Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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不景気自慢がとまらない
同業者との、盛り上がらない新年会。

私が、「前年と比べて12パーセント減だよ」と言うと、「俺は25パーセント減だよ」「俺は、3分の1減ったぞ」「僕は2割減りましたね」と5人揃って、不景気自慢を繰り広げる。


「前歯が2本欠けたんだけど、歯医者いく余裕ないよ」
「車、使わなくなったね。最近は自転車が多い」
「同じ靴を一年間履きっぱなしなんて、今までなかったよ」
「痔が悪化したんだけど、医者にも行けねえ」
「灯油、高いだろ。ことし生まれて初めて石油ストーブを使わなかったな」
「事務所畳んで、自宅で仕事しようかと本気で考えてるんだ」
「回転寿司、10皿以内で我慢することにした」
「携帯は、自分からはかけないことにした。これ、意外と節約できるもんだよ」

不景気自慢が止まらない。

その不景気自慢の中で、私の「12パーセント減」を「その程度ならいい方じゃないか。羨ましいよ」と、みな口々に責めるのである。
しかし、私の場合、義母という名のモンスターを扶養家族としてエントリーしている。
言いたくないが、これが大きいのだ。

食費はもちろん、医療費などの負担が大きい。
衣服などは、自分の小遣いから出して買っているようだが、それ以外はすべて当方持ちである。

義母がもらっている年金は、義母の長男がすべて握っていて、義母は長男から1週間おきに「お小遣い」という形で、送金を受ける。
義母本人がもらうべきお金を長男が支配し、「お小遣い」として分配するというのは、私としては釈然としないのだが、この件に関しては、長男にも言い分があるようだ。

義母は、今まで何度も財布を失くしてきた。
時に十万円以上の現金が入った財布を落とすこともあったらしい。
その都度、長男が尻拭いをしてきた。そこで、短気な長男は、義母から支出に関する権限をすべて取り上げて、管理することにしたという。

1週間おきに義母に送金される金額が、どの程度のものなのか、私たちは知らない。
義母自身も、自分の通帳に残高がいくらあるのか、全く把握していない。
だから、義母が我が家の家計をサポートすることは、絶対に出来ない。

このような理由で、12パーセント減は、私の感覚としては、大げさではなく3割、4割減にも感じられるのだ。

「最近、もやしが出てくる回数が、増えたよね」
高校3年の息子が、鋭く指摘する。

その話をすると、「ああ、俺んちも増えた。肉の量も少なくなったしね」と賛同する貧しい民びと。

居酒屋のテーブルを見ると、昨年までは所狭しと料理がその存在を主張していたものだが、今年は、ひとり2品程度しか頼まないから、スカスカに見える。
いつも頼んでいた「刺身の盛り合わせ」も今年はない。
そして、挨拶がわりの中ジョッキを飲み終わったあとの追加の酒が、各人2杯程度である。
メニューの金額の部分を食い入るように見てから、みな慎重に注文しているのだ。

一番年の若い一流デザイナーのニシダ君が、「僕、お小遣い2万円減らされちゃいました」と、ため息交じりに言った。
すると、「俺も1万円減らされた」「俺は半分に減らされたよ」「俺は2万円ポッキリ。だから、タバコやめた」と、また不景気自慢。

だが、一呼吸おいて、みなの視線が、私の顔の方にゆっくりと向けられたのである。
そして、含み笑いを顔に貼り付けて、頷きながらこう言うのだ。

「ああ、Mさんはもともとお小遣いゼロだから、関係ないよね。ハハハハ」

安心したような、勝ち誇ったような4つの顔。

ひとは、自分より劣った人間の存在を見ると、安心する(らしい)。


2009/01/27 AM 08:13:11 | Comment(2) | TrackBack(0) | [Macなできごと]



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