Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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ワインは旨いのか不味いのか
朝からワイン。

いい身分である。
朝からワインを飲むなど、私の人生でおそらく・・・、2度目?
しかも、結構いいワインらしいですよ。

千円以上のワインを飲んだことが、数えるほどしかない私は、それ以上の金額のワインを飲むと思考停止することが、今回わかった。
一口飲んで思った。
「これ、うまい・・・・・のか?」

香りは、良かったような気がする。
たまに飲む1本400円程度のものとは、そこだけは、あきらかに違う。
芳醇な、という喩え方があるが、芳醇なものを私は飲んだことがないので、その表現は使えない。

二口、三口飲んでみた。
「うまい・・・のかな?」
うまい、と言っておけば、すべて丸く収まるだろうが、率直なことを言って欲しいといわれたので、「あん?」という反応しかできなかった。

そんな私の反応をもどかしげに見ながら、「で、どうなんだ?」と、ススキダが眉間に皺を寄せて聞く。
新しいワインの宣伝を頼まれたススキダが、コピー(文章)を書くために、何人かにワインを試飲させて、感想を聞いているのだ。

しかし、明らかに、彼は聞く相手を間違えた。

千円以上のワインなんて、みんな一緒だ!

そんな固い信念を持つ私に、高級ワインなど赤い色の水にしか見えない。

「赤い色の水? そのままじゃねえか!」
極道顔のススキダの眉間の皺が、さらに深くなる。

「ワイン飲んだこと、あるだろうが! もっと、気の利いたことを言えよ。仕事なんだからよ!」

仕事だからこそ、率直な意見を言ってるんだ。
ワインは、赤い水だ。そして、何度でも言う。千円以上のワインは、俺にとってみな同じだ。

「要するに、味覚もボキャブラリーも貧しいってことだな」

7年も付き合っていて、やっとわかったのか。俺は、すべてが貧しいんだ!

呆れ顔のススキダ。
極道顔が、少し曇っている。
そして、次は困り顔。
ただ、どちらにしても、怖い顔であることに変わりはない。

そんな怖い顔の男に向かって、私はさらにこう言った。
4千円と言えば、4千円の味だ。
それ以上の値段をつければ、それ以上の味に感じるが、それ以下の値段なら、その程度の味に感じるであろう。

私のそんな意見を聞いてススキダは諦めたのか、ワインを口に含んで目を閉じた。
そして、もっともらしく口を動かして、味わう振りをする。
ソムリエ気取りで、もっともらしい顔をしても、顔の仕上がりが怖いから、説得力がない。

笑うしかない。

だから、笑った。
それが気にさわったのだろうか。
ススキダは、極道顔をさらに険しくして、やけ気味にワイングラスを呷った。

しかし、その姿は、なかなか良かった。
極道顔にふさわしかった。
その顔に敬意を表して、私は拍手をした。

パチパチパチ・・・・・・。

睨まれた。
そして、言われた。

「おまえ、このワイン5本やるから、全部飲んで、レポートを書け。俺を唸らせるような文章を書け。そうしたら、それなりの報酬を払う」
そう言いながら、ススキダは報酬額を紙の端っこに書いた。

おー! 思いがけぬ高額!
その額を見て私はやる気を出した。

そして、いまワインを飲みながら、仕事をしている。

ワインを飲んでみて、私はわかった。

ワインは美味いかどうかわからない。しかし、確実に酔う。
そして、思考停止・・・・・。


2009/01/23 AM 08:09:33 | Comment(2) | TrackBack(0) | [Macなできごと]



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