじゃないだろう。

おそらく、その場の思いつきで言ったのだろう。
まったく私は、覚えていないのだ。

今ならはっきり言える。
電器屋が焼き鳥? バカじゃないの!

しかし、彼の弟は大真面目に受け取ったらしい。
確かに、土日は人通りが多い。
電器屋は素通りしても、焼き鳥の匂いには、反応を示すのではないだろうか、と彼は真剣に考えた。

弟は、今年の初めに、食品衛生管理の資格を取った。
そして、4月から、実家の電器屋の横に焼き鳥屋の屋台を作って、土日だけ営業を始めた。
営業を土日だけにしたのは、平日と土日では、商店街を流れる人の量が、極端に違うからだ。
平日は、客足がかなり落ちる。
固定客はいたとしても、儲けは少ない。
だから、土日限定にした。

これが、当たったというのだ。

6月くらいからは、一日500本以上さばける日もあるようになったらしい。
午後の3時から9時まで、弟は、休む間もないくらい串を回しているという。
さらに、思いがけない効果もあった。

焼き鳥を買い求めた客が、隣接する電器屋で土日限定でワゴンセールをやると、電池パックやMicroSDなどのメディアをついでに買って帰るようになったというのだ。
その結果、電器屋の売り上げも伸びた。

「弟は、おまえに本当に感謝していて、なんか送りたいって言うんだが、何がいい?」

ビール!(即答)

でもね、カツラくん。
俺、本当に覚えていないんだよね、その話。

焼き鳥を食わない俺が、そんな話、普通するかね?

「いや、あの時はタカハシもいたから、聞いているはずだよ。あいつに確かめてみたら、どうだ?」

そうか、タカハシもいたのか。それも、全然覚えていない。
一応、タカハシに電話をしてみた。

タカハシは、「Wiiスポーツリゾート」をしている最中だったらしく、面倒くさそうに、「ああ、言ってた言ってた」と言って、すぐに切った。

多少、疑問ではある。
しかし、言ったのかな?
状況証拠を繋げれば、私が言った、という事実は構築できる。
俺が言った、と判断していいのか。

そこで、私は突然、胸をそらして言うのである。
「俺って、コンサルタントの素質あるかもな。おまえらとは、頭のできが違うんだよ。ホラッ! 頭が高い。カツラをとれ!

カツラに足を踏まれた。
この間、右足の親指の爪をはがしたから、痛いんですよ。

そのあまりの痛さに、泣いた。

そして、泣いて思い出した。
一年前、同じ居酒屋で、焼き鳥を美味そうに食べているモデル系美人の姿を見て、適当なことを言ったことを。

押切もえ似の美人の顔は今でも覚えているが、詳しい話は、完璧に忘れていた。

そんないい加減な俺。

いい加減な俺の体重、57.5キロ。

いい加減が、一番いい。


2009/08/25 AM 07:49:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | [日記]

アメリカンジョーク?
電車内で、サラリーマンらしき人の会話が耳に入ってきた。

友人ススキダの事務所に行くため、東横線に乗ったときのことだ。
各駅停車だった。

あまり早く着いても、気持ち悪い顔のススキダの顔を長く見るだけである。
あの顔を長く見ていると、確実にストレスがたまる。
だから、急行や特急は避けた。

昼時の東横線は空いていたので、座れた。
そして、すぐに眠った。
目が覚めたのは、日吉駅を過ぎたあたりだった。

目が覚めたとき、隣から「夏休みは、DVD三昧だったよ。家族サービスなんかしなかったね」という、笑いを含んだ声が聞こえた。
「『すべらない話』って、知ってるかい?」
「ああ、知ってるよ。松本人志のやつだろ」
「そうそう、あれを全巻借りて、ずっと見てたんだよ。ビールやハイボールを飲みながらね」

そんな話である。
相手の顔は見ていない。
声から想像すると、若くはない。しかし、それほど歳をとっているとも思えない。
40歳前後だろうか。

ただ、声がでかい。
本当なら、横浜駅寸前まで寝ているところだったが、声のでかさに、起こされた感じだった。

そのでかい声で、会話が続く。
「あれは、ためになるねえ。あれを見てると、プロの喋りが、どれだけ高度かよくわかるよ。俺たちみたいな営業には、またとない教材だな。見ていて、厳粛な気分になってきたよ」
「確かにな。俺たちにとって、喋りは、最高の武器だからな。そうか、そんなにためになるか。じゃあ、俺も今日借りて帰ろうかな」
「ああ、損はしないよ」

車内が空いていた分、声がよく響く。
たいへん、うるさい。

まわりに気配りもできないようじゃ、おまえたち、たいした営業マンじゃねえな。
それに、芸人の話をそれほど有り難がるなんて、レベルが知れるよ。
心の中で、毒づく。

人志松本のすべらない話。
私は、スペシャルを1回だけ見たことがある。

ただ、この番組は、私の理解能力を超えていたようで、あまり面白さは感じなかった。
芸人同士が、お互いの話にウケ合っているようにしか思えなかった。

それに、出演した芸人の半数近くが、早口で滑舌が悪かった。
だから、何を言っているのか、よく理解できなかった。
文章で読めば面白いのだろうが、確実に脳の機能が衰えた私には、会話についていくことが、途中で苦痛になった。

我慢して半分以上見たが、「自己満足だな」という娘のつぶやきにつられるように、テレビのスイッチを切った。

俺の脳は、確実に衰えた。
芸人の早口や滑舌の悪いことを言い訳にすること自体、衰えた証拠である。

多くの人は、このサラリーマンのように、面白いと感じているに違いないのだ。
俺の死んだ脳細胞は、もう甦らないのだろうか。
そう考えると、小さな恐怖を感じた。

サラリーマンの会話は続く。
「俺は、家族とロスに行ってきたよ。本場のディズニーランド、グランドキャニオン、ラスベガス。やっぱり、アメリカは、スケールが違うな」
「それは、そうだよ。だいいち、国土の面積が違う」
「でも、驚いたのは、むこうにもセブンイレブンがあったことだな。日本のコンビニがアメリカに進出しているなんて、思ってもみなかったよ」
「本当かい? アメリカに日本のセブンイレブンがあるって?」

こいつら、本当に真面目に会話しているのか。
それは、アメリカンジョークのつもりか?

横浜駅着。
あれは、真面目だったのか、ジョークのつもりだったのか、釈然としない思いを抱えながら、平沼橋近くのススキダの事務所まで歩いていった。

残念ながら、ススキダは、いた。
小柄で愛らしいススキダ夫人は、いなかった。
ガッカリした。

極道ススキダで、試してみた。
「日本のセブンイレブンが、どうやらアメリカのロスにあるらしいぞ」

「Oh! Really! Surprised!!」

まるでマフィアのチンピラのように、下品丸出しの仕草で肩を大げさにすくめる、任侠コピーライター。

まあ、こいつの返しは、せいぜいこの程度か。

その後、すぐに、仕事の話。
洋食屋をリニューアルするので、メニューと告知ポスターを新しくしたいという依頼だ。

儲かる仕事ではない。
実に、ささやかな仕事だ。

「俺も、ぜんぜん儲からねえよ。でも、こんな仕事を引き受けてくれるのは、おまえしかいないからな」

少しも、嬉しくない。

「じゃあ、やらないのか」

やります!

そんな時、ススキダ夫人が、帰ってきた。
40代半ばとは思えないほど、愛らしい雰囲気をもつススキダ夫人は、私の顔を見るなり言った。
「ああ、だいぶ健康的になりましたね」

そして、温かくて柔らかい両手を私の首筋に当てるのだった。
ススキダ夫人は、元ナースなのである。

「こわばりが、ほとんどないですね。かなり回復していると思います。でも、無理はしないでください」
そう言って微笑むと、元ナースは、私に対する顔とは違う厳格な教師のような顔を作って、ススキダに命令した。

「Mさんをご自宅まで車で送っていきましょう」

ススキダは、最初小さな抵抗をしたが、夫人に鋭い目で睨まれると、素直にうなずいた。
その姿は、まるで出来の悪いワル餓鬼に見えた。
笑える。

ススキダのエスティマの後部座席に座って、ススキダ夫人が私のために買ってきてくれたオードブルをつまみながら、エビスビールを飲んだ。
王様気分だ。

「Mさん、お酒は、ほどほどに」

はい!

しかし、速いペースで、2本目をあける。
モッツァレラチーズの生ハム巻きを食べる。
贅沢な味だ。
こんな贅沢をしていいのだろうか。長生きはするものだ。

車は、神奈川から東京へ。
そして、セブンイレブンの看板が見えた。

その看板が目に入ったのか、ススキダが思い出したように言った。
「レイコ、知ってるか。日本のセブンイレブンが、アメリカにもあるんだってよ」

「アラッ、すごいわー! アメリカには何でもあるのねぇー」
そう言いながら、ススキダ夫人は、ススキダの横っ面に軽くパンチを入れた。

そうすると、ススキダが意外なほど正確な音程で歌った。
「セッブ〜ンイレッブ〜ンいいきぶ〜ん〜」
そして、セブンイレブンの看板を見るたびに、ススキダは、その歌を歌った。

今もススキダの歌が、呪いのように私の耳にこびりついている。
自転車でセブンイレブンの前を通るたびに、ススキダの呪文が聞こえる。

東横線の、あのアホな二人組みのせいだ。

しかし、あれは本当にジョークのつもりだったのか、今も私は悩んでいる。

悩んでいる私の体重、57キロ。
悩んだわりには、いい感じ。



最近、ブログのコメント欄に書き込むと、拒否されることが多い。
そこで、ここでコメントに関する返事を掲載します。

wing さん

ありがとうございます。
その言葉を待っていました。

紅の豚 さん

ありがとうございます。
なぜ中小企業の社長には、ユニークな人が多いのか。
今度、論文でも書いてみたいものです。

だぶちん さん

ヤホー親父。
確かに、脳が不良品といっていいと思います。

気分的には、確かに「シケイ!」ですね。

j-sing.net さん

いつもありがとうございます。

私も最近、S社長とは、没交渉です。
したがって、ヤホー親父はS社長ではないのですが、キャラ的には、どちらも似ているかもしれません。

このヤホー親父は、岩槻区寄りの印刷会社の社長です(こう言ったら、ばれるかもしれませんが)。

まあ、どちらも絵に描いたような中小企業のオヤジですね。

ゆっきー さん

ありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。

しかし、なぜコメントが拒否されるのか。
私のMacだけの現象なんだろうか。
暇な時に、聞いてみよう。

まともに答えてくれるか、心配だが。


2009/08/23 AM 08:00:03 | Comment(5) | TrackBack(0) | [Macなできごと]

これは名誉毀損か?
存在の耐えられない軽さ。
ヤホー親父のことだ。

ヤホー親父に関しては、ブログに何回か書いた(たとえば、コチラ)。

今週の初めのことだったが、ヤホー親父の会社に、PDFのことについて教えて欲しい、というお客さんが来た。
ヤホー親父は、パソコン関連のことは、ほとんどわからない。
だから、説明ができない。

そこで、「あんたが説明せよ」と、私を会社に呼んだのである。
それは、オフィスのワードで作ったドキュメントを PDFにして社内にメールで配付したい、という難易度の低い質問だった。

紙に書きながら、20分程度説明する間、ヤホー親父は、客の隣に座って聞いていたが、その間中、ずっと小さく唸っていた。
うるさかった。
客も、何度か「なんだ、こいつ」という顔で、ヤホー親父を咎めるように見ていた。
ヤホー親父は、まったく気づいていなかったようだが。

客が帰ったすぐあとに、印刷会社の近所に住むリタイアしたデザイナーが顔を見せた。
コジマさんという、そのデザイナーは、60歳を過ぎていたが、若い頃は、有名な百貨店の包装紙のデザインを手がけたり、大手のメーカーのロゴを手がけたこともあったらしい。
彼の全盛期は、アナログの時代だったが、デザインの感性は、アナログもデジタルも同じである。

リタイアしたとはいえ、彼の感性は健在で、私は何度かコジマさんに、アドバイスを受けたことがある。
アドバイスを受けるたびに、「さすが一流」という切れの良さを肌で感じ、己との感性の違いに、毎回深いため息をつかされたものだ。

それに対して、ヤホー親父がコジマさんに与える評価は、もっと生々しい。
「あの人、デザイン料が、一桁以上違うんだよね。俺みたいなところじゃ、とてもじゃないが、頼めないよ。むしろ、ボランティアでやってくんないかなぁ。さんざん儲けたんだから、それくらいしてくれてもいいよな」

「あの人ンち、豪邸だよね。それに、犬を4頭飼っているんだけど、みんなでかいんだ。その中の一頭は、賞を取った犬だって言うから、相当高いらしいね。でも、いい仕事しても、犬に金を使うなんて、成金丸出しだよね」

「庭にプールもあったんだけど、リタイアしたら埋めて花壇になっていたね。プールの維持費が、大変なんだろうね。埋めるくらいなら、最初からプール作らなければいいのにね。見栄っ張りだよね」

しかし、面と向かっては、こう言うのである。
「おや、コジマ先生。お久しぶりですねえ。しばらく顔を見ないので、社員一同心配していたんですよ。いやあ、お元気そうで、安堵いたしました!」

そんな中身のない社長の態度に対して、コジマさんは、選挙期間中の政治家のような完璧な笑顔を作って、「社長も元気そうで、何より」と、ヤホー親父の手を握った。
「先生、そのお顔は、ゴルフ焼けですか」とヤホー親父。
「いやあ、さすがに、社長は鋭い」と、コジマさん。

ワーッハッハッハッハッハッハ!

俺一人、しらけ顔。

そして、まるで台本に書かれたように、見事に息を合わせて、笑いが終息した。

笑いが終わったあとで、コジマさんが、私の存在に気づいて、言葉をかけてきた。
「あれ、Mさん。痩せましたか。目にもクマが見えますね。忙しいんですか。しかし、このご時世、忙しいというのはいいことですよ。ただ、プロは、体調管理もできないといけませんね」
穏やかな声である。

それに対して、ヤホー親父は、お気軽な口調で、信じられないことを言うのだ。

「違いますよ、先生。この人が痩せたのは、いま流行りのあれのせいですよ」
そして、一度、言葉を溜めて、ヤホー親父は、コジマさんの顔をうかがった。
まるで猛獣の姿を盗み見る小動物のように。
さらにヤホー親父は、ヌメッとした感触の手を私の肩に置いて、軽く揺さぶるのだ。

気持ち悪い。

「あの話題のクスリ」と、小動物は、言った。

何を言いだすんだ、このバカ社長。

「クスリをやると、必ず痩せるって言うでしょ。この人、半年前から、極端に痩せてきたんですよ。きっと、あの話題のクスリのせいですよ。そうじゃないと、こんなに極端に痩せませんから」

本人は、冗談のつもりで言ったのだろうが、コジマさんの顔は、確実に凍りついていた。
そして、凍りついたままの顔で、私を見た。

こんなバカバカしい話を、大真面目で否定したら、余計怪しくなる。
だから、私は、黙っていた(腹の中は、怒りが渦を巻いていたが)。

コジマさんと目が合う。

しかし、目が合ったのは、一瞬だった。
コジマさんは、高速で私から目を逸らした。

シャレにならない、この空気。

どうしてくれるんだ、ヤホー親父!?

「まあ、あれですな。社長とMさんの元気なお顔も拝見したし、私はこれで失礼しますかな」
逃げるように、コジマさんは、立ち去っていった。

本当にどうするんだ、この空気。
しかし、ヤホー親父は、まったく意に介さず、「あれ、コジマ先生、もう帰っちゃった! 何をしに来たんだ、あの人」と、首をかしげる。

今回のヤホー親父の暴言。
名誉毀損で訴えても、私は勝つ自信がある。

そうは思いませんか、裁判員のみなさん。


2009/08/21 AM 07:57:35 | Comment(5) | TrackBack(0) | [Macなできごと]

着信アリ
お盆あけに、ひとつ電話があった。

去年開拓した神田の広告代理店のGさんからだった。

「Mさん、2回電話したけど、知らんぷりですか。忙しくて取れなくても、着信履歴を見れば、わかるでしょ。折り返しかけるのが、常識じゃないのかな」
柔らかな言い方だったが、腹を立てていることは、わかった。

しかし、私には、まったく覚えのないことだった。

一応「はい、申し訳ありません」と答え、低姿勢で事情を聞いた。
7月半ばと8月初めに、私の携帯に電話をかけたという。
それは、着信履歴を見れば、簡単にわかることだった。
ただ、7月半ばでは、着信履歴は消えてしまっているかもしれない。
8月初めのは、残っている可能性はある。

自慢ではないが、私は日常生活で携帯を活用していない。
こちらからかける回数は極端に少ないし、取引先や友だちも少ないので、一日に3回、携帯が振動すれば多い部類に入った。

だから、8月初めの着信履歴は、残っているに違いない。
確認してみた。
思ったとおり、8月1日からの着信履歴は残っていた。

だが、何度確認してもGさんから、かかってきた痕跡はない。

そこで、恐る恐るGさんに確認してみた。
2回目の電話は、8月の初めでしたか?

「うん、おそらく8月3日だね。月曜日だったと思うよ」

8月3日は、私にしては珍しく多く、4件の履歴があったが、Gさんの名は残っていなかった。
念のため、2日から5日を再度確認してみたが、やはり履歴はない。

ないですよ、と言っては、Gさんの機嫌を損ねる。
だから、こう言うしかない。

iPhoneが、おかしいんですかね。もしかしたら、私、iPhone初心者だから、使い方がわからなくて、知らない間に履歴を消してしまったのかもしれませんね。きっとそうですよ。本当に、申し訳ありません。

無難な対応である。
そして、ひとは、小さなトラブルなら、この程度の無難な対応で納得するのである。
Gさんは、機嫌を直して、ささやかな仕事を出してくれることになった。

やれやれ、一件落着・・・・・。
とは、いかない。

それでは、解決になっていない。
なぜ、かけてきたはずの電話が鳴らなかったのか。
まず、Gさんの勘違いを疑ってみる。
しかし、1回の勘違いならわかるが、2回の勘違いは、ありえない気がする。

Gさんが、私に電話をかけてきたと仮定して、原因を探った方がいい。
そして、その方法はプロに任せたほうがいい。

ソフトバンクに聞いてみようか。
そう思って、サポートデスクに電話をかけてみたが、混んでいて、何度かけても、5分以上待たされた。

「ただいま混みあっております。このままお待ちになるか、おかけ直しください」

3回で、あきらめた。

サポートデスクが混みあっているということは、よほどトラブルの数が多いか、けちってオペレーターの数を制限しているに違いない(悪意の推測)。

ソフトバンクのバーカ! と、脳内が呪いの言葉であふれそうになったとき、呪いの言葉を押しのけるように、小さな火が点った。

もしかして、娘の携帯電話か!?

iPhoneを持つ前。私はある事情があって、2年以上携帯電話を持っていなかった。
そこで、営業に行くとき、たまに娘の携帯電話を借りていったことがあったのだ。
そして、得意先には、緊急の時の連絡先として、その番号を教えていた。

ただし、夕方からは娘の専用電話になりますから6時以降はかけないでください、と念を押すことは忘れなかったが。

iPhoneを持ったとき、すぐに新しい携帯番号を得意先に教えた。
Gさんにも教えたことは、確実に記憶している。

だが、Gさんが、娘の携帯番号を消していなかったら、どうなるか?
間違ってかけてくることは、十分考えられるのではないだろうか。

そこで、娘に確認してみた。
娘は、拍子抜けするほど、アッサリ認めた。

「ああ、何度も知らないやつから電話がかかってきたな。当たり前のことだが、無視した。留守電も入っていたが、気味が悪いので、中身を確認しないで速攻で消した。わけのわからない電話には出るな、っておまえ言ってたよな。悪いか?」

悪くない。
わけのわからない電話は、私の携帯にも、稀にかかってくる。
それは、無視してもいい電話だ。

しかし、ここは、一応確かめておくべきだろう。
8月3日の着信履歴を確認してくれないか?
番号は、これだ。

「あるな。11時台に、立て続けに3回かかっているな。もちろん、無視したぞ」

わかった。ありがとう。それで、十分だ。

単純な話だった。
Gさんが間違えて、娘の携帯に電話をかけたのだ。
そして、今回の電話は、間違えずにiPhoneにかけてきた。

さらに娘に詳しく確認してもらうと、Gさん以外にも、娘の携帯にかけてくる人がいたらしい。
娘は、今は、それらの番号をすべて「ナンバーブロック」に登録しているという。

「だって、うるさいだろ」

そーですね!

その人たちからの電話だけを、私のiPhoneに転送できればいいのだが、残念ながら娘の携帯に、そんな都合のいい機能はない。
かけてきた人には悪いが、かけ間違いの責任は、そちらに取っていただくしかない。

「でもな。私の携帯を使っていた恥知らずなおまえが、一番悪いんじゃないか」

そーですね!

恥知らずの私の今の体重、56.5キロ。
なんか中途半端。

2009/08/19 AM 07:55:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | [Macなできごと]

千五百円で生きかえる
Mac G4のマザーボードが、オークションに出ていたので、落札した。

先月壊れた機種と同等のもので、落札価格は、驚きの千五百円!
ジャンク品扱いである。
いくら時代遅れの機種とはいえ、こんなに安くていいのか、とよだれを垂らしながら、梱包を解いた。

外見上、目立った汚れは見えない。
裏返したり、斜めから食い入るように見てみたが、傷んでいるところはなさそうだ。

ただ、外見だけでは、わからない場合もある。
清純派を売り物にしていても、危ないクスリに手を出して、内面は汚れている場合も考えられるからだ。

このマザーボードも、内面は汚染されているかもしれない。
恐る恐るマザーボードを交換した。
マザーボードの交換は数回やったことがある。
取り外し前の状態を頭に植え付けておけば、まったく迷うことはない。

それほど苦労せずにできた。

そして、起動。
ここが一番緊張するところである。
マックのアイコンが出てくるまで、心臓が通常の33パーセント増しで、強く鼓動した。

サッドマックだけは、勘弁してくれ。

思わず、叫ぶ。

はやく、出てこいやぁ!

右手を上に突き出したところで、アイコンが出てきた。
そして、慣れ親しんだデスクトップ画面が、眼前に現れたとき、全身の力が抜けた。
喜びはあるが、なぜか虚脱感の方が強い。

千五百円で復活した、我が愛機。
拍子抜けするほど簡単に復活したマック。

もっとドラマチックな展開が欲しかったのに・・・(矛盾)。

虚脱感で重くなった右手で、マウスを動かした。

まず、メモリの状況を確認した。
正常に、認識されていた。
ハードデスクも正常。
USBもFirewireも認識した。
スカジーボードも大丈夫。
LAN機能も問題なし。

丸一日動かしてみたが、一度もフリーズすることなく、怖いくらい快調に動いている。

ジャンク扱いのマザーボードだったが、彼女は、汚れてはいなかった。

世間の評価は、「あばずれ女」だったが、実は汚れなき「聖少女」だった。
つまり、見た目や印象で、ひとを判断してはいけない、ということだ。

大切なのは、その中身だ!

たとえ千五百円でも、彼女は、誇り高く自分の仕事をこなしている。
自分に与えられた任務を全うするのに、精一杯なのだ。

だから、安易にクスリなんか、やっちゃいけませんよ(?)。

ダメ! ぜったいダメ!

現実から逃げた先には、人格を破壊する非現実が待っているんですよ。
一度破壊されたものを元に戻すのは、ジグソーパズルを組み立てるほど、簡単ではない。
すべてのピースが歪んでしまっているのだ。

歪んだピースは、歪んだままでしか合わせることができない。
歪んだままの人生を君たちは選ぶのか!(誰に向かって言っている?)

そんなことを思っていると、仕事部屋のドアの向こうから、声が聞こえた。
廊下の隅っこからだ。

「ムコさんよぉ〜」

異星人が、ハイビスカス柄のムームーを着て、腰が引けた状態で、叫んでいる。

「あたしゃ、朝のクスリ、飲んだかねえ?」

飲みましたよ。
昼も、飲んでましたよ。

「え! 昼も飲んだぁ〜? まだ昼ごはんも食べていないのにぃ?」

もう夕方ですよ。
あと1時間と少しで、晩ご飯ですよ。

「ええ! もう晩ご飯かい? 昼ごはんも食べていないのにぃ?」

昼は、とろろソバを食べたでしょう。

「ああ、晩ご飯は、とろろソバかい? 楽しみだねえ、じゃあ、早く作っておくれよ」

はいはい。

汚れていないマックが、私は、いとおしい。


ところで、世界陸上。

ウサイン・ボルトだけ、異次元の空間を疾走している気がする。

彼こそ、本当の異星人か。


2009/08/17 AM 07:52:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | [Macなできごと]

異星人の話(報われないオレ)
少々古い話だが、先週の日曜日、夏物のスーツを20年ぶりに買った。

閉店セールだったので、ビックリするほど安い値段だった。
ただ、オーダーメードではないので、極端な痩せ型体型の私には、まったくフィットしていない。
だから、私のほうが、スーツに合わせて太っていかないとバランスが取れない。
頑張らねばならない。

そんな新しいスーツの効果があったのか、はじめて着ていった仕事先で、割のいい仕事をもらった。
幸先はいい。

しかし、そんなとき、iPhoneが鳴った。
ヨメからである。
嫌な予感がした。

急用ができたので、異星人の検査結果を病院に聞きに行くことができない。
だから、自分の代わりに行って欲しい、と・・・・・。

ため息をつきながら、行ってきた。

どこかの売れない漫才師の片割れのような顔をした医師は、にこやかな顔で私を迎えると、「いいですね」と言った。

何が、いいんだ?

「体の機能は、すべて改善されています。5ヶ月前と比べたら、別人のような数値ですよ」
何度もうなずきながら、私の目を見る、どこかの売れない漫才師の片割れのような顔をした医師。

そして、彼はこうも言うのである。
「よほど食生活をコントロールされたのでしょう。あとは、適度な運動をすれば、完璧です。模範的と言ってもいい」

どうやら、褒められたようである。

思い出す。
異星人が、我が家に来た時のことを。

異星人は、今も我ままだが、当時は食に対して、特に我ままだった。
彼女は、徹底して肉しか食わない。
そして、脂っこいものを毎回要求するのだ。

20年来の糖尿病だという自覚が、まったくないのである。
薬も「面倒くさいわぁ」と言って、気まぐれにしか飲まない。

これでよく、80歳近くまで生きて来れたものだと、感心した。

私が営業で外出する時に、彼女の健康を気遣い、昼食としてヘルシー弁当を作って置いておいても、彼女は、それをいつも手付かずで残す。
そして異星人は、私の気遣いを無視して、近所のスーパーで、糖尿病にとって「体に悪い」食い物を買って食うということを、毎回繰り返していた。

その頃の、異星人の数値は、最悪だった。
医者からは、「自覚がない」といつも責められていたが、彼女は、まったく生活習慣を改める気はなかった。

たまたま営業から早く帰って、異星人が台所で、料理をしている姿を見かけたことがある。

フライパンで、ベーコンを5、6枚焼いた後に、焼きソバをひと玉入れ、それをほぐすこともせず、豚ばら肉を大量にのせ、水を入れて、数分蒸す。
そして、味付けも何もしないまま、それを皿に移し、500グラム入りのマヨネーズの半分以上をぶっかける
それを異星人は、嬉々として食うのである。

また、娘の目撃情報によると、スーパーで買ってきた牛丼に海老天を2尾のせ、それにマヨネーズを大量にぶっかけて食ったという。
他にも、丼ご飯に、しゃぶしゃぶ用肉を湯がいて、大量に盛り付け、それに焼肉のタレをぶっかけて食ったこともあったらしい。

糖尿病なんですよ、この人。
医師が言うように、自覚がないとしか、言いようがない。

しかし、そんな異星人も、2ヵ月半の入院生活で、やっと気づいたようである。
3度の病院のメシよりも、我が家のメシの方が、はるかにうまい、ということに。

退院してからの異星人は、しばらくは駄々をこねていたが、最近1ヶ月は、3食残さずにメシを食うようになった。
スーパーで惣菜を買うこともなくなったし、自分で食事を作ることもなくなった。
ある事情があって、台所に入れないので、作りようがないからだ。

入院前は、異星人が機嫌のいいとき、ご飯を作ってくれたことがあった。
しかし、3合のご飯を4合分の水で炊くから、いつもご飯が水っぽくなる。
味噌汁は、出汁を入れないから、味噌の味しかしない。
しかも、具はワカメだけで、それをカットしていないから、大変食いづらい。

カレーを作ると、本人が野菜が大嫌いだから、タマネギもニンジンもジャガイモも入っていないのだ。
具は肉だけ。
それも、5分程度しか煮込んでいないから、カレールーの味しかしないのである。

カレールーの味しかしないカレーを、水っぽいご飯にかけて、食ったらどうなるか。
ひと口食べて、家族全員のスプーンを持つ手が止まった。
そして、全員が、ふた口目を食おうという気にはならなかった。

本人だけが、「うまいうまい」と言って食っているのである。
「わたしゃ、入れ歯だからね、柔らかいご飯の方が美味しいんだよね」

そうか、入れ歯のことまで考えなかったな。
ちょっと、思いやりが足らなかったか。
それからは、異星人が食う飯と、我々が食う飯は、違う固さで炊くことにした。

共同生活は、難しいものである。
しかし、我々が慣れたように、異星人も、共同生活に慣れてきたようだ。
その結果、検査の数値が、好転した。

それは、喜ばしいことだ。

ただ、報われないこともある。
先日、異星人が、玄関ですっころんで、左の額に大きなコブを作った。

医者に行こう、と強く薦めたが「ヤダ! ヤダ!」と激しく駄々をこねるので、保冷剤でコブを冷やすことにした。
嫌がる異星人を押さえつけ、保冷剤をタオルでくるみ、頭を包帯でグルグル巻きにした。

コブはかなり熱を持っていたらしく、保冷剤を何度も取り替えた。
そのたびに抵抗したが、無理矢理グルグル巻きにした。

その結果、2日でコブは消滅した。
痣はまだ残っているが、痛みはもうないという。

よかったよかった、と安堵した。

しかし、異星人は、占領したリビングのソファに足を投げ出して、こう言うのである。

「この間、転んで大きなコブができたんだけど、トモヤ(彼女の長男)が、頭を冷やして治してくれたの。
あの子は、子どもの頃から、優しい子だったわ。何度も氷を換えて、冷やしてくれたの。
やっぱり、実の息子は、頼りになるわね。やっぱり、おなかを痛めた子は違うよ。それにひきかえ・・・」

・・・・・・・・・・。

私の報われない日々は、いまも続いている。

報われない私の体重、56.5キロ。
痩せましたよ。

まあ、無理もないか。


2009/08/15 AM 07:36:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | [日記]

おごってもらったが、手が湿った
金を落とした。
千円だった。

私の場合、よほどのことがない限り、札を持つことがない。
SUIKAにチャージしておけば、あとは小銭があれば、外出しても事足りるからである。

今は、JRの縄張りであれば、スイカでメシも食える。
先日は、穴の開いた靴下をはいて家を出たのだが、途中で、その穴が無残なほど拡大したので、JR縄張りの無印良品の店で、靴下を買った。
スイカが使えた。
ちょっとだけ、贅沢な気分になった。

今回の千円は、同業者のカマタさんと、昼メシを食う約束をしたため、珍しく所持したものだ。
それを落とした。
どこで落としたか、まったく思い出せない。

あきらめるしかない。

去年までだったら、「Mさん、俺がおごるからさあ」という、心地よい響きの言葉が聞けたものだが、今年になってからは、割り勘が多い。

時代は、変わった。
窮屈になった。
政権が交代したら、この窮屈さから、逃れることができるのだろうか。

単一思考のメディアは、民主党大勝と煽っているが、私はそこまではいかないと思っている。
浮ついた世論は、新しいものを求めるが、だからといって民主党は決して新しさを感じさせる政党ではない。
確かな税収を見据えた斬新なビジョンを持っているかは、未知数だ。

いま、世界の風は、どちらかというと「保守への回帰」の方に向かっている。
どこかの国が「CHANGE」したが、それは、ただ単に指導者が、黒人になったというだけである。
ナショナリズムへの回帰は、むしろ強まったのではないか。

日本も保守志向は根強い。
何といっても、50年以上も同じ政党を支持するという、考えられない政権選択をしてきたお国柄なのである。

無党派層の中の保守派は、「CHANGE」を望んでいない可能性もある(メディアが煽りすぎる反動で)。
また、老年層同様、自民党政権にシンパシーを持っている若者層は、感情的に保守になびく傾向があるようだ。
つまり、彼ら「CHANGE」に対して、臆病なのだ。

民主党にとって、その壁は、かなり厚いのではないか。
だから、私の予測では・・・・・。

ん? 俺は、政治評論家だったっけ?

要するに、千円を落とした。
困っている。

カマタさんとの約束の地に、行くべきかどうか、迷っていた。

「お金、落としちゃったんですよ」では、あまりに見え見えではないだろうか。

「こいつ、初めから奢られる気で来やがったな」
そう思われても、不思議ではない。
俺は、貧乏で有名なんだから(変な自慢)。

今日は、腹が痛い、とでも言って断ろうか。
どうせ、たいした用事じゃないだろう。
愚痴を聞かされるか、あるいは、時期的に「あの候補者を頼むよ」という話かもしれない。
建設的な話は、出ないに決まっている。

よし! やめよう! と決心したら、13メートル先で大きく手を振るカマタ氏の姿を発見。
ここは、待ち合わせの場所じゃないのに、なんで?

7メートル先で、上機嫌な顔で手を振る、メタボリック・カマタ氏。
5メートル、3メートル。
もう逃れようがない。

抱きつかんばかりの仕草で、カマタ氏は私に近づき、ヤニ臭さを全身で発散した。
このヤニ臭さは・・・・・・・、パチンコ屋からご出勤か?

そう思っていると、上機嫌なヤニまきちらし男は、私の肩を両手でバンと叩いて、こう言ったのだ。
「大当たりぃ! Mさん、奢るよ。何でも言って。好きなもの何でも食べていいよ」

カマタ氏は、パチンコ用語を駆使して、どれだけ調子が良かったかを説明してくれたが、私は、全く聞いていない。
ただ、安堵しただけである。

大宮駅近くの店は、昼飯時だったので、どこも行列ができていた。
カマタ氏は、「すし!」と吼えていたが、行列嫌いの私は、行列のない釜飯屋を主張した。

「釜飯は、豪華感がねえなあ」と、最初はぼやいていたカマタ氏であったが、店内を覗いて、可愛い店員を見つけたら、即断した。
「俺のタイプじゃん!」
いつまでも、お若いですねえ、カマタさん。

まずは、ジョッキで乾杯。つまみは、枝豆。カマタ氏の好きな馬刺し。
カマタ氏は一人で、馬刺しを3人前食って、さらに上機嫌。
可愛い店員が、馬刺しを持ってくるたびに、「ウヘヘヘ」と、不気味な笑いを奏でる。

たいへん、気持ちが悪い。

私は、ジョッキと枝豆だけ。
その間中、カマタ氏の愚痴を聞く。
愚痴を聞きながらの生ビールは、美味しくないだろう、と思うかもしれないが、私は聞いていないので、美味しく飲めた。

こういうとき、右耳が聞こえないというのは、便利である。
聞こえる左の耳で、他のテーブルの会話に神経を集中すれば、目の前のカマタ氏の愚痴は、ほとんど入ってこない。
不便も、時に便利になるというお話。

3杯飲んだあとで、海鮮釜飯を食った。
カマタ氏は、特上鳥釜飯。

釜飯を運んできた可愛い子に、「ウヘヘヘへ」。
舞い上がるメタボリック・マン。

すべての愚痴を吐き出して、腹には大量の馬刺しと鳥釜飯を詰め込んだ男。
満足した顔が、目の前にある。
そして、食う前より16パーセント膨張した腹をさすりながら、カマタ氏が言う。

「今度の衆院選なんだけどさあ」

来ましたね。

「Mさん、支持している人いるの?」

やっぱりね。

カマタ氏が、膨張した体を前に押し出して、顔を近づけてきた。
まだ、なんとなく、ヤニ臭い。
いや・・・、これは加齢臭か?

「もしまだ決めていないなら、お願いがあるんだけどさあ」

ここで私は、いつもの特技を発揮した。
真剣な顔でカマタ氏を見つめつつ、左の耳で、他のテーブルの会話を盗み聞くという特技を。

ただ、とりあえず、うなずくことだけはした。
それは、メシを奢ってくれた人に対しての礼儀からだ。

「ああ、本当にぃ! ありがとう」
手を握られたが、カマタ氏の手はジトッと湿っていた。

そして、いまも私の手は、湿っているような気がしてならない。

湿った私の今の体重、57キロ。
増えたのは、カマタ氏のおかげなのか?


2009/08/13 AM 08:09:38 | Comment(3) | TrackBack(0) | [日記]

イジワルな俺
私は、意地の悪い男だ。

以前のブログで、我が家の異星人が、私の仕事部屋の電源をすべて切るのを生きがいにしていることを書いた(それはコチラ)。

そのことは、異星人が手の届かない高いところに電源タップを置くことで、今は解決している。
しかし、それ以降も彼女は私がいない時に、私の仕事部屋を探検している気配があった。

過去に仕事した原稿をファイル帳に入れて保管してあるのだが、それが散乱している時がある。
得意先から来たメールをプリントして、古い順にクリアボックスに入れてあるのだが、それが散乱している時がある。
納品書をリングファイルで閉じて保管してあるのだが、それが千切られている時がある。

我が家の子どもたちは、そんなことはしない。
もちろん、ヨメも、そんなことはしない。
では、だれが? と考えた時、残るのは一人しかいないのである。

ただ、冤罪の可能性もあるので、それを確かめるために、私は、ある「おまじない」をしてみた。

「この部屋のものに触ると、燃えます」

異星人は、ある事情があって、「燃える」という言葉に弱い。
だから、最近は、火のある台所には、決して近づかないのだ。
昨年までは、あれほど好きだった花火大会も、今年は絶対に行きたがらない。

「火」という言葉を聞くと、蒼ざめるのである。

そんな人に、「燃える」というおまじないは、残酷ではないか、とお叱りを受けるかもしれない。
だが、私にも、平穏な状態で仕事をするという権利はあるはずだ。

「仕事部屋に立ち入らないでください」という再三にわたる私の願いが、聞き入れられない以上、強硬手段に出るしかないではないか。
それぐらいは、許されるのではないだろうか。
新しいマックを壊されたら、私たち一家は、路頭に迷わなければならない。

だから、それぐらいのことは・・・・・(涙で訴える)。

このおまじないは、効いた。

それ以来、異星人が、仕事部屋に侵入した気配は感じられない。
おまじないのおかげで、私の仕事部屋に、平穏な日々が訪れることになった。

私は、意地の悪い男だ。

昨日、大雨の中、ツタヤに行った。

中学2年の娘に命じられて、「ナイトミュージアム」のDVDを借りるためだ。

娘は、「ナイトミュージアム」は、劇場で見た。そして、先日のテレビ放映も見た。
しかし、もう一度、見たいというのである。
それは、今度「ナイトミュージアム2」を友だちと見に行く予定なので、見る前に脳を「ナイトミュージアム」漬けにしておきたい、というわけのわからない理由からだった。

ツタヤに入ると、いきなり目に入ってきたのは、娘の中学1年の時の担任の姿。
そいつのことを、仮にヤマダとしておく。
ヤマダのことは、こちらのブログに書いた。

彼女は、保護者(私に対してだけ、という噂もある)に対して、タメ口で話し、生徒の評価を「減点法」でする教師だった。
自慢ではないが(自慢だが)、娘は、成績は、それなりにいい。
ある程度、リーダーシップも取れるし、自主性も持っている。

しかし、ヤマダは、そのプラス部分を見ないで、娘のマイナス部分だけを見るのである。
娘は、「毎日のあゆみ」という、どうでもいい連絡帳は、提出したことがない。
それは、娘がどうでもいいものだと思っているから出さないので、そのことは私も承知している。

そんなご都合主義的な日記で、生徒の本質など、わかりはしない。
娘と私の意見は、その点で一致している。
だから、娘の「毎日のあゆみ」は、白紙のままだ。

それをヤマダは、何度こちらが説明しても、「でも、それはね、ウンウンウン・・・」と、粘りつくような言い方で、同じことを繰り返し、最後には「内申書が」と小声で言うのである。
娘と私は、それを毎回無視してきた。
そんな我々のことを「教育者に楯突く、反抗的な親子」だと思う人は多いだろうが、私たちは、自分が正しいと思っているので、この態度を改めるつもりはない。

また、ヤマダは、こんなことでも娘を批難するのである。
娘は、給食をとるのが、人より少し遅い。
しかし、それは人に迷惑をかけるというほどではない。
他の子が、追い立てられるように早く食べ終えるから、娘が少し目立つだけなのだ。
彼女は、きちんと時間内に、食べ終えているのである。

娘の通う中学の給食時間は、極端に短い。
日によっては、10分程度しかない場合があるらしい。
無能な人間が作ったシステムに踊らされる子どもたち。
それは、単元最優先の非能率的なシステムだが、そう思わない「教育責任者」の方が、現実問題として多いというのが、今の教育の頽廃だと言えるだろう。

「おたくのお子さんは、給食を食べるのが遅いのね、ウンウンウン・・・」
たった一分程度、人より遅れただけで、粘りつく悪意の評価。

メシぐらい、ゆっくり食わせましょうよ。
私がそう言うと、ヤマダは、まるで違う国の言葉を聞いたかのように、表情が固まり、思考が停止した。
そして、無表情に言う。

「いま、なんて言いました? ウンウンウン・・・」

2年からは、担任が変わったので、ヤマダと接しなくて済むと安堵した。

しかし、ツタヤでヤマダ。

目が合った。
無能な教師とはいえ、一年間はお世話になったのだ。
挨拶は、しなければいけないだろう。
それが、人としての道というものだ。

ヤマダは、確実に私の存在を捉えた。
おそらく昨年のクラスで、ただひとり自分に楯突いた保護者。
その姿が目の前にある。
ヤマダの目が、少しだけ見開かれた。

しかし、次の瞬間、ヤマダは、顔を高速で背けた。
そして、背中を見せた。

嫌われた、嫌われた・・・・・。

そのとき、ヤマダは、無神経にも濡れた傘を店のラックに立てかけて、床を盛大に濡らしていたが、彼女は、その傘を忘れて、逃げるように違う場所に移動したのである。

私は、そんな無礼なヤマダのことは忘れて、「ナイトミュージアム」を探し出し、それを借りた。
そして、娘から頼まれたシドのアルバムも借りた。
受付の若い子は、「え? このオッサンがシド?」という顔をして私を見たが、私が愛想笑いをしたので、怯えてすぐ目を逸らした。

それは、シドい! というオヤジギャグを言ってやろうかと思ったが、私の理性が、かろうじて、それを止めた。

理性ある私は、ツタヤを出ようとして、出口に向かった。
その出口に、無能なヤマダの姿があった。
外は、激しい雨。

そのとき、ヤマダは、自分が傘を置き忘れたことに、やっと気づいたようだ。
振り返って、傘を捜しに戻ろうとした時、私とまた目が合った。

傘の場所を私は、知っている。
あそこにありますよ、と言ってあげれば、私は心の広い大人として、評価されただろう。

しかし、私は、ヤマダから高速で顔を背け、激しい雨の中、ツタヤを後にした。

私は、実に、意地の悪い男だ。


2009/08/11 AM 07:50:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | [日記]

無理しないで
久しぶりの10キロ。

体調を壊してから、ジョギングをするのが怖かった時期があった。
突然意識が薄れたり、手足が冷たくなったり、嫌な寝汗をかいたりなど、今までほとんど経験したことのない症状が、私を襲った。
不安だった。

しかし、そんな不安も3キロのジョギングをしてみたら、簡単に吹っ飛んだ。
ただ、それでも、5キロがせいぜいだった。
それ以上の距離を走るのが、怖かった。
まだ、自分の体に自信がもてなかったのだ。

今回10キロを走ろうとしたことに、特別な意味はない。
粘りつくような蒸し暑さのなかで走り始めて、かく汗が、何となく昔の感覚に近かった。
ただ、それだけのことだった。

10キロを49分で走った。
半年前だったら、適当に流して50分、まあまあのスピードで走って42分、頑張って38分、追い込んで36分、というのが私のタイムだった。

今回は、自分では「まあまあ」だと思って走ったが、結果は49分。
つまり、自分の感覚と実際の体力とのギャップが、7分。
確実に、衰えたということだ。

今の私には、追い込んで走る体力はない。
おそらく、36分で走ることは、永遠にできないに違いない。

大きな落胆を抱え、団地の遊歩道の広いスペースでストレッチングをしていた。
汗が全身をつたっている。
普段より、汗の量が多い気がする。

ただ、息は上がっていないし、体のどこかが悲鳴を上げているということもない。
疲れも、ほとんど感じていなかった。
そのことは、少し自信になった。

ストレッチをしながら、目を遠くに向ける。
杖をついた老婆が、ゆっくりとした歩みで、近づいてくるのが見えた。

それは、懐かしい光景だった。
その老婆の姿は、ジョギングの終わりに10数回見たことがある。

土日の午前中、穏やかな顔をして、遊歩道を歩く老婆。
久しぶりの姿だった。
その姿を見ただけで、私の心は、一瞬で和やかな気分になった。

春夏秋冬、同じペースで、前かがみに杖をついて歩くその姿は、私の中にわだかまったものを、確実に溶かしてくれる存在だ。
老婆が私の前を通るとき、いつも菩薩のような笑顔で、「こんにちは」と言ってくれる。
その「こんにちは」の心地よさは、魔法の心地よさだ。

体と心が、ほぐれる。

いつもと同じように、同じペースで、私の前を通り過ぎようとする老婆。
5か月ぶりの「こんにちは」が聞けると、私は期待した。
しかし、、今回は「こんにちは」は、なかった。

老婆は、私のほうに顔をゆっくり向けると、細い声で、こう言ったのだ。

「無理しないで」

顔は笑っていたが、細い目は、確実に私を強く捉えていた。

ありがとうございます。

私は、直立不動になって、老婆に頭を下げた。
体が勝手に、そう反応してしまったのだ。

80歳は、優に過ぎていると思われる老婆。
その年齢が、かもし出す説得力。

この人は、すべてお見通しなのだ。
そう思ったら、頭を下げずにいられなかった。
これが、人の「年輪」というものに違いない。

「無理しないで」と言ったあとも、いつもと同じペースで、私に背を向けて過ぎ去る老婆の姿。
こんな年の取り方も悪くない。

私の心は、すがすがしい気持ちで、満ちた。

それにひきかえ、我が家の異星人は・・・・・、とは言うまい。
今日は、老婆の「無理しないで」だけを心の支えに、寛大な心で一日を過ごしていこうと誓った。

だが・・・・・、

「ばあちゃんが、マヨネーズ1本、全部使っちまったぁ!」
息子が叫んでいる。

ええ! 今朝買ってきたばかりなのにぃ!
やはり冷蔵庫は、リビングから台所に移したほうがいいのか。

いや、怒るまい、怒るまい。
我慢だ。

我慢、我慢・・・・・・・・・。

でも俺は、いつまで、この我慢を続ければ?

我慢の限界の俺の体重、56キロ。
自家製のもんじゃ焼きを大量に食って、体重が増えた。

やけ食いですがね。



2009/08/09 AM 08:02:54 | Comment(6) | TrackBack(0) | [日記]

信じるもの
打ち合わせに行ったが、担当者はいなかった。

午後1時の約束。
しかし、S氏は私用ができたので午前中に帰ったと、受付で言われた。
誰も、今回の仕事内容を把握していないというから、当然のことながら、打ち合わせはできない。

つまり、無駄足だったということだ。

四谷駅から歩いて数分。
会社を出て、すぐそばにあったベンチに腰掛け、都会の街並、街行く人を見るともなく見ていた。

このまま家に帰っても、時間を持て余すだけだ。
娘は、吹奏楽部の部活。
息子は、ポスティングのバイト。
ヨメは、近所の奥さんと長話。
そして、もう一人は・・・・・。

そう考えると、気が、重くなってきた。

人間には、相性があるらしい。
しかし、あの人と私は、決して相性が悪いというのではないと思う。

ただ、最初が、悪かっただけなのだ。

あなたの娘さんと結婚したい、と私が言った時、「私たちは信心している」と、あの人に言われた。
彼女は、ある宗教の熱心な信者だった。
そして、その家族全員が、信者だった。

「あなたも信心できますか」と聞かれた。
罰あたりな無心論者の私は、「それは、できません」と答えた。

それを聞いて、あの人は、容貌が変わるくらい顔色を変えて、「信じるものがない人に、娘はやれません」と怒鳴った。

いや、信じる宗教はなくても、私にも、信じるものは、いくつかあります。
信じるものは、宗教だけではないですから。

それを聞いて、5年前に亡くなった義父は、小さくうなずきながら「その信じるものとは」と、聞いてくれた。
しかし、あの人は、私が答える前に、さらに高いトーンで「屁理屈は、聞きませんよ。私は、言い訳なんか聞きたくありませんから」と、私の話を遮った。

その後、駆け落ち、という子どもじみた手段に出た私たちは、愚かではあったが、そのことを私は今も後悔はしていない。
宗教と結婚したわけではないからだ。

信じるもの。
それは、今も俺は持っている・・・、と思う。

それは・・・・・。

ネクタイをはずした。
ネクタイは、別に嫌いではない。
それを鬱陶しいと感じたことも、ほとんどない。

厚い雲、黒い雲が、頭の上を流れている。
それを見ていたら、反射的にネクタイをはずしていた。
ただ、それだけのことだった。

ネクタイをはずして、丸めていた時、車が目の前に停まった。
メタルグレーのホンダのシビック。

そのホンダの窓が下がって、小さな顔が私の名を呼んだ。
「Mさんじゃ、ありません?」

そして、映画のワンシーンのような流れるような動きで私の前に現れたのは、喪服の女。
尾崎の妻、恵実だった。
尾崎はいない。

短い髪の恵実。
始めてあったときから、恵実の髪は、長かった。
長い髪の恵実しか、私は知らない。

だから、短い髪の恵実を見て、目が釘付けになった。
喪服の黒、そして、存在感をまきちらす強い目の光。
道を行く車の音が、耳に入らなくなっていた。

恵実が、汚れの目立つベンチに、無造作に腰を下ろす。
私との距離は、40センチくらいか。
そして、ゆっくりと首を回して、私を見た。

友人の父親がなくなったので、葬式に行ってきたという。
夏の曇り空に、喪服。
それは、意外なほど似合っていた。

恵実が、瞬きをしない目で私を見た。
「尾崎が、心配してました」
話すときに、人から決して目をそらさない恵実の目。
吸いこまれそうなほど、何かを訴えるその光。

尾崎は、この目を、どんな思いでいつも見つめ返すのだろう。
尾崎のことだから、照れて、ただはぐらかすだけかもしれない。

「尾崎も、去年の4月に入院しましたから、Mは、一年遅れで俺の真似をしやがったな、って笑ってましたよ」

そういえば、そうだった(そのことに関しては、こちらに書いた)。
お互い、体にガタがくる歳になったということだ。

「怒らないで、聞いてくださいね」
恵実が、目から力を抜いて、私を見た。

ネクタイをはずした冴えない中年男と喪服の女。
変な取り合わせでベンチに座っているが、都会の真ん中を歩く人たちは、そんな光景を全く気にかけずに通り過ぎていく。

東京は、昔から、そんなところだった。

「もしMの体の具合が本当に悪いのなら、半年くらい休んだ方がいいのにな。
その間の生活費くらい、俺が出してもいいんだが、って尾崎が言ってました。
でも、Mは俺がそんなことを言っても、無表情に受け流すだけだろう、って」

信じるもの。
信じられるもの。

尾崎に、ありがとう、って言っておいてください。

恵実の笑顔。
目尻の皺が、以前より深くなったような気がしたが、上手に年齢を重ねた女には、それも魅力の一つなのだろう。

俺から、尾崎に伝えて欲しいことがある。
私がそう言うと、笑顔を消した恵実は、一度深呼吸して空を見上げた 。
黒い雨雲が、頭の上にあった。

いつ降り出しても、おかしくない空模様。
そんな光景に溶け込む喪服の女。
白く透き通った肌が、何か強烈なものを発散しているように見えた。

目をそらす。

目をそらしたまま、私は、言葉を繋げた。

もし俺が、死ぬようなことがあったら、ほんの一時でいいから、俺の家族の面倒を尾崎に見て欲しい。
俺の生命保険がおりるまでの、ほんの一時。
それだけで、いいんですがね。

ほとんど間を空けずに、恵実の左のこぶしが、私の右肩を軽く叩いた。
そして、恵実が言う。

「Mさん。責任放棄ですか」
目を細めた笑顔で、もう一度叩かれた。
それは、恵実が私に対して初めて見せた、馴れ馴れしい仕草だった。

右の肩が、熱かった。

「でも」と、恵実が言う。
「尾崎は、それ、きっと喜ぶと思います」

恵実の目が、私を捉える。

信じるもの。
信じられるもの。

恵実の目の奥に、尾崎の姿が、確かに見えた。



2009/08/07 AM 07:59:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | [日記]

イトウのせいで・・・
たった2日間で、55キロに逆戻り。

4か月間で7.5キロ増やして、57キロ。
それが2日で、2キロ減。

食事は一日3食とった。
ビールも飲んだ(発泡酒ではなく)。
間食にチョコレートやチーズもかじった。

しかし、減った。
寝ていないからだ。

仙台在住の同業者から3年ぶりに仕事をもらった。
3年前の仕事に関しては、こちらのブログに書いた。
このときも、ヘビーな仕事だった。

そして、今回も前回と同じように、計画性のない仕事を押し付けられて、体を消耗した。
ただ、前回は仙台まで出向いたが、今回はイトウのサーバから全データをダウンロードできたので、無駄な移動をしなくて済んだ。それだけが、救いだった。

「2件大きな仕事が重なってしまって、身動きが取れないので、1件丸ごと引き受けてくれませんか。お願いします、助けてください!」

3年間一度も仕事を出さなかったやつが、よく電話をかけてこられたもんだ。
あれから、一度も連絡がなかった。
用がなくても、連絡くらいよこすのが、立派な大人というものだろう。

まあ、それはお互い様ではあるが。

8月4日朝9時までに、指示通りにホームページを作り上げて欲しい、という依頼。

残念だったな、それは無理だ。
3日は、中学2年の娘の吹奏楽のコンクールの日だ。
私は、それを今年の夏の一大イベントとして定義している。
それを見なければ、私の夏はない。

悪いな、他をあたってくれ。

「普通、中学2年にもなれば、女の子は、親父が見に行くとウザったがりますよ。そんなコンクール行くより、仕事優先でしょ。Mさん、勘違いしちゃ駄目ですよ」

うるせえ! 見に来いって、娘に脅されてるんだよ。
見に来ないと、数学の宿題やらせるぞって、言われたんだ。
君は、コンクールよりも、数学の宿題の方がいいってのか?

「・・・・・・・・・・」

そんな意味不明のやり取りがあったが、最後は泣き落としで来られたので、引き受けることにした。

「俺、この得意先に切られたら、路頭に迷わなければいけないんですよぉ」
イトウの下手くそな泣きの演技に、つい「わかった」と言ってしまった、お人よしな私。
そんな自分が、私は、嫌いじゃない。

娘のコンクールを見に行く時間を5時間とすると、私に残された時間は、正味33時間しかない。
71ページ分のホームページ。
画像の数は、600を超えるという。

全体のレイアウトは、承認をとってあるし、画像の加工もすでにイトウがやってくれていた。
あとは、はめ込んで行くだけだが、71ページもあると、力わざという感じだ。
まずは、数ページやってみて、それで、どれくらい時間がかかるかで、ペースを見ていくしかないだろう。

とりあえず5ページやってみたら、約90分かかった。
つまり、ノンストップでやっても、21時間前後かかるということだ。

急激にやる気を失う、病み上がり中年男。

やる気がなくなったといっても、仕事を引き受けた以上、仕上げねばならない。
ただ、生活のペースを乱すことはしたくなかった。
だから、家族のメシは3食作ったし、自分も食った。
もらい物のビールも飲んだ。もらい物のワインも飲んだ。

娘の吹奏楽のコンクールも見に行った。
ビデオ撮りもした。
終わったあと、会場近くの公園のベンチに座って、金麦の500缶を飲み、犬を散歩させている奥様方から、白い目で見られることもした。

しかし、帰り道、イトウから電話がかかってきてからは、環境が激変した。

「すみません、Mさん。画像の変更が大量に発生しました」

大量とは、具体的に、いくつだ?

「80個くらいです」

じゃあ、変更したやつを、早速サーバにアップしてくれ。

「俺、他の仕事にかかりきりで、ひまがありません。Mさんに、画像の切抜きや加工をお願いしたいのですが」

そんな約束はしていない。それに、この時間に、そんなことを言われても無理だ。明日の朝9時には、絶対間に合わない。あきらめろ。

「プラス5万円出しますので」

やりましょう。

ということで、3日の夜は徹夜。
前日も、1時間しか寝ていないから、これは堪える。
特に朝方の5時過ぎ頃には、あと5ページ、というカウントダウンをし始めてから、画像の加工ミスが続いて、パニック寸前になった。

無意識のうちに、もらい物のカマンベールチーズを丸かじりして、ダルマからもらった銀河高原ビールを2本呷るように飲んだところで、パニックが収まった。
終了したのは、7時過ぎ。
こちらでチェックしている時間はないので、サーバに全データを送って、イトウに確かめさせることにした。

イトウに、作業が終わったことを告げようと、電話をかけた。
12回目のコールで出た。

「ああ、誰? Mさんだったっけ? え? 何で? え? なに? Mさん、朝早いすねえ」

寝ぼけていやがる。

「終わった、サーバ確認せよ」と言って、電話を切った。

朝7時40分。シャワーを浴びる。
浴槽に浸かると眠ってしまいそうなので、熱いシャワーだけにした。
風呂から上がって、毎朝の日課、体重計に乗る。

衝撃の2キロ減!

減った体重を挽回すべく、朝メシは、カマンベールチーズを丸ごとかじったあとで、ミートソーススパゲッティ2人前を平らげ、銀河高原ビールをまた呷った。

そんな私の姿を見て、娘が言う。
「おまえ、そんな幽霊みたいな顔して食べても、身に付かないぞ。眠る方が先だろ。眠って食う、眠ってまた食う。それが、まともな人間のすることだ」

しかし、そう言ったあとで、娘は思い出したように、言葉を投げ出す。
「ああ、悪い悪い、まともじゃない人間に、そんなことを言っても無駄だったな。じゃあ、せいぜい頑張って食え」

まともじゃない俺、55キロ。

イトウのせいだ!



2009/08/05 AM 05:45:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | [Macなできごと]

ダルマと瓜ふたつの人
Mac出張講習のあとで、友人のWEBデザイナー・タカダ君(通称ダルマ)の家に寄った。

最寄り駅が同じ荻窪駅だったからだ。

新婚ホヤホヤのダルマ。
新婚生活の邪魔をしては悪いと思ったが、久しぶりに気持ち悪いダルマの顔と新妻の「微笑みの天使」トモちゃんの顔を見たいと思った。

3DKの家の一室が仕事部屋で、あとの二つが新婚生活の場。
ダイニングは、トモちゃんの色彩センスがあふれていて、薄いカラーを基調にした家具やカーテンが、目から入ってくる刺激を抑え、落ち着いた雰囲気をかもし出していた。

薄いグリーンの脚の短いテーブル。白いソファ。
濃厚なエスプレッソの香り。

しかし、目の前に座ったのは、黒々とした髭の剃り跡が気持ち悪い、濃厚な顔をしたダルマだった。
濃厚なコーヒー、濃厚すぎるダルマの顔。

キッチンには、濃厚な(!)ショッピングピンクのエプロンを着けたトモちゃんがいる。
部屋は控えめなトーンなのに、何かもったいないような・・・・・。

「師匠! まだちょっと、お顔が・・・」と、ダルマに言われた。

お顔は、もともと不自由だった。だから、気にするな。
これでも、57キロまで戻したんだ。あと少し体重が増えれば、元気に見える。

「でも、失礼ですけど、どことなくやつれているような」
トモちゃんが、私の大好物のカマンベールチーズと銀河高原ビールを私の前に置いて、ダルマの横に腰を下ろした。

匂うような初々しさ。
都会の喧騒の中で、ふと見つけたユリのように、その存在は一幅の癒しを感じさせた。

しかし、その隣にはダンゴムシ。
付き合うきっかけを私が作ったとはいえ、ユリの花が、よくぞダンゴムシを受け入れたと、今さらながら思う。
恋愛の神様というのがいるのなら、今すぐにでも飛んでいって、インタビューをしてみたいものだ。

「ああ・・・、ちょっと、間違えちゃいましたぁ!」などと言うかもしれない。

「師匠! いいんですか、お酒なんか飲んで」

ビールは、酒とは言わない。
これは、ただの飲み物だ。

「まあ、ビールを飲んで元気になるなら」と、微笑みの天使。
この笑顔を独占しているダンゴムシに殺意を感じる。
コロコロ転がって、犬の糞と同化してしまえ!

「師匠、大丈夫だったんですか、お義母さんの入院費。俺、完全に立て替えさせてもらう気でいたんですが・・・」
その件に関しては、こちらのブログに経緯を書いた。

あまりにも短期間に、私の身に色々な出来事が襲いかかってきたものだから、私は一時期パニックになってしまっていた。
特に「金がない!」というのが、切実だった。
そこで、義母の入院費を一時的にダルマから借りようと思っていたのだ。

しかし、幸運にも何とか自力で支払うことができた。
新婚のダルマに迷惑をかけずに済んだと、安堵したものである。

だが、トモちゃんが、曖昧な微笑を作って言う。
「ダルちゃん、ものすごくガッカリしたんですよ。『師匠は、何で俺を頼ってくれないのかな』って。
Mさんがダルちゃんに頼みごとをしたとき、『ああ、俺もやっと師匠に頼られるようになったか』って、喜んでいたんです」

ダルマの顔を見ると、両手で髭の剃り跡をこすりながら、大きなまばたきを繰り返していた。
それは、困ったとき、やるせないときのダルマの癖。

独特のやわらかい食感のカマンベールチーズをかじり、銀河高原ビールを飲む。
ゴクゴクと一気に飲む。
それは、気まずいことがあったときの私の癖だ。

左手の薬指に指輪をしたトモちゃんの手で、新しい瓶の銀河高原ビールがテーブルの上に置かれた。
それもゴクゴクと飲む。

ダルマに悪いことをしたのかもしれない、と反省した。
ゴクゴクゴク。
ここは、一度謝っておかなければならないか。

大きく息を吸って、私は言った。

タカダ君!

「はい?」

どうも、すいませんでした!
(漫才の『』のネタのように、眉間にしわを寄せて力んだが、伝わったかどうか、不安)

しかし、すぐに反応してくれたのは、トモちゃんだった。
ダルマの肩を何度も叩いて、大喜び。

キャハハ、アハ、アハ、キャハ!
Mさん、それいい! キャハ、キャハハハ!


ダルマは、その横で、憮然とした顔をしている。

2分20秒、笑ったあとで、トモちゃんがダルマの肩に手を置いて、言った。
「その漫才の太った方の人、ダルちゃんに似てるって、いつも私言ってるんです。
ダルちゃんは、嫌がるんですけどね。
でも、Mさん、似ていると思いませんか? あの人とダルちゃん」

似ている。
確かに似ている。
いま初めて気づいたが、まるで兄弟のように似ている。

「似てませんよ!」

怒った顔が、ますます似ている。

キャハハハ!
グハハハ!

トモちゃんと私は、大笑い。

しかし、ダルマは、憮然。

そんな顔をすると、もっと似てしまうことに、ダルマは、気づいていないようだ。

キャハハハ!
グハハハ!


2009/08/03 AM 04:02:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | [Macなできごと]

ニートとの約束
延期されていたMac出張講習。

今回の生徒は、あとで聞いたところによるとニートだという。
年齢は、29歳。
パソコン歴は、15年以上。Mac歴もほぼ同じ。

なんだ、ベテランじゃないか。
俺が教えることなんかあるのか、と最初に思った。

しかし、青白い顔をしたエンドウさんは、「ベジェ曲線がいまだにダメで」と、斜め下を向いて、小さな声でボソッと言った。

ベジェ曲線は、確かに難しい。
私も少々苦労したが、聞くところによると、最近の若い者は、いとも簡単にベジェ曲線を習得するという。

オジさん世代と 生まれた時からパソコンがある世代では、頭の中身が違うようだ。

だから、ベジェ曲線が苦手だというエンドウさんの話を聞いて、オジさんは、親近感を持った。
まだ、可愛げがあるじゃないか!

レッスンは、簡単。
イルカのアウトラインを下絵にして、ポイントを黒丸で印し、アンカーポイントを点線で印して、オプションキーを使うところは、「op」と打っておく。

それを飽きるほど繰り返させるのである。
これが、スムーズにできれば、ベジェ曲線クリアだ。

最新のMac、最新のイラストレータCS。
モニタも25インチの大型。
プリンタも、プロが使うような大型のレーザープリンタだ。
デジタルカメラやデジタルビデオも、おそらく最新式だろう。

とても贅沢な環境に身を置いている人だ。
実に、うらやましい。

顔は青白く、腕も細くて全てが華奢だが、どことなく高貴さを感じさせる容貌をしている。
家も大きな一軒家だし、「大金持ちの息子?」というのが、常識的な受け取り方だろう。

しかし、ひとつ気になったのが、舌打ちだ。

自分が少しでも間違うと、舌打ちをするのだ。
その回数が、とても多い。
ときに、足を踏み鳴らすこともある。

それは、気持ちのいいものではない。

普段の出張講習は、90分から120分だが、今回は、相手の希望で3時間教えることになっていた。
人間の集中力は、長くて90分。
それ以上は、疲れるだけである。

だから、90分が過ぎる前に、「休憩を」と提案した。
それに対して、エンドウさんは「あ、ボクはいいです。続けますから、Mさんは休んでください」という反応だったが、無理矢理休ませた。

エンドウさんは、口数が少ない人だ。
私も人と喋るのが、面倒くさい人間である。

その結果、沈黙。

・・・・・・・・・・。

このブログに何度か書いたが、私は沈黙が苦にならない男である。
目の前に話すべき相手がいたとしても、いくらでも黙っていられる「沈黙のプロ」だ。

しかし、エンドウさんは、素人だった。
沈黙に耐えかねて、自分から語り始めた。

「僕、ニートなんですよ。
大学受験に4回失敗してから、社会に出るのが怖くなったんです。
でも、ひきこもりではないですよ。友だちもいるから、たまに外には出ます。
人とも会話はできます。
ただ、働く勇気が、まだ湧いてこないんですよね。一度も働いたことがないし。
面接に行こうと思って、何度か会社とコンタクトは取ったんですが、寸前で怖気づいてしまうんです。
毎日十何時間もパソコンの前にいると、非現実的になって、色々と空想してしまいます。
たとえば、就職サイトにアクセスすると、色々な業種がありますよね。
まあ、医者やパイロットは資格がいるんで、夢見たことはないですけど、他の職業は、いくらでも夢を見ることができるわけです。
営業マンになったり、クリエーターになったり、アニメ作家になったり。
僕、ほとんどの職業を夢で体験しているんですよ。
そして、その夢で、満足しちゃってるんです。
でも、たとえばパソコンを使って、デザインをするとかいうのは、あまりにも現実的過ぎて、夢に見なかったんですが、僕も来年30歳になります。
僕のとりえは、一体なんだろうって考えた時、パソコンしかないな、って今さらながら思い当たったんです。
だから、苦手なベジェ曲線ができるようになって、それを仕事に活かしたいなって思ったんです」

そんな告白を、ずっと下を向いて、小声で語るエンドウさん。
その姿からは、情熱は見えないが、彼の真面目さは伝わってくる。

働きたい、という気持ちは、間違いなくあるようだ。

「僕、ホームページをいろいろ見ていて、これはダサいな、と思ったものは、自分で勝手にリニューアルしてみるんですよ」
そう言って、見せてくれたのが、2点のホームページだ。

一つは、今現在アップロードされている本当のホームページ。
そしてもう一つが、彼が独自にリニューアルしたホームページ。

彼が作ったものは、色使いが丁寧で、しかも全体像が自然に目に飛び込んでくるデザインだった。
トップページは、動きがあって、ついボタンを押したくなるほど魅力的なつくりをしていた。
それに対して、現実のものは、品がなくてただうるさいだけのもの。
その差は、歴然だった。

いいね、この色使いは、プロの領域だよ。
私がそう言うと、エンドウさんは、ほとんど泣きそうな顔になって、右手でガッツポーズをした。

これなら、今すぐにでも、WEBデザイナーとして、やっていけるんじゃないか。

全身で、喜びを表すエンドウさん。
その姿は、私を感動させたが、彼に言わなければならないこともある。
それは、彼を少しでも社会に慣れさせるための、私の親切心からだった。

でも、社会に出ていくには、舌打ちはやめたほうがいいね。

「舌打ち?」

気づかなかった?
ミスをするたびに、あなたは舌打ちをしていたよ。
あれは、あまり気持ちよくないね。

「舌打ちですか・・・・・」

どうやら本人は、無意識にやっていたようである。

「僕、舌打ちしてたんですか?」

そう、かなり頻繁にね。

「ああ、どうしよう!」
蒼ざめた顔で私を見つめるエンドウさん。

「本当に、舌打ちしてました? そんなにたくさん?」

うん・・・・・、してたね。

「ああ、俺は、ダメだ!
無意識にしているということは、その癖は治らないってことでしょ!
そんな癖のあるヤツを雇ってくれる人は、絶対にいない!
ああ、ダメだ! ダメだ! ダメだ!」


頭をかきむしるニートさん。

癖は、意識すれば、治すことができますよ。
いま、あなたは、それがわかったんだから、毎回意識すれば、それは治るはずです。
やってみましょう。
自分が、舌打ちをしていることを意識して、それを自分に納得させるんです。
必ず治ります。
意識していれば、必ず治りますから!

「でも、無意識にしているんだから、治るわけがない!」

いや、治すんです!
あなたは、WEBデザイナーとしての才能がある!
その才能のために、治すべきだ。

「治せますかね?」

絶対に!

「本当に、治せますかね?」

俺が、約束します。

こんなことを軽はずみに約束していいんだろうか。
しかし、もう言ってしまったのだ。

あなたは、できますよ。

「本当に? 本当に? 本当に!」

大きくうなずくしかなかった。


2009/08/01 AM 05:12:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | [Macなできごと]



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