Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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仕事ないですよ
不況だ。

だから末端の三流デザイナーは、暇である。
仕事の総量が減っているから、新規開拓は難しい。
同じ理由で、お得意様の仕事も減っている。
だから、仕事が廻ってこない。

転職でもするか、と悲観的なことを考える。
しかし、冷静に考えてみよう。
何の取り得もないオレ。
どんな使い道がある?

あるわけがない!

やはり、細々と地を這うように、この仕事を続けるしかないのか。
この二ヶ月、仕事を得るために、考え得る限りの方法で仕事漁りに奔走したが、まとまった仕事は手にできなかった。

現実は、厳しい。

そんな悲観的なことを考えていた火曜日。
同業者から仕事の依頼が来た。

「急ぎの仕事だよ。環境団体の小冊子の編集だ。サイズは、A6。文字打ちも含めて36ページ。表紙だけカラー、あとは1色。写真は55点で、画像データは全部そろってる」

おお、待望の仕事? まあ、急ぎと言っても、このボリュームなら最低一週間はくれるよな。

「いや、三日でやって」

え? 三日? このボリュームの仕事を三日?

「いやなの!」

嫌なんて言ってないだろ。

「じゃあ、できるよな!」

何だか今日は随分と強気だな。いつもなら少しオドオドした感じなのに、こちらが暇だと思ってなめているのかな。
しかし、アホな同業者とはいえ、客は客。
相手を立てないといけないだろう。

よくこんないい仕事が取れたねえ。この不況の時代に、たいしたもんだ。
Kさんも、やるときは、やるねえ。

「そりゃそうさ。この仕事、十年以上やってるんだからね。この程度の仕事を取るのは、わけないさ」

たいしたもんだねえ。本当に、たいしたもんだ。いやあ、・・・たいしたもんだ。

「言っとくけど、偶然舞い込んできた仕事じゃないんだよ。何度も足を運んで、もぎ取ったんだ。今の時代、座っているだけで仕事が来るなんてことはありえないからね。苦労したんだよ、ホント・・・(言葉に詰まる)」
興奮して一気に喋ったから、息が荒くなったようだ。
息を吐き出す音が、受話器を通して鮮明に聞こえてくる。

「もう・・・、本当に仕事なくってさ。どうしようかと思っていたんだよ(まだ息が荒い)。これが取れなかったら、大事なバイク2台売り払うしかないかって・・・(涙声)」
鼻をすする音が聞こえる。それに続いて、大きな鼻息。
「ゴォー!」

わかった! 三日でやる! 絶対に間に合わせるから! まかせとけ!
いやあ、あんたはエライ!

「頼んだよ・・・(涙声)」

深刻な不況。
これは、他人事ではない。
私もこの2ヶ月ほど、得意先で頭を下げるのが当たり前の日々を送っている。

私の記憶の中で、短期間に、これほど人に対して頭を下げたことは、かつてなかった。
胃がキリリと締め付けられるほどの危機感。
ただ、胃が痛いのは、こちらだけではないようだ。

得意先の担当者も、胃を患ったような顔で「仕事ないんだよね。本当に」と力なく笑う。
お互い病んだような笑いしか作れないのだ。

他人事ではない。

しかし、この日本国のどこかに、他人事の様な顔で不毛な言葉のキャッチボールを続けている場所が存在する。
そして、不思議なことに、その場所にだけ「危機感」が存在しない。

たとえ、国民が「危機感」というグループを作って、「危機感」という歌を歌ったとしても、おそらく彼らにはその歌声は届かないだろう。

こんなに危機的なのに・・・・・。


2009/01/21 AM 08:00:17 | Comment(3) | TrackBack(0) | [Macなできごと]



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