Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
[TOP] [RSS] [すくすくBLOG]








「ゴザル」が流行っている
家族が一人増えると、事件も増える。

義母が、玄関ドアを壊した。
三鷹の自宅の鍵を無理やり我が家のドアに差し込んで力任せにひねったら、鍵が壊れてしまったのである。
そんなことで鍵が簡単に壊れるものか、と疑問に思うかもしれませんが、壊れたんですよ、本当に!

鍵屋さんも感心してましたね。
「すごいね! 老人パワー。敵なしだね」

3万円を超える修理費用。
もちろん、支払うのは私です。

新しいMacを買えるのは、いつの日・・・?。

ため息が重くなる。

重いため息を吐きながら、新宿御苑そばの得意先で打ち合わせをした。
この得意先に関しては、何度か書いたことがある。(こちらこちら

社長のシブヤ氏は、中小企業の社長としては、珍しく常識的で気配りのできる人だ。
仕事をもっと出してくれたら、百点を上げてもいい人だが、出してくれないので、私の評価は50点。

打ち合わせを終えて、その50点の人が言う。
「近所に4時から店を開けている居酒屋があるんですが、Mさん、ちょっと軽くどうですか?」

居酒屋、というのが気に入った。
イザカヤ・・・、いい響きだ。
心が揺れ動いたが、今日は夜、娘の友だちが泊まりにくることになっている。

特製の「Mスペシャル」というハンバーグカレーを作る約束を娘としているのだ。
それがなかったら、確実に首を縦に振っていただろう。

「そうですかぁ。娘さんと約束では、仕方ありませんね」
心底残念そうな表情を浮かべて、シブヤ氏は会社のドアの外まで、私を見送ってくれた。

新宿駅まで歩く。
もちろん、地下鉄代がもったいないから。

小道を歩いていく。
新宿は大都会だが、少し外れると、生活感の漂う街になる。
4時20分過ぎ。
歌舞伎町の妖しさは、この近辺にはない。

どこにでもある生活感をまき散らして、普通の街が存在している。
見上げれば、遠くに高層ビルが見えるが、それは絵葉書の中の世界にしか見えない。

酒屋がある。
その酒屋を通り過ぎようとした。
しかし、私の目の端に「立ち飲みスペース」が、フラッシュバックのように侵入してきた。

「立ち飲み酒屋」
昔、法律事務所に勤めていたとき、虎ノ門の事務所から弁護士先生の自宅のある八丁堀まで、週に何度か、仕事の帰りに、書類を届けてから帰宅したことがある。
書類を届けた後、よく京橋の立ち飲み酒屋で軽く飲んだことを思い出す。

私の場合、綺麗に着飾ったレディーはいらない。
魂を軽く揉みほぐす酒があればいい。

安い酒でいい。

今回も、その揉みほぐされたい、という願望が私を立ち飲みスペースに自然に誘(いざな)うことになった。

先客は二人。
まだ明るいうちに立ち飲み酒屋で酒を飲むやつは、一体どんなやつだ!

・・・サラリーマン風の人でした。

500缶の発泡酒を選び、手近にあったアスパラガスの缶詰を手に取り、開けた。
白いアスパラガス。
それを食うのは、何年ぶりだろう。

うまいですよ。
発泡酒と意外に合いますよ。

そんな満足感に浸っていたら、先客の二人が店から消えた。
俺ひとり・・・・・。

立ち飲み酒屋に俺ひとり。
まだ5時にもなっていないのだから、当たり前ですね。

ゆったり・・・・・しました。

そこへ、女性の声が・・・。
「まさか、1本だけってことはないよね」

振り返ると、女優の高島礼子をミニチュアにして、さらにセクスィーにした人が、店の名前の入ったエプロンをつけて立っていた。
この酒屋の若女将なのかな?

美形だぞ! セクスィーだぞ! 笑顔が艶かしいぞ!

その艶なる女将が、私に「もっと飲め」と言っているようだ。

しかし、ここは立ち飲み酒屋である。
セクスィーはいらない。
だから私は、白いアスパラガスを無理やり口に詰め込み、残ったビールを一気に飲んで、逃げるように酒屋を後にした。

た、たかしまれいこォ・・・・・・・・・・・。

そう呟きながら、げっぷをしたら、アスパラの匂いが口に充満した。

帰りの宇都宮線の中でも、アスパラの匂いを意識していた。
アスパラの匂いを意識しながら、家に帰った。

玄関を開けると、「フナ公」がいた。
娘の友だち「フナ公」は、実名は、もちろんそんな変な名前ではないのだが、中学1年の娘と私は、愛情を込めて、そう呼んでいるのだ。

フナ公と娘は、幼稚園の年中・年長から一緒で、小学校も6年間のうち5年間が同じクラス。中学に上がっても、同じクラスという縁で結ばれている友だちなのである。
長い付き合いなので、フナ公に対しては、私も自分の娘のような感覚で接している。

「フナ公、元気してたか?」
「おお、オレは元気だが、サトルはくたびれてるじゃないか! がんばれよ! なあ」
「はい」

ハイタッチをした。

ハイタッチをしたあと、フナ公が、「うん? この匂いは?」と私に近づいてきた。

まさか、オヤジ臭?
私は、オヤジ臭はないと言われているんだが・・・・・。

「これは、ビールの匂いでゴザルな・・・」

娘とフナ公の間では、最近この「ゴザル」が流行っている。
何にでも「ゴザル」を付けるのだ。

「ゴザル」の前は、「ミィー」だった。
たとえば、「退屈だミィー」「美味しかったミィー」「あいつ、うざいミィー」というように。

この流行は突然変わるから、オジサンは困るのですよ。
前回は、「やっと、涼しくなったミィー」と言って、フナ公から冷たい目で見られた。
(何だ、このオヤジ。馬鹿じゃないの!)

この「ゴザル現象」はいつまで、続くのだろうか?

「ビールのほかに、何か匂うでゴザルよ」
「うん、匂うでゴザル」

クンクンクン・・・。

中学1年の娘二人が、親父の顔に鼻を近づけて、匂いを嗅ぐ。
「ハーって、してみろ」

ハーッ

「何でゴザルか?」
「う〜ん。何でゴザルかな?」
「わからないでゴザル。もう一度、ハーしろ」

ハーッ

「わからないでゴザルなあ。何でゴザルかなあ?」
しきりに、首をかしげる二人。

そんな姿を見て、私は幸福感に浸ってしまったのである。

オヤジの吐く息を「臭い」とも言わずに、顔を近づける娘たち。
これって、とてつもなく幸せなことですよね。

え? そうは思わない?

う〜ん・・・、そうでゴザルか・・・・・・・。




2008/11/28 PM 02:36:08 | Comment(3) | TrackBack(0) | [日記]

山手線に感謝した日
財布を忘れた。

駅まで行って、駅の駐輪場に自転車を預けようとした時、財布が無いことに気付いたのだ。
そこで、駅前のスーパーの駐輪場まで行き、自転車を預けることにした(タダだから)。

今日は、池袋の得意先と打ち合わせ。
スーツのポケットには、いつもSUIKAを入れてあるので、交通費には困らないはずだ。
しかし、最近チャージを怠っている。
残金は、果たして、いくらあるのか?

640円。

それは、池袋までは行けるが、帰りの運賃には、少々不足がある金額だった。
いったん財布を取りに家に帰ろうかと思ったが、携帯電話を持っていないので、得意先に時間変更の電話をかけることができない。
公衆電話も使えない。だから、このまま行くしかないだろう。しかしなあ・・・。

考えていたら、ちょうど池袋まで直通で行く電車が来たので、慌てて乗った。
得意先での打ち合わせは、1時間半で終わった。
さあ、これから、どうする?

残金を計算すると、川口あたりまでは帰れそうである。
しかし、川口からは、歩き?
寒空に、歩き?

朝飯食ってないから、腹減ってるし・・・、もう1時近いし・・・。

家に電話して、ヨメに迎えに来てもらうということを考えたが、電話代がない!
それに、たとえ電話代があったとしても、「なんで、財布忘れるのよ!」という罵倒を聞くのはつらい。

自分は、始終忘れ物をしているのに、他人の忘れ物には容赦ないヨメ。
先月なんか、水道を止められたんですよ。

なぜかというと、ヨメが水道料金の振込用紙を間違って捨ててしまって、払っていなかったから。
普通、水道はよほど滞納しないと止められないと思うのだが、「だって、封筒に入れて別にしておいたら、間違って捨ててしまったのよ」と言うのである。

「誰が、捨てたの?」
「私が(キッパリ)」

「でも、払ったんだから、いいじゃない。すぐ使えるようになったし、ガハハハ」(見事な開き直り)

自分のミスは、笑って済ますのである。
しかし、私がミスをしたら、「笑って誤魔化さないで!」という、筋の通らない罵倒を受けるのだ。

だから、ヨメを当てにするのはやめた。

じゃあ、歩くか。
日本列島寒波襲来。
寒いぞ。メシ食ってないぞ。我が家まで20キロ以上あるぞ。

途方にくれた。

しかし、途方にくれたのは、数分だった。

「ああ、面倒臭え!」
私は、すぐ投げやりになるタイプなのだ。
腹が減った私は、残金でパンを買って食った。
菓子パンを二つ食ったら、体が熱くなってきて、眠くなった。

しかし、ホームで眠ったら体が冷えてしまう。
そこで、外回りの山手線に乗ることにした。
空いていたので、座れた。
そして、眠った。

一度目が覚めたときは、神田駅だった。
時刻は、わからない。明るいことだけはわかった。
また、眠った。

次に目覚めた時は、外は暗くなっていた。
駅は、代々木だ。
次の新宿で降りた。
駅の時計を見ると、4時50分過ぎだった。
3時間以上、山手線で「巡り寝」を貪っていたようだ。

山手線は、働き者ですね。
大崎行きに乗らない限り、事故以外で止まることはないですからね。

5時前の新宿駅は、会社帰りのサラリーマンの姿は少ないが、それなりに混雑していた。
そんな混雑を見ながら、私の惰眠を貪った脳に、あるひらめきが浮かんだのである。

同じ団地に住むハガさん。
彼は、新宿の企画会社に嘱託として勤務しているが、「9時5時の人」なのだ。

彼は、必ず5時過ぎに会社を出る。
そして、ほぼ同じ時間に同じ改札を通って、同じ時刻の埼京線に乗る、ということを以前世間話の中で聞いたことがある。
改札で待っていたら、ハガさんを捕まえられるのではないだろうか。
そして、千円札1枚を貸してもらう。
これは、我ながら、いいアイディアだと思った。

改札の横に立った。
5時16分ごろ通過するだろうと予想していたら、本当にハガさんが改札を通った。
背筋を伸ばして、小さな歩幅でサッサと前を通り過ぎていく。

声をかけた。
ハガさんは、すぐに私を認めて、丁寧に会釈を返した。
私は、埼京線のホームに向かう道をハガさんと並んで歩きながら、今日の出来事を詳しく話した。
この種のタイプの人は、すべてを説明しないと納得しないと思ったからである。

ハガさんは、生真面目な顔を私に真っ直ぐ向けて、「いいですよ」と答えてくれた。
だが、「でも」と言って、小さな歩幅で足を進めながら、ビジネスバッグの中をさぐり、小さなノートを取り出した。

「これに・・・」
???

「借用証を書いてください。金額と今日の日付、Mさんの名前をフルネームで、お願いします」

ああ、そうですよね。お金を借りるということは、そういうことですよね。
お金の貸し借りは、なあなあではいけません。
それほど、厳しいものなのです。

立ち止まって、私が書き始めようとすると、「歩いたまま書いてください。電車がもうホームに着きますから」と言われた。
歩きながら、殴り書きで借用証を書いた。
汚い字だったが、ハガさんは納得して、頷いてくれた。

千円を貸していただいた。
しかし、このままハガさんと一緒の電車で帰るのは息が詰まりそうなので、「私はソバでも食ってから帰ります」と言って、ハガさんと別れた。
ハガさんは、生真面目な顔で会釈を返してくれた。

そのあと私は、新宿から中央線に乗り、さらに東京駅で山手線に乗り換え、上野まで行った。
そして、シーチキンおにぎりと発泡酒を買って、宇都宮線の始発に乗った。

混雑した電車に座りながら、おにぎりをほおばり、発泡酒を呷った。
乗客の白い目を無視しつつ、飲み終わり食い終わって、満足の息を漏らした。
目を瞑ってはいけないと懸命に抵抗したが、睡魔の誘惑には勝てない(私は弱い人間だ)。

目を覚ました時は、奇跡的に最寄り駅の一駅手前だった。
最近の私は乗り過ごすことが多いのだが、今回は見事なほどジャストミートした。

何故だろう、と考えてみた。
それはきっと、山手線のおかげだ。
山手線でタップリ寝たので、睡眠が足りていたのだ。
だから、短い睡眠で目覚めることができた。

山手線は、すごいな。
たいしたもんだな。

山手線に感謝した一日だった。


2008/11/21 PM 12:07:30 | Comment(4) | TrackBack(0) | [日記]

モンスターの三者面談
中学1年の娘の学校で、三者面談があった。

それは、モンスターペアレンツとしては、かなり不満の残る面談だった。
それを書こうと思う。

繰り返しますが、私は間違いなくモンスターペアレンツです(開き直り)。

最初のトラブルは、面談希望日を提出する書類を「出した・出さない」から始まった。
娘は、その書類を「出した」と言った。
しかし、担任は「出していない」と言った。

その結果、ヨメが絶対に行けない日が、三者面談日に指定されることになった。
モンスターは、そのことで担任に抗議の電話をかけた。
しかし、担任は、「もう決まったことなの」とタメ口で答えるのである。

納得がいかないので、娘のお友達に聞いてみた。
すると、娘のお友だち二人は、声をそろえて、「Kちゃん(娘)は、私たちと一緒に(書類を)出したよ」と言うではないか。

「子どもの言うことは、当てにならない。大人の言うことこそ正しい」と思っている人は、担任の言葉をためらいもなく信じるだろう。
しかし、モンスターは、子どもたちの言うことを信じるのだ。

だから、何だコイツ! と思ってしまったのである。

しかも、私が抗議の電話をかけている間、担任が私に向かって言う言葉のすべてが「タメ口」なのだ。

「私は、書類を貰ってないのね。だから、こちらの都合でスケジュールを組んだの。ウンウンウン・・・
「もう決まったことだから、変えられないわね。ウンウンウン・・・」
「提出してないんだから、これは、もうどうしようもないわよ。ウンウンウン・・・」
「その日が嫌だったら、全員の面談が終わってから、最後に来てもらうしかないんじゃない? ウンウンウン・・・」

父兄に対して、この口調は、いかがなものでしょうか。

教育界では、これが常識なんでしょうか。
世間知らずのモンスターの心は煮えくり返ったが、そんなことで怒るのは非常識かもしれないと、懸命に心にブレーキをかけた。

ヨメが行けない面談日。
「パパが行くけどいいか?」と聞くと、「いいけど、喧嘩するなよ」と娘が苦笑いをする。
父親の性格をよくご存知の娘であった。

40歳前後の女教師。
教科は、体育。
四角い顔が、意志の強さ、頑固さをうかがわせる。

対面してすぐに言われた。

「娘さんは、どの教科も点数はいいのよね。ウンウンウン・・・」
(面と向かって、タメ口かよ)
「でも、『あゆみ』を何度言っても出さないの。ウンウンウン・・・」
(あゆみ? 誰だそれは? そんな子いたっけか?)

ここで、担任は、上半身を乗り出して、私を睨むのである。
「お父さん、知らないの? 『毎日のあゆみ』。みんな出してるわよ」

知ってますよ。
それは、ノート形式の提出物で、毎日何かしらの文章を書いて提出すると、担任が納得する「意味の無い日記」だ。

娘の同級生のある男の子は、毎日「先生、今日もキレイだね」と書いて提出していると言う。
そして、もう一人は「先生、大好き」と毎日書いているらしい。

提出すれば、何でもいいのか!
「キレイ」と「大好き」は許される。
しかし、「あんたなんか大嫌い」「キモイ!」と書いたら、間違いなく親が呼び出しを食らうだろう。

そんな提出物に何の意味がある?

「子どもの考えていることがわかるのよ。いじめとかも防げるし、悩みもわかるわね。ウンウンウン・・・」

教師が読む日記に、生徒が本当のことを書くと思うか?
それほどの強い信頼関係が、あなたと生徒との間にあるのか?

「書かなければ、何もわからないわ」

確かにね。
そうすれば、教師は安心するのだろう。
教師にとって、それは自分が教師であることを実感する自己満足用の必須アイテム。

でも、申し訳ないが、うちの娘は、これからも書かないと思いますよ。
意味の無いことに時間を使うな、が当方の家訓なので。

すると、担任は、窓の外に顔を向けてこう言うのだ。
しかも、小さな声で。

「内申書・・・・・・・」

呆れるほど素晴らしい担任にめぐり合えて、娘は幸せ者である。
嫌なことは嫌だとはっきり言い、納得のいかないことには抵抗する娘(決して反抗期ではないのです)は、教師に嫌われるだろうとは覚悟していたが、実際に直面すると、唖然とするしかない。
他の教科は評価が高いのに、体育だけ評価が低い理由がよくわかる。

だからと言って、世渡り上手になれよ、と言っても今さら遅い(私自身、それを娘に望んでいない)。

面談が終わって、娘に言われた。

「おまえ、偉かったな。よく怒鳴らなかったな。感心したぞ!」

娘のその言葉だけが、救いだった。



2008/11/20 PM 12:53:18 | Comment(3) | TrackBack(0) | [子育て]

地獄の三週間
ヒマな8日間が終わって、忙しい日々がやってきた。

ヒマといっても、仕事がなかったわけではない。
ただ、急ぎの仕事がなかっただけである。

締め切りが遅かったので、少し時間に余裕があった。
つまり、ヒマだ、ヒマだ、と言っても、まったく仕事をしなかったわけではないのだ。
納期を計算に入れながら、それなりに仕事をこなしていたのである。

ただ、その状態が、私以外の人間には、サボっているように見えるらしいのだ。
特にヨメには、そう映るらしい。

そこにいたるまで、いくら徹夜で仕事をこなし、クライアントの間を懸命に行き来したとしても、ヒマになると、その記憶はものの見事にリセットされてしまうのである。
「ヒマ」だけが、クローズアップされる。

以下、盛大に愚痴をこぼすことをお許し願いたい。
私のブログが、最近停滞しているのは、「すくすくブログ」のいい加減さも原因だが、以下に述べることも原因しているのです。


私が、いつも以上に手の込んだ夕飯を作っていると、ヨメの冷ややかな目線が突き刺さる。

「そんなことをするより、仕事すれば!」

8日間のうちの、後半3日間は、そんな目線が私の体を蜂の巣状態にした。

いまは、仕事を4件抱えている。
すべてが、急ぎだ。
この忙しさは、私にとって、好ましいものである。

肉体と精神のバランスが、丁度いい具合に取れる仕事の量だ。
充実したMac人生を送っていると言ってもいい。

しかし、残念ながら、今回はあまり充実した感じがしない。
それは、三週間前からヨメの母親が、我が家に一時避難していることによる。

ヨメの母親は、持病の糖尿病を悪化させて、日常生活に支障をきたすようになった。
介護が必要というほどではないが、当然飲むべきはずの薬を「面倒くさいのよ〜」と言って飲むのを拒否した結果、訳のわからない行動を取るようになったのである。

自宅の所在地を忘れたり、病院の中で迷子になったり、財布をあちこちで落としまくるなど、危険な兆候が見えてきたので、とりあえず我が家で預かることにしたのだ。

糖尿病の薬をまじめに摂取しているときは、大変人当たりのいい良くできた人なのだが、「面倒くさくて」と言い出すと、途端に小学校低学年レベルの子供になる。
理屈が通用しなくなるのである。
誰の説得に対しても聞く耳持たない、動かすことができない「石像」になってしまうのだ。

この三週間に起きた事件をすべて書くのは、私のストレス解消には最適の行為だが、それは身内の恥を曝す行為だ。
だから、それはしない。

ただ、一点だけ、我慢できない出来事があったので、これだけは書かせていただきたい。
そうしないと、私の精神のバランスが崩れてしまうから。

我が家に越してきてすぐ、「ムコさん。あなた、編集の仕事もできるでしょ。私の古くからの知り合いに議員さんがいるんだけど、その人の会報を作ってくれないかしら」と言われたのである。

議員の活動を記した会報は何度か作ったことがあるので、「いいですよ」と答えた。
義母からは、「ボランティアでね。お金は絶対に取らないでね」と念を押された。
「はい。わかりました」

義母が世話になったのなら、それくらいはしてもいいだろうと思ったのだ。

二日かけて会報を作った。
特別難しいものではなかったので、すぐに校了になった。
それなりに忙しい思いはしたが、結果は満足のいくものだった。

しかし・・・・・・・・・、

仕事が終わって、議員さんから「Mさんは、俺の支持者なの?」と聞かれた。
私は正直者なので、「いいえ」と答えた(その人の名前も顔も知らなかった)。

「じやあ、報酬を払わないといけないね。支持者でもない人に、ただ働きというわけにはいかないからね」
そんなお言葉をいただいたが、私は固辞した。

そんなことをしたら、義母から何を言われるかわからない。
「人でなし」扱いをされるのは、目に見えている。

それは、嫌だ!

すると、相手は「じゃあ、内緒でお米券を差し上げましょうか」と言ってくれたのである。
そこで、常識的な枚数のお米券を受け取った。

それを家に持ち帰り、「お義母さんには内緒だけど、お米券をもらったよ」とヨメに渡した。
しかし、私は大きな過ちを犯した。
わがヨメは、秘密を共有できない人間だったのである。

その日のうちに、お米券をもらったことが、お義母さんにバレた。

「あんたは、私の顔をつぶした!」と泣かれてしまったのだ。


はいはい、私が悪うございました。
このお米券は、即刻お返しいたします。
意地汚い真似をいたしまして、まことに申し訳ございませんでした。
私は、人間失格でございます。
以後、深く反省をいたしますので、お許しください。


ということで・・・・・、

私のストレスは、天井知らずですよ。
ブログなんか書いてるヒマなんかありません。

ブログを書こうと思ったら、愚痴しか浮かばないという情けなさ。
今回も、本当は、こんなこと書くつもりはなかったんですけどね・・・。

ああ、ヤダヤダ(自己嫌悪)。



2008/11/18 PM 03:14:45 | Comment(3) | TrackBack(0) | [日記]

職なし男ふたたび
ヒマだヒマだ、と呟いていたら、電話がかかってきた。
つぶやき作戦は効いたようである。

だが、いきなり「俺のこと憶えてる?」と聞かれた。
名前も名乗らずに、こう聞かれて相手を思い出せる人は、よほど霊感の強い人か、耳のいい人に違いない。

私は、霊感が弱くて耳も悪いので、不機嫌に「誰ですか?」と答えた。
「スズキだよ」

さあ、困ったぞ。
日本全国に、スズキさんは数限りなくいる。
もしかしたら、日本で一番多い姓かもしれない。

そこで、当然のごとく「どちらのスズキさん?」と聞いてみた。
相手は、「Jデザインのスズキだよ」と答えた。

「俺、新宿から吉祥寺に引っ越したんだよ。急ぎの仕事があるんだけど、やってくれない?」

ヒマなので、吉祥寺に行ってきた。

Jデザインは、かつては新宿に事務所があって、10人以上のデザイナーを抱えた大所帯のデザイン事務所だった。
スズキさんは、そこの代表である。
しかし、不景気の波をかぶったのか、放漫経営の成れの果てかわからないが、今年の3月に新宿の事務所を夜逃げ同然で畳んで、吉祥寺に越してきたという。

2LDKのマンションのリビング部分を事務所にして、そこにMacを4台、ウィンドウズを1台置いて、細々とデザイン業を続けているらしい。

2年ぶりに会ったスズキさんは、以前よりかなり萎(しぼ)んでいた。
苦労がしのばれる。

だから、痩せましたね、と言おうとした。
しかし・・・・・・・、
「Mさん、痩せたねぇ〜、大丈夫? メシちゃんと食ってる?」

先に言われてしまった。
完敗である。

今のJデザインは、総勢2名。
スズキさんのほかに、顔の半分以上が白鬚に覆われている、50年輩のデザイナーがいるだけだ。

「この人に、ほとんどボランティア同然の給料で働いてもらっているんだ」と肩を縮こませて言うスズキさん。
それに対して、「だって、俺のほうが社長より金持ちだからね」と屈託なく笑うKさん。

いい大人の関係と見た。
しかし、冷静に考えてみて、こんな状態の会社から仕事をもらっていいのだろうか、という疑問も浮かぶ。

そんな疑問を察してか、スズキさんは、「前金で払うからさ」と言うのである。

我が家も困窮しているので、前金でもらった。
レストランのメニューをデザインする仕事だ。

「こんなイメージで作ります」と、Macを操作しながら、提案すること1時間。
4回目の提案でスズキさんが納得してくれたので、画像データをいただいて、事務所を後にした。

帰りに井の頭公園に寄った。
寒い。
井の頭公園名物(?)のアベックも数えるほどしかいない。

殺風景だ。
ジョガーの数のほうが、アベックよりも多いかもしれない。

なんと健康的な公園!

寒々とした光景は好きではないので帰ろうとしたのだが、バッグにはスズキさんからもらった菊水がある。
これを飲まなかったら、スズキさんに失礼だ(?)。

だから、寒々とした公園のベンチに座って、菊水を飲んだ。

湖面を水鳥が滑っていく。
70年輩の老夫婦がベンチの後ろを通る。
ベビーカーを押しながら、若い幸せそうなご婦人が後ろをゆっくり通過する。
遠くでアコースティックギターの音色が聞こえる。
癒される。

菊水を飲む。
そして、和む。
寒いが、和む。

だが、そのとき、突然の雨が・・・。
しかも、強い雨だ。
雨から避難しようと立ち上がった。

すると、立ち上がったとき、傘を差し伸べる人がいたのだ。
そして、その人が言う。

「職をお探しですか?」

私は、残りの菊水を一気に飲み干して、笑った。
「ヘヘヘヘヘヘヘヘヘ・・・」
さらに、唇をスーツの袖でぬぐい、相手を睨んだ。

相手は、私に傘を預けたまま逃げ去っていった。

この傘は、JR吉祥寺駅に「落し物」として預けてある。
心当たりのある方は、吉祥寺駅にお問い合わせください。





2008/11/13 AM 11:53:54 | Comment(7) | TrackBack(0) | [Macなできごと]

マクドナルドで全身の力が抜ける
ブログのアップがうまくいかないときがある。
GIFアニメを読みとってくれないときがあるようだ。

それがどうしてかは、不明だ。
メールで問い合わせるのが面倒なので、ブログの更新をさぼっていた。

しかし、昨日、今日、暇になったので、更新してみた。
ただ、またGIFアニメが使えないと腹が立つので、今回はアニメなしで更新します。

いま、仕事は2件抱えているが、特別急ぎというわけではない。
今すぐ仕上げる必要がないから、気持ちが怠惰になる。

「とりあえず、大まかなイメージは作ったから、あとは細部を詰めるだけだな」
そんなことを思っているが、あまりやる気はない。

冷蔵庫の発泡酒に手を伸ばしたが、途中で手を引っ込めた。
昨日3本飲んだからな。ここは、節約、節約。

仕事はしたくない。
発泡酒も禁止。
そうなると、散歩しかない。

外は、だいぶ寒くなったが、真冬の寒さではないから、それなりに厚着をすれば、寒さをしのげるだろう。
そう思いながら、家を出た。

風はないが、寒い。
一応、手袋はしてきたが、100円ショップで買った手袋だから、完全な防寒にはならない。
空気が冷たいぞ。足先が凍えるぞ。頭が寒いぞ。首筋も寒いぞ。

ということで、マクドナルドに避難。

あまりの寒さに遭難しそうになったオジさんは、フィレオフィッシュセットを頼んだ。
だって、朝メシ食ってないんだもん!

真保裕一の「黄金の島・上巻」を読みながら、まずコーヒーを啜る。
フライドポテトをつまむ。

あったか〜〜い!

至福の時間である。
誰も邪魔する人のいない空間で本を読み、コーヒーを啜りながら、遅い朝メシ(昼メシ?)を食う。

それはまさに、俺だけの世界。

落ち着く。
店内は暖かく、人の話し声も適度に聞こえる空間。
人が少なくて閑散としていたら心も寒くなるが、適度な人の声は、適度な癒しを与えてくれる。

いいんじゃないか、この雰囲気・・・と思いながら、フィレオフィッシュを頬ばり、文庫本を読んでいた。
しかし、そんな店内に、言い争う声が、突然響き渡った。

「頼んだろーが!」という男の大きな声。
「聞いてねーよ!」という、もっと大きく野太い声。

癒しの時間が、台無しですよ。

振り返ると、30歳くらいのサラリーマン風の男が立ち上がって、声を張り上げていた。
「言ったろうが!」
「だから、聞いてねえって!」

声がでかい。
大変うるさい。

店内にいる客全員が、二人を見ている。
それほど大きな声だった。

「てめー!」
「何だ、文句あるのか!」

お気づきかと思いますが、二人は何も具体的なことは言っていないのだ。
ただ、感情をむき出しにして怒鳴っているだけである。

話が見えない。

なんだ、こいつら?
何を怒ってるんだ? ただうるさいだけじゃないか。
ガキの喧嘩か!

皆のそんな視線が、突き刺さる。
そして、そんな風に熱くなっているときは、普通は、そんな視線は気に留めないものである。

だが、この二人は違った。
皆の視線をしっかりと受け止めたのである。
その意味も理解したのだ。

ひとりが、立ち上がったまま、皆に頭を下げ、「ご迷惑をおかけしました」と言った。
そして、もうひとりも、それに合わせて頭を下げた。

見事なほどの、頭の下げっぷりだ。

何と爽やかな二人・・・・・。

二人は、自分たちのトレイを片づけ、頭を下げながら、通路を歩いていった。

しかし、ドアを開けて出ていこうとしたそのときに、片方が「俺は、言った!」と、また叫びだしたのである。
それに答えるように、もうひとりが「聞いてねえ!」

マクドナルドを出てからも、二人は罵り合っていた。

「絶対に聞いてねーよ!」
「シャカシャカチキンって、俺は言った!」


・・・・・・・・。

全身から力が抜けた瞬間であった。



2008/11/12 PM 12:21:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | [日記]

代表取締役名刺の使い道
大宮第3公園のベンチで休んでいた。

朝早く、得意先にシールの印刷物を納品した帰りだった。
午前9時半。
体感温度は、10度以下か。
広い敷地には、犬を散歩させている人が2組と、大きく手を振ってウォーキングをしている人が1人いるだけだ。

寒い。
こんな寒い朝に公園に来る人は、よほどの暇人か自分の生活スケジュールに縛られた人だけだろう。

しかし、俺はヒマ人じゃないぞ。
朝早くから仕事をして、これから家に帰って、もう1つ急ぎの仕事をこなさなければいけないのだ。

でも、納品を済ませて、まっすぐ家に帰って作業にかかるのは、余裕がなくて私の美意識に合わない。
だから、寒さを我慢しながら、ベンチで縮こまっているのだ。

空は、見事に青く澄み渡っている。
風もほとんどない。
しかし、寒い。間違いなく、季節は冬だ。

カラスの啼く声も空気が澄み渡っているから、どこかしら崇高な音階に聞こえるから不思議だ。
まるで、音響効果のいい教会で、賛美歌を聴いているような感じだ。

目をつぶって、カラスの声に癒される中年男。
それは、確実に、世界から取り残された「世捨て人」を思わせる光景だった。

世捨て人、か・・・・・。
ふふふ、俺こそ、そう呼ばれるに相応しい男だ。

そんなニヒルな思いに捕らわれた中年男。
寒い。
自分でも、それは寒い光景だと思う。

かじかんだ指に、息を吹きかけた。

「お仕事をお探しですか?」

は?

なんか、突然、変なやつが現れたぞ。
年は40前後。顔は安室奈美恵を15パーセント上から潰して、ヒキガエルのDNAを注入した感じだ。

「不景気ですからねえ。仕事なかなか見つからないんじゃないですか」
安室ヒキガエルが、上から私を見下ろしている。

香水の匂いがきつい。
朝のさわやかな冷気に混じる、いかにも安っぽい香水の香り。
それだけで、心の中が、嫌悪感で満たされる。

また、職なし男に間違われちゃったよ。

確かに、寒い公園で、暇そうにカラスの声を聞いている人間は、「職なし男」に間違われても仕方ないかもしれない。

しかし、いきなり安室ヒキガエル顔をヌッと出して、「お仕事をお探しですか?」は、心臓に悪い。
しかも、右手に持った缶コーヒーを金歯全開の笑顔で渡そうとする光景は、寒すぎて体感温度が0度以下に下がったような気がした。

こういうときのために、最近の私は、武装するようにしている。
名刺を相手に見せるのだ。

自分の名刺ではない。
倒産した某会社の社長の名刺を見せるのだ。

代表取締役。
もちろん、自分がそんな人物に見えるわけがないことは承知している。
相手は、確実に「嘘つけ!」というような顔をするが、さすがに面と向かって「嘘だろ」と言う人はいない。

私が、会話を拒絶していることだけが、わかればいいのだ。
そして、「資金繰りが大変なんです。今も考えていたんですよ。振り込め詐欺がいいか、それとも、銀行強盗の方がいいかって、ね」と、言葉を繋げる。

最後の「ね」は、できるだけ、粘りつくような目で相手を見つめ、声も粘っこく相手を絡め取るような気味悪さを出すと効果的である。

安室ヒキガエルは、目を泳がせて、私の手に缶コーヒーを無理矢理つかませると、「ごめんなさい」と言って、朝の冷気の中に消えていこうとした。

左手の缶コーヒーを見る。

それを見て私は、安室ヒキガエルに声をかけた。
「ちょっと!」
それを聞いて、安室ヒキガエルは、危険を感じた小動物のように、足を高速回転で動かして逃げていった。

砂糖とミルクの入った缶コーヒー。

「俺、ブラックしか飲まないんですよ」
そう言おうとしたんだけど・・・・・。



●ブラックが好きな人は、「続き部屋」。



いま利用中のすくすくブログの調子がおかしいんです。

ブログの管理画面を見ようとすると、変なサイトに変わるし、突然自分のブログの体裁がおかしくなるし。
メールで問い合わせても、レスポンスが遅いので、最近はあまり当てにしていません。

このブログをご利用中の皆さんは、どうなんでしょうね。
我慢して使っているんでしょうか。
それとも、これは私のMacだけの現象なのでしょうか。

ストレスたまりますねえ。


2008/11/06 AM 09:23:18 | Comment(3) | TrackBack(0) | [日記]

「おジイちゃん」と呼ばれたくて
ショウコから久しぶりに電話があった。

話は、私のブログを偶然見つけた、という話題から始まった。
「相変わらず、変わっているところが、変わらないよね、サトルさんは」という、素晴らしいお褒めの言葉もいただいた。

「ブログ、私も書いてみようかな」
ああ、「大学生人妻日記」なんてタイトルを付けたら、スケベなやつが絶対に見るから、書いて見ろよ。

鼻で笑われた。そして、沈黙。

沈黙の間に、私の錆び付いたセンサーが、異音を立てて反応した。
こんな沈黙の時は・・・・・。

まさか、ね。いや、あり得るぞ。でも、そうだったら、俺はなんて言えばいい? 取り乱したりしたら、格好悪いぞ。
しかし、まさか、まさか、ね・・・・・・・。

ショウコが、息を大きく吸い込む音が聞こえた。

(来るか!)

・・・・・沈黙。

(来るか!)

「サトルさん、こんなこと言ったら、軽蔑するかな」

(やっぱり、あれ・・・かな? 真面目に答えなくちゃ)

俺が、君を軽蔑したことなんかあったか?

また、大きく息を吸うショウコ。
「あのぉ」
ショウコにしては、長いためらいの時間だ。

ショウコは、6歳で私の前に現れたときから、私に対して、いつもはっきりとものを言う子だった。
(ショウコに関しては、ブログ345を参照)

そんなショウコと私は、いつも友だちのように接してきた。
年の差は関係なく、何でも言いあえる友だちとして、私の中でショウコは大切な存在になっていた。
そして、6歳のショウコが、いま二十歳になった。大学生になった(そして、人妻)。

私は、大きなため息をついた(横を向いてため息をついたので、ショウコには聞こえなかったはずだ)。

「妊娠、したんだよね」
意を決して、という感じで、ショウコが早口で言う。
(やっぱり)

予想通りの展開。
ここで、取り乱してはいけない。
取り乱したら、今までショウコと築き上げてきた世界が、確実に色あせるだろう。

しかし、ショウコが妊娠?
あのショウコが・・・・・(涙目)。

「な、何で軽蔑するんだ? 結婚した人間に子どもができるのは、当たり前のことじゃないか」
(かろうじて、威厳は保ったぞ。少し、声が震えたかもしれないが)

マサ(旦那)は、喜んだか?
「うん、異常すぎるくらいにね」

カネコは、どうだった?
「黙ってた、ずっと」

そうだろう。何と言っていいか、わからなかったはずだ。
嬉しいのは間違いないが、まさか、という思いも強いだろう。
結婚したとはいっても、ショウコには、まだ子どものままでいて欲しい、とカネコは思ったはずである。
カネコの心情は、よくわかる。

カネコが、沈黙のあと、最初に何て言ったか、当ててみようか?
「はい」

「俺のことを、おジイちゃんとは呼ばせるな」って言ったんじゃないか。

「当たりだよ! サトルさん、すごいね」
カネコが照れ隠しで言う言葉は、その程度のものだ。
そして、それが父親というものだ。

夫婦に、子どもができるのは、不自然ではない。だから、軽蔑するわけがない。

「パパもそうだけど、サトルさんも、『大学生のくせに、とか、大学生活はどうするんだ』って言わないね」

君は、マサの奥さんだからな。それは、マサと君が決めることだ。

「あのさあ」と、ショウコが言う。
ショウコの言葉の調子から、ためらいが消えていた。
それは、いつものショウコの口調だった。

「子どもにも、サトルさんのこと『サトルさん』って呼ばせようと思うんだけど、どうかな?」
俺は、別にジイちゃんでも構わないんだが。

「私のまわりに、『おジイちゃん』と呼ばせたい人はいないよ。『サトルさん』は、永久に『サトルさん』だからね」

・・・・・・・(涙目)。

「サトルさん、いま絶対に涙目になってるね」
なってませんよ(涙を拭く)。

「サトルさんって、本当に、わかりやすい人だよね」
(まだ、涙を拭いている)

「でも・・・、ごめんね」
なにが?
「サトルさんとしばらくお酒飲めなくなっちゃったから」
そうだな。中年男の楽しみを奪いやがって、って怒らなくっちゃな。

出産予定日はいつだ。大学生活はどうする。病院は決まっているのか。本当の親父には報告したのか。
頭に浮かんだが、聞かなかった。

ショウコが、母親になる。
その事実が、あればいい。
そして、覚悟があればいい。

母親は、大変だぞ。
「わかってる。でも、サトルさんがいるからね。頼りにしてるよ」
(また涙目)

「ほらほら、年寄りは涙もろいから、困ったもんだね。もう電話切るからね『おジイちゃん』」

本当に、電話を切りやがった。
最後の言葉が「おジイちゃん」かよ!

涙もろいジイちゃんは、その後も涙が止まりませんでした・・・とさ。



●涙もろい人は、「夕闇のリビング」。



衆議院の解散が、遠のいたようです。

テレビのニュースでは、それによって誰が得をし、誰が損するかを解説していました。
その中で、自称専門家たちは、政治家や政党の名は出しましたが、一番肝心な国民と国民生活については、まったく触れていませんでした。

この人たちは、国民の生活より、政治家の椅子取りゲームの方が、大事だと思っているのでしょうか。

大きなズレを感じます。


2008/11/04 AM 06:30:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | [日記]

50分間のブログ
意外と多くの方に、このブログを読んでいただいていることを、最近になって実感している。

ブログのコメント欄の反応もそうだが、メールで意見を寄こす人の数が、この一年で飛躍的に増えた。
1年目は、メールが一通も来なかった。
2年目は、4通だった。
3年目は、35通。
そして、4年目の今年は、昨日で140通になった。昨年の4倍である。

わけのわからない品性のないメールは、日に平均5通程度来るが、それはカウントしていない。
私のブログを読んでくださった方の反応だけをカウントしてある。

驚くべき量だ。
それは、思いがけぬことである。
まさか、こんなに多くの方が、この取り留めのない文章を読んでくださるとは、開設当時は思っても見なかった。

「こんなくだらない文章なんか、読むわけがない」というマイナスの確信を持って書き始めたから、内容に気を配って書くと言うことはしなかった。
人を傷つけるかもしれない、という認識もなく、何人かの友人を登場させて、彼らの秘密を暴いた。

それは、当人たちが読んでいないという前提で書いたから、かなり生々しい文章になった。
そして、「勝手に書きやがって」というクレームを受けることになるのだが、それはいつも無視している。

友人であっても、ブログのネタになるものは、何でも利用する。
中には、かなり露骨に暴露したものもあるが、それで友人を失ったことはない。
口げんか程度で済んでいる。

「面白いですね」というメールが来る。
「それは、違うだろう」という反論も来る。
なぜか「嘘ばっかり書いている」と断定されたメールも2通いただいた(何を根拠に?)。

先日は「永ちゃんをバカにした」というメールもいただいた(バカにした覚えはないですよ)。
同じデザイナーを職業とする方から「共感しました」というメールも来るし、「その程度で、デザイナーと名乗るのはおかしい」というお叱りのメールも来る。
「文章が長いよ。半分に削らないと、読む気がしない」という方もいる。
「行き当たりばったりで書いているように見受けられる。内容をまとめてから文章を書いた方がいい」というプロの文筆家を名乗る方からメールをいただいたこともある。

割合で言うと、否定2割、賛同7割、どちらでもない1割といったところだろうか。
誰でもそうだが、褒められたら嬉しい、逆にけなされたら、へこむ。
賛同が多いのは、嬉しい限りである。

思いがけないことだが、「横浜の赤レンガ倉庫のそばで、アフガンハウンドに顔をなめられている男の人を見ました。あれがmatsuさんだったんですね。思った以上にいい男でした」というメールもいただいた(こちらのブログを参照)。

おわかりかと思いますが、後半の「思った以上にいい男でした」というのは、私の創作です。
謹んでお詫び申し上げます。

フリーランスは、外に出て闘えば闘うほど、刺激を受ける商売である。
だから、ブログのネタが尽きない。
私がもしサラリーマンだったら、ブログを書き続けることは不可能だったろう。

私もサラリーマンの経験があるが、サラリーマンの日常は、同じサイコロの目しか出なかったような気がする。
しかし、フリーランスは、毎回同じ目が出るとは限らない。

いろいろな目が、時間差で出てくるのだ。
そして、そのどれもがブログネタになる。
私の場合、そのネタを50分でブログにする。

この「50分」というこだわりがあるから、書き続けられる。
馬鹿げた文章に1時間以上も費やすのは、時間がもったいない。
だから、「50分」にこだわる。

タイマーを50分に設定して、必ず時間内に作業を終えるようにする。
文章を書き殴り(乱れ打ち?)、適当なGIFアニメを作って、ストックしてある3Dグラフィックを貼り付ける。
読み返している暇がないときは、話の前後関係が滅茶苦茶になるが、それはそれで面白いはずだ、と開き直っている。

そんな支離滅裂なブログを読んでくださる方たちがいる。
そしてそれは、確実に、ブログを書き続けるエネルギーになる。
フリーランスには、いろいろな出来事が降りかかる。
だから、この50分ブログは、まだ終わらない。

一昨日の夜、「見つけたぞ」という電話をショウコからもらった。
ショウコは、このブログに何度か登場する友人の娘だ。

最近、何かのきっかけで、私のブログを見つけだしたらしい。
「馬鹿なこと書いてるねえ、サトルさん」と呆れた口調で言われた。

次回は、そんなショウコのことを書こうと思う(本人の承諾は得てないが)。



●ブログを読む人は、「集合住宅」。



日本シリーズには、まったく興味がありませんので、私にその話題を振らないでください。

何回も言っていますが、自分のチームを「軍」などという表現をする球団があることに、私は嫌悪感を抱いております。

軍の意味を知っていますか?
こちらを参照してください。

だから、S社長。
いくら、あなたが、その球団をひいきにしていても、私にその話題を振らないでください。
そのことは、百回以上申し上げたはずですが・・・。


2008/11/02 AM 07:47:42 | Comment(3) | TrackBack(0) | [日記]



(C)2004 copyright suk2.tok2.com. All rights reserved.