Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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師走のドロボウ
またドタキャンですよ。

先週の火曜日もドタキャンされました。
同じ会社、同じ人、同じ理由。

「突然の出張だよ。人員削減の影響がモロ出ちゃってさあ。人使い荒くて困るよ。体がいくつあっても足りないって、このことだな」

相応の理由があるなら、ドタキャンは仕方ないが、事前に連絡するという方法がなぜ取れなかったのか。
こちらが会社に出向いて受付を通すまで、それを知らさないというのは、明らかに誠意がないのではないか。
たった30分間の打ち合わせ時間も取れないというのか!

細かいことを言うようだが、往復で1300円かかっているのだ。
それが、一週間で2回。
無駄な出費だ。そして、時間の無駄。

誰も責任を取ってくれない無駄だから、余計に腹が立つ。
それに、丁寧に謝ってくれるのなら、まだ許せるが、ヘラヘラ笑ってやがるとは・・・。

午前10時過ぎ。
時おり気まぐれに吹く強いビル風に、首を縮め肩をすぼめて歩く。

あの会社からは、今年はもう仕事は来ないな・・・・・。
(呪ってやる)
気が滅入る。

あまり早く家に帰ると、一時同居中の義母(モンスター)から、「あら、短い散歩だね」と、嫌味を言われる。
その確率は、クリスマスの東京に雪が降らない確率より間違いなく高いはずだ。

暇になったぞ。
しかし、俺は、時間をつぶすのが下手な男だ。
パチンコもスロットもしない。カフェで優雅に時を過ごす柄ではないし、余分な金も無い。

立ち読みは、目が疲れるし、腰も疲れて、いいことはない。
近くに東急ハンズがあれば、半日飽きずに過ごせるが、残念ながら八重洲にはないようだ。

金がないときは、マクドナルドでコーヒーというのが、人間本来のあるべき姿である。
そんなことを思いながら、八重洲地下街に潜り込んで貧乏臭く歩いていた。

足早に歩いていく、できるサラリーマン、そして有能なOL。
片や、連続ドタキャンされ男。しかも、財布の中身640円男は、うつむき加減にトボトボと歩く。
師走だからと言って、誰もが忙しいわけではないのですよ。
他の人の半分以下のスピードですね。
ひとりだけ、師走の空気をかき回すことなく、空気に同化するように歩いていた。

そこへ、前から見覚えのある顔が歩いてくる。
それは、師走のスピード以上だった。
友人の京橋のウチダ氏だ。

彼は、八重洲口そばの京橋に事務所を構える社長様なのである。
イベントの企画・出版業・企業のプロデュースのほかに、最近では「犬の結婚式までプロデュースしちまったよ」と得意げに言う男だ。
ウチダ氏は、イケメンである。爽やかだ。そして、金持ちに見える。

その金持ちに見えるウチダ氏と同じスピードで、それ以上に金持ちに見える男が彼の横を並んで歩いていた。
お知り合いと見た。
そこで私もスピードを上げて、さらに気配を消し、他人の振りをして、すれ違おうとした。

しかし・・・・・・・、
「あれ! Mさん、こんなに早く来たの? そうか、年末だから、早めに段取りを済ませないといけないか。さすが、Mさん! じゃあ、行こうか」

はあ?

ウチダ氏に、素早く拉致されてしまったのである。
「えっ」という顔の男を置き去りにして、ウチダ氏が小声で言う。
「あいつ、いろいろと仕事の話を持ってくるんだけど、使えないのばっかりなんだよ。いいタイミングでMさんと出会えて、ラッキーだよ」

で、Mさん、何でここにいるの? と改めて聞かれたので、事情を説明した。
頭のいいウチダ氏は、理解が早い。
彼は、私のブログを読んでくれているから、モンスターの存在もご存じである。

そこで、こんな提案をしてくれたのだ。
俺は、今日は事務所には戻らない。だから、事務所は、あんたが好きに使っていい。UFOカップ焼きそばが箱買いしてあるので、腹が減ったらそれを食え。冷蔵庫にはスーパードライがあるから、飲むのも自由だ。

なんて太っ腹なイケメン社長!
そこで、彼の事務所に侵入することにした。

相変わらず、何もない殺風景な事務所だ。
デスクと小さな応接セットが一対。ほかは本棚と冷蔵庫だけである。
10畳以上ありそうな空間に、たったそれだけ。
テレビもない。オーディオコンポもない。
私には、他人のパソコンをいじったり、本を読んだりする趣味はないので、やることがない。

だから、UFOを食って、ビールを飲んだら、寝るしかない。
幸い、毛布がデスクの下に隠してあったので、それを掛けて寝ることにした。

一度起きて、またUFOを食って、ビールを飲んだ。そして、また寝た。
次に起きたとき、時計の針はちょうど4時を指していた。

帰ろう。
師走の街並みを貧乏くさく歩いて、帰ろう。
事務所の鍵をドアの郵便受けに落とし込んで、街へ出た。

サンタではないが、バッグがはち切れんばかりに膨れあがっている。
そして、重い。
それは、なぜか。

ウチダ氏の事務所から、UFOカップ焼きそば5個と500缶のスーパードライ6本をいただいてきたからである。

ウチダ社長、スマン!

金儲けしたら、返すから。
(要するに、永久に返すつもりもアテもない)


2008/12/17 PM 12:15:48 | Comment(2) | TrackBack(0) | [日記]



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