Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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インフルエンザとやさしい人たち
インフルエンザA型。

ヨメと高校3年の息子と中学1年の娘は、ワクチンを接種した。
次の日、一時同居中の義母が、ワクチンを打った。

私は、我が家では人間扱いをされていないので、ワクチンの接種はしなかった。
野蛮人が、インフルエンザに罹るわけがないだろ!
(本当はワクチン代をケチっただけですが・・・)

しかし、よくあることだが、ワクチンを打ちに行った義母が、病院でインフルエンザウィルスをもらってきたらしいのである。
突然の高熱。
76歳の義母は、糖尿病の持病があるので、即刻入院させた。

この処置は、素早いものだったと思う。
非の打ち所のないものだったはずだ。
だが、私がインフルエンザに罹るという笑えない現実がふりかかる。

よほど私と義母の相性が良かったのでしょうね。
簡単に伝染ってしまいましたよ。
ワクチン代をケチったばっかりに・・・・・・・・。

先週の金曜日、夜7時過ぎ。
大宮の印刷会社で作業を終えての帰り道。
私は、最寄の駅から自転車を漕いで、家に帰ろうとしていた。

途中の16号を渡ろうと、信号待ちをしていたとき、おカンが襲ってきたのだ(いや、悪寒が襲ってきた)。
インフルエンザもおカンもどちらも怖いが、今回は「悪寒」のほうである。

足元から急激に上ってくる「悪寒」。
私は確信した。
インフルエンザ、間違いなし!

私は、途中にあるドラッグストアに震えながら駆け込んだ。
風邪薬を買おうとしたわけではない。インフルエンザに風邪薬は効かない。
だから、不織布のマスクを50セットとポリエチレン製の使い捨て手袋100セットを購入したのである。

我が家族は、ワクチンのおかげで私のインフルエンザが伝染ることはないだろう(あったとしても、軽くて済むのではないだろうか)。

問題は、他人様の場合である。
人様に伝染しては、申し訳ない。
本当は、私が出歩かないのが一番だが、フリーランスというのは、そうはいかない職業だ。

打ち合わせをキャンセルしたら、「えらそうに、ドタキャンするんじゃねえよ!」という悪意の目で見られる。
これは被害妄想ではなく、本当にそうなのである。
他人様は、自分以外の人間には、とても厳しい人種なのだ。
油断をしていたら、仕事が確実に逃げていく。

翌日の土曜日。
38度を超えるハイテンションな肉体を防寒着で包み、高崎線に乗った。
不織布のマスクを2枚重ね、両手はポリエチレンの手袋をして、さらにフリースの手袋をつけ、首にはマフラーぐるぐる。

大宮駅では座ることができず、目の前に座る30歳前後のサラリーマンを「立てや! おのれ! ホンマにしばいたろか!」という棘のある目線で、思わず見下ろした。

すると、私の眼光に恐れ入ったのか、男は次の宮原で降りていった。
恐るべし、わがメヂカラ!(?)

しかし、一回座って落ち着いてしまうと、立つのが大変だ。
目的の桶川駅に着いても、めまいでヨロけること数度、「オヨ! オヨヨヨ! アララっと・・・」と酔っ払いのように揺れながら、やっと立ち上がることができた。
気がついたら、両手を見知らぬ人に取られて、介護されるように駅のホームに降ろされた。

世の中、意外とやさしい人が多いものです。
感動の涙で、ホームの景色がにじむ。

桶川の得意先。
ここには、「フクシマさん」というおバカさんがいる。
そして、女優の麻生久美子に似たアンニュイな美女。
そのことに関しては、何度か書いたことがある(たとえば、こちら)。

そのほかに、「いきものがかり」のヴォーカルを3回ふり回した顔をした事務員がいるのだが、今回は「インフルエンザ男」が来るというので、どこかに避難しているようである。

フクシマさんは、奥様が妊娠中ということもあり、早々とワクチンを接種したらしい。
「俺は、何があっても、気合で伝染りませんから!」
(それほどの気合があるなら、ワクチンはいらなかったんじゃ?)

「私は、毎年11月の半ばにワクチンを打つことにしています」と麻生久美子似が、けだるく言う。

そうは言うが、万が一ということもあるので、マスクと手袋はそのままにして打ち合わせを始めた。
打ち合わせは、10分程度で終わった。
長居は疲れる。だから、よし、帰ろう! と立ち上がろうとしたが、体に力が入らない。

そんな私の姿を見て、フクシマさんが、「Mさん、タミフロン、飲んでないんですか? あれ効きますよ。最高の特効薬ですから」と、得意げに私を見る。

タミフロン=間違い。
タミフル=正解。

「ああ、タミフロンですか? 飲んだことありませんねえ。ありますかねえ、そんな薬」
「ありますよ! タミフロン。インフルエンザには、タミフロン! 常識ですよ!」

頭が痛くなった。
のども渇いたので、「水を一杯いただけませんか」と麻生久美子似に頼んだ。
すると、麻生久美子似は、平然とした顔で「一番絞り」を持ってくるではないか。

これは・・・・・、嫌がらせ? それとも、ボケ? 無知?

「ああ! これが、泡の出るタミフロン! 一回飲んでみたかったんですよ。ゴクゴクゴク・・・・・、って、普通のビールやないかい!」と、ノリ突っこみをすればいいのか?

そんな気力ありませんよ。

しかし、「ご自宅までお送りしますよ。車内でのんびりお召し上がりください」と麻生久美子似は、涼しげな顔で言う。

「タミフロン、絶対飲むんですよ」と、私を車のバックシートまで押し込んでくれたフクシマさん。
「風邪のときは、やっぱり水分ですよ。ビールだって水分だし・・・」と、無表情に前を見て運転する麻生久美子似。

この人たちって・・・、やっぱり、親切なんですかねえ・・・・・。


2008/12/01 PM 01:21:41 | Comment(2) | TrackBack(0) | [Macなできごと]



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