Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
[TOP] [RSS] [すくすくBLOG]








失敗した「キャラ弁」
毎朝5時に起きて、「キャラ弁」づくり。

中学2年の娘は、夏休み中でも部活に行く。
吹奏楽部だ。
朝8時から午後3時まで。

弁当持参である。

その弁当を私が作るのだが、「何か代わりばえしないな。キャラ弁にしてくれよ」と娘に言われた。

キャラ弁?
あれは、幼稚園児などが、食するものではないのか?

子どもの好き嫌いをなくすために、彼らの興味を引いて、母親が愛情込めて作るのがキャラ弁ではなかったか?

「いいんだよ! そんな世間一般の話は! とにかくアタシは、キャラ弁が食べたいんだ!」

ハイ。

ということで、娘のリクエストに応じて、毎日違うキャラ弁を作っております。

これまでに作ったのは、20世紀少年のマーク。珍獣ハンター・イモト。キティちゃん。オードリーの春日。アルパカなどなど。

珍獣ハンター・イモトは、吹奏楽部の友だちに、かなり好評だったらしく、それ以来、娘のキャラ弁の周りには、いつも人が集まるようになったという。

ただ、残念なことに、作ったものをデジカメで撮るということまで、思いがいたらなかった。

「普通は、撮っておくものだよ。馬鹿だな、おまえは!」

そこで、遅ればせながら、撮ってみた。
このキャラは、少年ジャンプの漫画のキャラクタで「エリザベス」というらしい。
オバケのQ太郎では、ありません。

弁当の中身は・・・。
ひき肉を団子にして、蒸したものを甘辛のタレにからめたミートボール。
ジャガイモサラダ、ジャガイモのソテー。
娘が嫌いな椎茸抜きで作った春巻き。
ご飯は、2層になっていて、下が15穀米、上が酢飯だ。
酢飯は、暑さで、ご飯が傷まないようにするためと、海苔をくっつきやすくするためである。

ここには、写っていないが、「野菜が少ねえな」と言われて、他にニンジン、ブロッコリー、アスパラガス、パプリカ(赤)をソテーしたものを、別パックに詰めた。

しかし、このキャラ弁をひと目見た娘が、怒った。
「ぜんぜん似てない! 立体感もない! これじゃ、キモイだけだ!」

確かに、私も完全な失敗作だと思う、
でも、どうせ俺は素人なんだし・・・(キャラ弁のプロなんているのか?)

その気になれば、画像は、フォトショップで、いくらでも美しく修正できる。立体感も出せる。
そして、それを公開して、自慢たらしく「オレ様のキャラ弁」と胸を張ることもできた。

そうすれば、アクセス数が上がるかも・・・・・なんて。

でも、ブログで、そんなことをしたら、きりがなくなる。
時間の無駄だし・・・(ん? ブログを書くこと自体、無駄?)

ただ、いずれにしても、私のキャラ弁作りは続く。

明日は、「となりのトトロのメイちゃんだ!」、という指令が、娘から下された。

「今日のような失敗は、二度と許されないぞ! みんな楽しみにしているんだからな!」

ハイ(小声)。

小声でうなずく私の今の体重、57キロ。
あと、もう少し。


2009/07/30 AM 05:32:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | [料理]

Mac騒動記 その2
古いマック2台が突然逝き、中古Macを購入した、その理由。

それは、異星人の仕業だったかもしれない、というお話。
ただ、それは、可能性としては50〜60パーセントぐらいだから、冤罪という可能性もある。
裁判員の方が、私の意見を聞いて、どんな判決を下すか、それは審判を受けてみないとわからない。

我が家に、昨年の11月から生息する異星人。
その人を仮にBAさんと呼ぼう。

BAさんは、家中の電気を消す、という素晴らしい習慣を持っている人である。
彼女は、それに大いなる生きがいを感じているらしい。

昨年、我が家に来たときから、それは実践されていて、廊下の電気、トイレ、風呂、キッチン、玄関、和室、子どもたちの部屋、私の仕事部屋の電気を頻繁に消しまわるのを、彼女は日課にしていた(ただ、最近はある理由があって、キッチンの電気だけは消すことがないが)。

それは、まさしくエコで、地球の未来を考えた褒めるべき習慣である。
表彰しても、いいくらいだ。

ただし、自分がトイレや風呂に入った後は、電気はつけっぱなしだし、彼女が占領している我が家のリビングのテレビ、ライト、エアコンは昼夜つけっぱなしだから、どこまでエコに貢献しているかは、若干の疑問符が付く。

昨夜は、一家四人、遅い夜メシを食っていたときに、「いないのかい?」と言って、いきなり電気を消された。
しかし、それを嫌がらせだと取ってはいけない。
彼女は、ただ電気を消すことに、病的な使命感を持っているだけなのだ。

ただ、いずれにしても、突然電気を消されるのは、困る。
特に、私の仕事部屋の電気すべてを消されるのは・・・・・。

エコBAさんが、我が家にやってきた時、幾度となく、私の仕事部屋の電気を消された。

たとえば、Shadeというソフトを使って、パースをレンダリングしているとき。
レンダリングは、サイズなどによって、かなりの時間がかかる。
私の場合、夜中にレンダリングをしたり、外に打ち合わせに行っている最中に、レンダリングすることにしていた。
その方が、効率がいいからだ。

レンダリングに相当な時間がかかると思ったときは、得意先に行っている間にレンダリングボタンを押してから、出かける。
そうすれば、帰ってくる頃には、確実にレンダリングは終了している。
それが、私の習慣だった。

しかし、昨年の11月のある日、家に帰って、レンダリング結果を確かめようと、モニターの前に立ったとき、私は大きな脱力感を感じたのだ。
全ての機械の電気が、消されていたからだ。
異星人が、私の部屋の電気を全て消してしまったのである。

仕事部屋のマシンは、スイッチ一つで電源がオンオフできる電源タップに繋がれていた。
機械のほとんどは、省エネ設定にしてある。
モニターの電源は、何もしなければ、15分でスリープするようになっている。
ハードディスクは1時間設定。
プリンタは、5分後にはスリープ状態になるように設定してある。

だから、私がいない間は、すべてが「スリープ」しているのである。
しかし、タップのスイッチは、赤く点灯している。
BAさんは、この赤く点灯しているタップのスイッチを見て、「これは、もったいない」と思って、毎回切ってしまうという力技(ちからわざ)を発揮するのだ。

それを受けて、私は、無駄だとは思ったが、ドアに、「電源を切らないでください」という張り紙を貼った。
壁にも貼った。タップの置いてある床にも貼った。

しかし、BAさんは、それを完全無視

いつも、消される。

パソコンの待機電力は、地球環境を悪化させる。
だから、BAさんのその習慣は、決して悪いものではない。

ただし、私の仕事の邪魔をしなければ、だ。

私は、それを広い心で受け入れて、それ以来外出する時は、全ての電源を切ることにした。
出掛けにプリントボタンを押して、外出先から帰って、プリントをチェックすれば、能率がいいのだが、それも止めることにした。
プリント中に電源を消されて、プリンタ内部で、紙が焼け焦げてしまったことがあるからだ。

しかし、そんなあらゆる工夫をしても、どうにもならないことを知った時の、私の無力感。

晩ご飯を食っている時、パソコンは、つけっぱなしにしている。
「いま、ちょっとだけ、俺は休んでいるけど、ご主人様の命令があったら、すぐに働くつもりだからね。俺は、寝ているんじゃないよ。ご主人様からの命令を待っているだけだよ」
パソコンは、そんな緊張感を持って待機をしているのに、BAさんは、そんな従順なMacの主電源を、毎日容赦なくブチッと切るのである。

その結果、基盤に余計な負荷がかかったのではないか。
私の2つのオールドMacは、確実に基盤が逝ってしまった状態だ。

ピチピチの新人なら、そんな仕打ちにも耐えられただろう。
しかし、私のMacは、老年といってもいい年齢だ。
毎回のように、突然、主電源を切られるという負荷に、彼らは対応しきれなかったのではないか。

予期せぬ、強制終了。

それが原因で、逝ったというのが、一番合理的な考え方だと、私は、そう推測しているのだが、それは、あくまでも「状況証拠」に過ぎない。

果たして、裁判員は、こんな事象に対して、どんな判決を下すであろうか。

常識的な裁判員なら、「疑わしきは、被告人の利益に」という法の精神を尊ぶかもしれないが、私には、何といっても出費が大きすぎるという現実がある。

私としては、条件付の「有罪」を宣告したいのだが・・・・・。

裁判員様。
いかがでしょうか?


2009/07/28 AM 07:19:43 | Comment(4) | TrackBack(0) | [Macなできごと]

Mac騒動記 その1
オークションで、Macを購入した。

OS9でもOS Xでも使える中古のマック。
それを今、仕事用にカスタマイズしているところである。

しかし、なぜ突然中古Macを買ったのか。

我が家のパソコンは、Macは、デスクトップ2台。友人の「アホのイナバ」から入院中に借りて、そのまま使っているMac Book1台。
ウィンドウズは、デスクトップ1台が仕事用。ノート3台が、家族用。

台数が多く、金がかかっているように思えるが、ノート3台はすべて「壊れたから、いらないよ」と、貰い受けたものだ。
自分で直したので、部品代は多少かかったが、新品を買うよりは、はるかに安くてすんだ。

Mac2台の方は、オークションで買った。
その中身をいじって、使い勝手の良いマシンとして使っていたが、まず最初にMac G4/450MHzが、壊れた。
それが、3週間前のことだ。

前触れもなく、いきなり壊れたのだ。
朝まで元気に働いていたのに、夕方には心臓が止まっていた。

それを追うように、約10日後、Mac G3/800MHZ(アクセラレータでクロックアップ)が、逝った。
彼も、朝方まで元気な姿を見せていたのに、夜には冷たくなっていた。

どちらも、最期を看取ってやることができなかった。
打ち合わせから帰ってきたら、動かなくなっていたのである。

Macがなければ、当然、仕事に支障をきたす。
前述の通り、Mac Bookがあるが、これには仕事用の書体が、ほとんど入っていない。
ほとんどプリントサーバの用途で使っていたから、これは即戦力にはならない。

だから、急ぎの仕事が入ってきたら、私のパソコン環境に一番近い環境を持つ同業者の事務所に行って、夜中仕事をさせてもらっていた。
ウィンドウズでも出来そうな仕事は、Winでやった。

そして、その合い間に、オークション画面をチェックして、希望の機種が出るまで待つこと5日。
何とか、ベストに近い機種を手に入れることができた。

しかし、購入費用を工面するのに、いつもながら苦労した。

以下、苦労話と嘆き節・・・・・。

私の場合、このブログに何度か書いたが、いざという時に備えて「パソコン貯金」をしていた。
どんなに生活が苦しくても、この金にだけは、手をつけずに我慢してきた。
それが、フリーランスの義務だと思っていたからだ。

今年の3月の時点で、「パソコン貯金」には、17万円が貯まっていた。
大金である。

しかし、その大金が、この4月、私が入院している最中に、2万円に減ってしまったのである。
と言っても、入院費用に消えたわけではない。

それは、姉という名の「恐怖」

私の姉に関しては、こちらのブログに書いた。
彼女は、いまガンと闘っている。

生まれてから今まで、すべてのものに背を向け、逃げてきた彼女が、不幸にも「最大の敵」ガンと闘うことになるとは、本人も思っていなかったに違いない。
彼女は、人を呪いながら、病気を呪いながら、運命を呪いながら、いま闘っている。

その「呪い人」から、私の入院中、我がヨメに電話がかかってきたのだ。
もちろん、入院中の私のことを気遣う言葉などなく、自分の都合だけを早口で述べたと言う。

私と結婚して、20数年。ヨメは、私の姉と一対一で話をしたのは、そのときが初めてだった。

「あのね」という姉の声を聞いて、ヨメは、全身が硬直したらしい。
暗がりで、何者かに襟首をつかまれた気がしたという。

「お願いがあるんだけど!」
「昨日病院に行ったらね、医者から、治療に必要だって言われたのよ!」
「だから、15万円、貸してくれない!」

硬直したままのヨメは、思考能力も硬直していた。
「治療に必要」。
その言葉を信じて、すぐに姉の口座に、15万円を振り込んでしまったのだ。

ヨメは、簡単に「振り込め詐欺」に、引っかかるタイプらしい。

私の入院費用で頭を痛めている、まさにその時、「パソコン貯金が2万円に」という話を聞いて、体中の血が凍った。
怒りさえも、凍った。

このまま心臓さえも、凍りついていいと思った。
私のすべてが、凍りついた。

姉の抗がん剤の費用は、テクニカルイラストの達人・イナバに、毎月用立ててもらっている(ありがたいことだ)。
定期健診にかかる費用は、母親が年金から出している。
だから、治療に金がかかることはないはずである。

そこで、姉の主治医に電話で聞いてみると、思った通りの答えが返ってきた。
「いや、今のまま抗がん剤治療を続けるだけですから、特別に(費用は)かかりません」

私は、確信した。
その15万円は、「マリンちゃん」や「花の慶次」に費やされるに違いない、と。

マリンちゃんのために、パソコン貯金が、消えた。

2万円で、中古マックは買えるが、仕事で使うレベルのものは買えない。
当たり前のことだが、今の私は、Macなしでは、仕事にならない。
どうしても、Macを手に入れねばならない。

しかし、金が乏しい。

俺って、つくづく金に縁がない男だな。
堅実に貯めた金さえも、一瞬でなくなってしまうし、請負代金の回収率は、一昨年から悪化しているし。

こうなったら、後ろ向きに考えるしかない。

そこで、自己都合で、勝手だということは承知しつつ、外注先への支払い1件を少々待ってもらうことにした。
そして、以前、台所火事で焼け出され、ウィークリーマンション生活をした時に、知人6人から借りた金の返済の一部を待ってもらうことにした。

それは、大変心苦しいことだったが、仕事ができなければ、生活ができない。
借りたものを返すこともできない。

苦渋の決断である。

本来なら、メインのMacとサブのMacの2台があったほうが、仕事の効率はいいのだが、贅沢は言っていられない。
しばらくは、1台で我慢するしかない。

しかし、誰よりも的確なメンテナンスをしていると思ったのに、なぜ突然、立て続けにMacが壊れたのか。

その話は、次回に続きます。


2009/07/26 AM 05:17:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | [Macなできごと]

公開するほどでもない画像
初めて公開する家族画像。

義母が、2日間、検査入院をするので、その世話から解放された。
そこで、義母の三鷹の家の空気を入れ替えるために、四人で出かけた。

そのときの画像である。
この画(え)は、それぞれの性格をよく表していると思った。
だから、載せる気になった。

息子は、ノンビリスマイル、娘は、オチャラケ、ヨメは、マイペース。
まあ、平和な一家である。

下の画像。

以前、一人で三鷹の野川公園に行ったことがある(そのことは、ココに書いた)。

そのとき、緑に囲まれて優雅に流れる川の風景を見て、あるテレビドラマを思い出したのだ。

それは、ごくせん
たしか、ごくせんの第1話だったと思う。

主人公のヤンクミが、川の中で、教え子のクマを殴る場面があった。
嘘をついたクマに、ヤンクミがこう言うシーン。

「お前ら不良の風上にも置けないやつらだ!
先公をバカにするのも上等!
ケンカするのも上等!
けどな、卑怯な真似だけは、するんじゃねえよ!
正々堂々 胸を張って不良をやりやがれってんだ!」


バコーーン!(右ストレート)

そのときの川ではないのか。
とても、似ている。

しかし、確信はない。

そこで、仲間由紀恵を神のようにあがめ、ごくせんのDVDを20回以上見て、セリフをほとんど暗記している娘に確かめさせたら、どうだろうか。
そう考えたのである。

橋に立って、川の風景を見た娘は、すぐに「おーー!」と叫んだ。
「クマが殴られた川だ!」

すっげぇ! 感動した!

その感動をスキップで表したのが、下の画像だ。

つまらない画像を公開して、申し訳ありません。
ブログネタが、尽きたもので・・・。

ブログネタが尽きた、私の今の体重、56.5キロ。
いい感じで、増えております。



2009/07/24 AM 04:48:38 | Comment(3) | TrackBack(0) | [日記]

書くほどでもない日常
「『ガスト』は、どうかね?」と聞かれた。

ガストには、四、五回行ったことがある。
ハンバーグが、美味いと思った。
中にチーズが入ったものが、けっこう美味かった記憶がある。

他には、思い出せない。
考えていると、同業者のシムラさんは、私がガストでは不満だと思ったらしく、「う〜ん」と腕を組んで考えはじめた。

いや、ガストで、いいですよ。
その言い方が、シムラさんには、何となく投げやりに聞こえたらしく、「いや! Mさんが食べたいものじゃないと、意味がないだろ。ねえ?」と、隣の同じく同業者のニシダくんに同意を求めた。

いや、ホントにガストで、十分ですから。
「いや、何でも好きなものを言ってくださいよ。センセイのために集まったんですから」と、ニシダくん。

「『安楽亭』は、どうかね? 昼間っから焼肉でも、かまわないだろ?」
シムラさんが、身を乗り出す。

ああ、焼肉ですか。
でも、俺、肉食って元気になったこと、一度もないんですよ。
(何という可愛げのない言い方!)

場所は、マクドナルド。
3人で、120円のコーヒーを飲みながら、昼メシの相談である。

隣のテーブルには、男子高校生が5人いて、政治の話をしているのが、耳に入ってきた。

「俺は、アソウ、好きだったけどな」
「ああ、俺も。なんか、わかりやすかったっていうの?」
「大人は、民主、民主って言うけど、あいつら素人だろ。天下取ったことないんだろ?」
「そう、シロート。経験ゼロだし、無理無理!」
「その点、自民には、ハドウ(波動? 何?)感じるんだよ、俺!」
「ああ、感じる! 感じる!」(?)
「あのさあ、民主党って、自由民主党のことだろ?」
「ああ、自民党は、自民党だからな」

・・・・・・・・・・・・・・。

この件に関しては、コメントを控えさせていただきます。

シムラさんの提案は続く。
「『かっぱ寿司』は、どうかね。Mさん、好きなものを腹いっぱい食べましょうよ」

寿司は、嫌いではないが、金額が高い安いに限らず、「寿司をおごられた」というシチュエーションが、気に入らないな。
面倒くさいことを言って、申し訳ありませんが。

「それなら、『日高屋』で、ラーメンか、『餃子の王将』で、ギョーザというのは、どうですか?」と、完全に呆れ顔のニシダくん。

まあ、この辺で、妥協しなければいけないかな。

おわかりかと思いますが、ここで名前の上がったのは、すべて安さを売り物にした店ばかりです。
不況の波は、フリーランスを容赦なく飲み込んでいる。

結局、大宮駅近くの日高屋に行くことにした。

私は、坦々麺と大盛りライス、枝豆とジョッキ2杯を食った。
坦々麺は無難な味。枝豆は、普通。ビールは、うまかった!

唐揚げ定食を食ったニシダくんが、「どうですかね、こんなんで、センセイが太れますかね」と言う。

それに対して、しょうが焼き定食とおつまみチャーシュー、餃子2人前を食ったシムラさんが、丸く膨らんだ自分の腹を撫でながら言う。
「俺が、太っても、しょうがないんだけどね。ハハハハハ・・・」

その件に関しても、コメントは控えさせていただきます。

今朝の体重、56キロ。
思ったとおり。


2009/07/22 AM 05:12:51 | Comment(2) | TrackBack(0) | [日記]

静岡で感じた温度差

梅雨は明けたが、暑さは、それほどでもない。

太陽ギンギンの夏が好きな私は、少々拍子抜けだ。

思い切り、汗がかきたい。

埼玉県の熊谷市は、暑いことをアピールしているところだが、2年前に取引先がつぶれてからは、縁のない場所になった。
熊谷の暑さが、懐かしい。

「暑いところは、他にどこかないか」、と思っていたら、ほぼ1年ぶりに静岡の得意先からお呼びがかかった。
お呼びがかかったら、行かねばならない。
担当者が、休日出勤をするというので、日曜日に出かけていった。

暑いことを期待して行った。
午後1時前、静岡駅に降り立ったが、空は「夏!」という強いアピールをしていなかった。

さいたまよりは、多少暑い気がするが、夏本番のインパクトはない。

しかし、それでも、得意先の担当者は、環境に全く配慮しない冷房の設定に身をさらしながらも、「暑いねえ、今年は!」と言うのである。
この部屋、寒くないか?
設定温度は、いったい何度だ!

22度?

地球に、ケンカ売ってるのも同然じゃないか!

暑がりに、エコは無縁のものなのか。

異常に冷えた部屋。
出されたのは、アイスコーヒー。

私は、何度かこのブログに書いているが、アイスコーヒーを飲む習慣がない。
暑い夏でも、コーヒーはホットで飲む。
それが、コーヒーに対する礼儀だと、私は思っているのだ。

だから、手をつけなかった。
それを見て担当者は、「ああ、Mさん、コーヒーは嫌いでしたね」と決め付け、「じゃあ、カキ氷でも取りましょうか。下の喫茶店に頼めば、すぐに持ってきてくれますよ」と親切心を出してくれた。

いや、カキ氷もちょっと・・・・・。

「ああ、そう」と、露骨にガッカリされてしまった。

しかし、担当者はめげずに、両手をパチンと打つ。
「確か冷蔵庫にハーゲンダッツのカップアイスがありましたよ。バニラです。あれは、美味いですよ。食べましょう!」

ハーゲンダッツは魅力的だが、早く仕事の話をしてくれませんかね。
冷房病になりそうだ。

しかし、目の前に置かれたハーゲンダッツ。
好意で出された以上、食べるのが礼儀というものだろう。

シロクマ君が、北極で氷を食っているようなものですね。
俺は、ホッキョクグマ。

担当者はと言えば、ハーゲンダッツを食いながら、アイスコーヒーを飲んでいる。
それなのに、額からは汗が・・・・・。
どんな体の構造をしているのやら。

思い切って聞いてみた。
寒くありません?

「いや、暑いですよ! 今年の夏は、特別暑い! 確実に猛暑です!」

打ち合わせを終えて、外に出たとき、暑さが心地よかった。
向かいのビルの壁面に植え付けられたデジタル表示板に、現在の温度が出ていた。
31℃。

ちょうどいい温度だ。
ただ、夏本番というほどではない。

しかし、街行く人の会話は、こんな感じ。
「今年の夏は、暑いね」
「私なんか、もう夏バテよ。秋が恋しいわ」

何か、微妙な温度差を感じる。

温度差を感じた私の今の体重、56キロ。
夜食った、熱い激辛カレーうどんは、美味かった!


2009/07/20 AM 07:13:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | [Macなできごと]

ウザい運命論者
話していて、疲れる人がいる。

できれば、お相手はしたくない。
面倒くさい。
ストレスがたまる。

だから、フリーランスとしては、あるまじきことだが、その人からの仕事の依頼は、1年半ほど断ってきた。
しかし、仕事が欲しくなったので、先月久しぶりにお願いに行った。
そんな俺って、勝手でしょうか?

1年半ぶりに見る担当者は、さらに太っていた。
おそらく、百キロを超えたと思われる丸い体を、もてあまし気味に揺らしながら、彼は私の前に現れた。

あーあ! また、霊感の話のお付き合いか・・・・・(そのことに関しては、こちら)。

ただ、このときは、彼の仕事が山積みだった時期らしく、仕事の打ち合わせだけで、無事解放された。
初めてだな、この会社に来て、こんな爽快感を味わうのは。
思わず小さくガッツポーズをした。

しかし、初稿を届けた今回。

「Mさん、世の中は、すべて運命で決まっているんですよ」

ついに、来やがったか!

「人は、生まれた時から、運命が決まっているんです。それには、逆らえないんですよ。いま、あなたがここにいるのも、運命なんです」

しかし、運命で決まっているんなら、なにをやっても無駄ですね(投げやりに尋ねる)。

「そうですね。その無駄ということも含めて、運命なんですよ。成功する人は、それを無駄だとは感じないんです。自分のしていることが、無駄だと感じている人は、必ず失敗しますね。そして、それも、運命なんです」

要するに、世の中の結果すべてが、運命である、と?
そうなると、人間は、運命だけに操られていることになりませんかね。
それは、突き詰めて言えば、結果論ということになりませんか?

「いえ、結果論ではないです。あくまでも、運命なんです!

でも、運命ですべて結論付けてしまったら、努力することが虚しくなりませんか。
だって、つまり、どんなに頑張ろうと、結果は、同じなんでしょ?

「まあ、そういうことになりますね。それも含めて、運命ですから」

すこし、殴りたくなってきた。

では、前回の都議選の結果も、運命なんですか?

私が、そう言うと、彼は「いや、あれは!」と、顔を赤くした。
「あれは、間違った運命の結果です! 保守は、守らなければいけません。保守というのは、今までの正しい歴史を踏襲してきたものです。その歴史を断ち切っては、いけません!」

・・・・・・・・・・・。

そうか、運命も、間違うのか。
しかし、それは、あまりにも都合のいい解釈ではないのか。

「何故東京都民は、間違った運命を選んだのか! 民主なんて、民主なんて・・・・・」

私は、得意先では、政治と宗教と、好きなプロ野球チームの話をすることは、避けることにしている。
それは、デリケートな内面の問題だからだ。

ただ、私は全く人間ができていないので、余りにもくどく「ジャイアンツ愛」を語られた時は、「俺は、アンチ巨人だ」と宣言することにしている。
それで、相手と喧嘩になることはないが、多少気まずくはなる。

今回は、政治の話だ。
本来だったら、受け流すところである。

しかし、「運命論」を押し付けられた腹いせに、つい反論してしまった。

保守は、いつかは腐る。保守の賞味期限は、せいぜい50年。
その数字に、根拠はないが、いま噴出している政権与党の末期的なドタバタ劇を見ていると、確実に賞味期限、消費期限が過ぎようとしているのが、わかる。

民主党の賞味期限が、いつまでかは知らないが、とりあえず店頭に並べて、消費者の反応を見てみるという選択肢もあっていいのではないか。
その結果、賞味期限が、意外と短いと判断したら、また取り替えればいい。

それが、消費者の賢い姿ではないのか。
そして、それこそが、運命ではないのか。

え? ん?

俺って、運命論者?

運命論者の今の体重、56キロ。
目標まで、あと2キロまで来た。

これも「運命」なのか・・・。



2009/07/18 AM 08:49:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | [Macなできごと]

プラザノースでご昼食
関東地方の梅雨があけた日、仕事がオフになった。

本当なら、久しぶりにMac出張講習に行く予定だったが、相手の都合で、延期になった。
仕事は他にもあったが、急ぎではないので、休むことにした。

朝、家族全員の食事を作り、その後8時過ぎにシャワーを浴びた。
そして、恐る恐る体重計に乗る。

前日の朝は、55.5キロ。
少しずつ増えているが、体重の戻りは遅い。
医師には、「一ヶ月くらいで戻らないと」と、毎回プレッシャーをかけられている。

55.5キロ。
前日と同じである。

体重増強のため、朝から天丼を食うことにした。
うまかった。

さて、貴重なオフに何をするか。
家でボーッとしていると、義母から何を言われるかわからない。

以前は、何も用がなくても、何の前触れもなく、仕事部屋の扉を最低3回以上開けられた。
だから、今は仕事部屋の扉は、オープンにしてある。

廊下から、こっそり覗く異星人(義母)の顔。
その光景には、少しは慣れたが、あまり気持ちいいものではない。

家にいるのは、嫌だ。

どこかに、出かけるか・・・・・。

そこで、弁当を作ることにした。
冷凍してあるものを、温めてギュウギュウに詰める。
まぐろカツ、豆腐ハンバーグ、ほうれん草の胡麻和え、かにシューマイ、野菜のミニ掻き揚げ(すべて手作り)。
そして、おにぎり3つ。

弁当を保冷バッグに入れ、ついでに500缶の発泡酒も入れた。

行き先は、やっぱり「隠れ家」かな。
最近、ご無沙汰してるし。

倉庫の持ち主の中古PC販売会社の社長に電話してみた。
社長は、いた。
しかし、甲高い声で言われた。

「悪いね。今日は倉庫の整理をしようと思っているんだよ。一日かかるかな。もちろん、Mさんの持ち物には手を触れないから、ご安心を」

出鼻を挫かれた。

少々暑いが、公園で「ひとりピクニック」をするか。
ビニールシートをバッグに、入れた。

準備OK。
異星人を家に残して、自転車にまたがった。
もちろん、異星人には、弁当を作っておきましたよ(そうしないと、体に悪いものばかり食うので)。

所持金810円。
スイカのチャージ額、3400円。
午後10時過ぎ、とりあえず、最寄り駅を目指す。

自転車を漕ぎながら、「いつもなら、このあたりでブログネタになりそうな出来事が起こるのだが」と思ったのだが、今回は何も起こる気配はない。

暑いですよ。
しかし、暑いのは、まったく苦にならない。
快調に自転車を漕いでいく。

そんななか、頭の中に突然「プラザノース」という言葉が浮かんだ。
わけのわからないネーミングだが、さいたま市北区役所・図書館の入った建物のことである。

ここの図書館は、広くて書庫の配置もいい。
そして、明るくて伸びやかな空間が、気持ちいいのだ。

さらに、このプラザノースのいいところは、ロビーも広くて、10セット以上ある円形テーブルで、弁当を食っても、文句を言われないところである。

涼しい空間で、優雅にお弁当。
その後、腹が一杯になったら、お昼寝、という魅力的なスケジュールは、どうだ!

久しぶりのプラザノース。
無駄に綺麗で、無駄に広い。

図書館をうろついた後、昼食タイム。午後1時11分(ゾロ目だ)。

優雅にゆっくり、メシを口に運ぶ。
メシは、ゆっくり食ってこそ、その味の深さがわかる。
みなさん、昼飯くらい、ゆっくり食いましょうよ。

ただ、立ち食いソバやファーストフード店では、早く食いましょう。
あとに人が、支(つか)えていますので・・・。
それが、マナーです。

弁当を食いながら、「発泡酒はどうする?」と考えた。
この空間で、酒はまずいだろう、というのが、普通の人の考えかた。
しかし、私は、そんなことは構わず、飲むんですね。

注意されたら、謝れば、いいじゃん!

広く涼しい空間で飲む、発泡酒の爽やかなのど越し。
オフの醍醐味である。
これだから、フリーランスは辞められませんよ。

食い終わり、飲み終わって、豊かな満足感に浸る貧乏デザイナー。

全身から力が抜けるひととき。

無駄に広い窓ガラスの外を見ると、青い空に鳩が飛んでいるのが見えた。
数えてみた。
5羽いた。

子どもが、建物前で水浴びをしている。
定期的に、噴水が出るのである。

なんか・・・・・、異次元だな・・・。

まるで、現実的ではない光景を見ているようで、頭の中の余分なものが、吐き出されるような気がしてきた。

5月、6月と、忙しく働いた。
体調は、決して良くなかったが、とりあえず凌ぐことができた。

そして、その結果、5月6月に限って言えば、前年より50パーセント以上、売り上げが上がっていた。

「人に迷惑をかけた分、頑張らなくちゃ」

要するに、我武者羅だった。

どんな仕事でも請けて、色々な人に、自分からもアプローチをした。
なりふりなんか、構っていられなかった。
そうしなければ、さらに人に迷惑をかけると思ったからだ。

そんな我武者羅な俺。
今まで、なかったことだ。

プラザノースの高い天井を見上げながら、考えた。

やれば、できるのではないか、と・・・。

なぜ、今まで、やらなかったのか、と・・・。

俺は、まだまだ、できる。

青い空に舞う鳩を見ながら、そんなことを考えた。



2009/07/16 AM 06:34:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | [日記]

カッコいい男とひねくれ男
カッコいい男というのは、いるものである。

このブログにも何回か登場したことがある、京橋のウチダ氏(コチラ)。
彼は、私が知る男の中で、最もさわやかな男と言っていい。

そのさわやかな男が、「ちょっと、来てくれないか」と、昨日私を京橋の事務所に呼んだ。
「悪いな、本当は俺が、Mさんちの近所まで行きたいところだが、今週は来客の予定が多くてね」
生真面目で端正な顔を私に真っ直ぐ向けて、ウチダ氏は、軽く頭を下げた。

「でも、前回よりは、調子が良さそうだな」と、ウチダ氏。

前回。6月の中旬。例によって、ノリ弁をスーパードライで胃に流し込みながら、ウチダ氏の愚痴を聞いてやった。
ノリ弁を食い終わって、2本目のスーパードライを半分ほど喉に流し込もうとしたら、突然意識が薄れて、むせた。

ただ、他人の大事な事務所であるということは、薄れ行く意識の底にあったらしく、私は、ノリ弁を入れていたビニール袋を掴んで、夢遊病者のように立ち上がり、キッチンまで行ってもどしたという。
我ながら、天晴れなことだと思う。

その行いに敬意を表して、ウチダ氏が今回、私に仕事をくれるのだろうか。
いや、それは、絶対にない、と断言できる。

ウチダ氏は、仕事ができる、さわやかなイケメンだ。
そして、家族思いで、友人思いの男でもある。

ただ、一つだけ欠点があるとしたら、それは、私に仕事を回さないことだ。

京橋に事務所を構えて3年以上が経つが、彼が私に仕事をくれたのは、たったの4回だ。
この事務所には、30回以上呼ばれているが、そのうちのたった4回。
馬鹿にしているではないか。

どうせ今日も、愚痴を聞かされるだけだろ。
チェッ!
今日は、ノリ弁は、いらねえからな。
でも、スーパードライは、飲むぞ。

スーパードライの500缶が、テーブルの上に置かれた。
そして、白い封筒。

ん? 封筒?

まさか、ラブレター(ではないよな)?
お互い、そんな趣味はなかったはずだ。

首をかしげながら、封筒を手に取った。
卑しい人間の指先は、お金の気配を感じ取るようになっている。
私の卑しい指先に埋め込まれたセンサーが、「10万円」と脳に指令を送った。

封筒の中を除いて見ると、一万円のピン札が上品に身を潜めていて、数えて見ると、10枚あった。
恐るべし! 我が卑しき指先。

しかし、どういうことだ!?

ウチダ氏の目に視線を突き刺しながら、私は、震える声で聞いた(万札にビビっていたので)。

「お前の、こどもたち」と、ウチダ氏が言う。
前回、ウチダ氏の事務所で意識をなくしたとき、ウチダ氏は、私を抱えて近所の病院に連れて行ってくれた。
そして、帰りは、車で我が家まで送ってくれたのである。

その車内で、私は、ずっとウチダ氏に話しかけていた。
話していないと、自分の体がどうにかなりそうで、不安だったからだ。

中学二年の娘の話をした。
私の体調が悪く、無理をして仕事をしているのを感じた娘に、私が言われたこと。

「あと2年待っていろよ。あと2年経てば、高校生になる。そうしたら、学校に内緒でアルバイトをして、ちょっとだけ、助けてやるからな。でも、全部じゃないぞ、ちょっとだけだ。アタシだって欲しいものがあるからな」

親がダメだと、子どもは、しっかりするらしい。

大学一年の息子の話をした。
学校へ行く合間の、少し空いた時間に、彼はポスティングのアルバイトをしていた。
ひと月2万円強のアルバイト料。
それを全額ヨメに渡しながら、彼は言うのである。

「夏休みになったら、色々探すからさ。悪いけど、今はこれだけなんだ」

息子の夢は、夏休みに一人旅をすることだった。
それは、私が彼に小さいころから話して聞かせていた、私の「大学一年ひとり旅」の影響を受けているのだと思う。

宿代を浮かすために、駅舎で、夜寝ようとしたら、駅員さんに怒られて、その駅員さんの家に泊めてもらったこと。
レンタサイクルがパンクして、山道で立ち往生していたら、車で通りかかった若い男女が、自転車ごと車に乗せてくれて、夜メシまでご馳走してくれたこと。
履いていた靴に穴が開き、途中からサンダルで旅をしていると、不審者に間違われて、何度も職務質問を受けたこと。
そして、そのサンダル履きで、今にも壊れそうな旅館に泊めてもらおうとしたら、「自殺志願者」に間違えられて、説教されたこと。

そんな、つまらない話を何度もするたびに、彼の頭には、一人旅への憧れが刷り込まれていったようだ。
大学一年になったら、一人旅がしたい。

しかし、彼はいま呟く。
「7万円あれば、いい旅ができるんだけど、今年は、ちょっと無理だな・・・・・」

そんな息子の呟きを聞いて、「来年こそは」としか返せない、情けない親。ダメ親父・・・。

そんな話を、ウチダ氏は、ひとことも口をはさまずに聞いてくれた。

そして今日、京橋のウチダ氏が、私の目を見つめ、力を込めて言う。
「俺は、Mさんの子どもたち、好きだな。だから、いい話を聞かせてもらったお礼に、この封筒を受け取って欲しいんだ」

しかし、な。

「Mさんの子どもたちに、投資させてくれ。俺は、Mさんの子どもは、それだけの価値があると思うよ。遠慮するなよ。堂々と受け取るのが、親としてのMさんの役目だ」

私は、事務所の冷蔵庫からスーパードライをもう1本取り出して、ソファに腰を下ろした。
そして、考えた。

こんな思いがけない話があっていいのだろうか。
いくらなんでも、これは、甘えすぎだろう。
そして、いくらなんでも、惨めすぎないか。
これは、絶対に断るべきだ。

そう言おうとしたとき、ウチダ氏の眉がつり上がった。
「断るなよ! 俺には、俺のつまらない愚痴を聞いてくれるMさんが、必要なんだ。Mさんが断ったら、俺はこれからいったい、どうしたらいい!?」

そして、テーブルに手を付いて頭を下げるのだ。
「頼むから、受け取ってくれ」と。

それは・・・・・。
カッコ良すぎるだろ、ウチダさん!
これでは、俺は、断れないじゃないか。

しかし、カッコ良すぎる男の友だちは、恐ろしくひねくれた男だった。

「我が家の米が、そろそろ切れるころなんだ。お中元に、10キロ送ってくれないか。なんせ扶養家族が一人増えたんでね」

そんなひねくれ男の我がままを、笑って飲み込む男、ウチダ氏。

カッコいい男が、身近にいると、助かる。


2009/07/14 AM 06:17:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | [日記]

美しく歩く人
今だから言えるのだが・・・・・。

実は、6月中旬あたりから、体調がかなり悪かった。
「いったい、どうしたんだ! 俺の体は」という感覚が、いつも小さな恐怖を呼んでいた。

4月に体調を崩して、19日間入院した。
過労だった。

それは、人生で初めての出来事だった。
自分の体が思うようにならない、もどかしさ。
いつも体が宙を浮いているような感覚。

ただ、家族を養わなければいけないし、入院前後に色々な人に迷惑をかけた関係上、退院してからは、それを挽回するために懸命に働いた。

無理をした、と思う。

その反動が、6月中旬にやってきたということだろう。

電車に乗っている最中に、突然意識が薄れ、気が付いたら、目的の駅より遥か先まで行ったことは、一度だけではない。
仕事をしている最中に、マウスを持つ右手が突然冷たくなり、徐々に体全体が冷たくなっていく。
呼吸が苦しくなり、視界が暗くなる。

「俺は、このまま死ぬのか」、と思ったことも一度だけではない。

退院してから、3度定期健診を受けた。
そして、医師が毎回言う。

「人間は、ガンとか脳溢血とかいう、わかりやすい病気で死んでいく人ばかりではないんですよ。
過労で死ぬ人も多いんです。
心臓が突然止まったり、街を歩いていて突然意識がなくなって倒れ、頭を売って死ぬとか。
あるいは、駅のホームで気を失って線路に倒れこみ、電車に轢かれて死ぬとか。
今のMさんは、そういうリスクが高いんです。だから、思い切って2週間程度休むことをお勧めします。
そうすれば、体重もすぐ元に戻りますよ。そして、健康体になります」

医師はそう言うが、貧乏なフリーランスが長期休むことは、即「死」を意味する。
そして、まわりに迷惑をかける。

医師の言うことは、もっともなことだが、休めない人もいるのだ(むしろ、その方が多いのではないか)。

体調が悪いことを隠していても、家族には、わかる。
土気色の顔色。痩せた体。動きも緩慢である。
そして、走ることをやめたガイコツ親父。

中学2年の娘が、「おまえ、大丈夫か? 無理してるだろ。仕事なんか、ほっといて、休んじまいな」と、心配する。

それに対して、ヨメと大学1年の息子は、何も言わない。
私が「うるせえよ! 大丈夫だよ。元気だよ」と強がるのが、わかっているからだ。

娘もそれは、わかっているのだが、言わずにはいられないのだろう。

そのどちらもが「家族の優しさ」と言っていいものだ。

娘が、さらに言う。
「点滴でも受けてきたらどうだ。かなり違うんじゃないか」

しかし、もったいない。
「また入院することになったら、『モッタイナイ』なんて言ってらんないんだぞ! それくらい、わかるだろう!」
娘にしては、珍しく強い口調で、叱られた。

そこで、月曜日から金曜日までは今までどおり忙しく働いて、土曜日に点滴を受け、日曜日は休養に当てることにした。

そうすると、土曜日の点滴を待ち遠しく感じている自分がいることに、大きな驚きを感じた。
それは、つまり・・・、それだけ、疲れているということか。

そんな日が、続いていた。

金曜日。
疲れを引きずりながら、朝早く大宮の印刷会社に仕事の打ち合わせに行った帰り、大宮第3公園のベンチで休んでいた。
空は、梅雨特有のどんより感を、天井一面に主張していた。
そして、湿気が多く、蒸していた。

閑散とした公園のベンチで、ポカリスエットを飲みながら、ため息をつく。
たまに、雨が落ちてくる。

びしょ濡れに、なりたいな。

意味もなく、つぶやく。

今日も朝から、からだ全体が、だるい。
しかし、明日は、点滴の日だ。
つまり、今日一日、我慢すればいい。

そんなマイナス思考。
負け犬・・・・・。

そんな私の前を、「歩く人」がいた。

手を大きく振って、大またでウォーキングする60歳前後の長身の女性。
短く借り上げた髪。
白のTシャツ、赤の短パン。

それが、美しく躍動している。
右手に持った白いタオルも、からだの動きにつられて、リズミカルに躍動している。

見とれた。

美しい、と思った。

私は、その美しく躍動する姿につられて、自分も歩き出していた。
ジョギングはするが、ウォーキングは、ほとんどしたことがない。

歩くよりも走る方が楽だ。
いつも、そう思っていた。

蒸し暑さの中でのウォーキング。
10分で、汗が噴き出してきた。
そして、バテた。

健康な時は、20キロを走っても、平気でいられた。
しかし、今は10分の歩きでさえも、へこたれる体。
人間のからだは、こんなにも簡単に壊れるものなのか。

無残な思いを抱きながら、30分歩いた。
「歩く人」は、もうどこかに消えていた。

そこで歩くのをやめてもよかったが、体のどこかで、「やめるな」という声が聞こえた。
汗が、気持ちいいのだ。

全身をつたう汗。
息が上がる。
足がもつれる。

しかし、この数ヶ月間感じたことのない、気持ちよさ。

飛び散る汗を意識しながら、結局1時間半、歩き続けた。

そして、何かが「ぬけた」と思った。

それは、「怖がっていた自分」かもしれない。
今まで生きてきて初めて感じる、わけのわからない不調。
それに怯えていた、自分。

そんな怯えを吹き飛ばせたかもしれない。

家に帰って、発泡酒を立て続けに2本飲んだ。
友人からもらった高山ラーメンを2人前食い、どんぶり一杯のメシも、かき込んだ。

本当に「ぬけた」かもしれない。

土曜日。
試しに、3キロ走ってみた。

息切れもめまいも、ない。
自分の体への「恐怖」が、消えたのか。
5キロ走ってもよかったかもしれない。

久しぶりに感じる高揚感だ。

そんな私を見て、娘が言う。
「お前、肌のツヤが良くなったんじゃないか」

そうか! わかったか!
実は、化粧品を変えたんだよ。

娘に、頭を張り倒された。

張り倒された私の今の体重、55キロ。

おそらく、これから増えていくことだろう。


2009/07/12 AM 07:28:47 | Comment(2) | TrackBack(0) | [日記]

讀賣アレルギー
私は、讀賣新聞アレルギーです。

それなのに、私とヨメがいない間に、義母が讀賣新聞と契約してしまったんですよ。
朝、配達されてきた新聞を見て、私の全身には大きな鳥肌が立った。

「新聞くらい、普通の家は、とってますよ。何でとっちゃいけないんだい?」と、義母はそう言うが、では、新聞は俺に今まで何を与えてくれた?
情報? 知識? 世界情勢?

そんなもの、今のご時勢、新聞でなくても、簡単に手に入りますよ。
そう思って、新聞を取らなくなって何年が経つだろうか。
十年以上経つかもしれない。

今は、どうか知らないが、新聞には署名記事が少ない。

考えて見ましょう。

名前のない答案用紙は、零点をつけられる。
差出人の書いてないハガキや封書は、胡散臭がられる。
名前の書いてない企画書や稟議書は、相手にされない。

それなのに、なぜ新聞は、名無しの記事を書くのだ。
それが、私には、理解できないのである。

名無しの記事を真に受けるほど、俺は、人間ができていないぞ!

そんなことを昔から感じていたが、それでは、なぜ私が讀賣アレルギーになったかの説明にはなっていない。

今は知らないが、讀賣新聞は、広告だけが目立つ。
他の新聞に比べて、広告イメージが大きく目に入ってくる。

それは、商業媒体としては仕方ないことかもしれないが、まがりなりにも新聞ですよ。
内容よりも広告が目立つというのは、メディアの立ち方として、いかにもアンバランスではないでしょうか。

そして、自民党寄り、権力(司法、特に検察)寄りの報道。
メディアの立ち位置は、権力から距離を置いて、権力に批判的であるべきなのに、擦り寄って、まるで権力に跪くような報道が目立つ腰の砕けた姿勢。

権力に靡きたいのなら、一面に「自民党機関紙」「検察擁護紙」を掲げればいい。
その方が、いっそ潔くないか。

さらに、自己の所有するスポーツ集団に対する過剰な報道。

地方紙が、その地域のスポーツ集団に対して肩入れするのは、まだ微笑ましいと思う。
しかし、まがりなりにも、讀賣は「全国紙」なのだ。

その全国紙が、一チームにのみ偏った報道をするというのは、明らかに「メディアの自殺」ではないだろうか。
私は、ずっとそう思っていた。

だが、義母は、讀賣の販売戦略に乗せられ、某球団の名前の入ったバスタオルに心を動かされて、新聞を取ることになった。

その行為を責めるのは可哀想な気もするが、偏執的な性格の私は、それを受け入れることができないのだ。
ヨメと大学一年の息子は、柔軟な思考の持ち主なので、「半年くらい、いいんじゃない。もう契約してしまったことだし」と、鷹揚である。

それに対して、偏屈な性格の中学二年の娘と私は、「もったいない! 意味がない!」と拒絶する。

実際は、「半年くらい」というのが、大人の対応だろうが、現実的な話をしてみよう。
半年で、新聞の購読料が2万円強。
それは、たとえば、パートやアルバイトで、千円の時給で20時間以上働いて、やっと得られる金額だ。

君たちは、懸命に働いて得た給料で、讀賣新聞を6ヶ月取りたいと思うかね?
さあ、どうだ!

・・・・・・・・・・・・・・・。

「やだ!」

多数決により、讀賣新聞は、解約することになった。

義母には申し訳ないが、「ちょっとボケているので」という理由で解約させてもらった。
その言い訳は、簡単に通った(しかも、バスタオルは返却しなくていいらしい。専売所さん、広いお心で対応していただき、感謝いたします)。

しかし、それでも私の悩みは尽きないのだ。

義母は、我々が不在の時、かかってくる電話すべてに出てしまうのである。

ナンバーディスプレイを見て、関係のない電話は出ないで下さい、と言ってある。
しかし、それでも彼女は出る。

そこで考えた。
ナンバーディスプレイの文字は、彼女には見にくいかもしれない。
だから、彼女の子ども(長男、次男)からの電話だけ、着信音を変えよう。その音の時だけ電話に出ればいい、という設定は、どうだ!

しかし、彼女は、そんな工夫をあざ笑うかのように、すべての電話に出続ける。
その結果起こるトラブルの数々(それは、書くのもしんどいくらい、さまざまな嵐を呼び続けている)。
我が家が固定電話をやめた原因は、こんなところにもある。

そして、どんな訪問者にも対応する、彼女の臨機応変さ。
義母は、「呼び鈴が鳴っても、出ないでください」という我々の願いを無視して、相手を確かめもせず、ドアを開けるのだ。

新聞の契約。
牛乳の契約。
ヤクルトジョア。
宅配クリーニング。
常備薬のセット。

内弁慶の義母は、それらを断ることができないのである。

「私は、牛乳なんか飲まないよ。体質に合わないからね!」
「私はジャイアンツファンだよ! 何で、わざわざ敵のヤクルトをとらなきゃいけないんだい!」
「洗濯は、自分でしますよ! クリーニング屋に出すなんて、お金の無駄だろ!」
「薬は、病院から渡されたもの以外飲みませんよ。医者にもそう言われたからね!」

我々にはそう強弁するが、彼女は、訪問販売のすべてを広い心で受け入れるのだ。

その度ごとに、私は尻拭いに時間を取られる。

「いいじゃない。それくらいは」とヨメは簡単に言うが、そのたびごとに、我が家の家計は、確実に細っていくのである。

そして、そのたびに「俺は、十年以上も小遣いゼロで・・・」という言葉を飲み込むとき、私は、己の小ささを実感するのだ。

小さい己の今の体重、54キロ。

ほら! 1キロ減ったぞ!

讀賣新聞のせいだ!(ホントに小せえ)



2009/07/10 AM 05:10:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | [日記]

酒臭いのは、誰だ!
近所の印刷会社。

ここの社長の独特な性格と自分勝手さに関しては、何度かブログに書いたことがある。

さらに、このヤホー親父の思い込みの激しさは、確実に人を怒らせるというお話。

先日、他の会社のデザイナーがやった仕事の修正をして欲しい、という都合のいいことを電話で言ってきたので、断った。

しかし、何度も電話がかかってくる。
「頼むよ。デザイナーは、今日から出張らしいんだ。今日中にフィルムを出しとかないと、明日朝の印刷に間に合わないんだよね」

他を当たりましょう(切)。

「こんなこと、Mさん以外に頼めないからさぁ。一生のお願い」
一生のお願いを、何度聞いたことか(切)。

「今から車で迎えに行っていい? それに、いつもの2倍の代金払うからさ」

わかりました。

修正は、簡単だった。
30分程度で終わった。
その場で、作業伝票を書き、サインをもらった。

「2倍かぁ」とボヤかれたが、知ったこっちゃない。

「ところで、Mさん、最近うちのプリンター使ってないようだね」
そうですね。あとで何か言われるよりは、使わない方がいいか、と(その件に関しては、こちらなど)。
ただ、ご安心ください。機械のメンテナンスは、今まで通りしていますから。
なお、その分に関しましては、しかるべき請求をさせていただきますので、ご了承ください。

それに関して、否定の言葉も感謝の言葉もなく、ヤホー親父は、無神経にこう言うのである。

「あれ! Mさん、昼間っから酒かい? いい身分だねえ」

これだ!

この親父は、今までも何度か、こんな言いがかりをつけてきたことがある。
今までは、笑って済ませてきたが、今回は、あやふやにはできませんよ。

私は、その日、酒を飲んではいない。
前日も飲まなかった。
前々日は、発泡酒を2本飲んだ。
しかし、前々日の酒が、2日後まで残ることは、ありえないだろう。

それは、たいしたアルコール量ではないし、私は、ヤホー親父と違って、毎日風呂に入って、シャワーを浴びているのだ。
匂いが残ることは、絶対にないと断言できる。
歯磨きだって、食後に必ずしてますからね。

私は、あなたとは違うんです!(古い)

私は、意地になって、社長の会社のMacオペレーターに、聞いてみた。
俺、酒臭いですか?

「いえ、全然、匂いませんけど」
彼女は、社長にもズケズケとものを言う気概を持った、ハッキリした性格の人である。
だから、適当なことを言って誤魔化すことはない。
信頼できる人だ。

しかし、ヤホー親父は、赤い顔をして眉間にしわを寄せるのだ。
「俺の鼻は、正しいの! 今まで、間違ったことなんか、ないんだから!」

そこで、今度は、印刷担当のカヌマさんに、聞いてみた。
「え! 匂うわけないでしょ! Mさんは、いつも爽やかですよ」
カヌマさんは、いい人だ。
この人も、真実しか言わない信念の人だ。

「何言ってんの! Mさん、酒臭いよ! 俺がそう言うんだから、絶対そうなの!」

次に、製本担当のヨネダさんにも、聞いてみた。
ヨネダさんは、私の全身を嗅いだあとで、断言した。
「無臭! Mさんは、無罪です!」

そこにいたっても、ヤホー親父は、自説を曲げない。
「みんな、おかしいんじゃない?! このひと、絶対に臭いって!」

そんな風にヤホー親父が、騒いでいる時、業者がご機嫌伺いに来た。
たまに、この会社で出くわす顔である。
だから、お互いに軽く会釈した。

そして、その業者は、目配せをしながら、印刷所の隅に歩いていった。
おそらく、私に話があるという意味だろう。
業者のあとを付いていった。

振り返る業者。
年齢は、40歳前後か。
モアイ像のような顔をしていた。

そのモアイ像が言う。
「社長は、自分が前の日、酒を飲みに行ったときは、業者に対して必ず『酒飲んだろ』って言うらしいですよ。つまり、あれは自分のにおいなんです。真に受けるのは、馬鹿馬鹿しいですよ」
ニヒルに笑うモアイ像。

そうか、そういうことだったのか!
つまり、付き合うだけ損だってこと?

私は、「アホクサ!」と、ひとこと残して、印刷会社を後にした。

しかし、家に帰ってから、ひとり反省した。
「こんなつまらないことで感情的になる俺は、どこかに修行でもしに行ったほうがいいかもしれない」

修行に憧れる私の今の体重、55キロ。
日曜の夜、カレーを3杯食っても、あまり体重は、増えなかった。

やけ酒でも、飲むか・・・。



2009/07/08 AM 04:39:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | [Macなできごと]

偶然・偶然・偶然
店の前に、行列が出来ていたので、とりあえず並んでみた。

普段は、行列嫌いなので、そんなことはしないのだが、雨宿りもかねて並んでみたのだ。
そうしたら、卵のタイムセールの行列だった。

1パック78円の卵をゲットした。
得をしたぞ、と鼻息荒く家に帰ったら、ヨメが玄関で出迎えてこう言った。

「88円の卵、お一人様2パックまでを並んで買ったのよ。すごいでしょ!」

そして、大学一年の息子が家に帰ってくるなり、袋を差し出して言ったのだ。
「さっき通りがかりに、コイズミのお母さんに会ったら、『余分に買ってしまったの、もって帰ってくれる』って、渡されたんだ」

中を見ると、卵が2パック。
つまり、全部で、卵が50個。

こんな風に、偶然が重なることが、世の中には、よくある。

先日、得意先に行ったら、得意先の部長が、「Mさん、これ読んだ?」と、今話題の村上春樹の「1Q84」を見せた。

村上春樹は、好きだが、読んでいません。
ベストセラーは、読まない主義なんですよ。
なんか、ヒステリー現象っぽくて、嫌なんです。

こんな失礼な言い方にも、部長は、鷹揚な笑いを作って、「まあまあ、そんなことを言わないで、読んでみたら。すごいよ、ハルキ・ワールドは。俺が今まで読んだ中でも、一番面白い小説だったかな」と、本を押し付けられた。

そうまでいわれて押し付けられた本を、押し返すわけにはいかない。
だから、重い本だったが、持って帰った。

しかし、読むつもりはない。
村上春樹の小説は、デビュー作の「風の歌を聴け」以来、数冊読んでいる。
そして、彼こそが、日本の財産であることも承知している。

だが、それでも読むつもりはない。
ヒステリーが落ち着いて、ブックオフで2冊210円で売られるようになったら、おそらく読むだろう。
それを楽しみにしている。

そんなことを思っているが、ヒステリー現象は、かなりの勢いで広がっているようだ。
普段は、日本の小説などまったく読まない、得意先の翻訳会社社長F氏が、「これ読んだ?」と私に見せたのが、「1Q84」だった。

「もし読んでいないなら、貸すから読んでみた方がいいよ。村上春樹は、日本の財産だよ」

断りきれずに、家に持ち帰った。

本棚に並ぶ、「1Q84」2セット。
これも、偶然というものなのか?
でも、絶対に読まないぞ。

マクドナルドのフィレオフィッシュが、午後2時から100円で販売されている。
キャンペーン初日の7月3日、早速1個買って食った。
そして、食ったあとに、浦和の得意先に行った。

社員総勢9名の編集会社。
赤いジャージの上下を着た女性担当者(ヤンクミ?)の隣のデスクは空いていて、そこには、フィレオフィッシュが山盛りになっていた。
数えたくはないが、30個以上は、あるような気がする。

社員が9名しかいないのに、何でこんなに、フィレオフィッシュが?
すると、赤ジャージが、「1個どうですか?」と、勧めてきた。

1個食ったばかりだったが、フィレオフィッシュは嫌いじゃないので、お言葉に甘えて、また食った。
そして、打ち合わせを終えて帰るとき、赤ジャージに聞かれた。

「Mさん、ご家族は、何人ですか?」
5人ですが。
「じゃあ、持ってかえって」と、5個のフィレオフィッシュを袋に入れて渡された。

こちらのブログに書いたことがあるが、私の中学2年の娘は、フィレオフィッシュが大好きだ。
きっと、喜ぶだろう。

だが、我が家に帰って見ると、リビングのテーブルの上には、フィレオフィッシュらしきものが、7個。
ヨメと娘が、買ってきたものらしい。

つまり、フィレオフィッシュが、合計12個。

娘が、ガハハと笑いながら言う。
「でも、アタシは、こいつが好きだからさ。3食責任をもって食べてやるよ」

ということで、全部ラップに包んで、冷凍することにした。
金曜日、娘が1個食った。
土曜日は、娘が4個。息子が、2個。ヨメが1個。私が2個食った。

余りは、2個のはずだった。
それは、昨日の夜確認してある。
しかし、娘が朝早くから叫ぶ。
学校に行く前に食おうと思って、冷凍庫を開けたら、フィレオフィッシュが、1個もない。

「誰が、食ったぁ!」

ヨメ、息子、私は、食っていない。

となれば・・・・・・・・。
あの人しかいない。

台所が火事になってから、彼女は、台所に近づくことができ
ない。
トラウマというやつだろう。
台所の方を見ると、顔が蒼白になるのだ。

だから、彼女の要望で、冷蔵庫だけは、台所の外側に置くことにした。

彼女が、冷凍庫を開けて、フィレオフィッシュを取り出すことは可能だ。
だが・・・・・、と思う。

電子レンジは、台所に置いてある。
あれを使わなければ、冷凍したものを食うことは、できないはずだ。

それとも、自然解凍をしたのか?
いや、それはありえない。

彼女は、たった3分のバスの遅れを我慢できなくて、すぐにタクシーを拾う人なのである。
病院で、少し待たされただけで、「処方箋を出すのが遅い!」と、金も払わずに、帰ってしまう人なのである。

自然解凍には、一体どれくらいの時間がかかるのか?
その時間、彼女がじっとそれを待つことは、性格を他人と入れ替えなければ、絶対にできないことだ。

「冷凍のまま、食べた?」と、娘。
「お風呂のお湯で戻したのかも」と、ヨメ。
「猛烈な食い気が、トラウマに打ち勝ったということは?」と、息子。

「あたしゃ、朝ごはん、いらないからね」

彼女が、食ったことだけは、間違いないがようだが・・・。


2009/07/06 AM 09:04:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | [日記]

カレーは、やっぱり、おふくろの味
ご飯より、パンの方が好きだ。
ご飯より、パスタの方が好きだ。

つまり、和食より洋食のほうが好きだ。

昨日、桶川の得意先で、担当のフクシマさんとそんな話をした。
当然、麻生久美子似の事務員も、隣にいた。

「俺は、ご飯を食べないと力が出ないタイプなんで、どちらかというと和食派ですかね」と、フクシマさん。

「私は、美味しければいいです。和食でも洋食でも、中華でも」と言うのが、麻生久美子似。

なぜか、3人でハンバーグ弁当を食いながら、語ったのである。
それは、どうにかして私に太って欲しいという、フクシマさんたちが、私に示す優しさだった。

私のライスだけが、大盛りである。
そして、打ち合わせ中にもかかわらず、私だけが缶の一番搾りを飲んでいる。
7メートル先には、犬と戯れる社長の姿がある。
ここは、そんな変な会社だ。

「そう言えば、Mさんにとっての『おふくろの味』って、何ですか」と、フクシマさんが聞く。
私が考えていると、麻生久美子似が、「私は、味噌汁かな。定番ですよね」と答える。

フクシマさんは、「俺は、おいなりさんかな。上品な甘さが、最高なんですよ」と、遠くを見つめるような目をして、片手でお稲荷さんを食べるしぐさをした。

私は・・・・・・、何だろう。

思い出せない。

そもそも、母親の手料理を食ったことが、ほとんどない。
それに関しては、以前ブログに、こんなことを書いた。

これを読むと、私の食生活の貧しさが、よくわかると思う。
子どもの頃の食生活は、その人の食に対する感覚を左右すると思う。

ただ、だからと言って、色々なものを犠牲にして、私を育ててくれた母を恨むなどということは、あり得ない。
人を育てることの厳しさ、難しさは、親になった今、重く実感している。

母は、忙しく働いていたので、料理を作れなかった。
それは、仕方のないことだ。

ただ、その反動と言っていいのか。私は、どんなに忙しくても、自分の子どもには、手作りの料理を与えることにしている。

食感覚の貧しい私は、自分の食うものは、どうでもいい。
ソーメンを、つけ汁なしで食っても、美味いと感じる男なのである。

しかし、家族には、美味いものを食わせたい。
だから、最大限の工夫をして、食卓を飾る。
それは、自分の貧しさを強く自覚しているから、そうなるのかもしれない。

「ああ、そう言えば」とフクシマさんが言う。
口の中には、ハンバーグが充満している。
彼の母親は、ひとと会食中は、食べ物を飲み込んでから喋った方がいい、ということを教えなかったようである。

「カレーライスって、確実に『おふくろの味』ですよね」

「確かに」と、麻生久美子似が頷く。
「カレーライスは、各家庭ごとに味が違いますからね。お母さんの工夫が詰まってますものね」

嬉しそうに盛り上がる、桶川で働く男と女。
ひとりは、おバカさん。
もう一人は、けだるい雰囲気をまき散らす美女。

おふくろ手作りのカレーライス。
私は、食ったことがない。

いや、一度、あると言えばあるか。

あれは、私がヨメと駆け落ち(死語?)をして、1年数ヶ月ぶりに、ヨメを伴って実家に帰った日のことだ。
非常識なことをした我々を咎めることなく、母は、笑顔で迎えてくれた。

そして、珍しく彼女は、エプロンを着けていたのだ。
おそらく初めて見る母のエプロン姿。

そのまったく同じデザインで、色違いのエプロンをヨメに渡して、母がこう言った。
「ユミコさん。一緒にカレーを作りません?」

料理なんか、ほとんど作ったことがないのに。
カレーなんか、作ったことがないのに。

同じデザインのエプロンをつけて、台所に立つ、ヨメと母。

ぎこちない手つきで、ジャガイモの皮をむく母。
「水は、どれくらい入れればいいのかしら」
母が、ヨメに、遠慮がちに聞く。

横顔が、笑っている。

色々な屈託があるはずなのに、全然無理をしているように見えない母の笑顔。

心の中で、「ごめん」と言うしかなかった。

カレーのにおい。
母とヨメの合作料理。

カレーを作ることで、母が我々に伝えたかったこと。

今では、少しわかる気がするが、そのときは、ただ涙をこらえるのが精一杯だった。

泣きながらカレーを食う、母とヨメ。

カレーは、確実に、おふくろの味だと私も思う。

明日の日曜日は、我が家では、カレーの日。
カレー好きな私の、今の体重、54.5キロ。

明日は、カレーを3杯、食ってみるか。



2009/07/04 AM 09:03:38 | Comment(1) | TrackBack(0) | [日記]

思わず鳥居みゆきを「師匠」と呼んだ日
道に迷ってしまった。

初めての家。三鷹市牟礼の同業者の家に行こうとしていた。
手書きの地図を送ってもらったのだが、その地図があまりにも簡潔すぎて(手抜きで)、方向音痴の私には、理解不能だった。

牟礼という場所は、大きな団地があり、マンションもある。公園もあり、畑もある。
しかし、地図にはランドマークが書いてないから、何を目印にしたらいいか分からないのだ。

30分、同じ場所をうろついた。
そして、面倒くさくなった。

空は梅雨特有の陰鬱さで、どんよりとしている。
憂鬱だ。
そんな憂鬱な気持ちを抱えたまま、団地内の公園の東屋のベンチに腰を下ろした。

携帯用魔法瓶に、コーヒーを入れてきたので、それを飲もうと思った。
私の場合、どんな暑い時でも、コーヒーはホットで飲む。
すると、そんな私をみな変人扱いするのだ。

えー! こんな暑いのに、ホットかよ!

コーヒーは、ホットが基本だろ。アイスコーヒーこそ邪道だ。

では、君たち。
暑い夏に、わざわざハンバーガーを冷たくして食べるのかね?
カレーライスを冷やして食うのか?
カツ丼も冷やして食うか?
(究極の言いがかり)

熱いコーヒーを、ふた口飲んだ。
心が、落ち着く(ような気がする)。

三口目を飲もうとした時、左目の視界に、怪しいものが映った。
白のレインスーツ。
髪はボサボサ。そして、全身からあふれる妖気。

鳥居みゆき

目を凝らしてよく見ると、白のレインスーツのせいで、鳥居みゆきに似ていると思った女は、50歳近い年齢で、ウド鈴木のような情けない顔をしていた。

私の3メートルほど前で、仁王立ちになる鳥居みゆきに雰囲気は似ているが、顔はまったく似ていない女。
怪しい、そして、妖しい。

その女が、甲高い声で、言った。

「人間はね、見た目が肝心なんですよ!」

なんだ、こいつ?
まさか、アチラの世界の人か?

「人から、どう見えるって、ことではないのですよ。自分の意識の問題です。着飾ること。それで、人は、何かを身に着けるのです。今より一つ上、二つ上のランクの服を着てごらんなさい。内面も少し変わるはずです」

ん??????

「貧しくても、着るものは、無理をしてごらんなさい。たとえば、1週間に1度でもいい。家族そろって、少しおめかしして、レストランに行くんです。高級レストランでなくてもいい。とにかく、着飾ることが大事なんです。他の時は、貧しくてもいいんです。そのときだけ、頑張って着飾りなさい」

ほー、そうですか。

「貧乏の神様なんていないんですよ。でも、幸福の神様は、います。幸福の神様は、見た目で判断するんですよ。そこは、人間と一緒です。神様は貧しい格好には、目を奪われないんです。貧しい格好の人は、諦めているように見えるんです。着飾ることは、努力すること。神様は、その努力を見ているんですよ」

うんうん。

「だから、あなた! まずは着飾りなさい! それが、努力することにつながるんですから!」

はい! 師匠!

仁王立ちで語る、鳥居みゆきに雰囲気は似ているが、顔はまったく似ていない女。
目には、妖気があるが、威厳もある。説得力もあったような気がする。

放心状態でいると、鳥居みゆきに雰囲気は似ているが、顔はまったく似ていない女が、スローモーションのように近づいてきた。
そして、言う。

「のどが渇いたんですが、その飲み物少しもらえます?」

はい! 師匠!

手渡したコーヒーを一気に飲む、鳥居みゆきに雰囲気は似ているが、顔はまったく似ていない女。
一気飲みは、熱いんじゃないですか?

しかし、彼女は、何事もなかったように、「ありがとうございました」と、深く頭を下げ、すぐに背を向けた。

その姿に向かって、心の中で拝む「中年迷子男」。

そんな「中年迷子男」の今の体重、54.5キロ。
また、少し減った。

しかし、体重はともかく、着飾ることも重要かな、と考えさせられた一日だった。
ただ、あの女は、いったい何だったんだ? という疑問は、消えないが・・・。




2009/07/02 AM 06:10:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | [日記]



(C)2004 copyright suk2.tok2.com. All rights reserved.