Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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突然左足をつかまれた。誰もいないのに・・・
何とも言いようのない不思議な体験をした。
それは、まったく説明のつかない出来事だった。

3年前から懇意にしていただいている同業者Hさんの事務所で留守番をしていたときのことだった。
「せっかく来てもらったのに悪いんだけど、得意先からお呼びがかかったんで行って来ますよ。1時間くらいですぐ戻りますから、待っていてくれませんか」と言われ、ひとり彼の事務所に取り残された。

事務所内の広さは、8畳くらいか。
ウインドウズが2台とコピー機兼用のレーザープリンタ。本棚。そして、壁際に横長のソファ。
その横長のソファに座って、私はボーッとしていた。

PCを触ってもいいよ、と言われたが、他人の事務所に来てまで触りたくはない。
むしろ、何も考えず、のんびりしていた方がいい。
Hさんが置いていってくれたサンドイッチをつまみながら、ビールを飲んだ。

本棚を見ると、パソコン関係の本がギッシリと詰まっている。
「勉強家だな」と感心したが、手に取ってみたいとは思わない。
それさえも、面倒だ。

壁にカレンダーが掛かっている。
なぜか、もう8月がめくられていて、9月の面になっていた。
9月の写真は、紅葉の京都だ。
京都の9月は全然紅葉なんかしていないだろう、と心の中で突っ込みながら、私はなぜか仏滅の日を探していた。

そんなとき、左足の腿に違和感を感じた。
足の付け根の部分を手で掴まれたような感覚がしたのだ。

最初は、気のせいかと思った。
事務所には、誰もいないのだ。これは間違いがない。
ソファの座り心地が良すぎるので、体の重心が移動しただけで、体に違う感覚を与えるのかもしれない、と思った。
つまり、錯覚。

それほど、高級そうなソファだった。
色は、渋い茶色。表面はレザー。座ったときの感触は堅いが、全身にかかる負荷は、適度な弾力があって、腰が安定する。

腿に、手の感触は残っていたが、錯覚と決めつけて、残りのサンドイッチを食った。
レタスが意外なほど美味いな、と思っていたとき、また腿を掴まれた気がした。
いや、気がした、というより、はっきり掴まれた。

思わず、左の腿を叩く。
しかし、そこには私の足があるだけだった。

まわりを見回してみた。
もちろん、誰もいない。
気配もない。
聞こえるのは、ハードディスクの回る音だけだ。

ビールを飲んだが、缶を持った左腕に鳥肌が立っていた。
そして、左腕の毛が逆立っている。
左半身にだけ、何とも言えない不快感があった。

体に変調をきたして、左半身が麻痺したのか。
まさか、脳梗塞? などということを考えたが、指先まで感覚はあるし、左足の指も自由に動く。
体の不調ではないようだ。

ビールを飲んだ。
しかし、左足の腿に残った指の感触は、最初より格段に強くなっている。

私は、まったく霊感のない男である。
それは、断言できる。
鈍感と言っていいくらい、その方面に関しての能力はない。

ただ、不思議体験は、何度かした(そのことに関しては、コチラコチラに書いたことがあります)。
今回のは、不思議体験と言えば、そう言えるだろう。
だが、体で感じる感触が、今までとは全く異なるのだ。

そこに誰もいないのに、腿を掴まれる感触。

自分の頭が、おかしくなったのかもしれない、とも思った。
脳梗塞ではないが、脳のどこか一部分が壊れてしまったのではないか。
そんな小さな恐怖心が、頭に忍び寄ってきた。

今度は、全身に鳥肌が立った。
部屋が、歪んで見えた気がした。
救急車を呼ぼうか、とさえ思った。

30分ほど、恐怖心と闘ってたとき、Hさんが帰ってきた。
「待たせて悪かったね。お詫びに、Mさんの好きなEBISUビール買ってきたよ。スモークチーズも買ってきたから・・・」
Hさんはそう言ったが、私の様子がおかしいのに気づいて、まわりを見回した。
そして、瞬く間に蒼白な顔になって、「ああ、まさか・・・、あれか・・・、あれか・・・、あれか・・・」と呪文を唱えるように、同じことを繰り返した。

「あれか」と言うからには、Hさんも同じことを体験したに違いない。

蒼白な顔のHさんに聞いてみると、4年前、この事務所に越してきたとき、一度だけ私と同じような経験をしたらしい。
Hさんも左足だった。
はっきりした感触で、膝の上のあたりを10回くらい掴まれたのだという。
私の場合は2回。掴まれたのも足の付け根という違いはあったが、この現象は全く同じだと言っていいだろう。

この現象があったのは、4年前に一度だけだったし、それ以来、他に何人もがこの事務所に入ったが、同じ現象は起こらなかったという。
だから、Hさんは今日まで、そのことを完全に忘れていた。
しかし、私の表情を見て、すぐに思い出したのだという。

「右手ですよね。右手で掴まれたような感じですよね」
Hさんが、紫色の唇を震わせて言う。
「そうです。間違いなく、あれは右手です」と、震える声で言う私。

EBISUビールを無言で飲む、中年男ふたり。
そして、時々ふたり同時に、あたりを見回し、左の腿をさする。

弱い笑いを浮かべながら、Hさんが言う。
「疲れているんですかねえ」
「そうですねえ、寝不足ですしねえ」
「ああ、あのときの俺も寝不足でしたよ。平均睡眠時間2時間くらいでしたから」
「俺も、昨日1時間くらいしか寝てないんですよ」
「ああ、それはつらいですねえ。きっと寝不足のせいですよ」
「そうですよね。寝不足のせいに決まってます」
「決まってます」

口のまわりを引きつらせながら、ふたりの中年男は、弱いうなずきを繰り返した。



★うなずく人は、CG「徹夜して・・・」



チキンラーメンが世に出てから、50周年だそうです。

昨年の5月、友人から40食分のチキンラーメンをもらったことがあります。
最初の頃は、定番の食べ方・真ん中のくぼみに卵を落として、刻みネギを盛って、食べていました。

「うまいねー、チキンラーメンは!」
家族全員の満足顔。
やはり、チキンラーメンは、この食べ方が一番です。

我が家では他の食べ方として、鍋のあとのスープにチキンラーメンを入れ、卵を落として、さらにご飯を入れて食べることもしました。これも、うまい!
他には、麺を粉々に砕いて、それを丼ご飯の上に卵と一緒にのせ、お湯をかけて食べる方法。
粉々に砕いて、椎茸やタケノコ、油揚げなどと一緒に、炊飯器で炊き込みご飯にする方法。
煮込んだチキンラーメンを細かく切って水気を切り、厚焼き玉子の具にする方法など、色々と試しました。

レトルトカレーの具をかけても美味しいよ、と教えてくれる人がいて、やってみたこともあります。
うちは、チキンラーメンは、スープ感覚で食卓に出すよ。スープとして常備しているよ、という人もいます。
朝、食欲がないときでも、チキンラーメンだけは食えるんだよね、という人もいます。

15年くらい前に、取材でホテルのバーに行ったとき、バーの支配人がオープン前に、事務所でチキンラーメンを食べていました。
「悪いね。早めに食べておかないと、食いっぱぐれるからさ」と言いながら、タキシードの上に大きなエプロンをかけて、美味しそうに食べていたのを今でもよく覚えています。

チキンラーメンを食べると、人は皆いい顔になる。

チキンラーメン、買いに行こうかな?


2008/08/28 AM 07:00:54 | Comment(4) | TrackBack(0) | [怖い話]



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