Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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黒いトンボは幸せのトンボなのか?
どんな不幸な出来事があったのか、テクニカルイラストの達人・イナバが奢ってくれるという。

いつも奢ってくれるのだが、今回は「ご家族も呼んで、すかいらーくで食べまくりましょうよ」と言うのだ。

イナバに一体何があったのか?

暑さに負けて、思考回路がショートしたか。
それとも、脳が溶けるようなものでも食って、気持ちが大きくなったか。
あるいは、道で大金でも拾ったか。

お言葉に甘えて、家族4人で、すかいらーくに「わーい!」と言いながら行った(本当に『わーい!』と言ったのだから、我が家族はすごい)。

久しぶりに見るイナバは、陽に焼けていた。
「ハワイにでも行って来たのか」と、冗談っぽく聞いたら、「行った」と、本気で答えやがった。
そして、おみやげにアロハシャツを4着もらった。

高校3年の息子は、新しもの好きなので、早速トイレで着替えてきた。
息子は、弱々しい松坂大輔という感じだが、アロハを着ても、違和感はなかった。
その弱々しい松坂大輔の食欲の火が、「遠慮しないで食べていいんだよ」というアホのイナバの言葉で、盛大に点った。

まず「ミックスグリル」を注文した。
それを瞬く間に平らげると、次は「大海老フライ&ハンバーグステーキ」だ。
肉ばかりだとバランスが悪いので、「10種の野菜の摂れるサラダ」も頼んだ。
そして、「オニオングラタンスープ」。
見事な食欲である。
だが、それで終わりではない。
「やわらかマンゴープリン」と「クラシックショコラ」「アイスの盛り合わせ」も食べたのである。

イナバが、アホ丸出しの顔で、我が息子の食いっぷりを見ている。
そのイナバの脇に、いつも持っているシルバーのショルダーバッグが置いてある。
高価なブランド品だということだが、ブランド名に興味のない私は、その名を忘れた。
かなり有名なものらしいが、少なくともイナバには、似合っていない。だから、私にとっては、どうでもいいものである。

ただ、今回は、そのバッグに黒いトンボのブローチが付いていたので、興味を持った。
「ハワイ土産かもしれない」と思った。
胴体も羽も黒で、特に羽が大きくて光沢もあり、綺麗だった。
イナバにしては、なかなか洒落たものを買ったではないか、と感心した。

そのイナバに、なぜ貧乏家族に奢ろうという気になったかを聞いてみた。
すると、イナバは、私が初めて見る照れた顔を作って、小さな声で私に耳打ちをした。

初めて聞くのだが、イナバの奥さんの父親は、某有名メーカーの創業時の社員だったという。
その会社が大きくなって、奥さんの父親は、会社の株を一部保有することになった。
父親が死んで、その株式のほとんどを娘である奥さんが保有することになった。
相続税はかなり取られたが、残った財産価値は、まだ大きい。

そして、この6月。会社から、奥さん保有の株をすべて買い取りたいという申し出があった。
奥さんは、株に対して全く執着がないので、それを会社に譲ったのだという。
その価格を耳打ちされたのだが、それが、信じられないくらい非常識な額だった。

その額を聞いたら、我がヨメだったら、失神しただろう。
我が息子だったら、心臓が止まったに違いない。
娘だったら、「それは『うまい棒』何本分だ?」と言っただろう。
そして、私だったら、確実に人間としての道を踏み外す金額だった。

だが、イナバの奥さんはしっかり者なので、道を踏み外すことはないだろう。
その点で、イナバは幸せ者である。

イナバは、その幸運を手にしたとき、「誰か恵まれない人に、この幸運を分かち与えたい」と思ったそうである。
そして、そのとき、真っ先に思い浮かんだのが、私の顔だったという。

アホのイナバは、アホなりに、お金の使い方を心得ているようだ。
それを聞いて、私は心おきなく、家族に向かって、こう叫んだ。

「すかいらーくのメニューにあるもの、全部食っちまおうぜ! 今日は、遠慮はいらないぞ!」

そう叫んだとき、黒いトンボの羽が少し動いた気がした。

まさかね?

ヨメが食いまくっている。
娘は、サラダとドリンクバーだ。
「もっと、腹にたまるもの食えよ。ハンバーグ好きだろ。ハンバーグを食え」と言うと、「おまえが作るハンバーグより美味かったら嫌だろ」と言う娘。

「馬鹿だな。うちのより美味いわけないだろ」
「よし! じゃあ、食ってみるか!」

ハンバーグを食いながら、娘がVサイン。
「間違いなく勝ったぞ! おまえの方が美味い!」
親父の威厳をかろうじて保ったようである。

そう思ったときに、私の視界に入った黒いトンボの羽。
また、動いた気がした。

まさかね?

すかいらーくでは、お持ち帰りもできるというので、「ハンバーグ&シュリンプフライ弁当」2つ、「お月見ハンバーグ」2つ、「ライス」4つ、「チーズタルト」3つ、「 クラシック・ショコラ」3つをお持ち帰りにしてもらった。

これで、夕メシの心配もなくなった。
満足、満足と思っていたとき、明らかに、黒いトンボが動いた、羽が盛大に動いたのだ。
それに、娘も気づいた。

「えー! 本物かよ」

我々が指さした方を見て、イナバも自分のバッグに視線を移した。
羽を動かす黒いトンボ。

「ギャーーーーーーーーーー!」

「なんすか! これぇ! これって、トンボ? えー! 俺、虫ダメなんですよぉ! なんで、ここにトンボがいるんすかぁ〜〜〜!」

まわりが振り返るほどの、絶叫だ。

このトンボは、イナバがすかいらーくに来る前から、バッグに張り付いていたのだろう。
しかし、1時間以上も同じ位置にいるとは、何と非活動的なやつだろう。
トンボは飛び回るのが仕事なのだから、こいつは、よほど怠け者に違いない。

感心していると、後ろの座席に座っていた60年輩の男の人が、手を伸ばしてきた。
羽の部分を持ちながら宙にかざし、「珍しいな、真っ黒いトンボかぁ」と言った後で、「あ〜あ〜、しあわせのトンボがぁ〜」と歌い出した。
私の記憶に間違いがなければ、それは長渕剛の歌だった。

娘と顔を見合わせて、二人して腕を胸の前で組んで「寒いポーズ」。
我々二人は、長渕剛の歌を聴くと、鳥肌が立つ体質なのである(ファンの方、ごめんなさい)。

しかし、それを聴いたイナバは、しみじみとこう言うのだ。
「ああ、オレ、最近幸せ続きだから・・・・・、だからトンボが寄ってきたのかなあ!」

この言葉を聞いて、私は、このときほど、イナバをグーで殴りたいと思ったことはなかった。
娘を見ると、娘も右のコブシを握りしめていた。

ヨメと息子は、単純に「ああ、これは、私たちに幸せを運んできたのかも〜」と喜んでいた。
この温度差は、一体何なんだ!

温度差を感じつつも、お持ち帰り弁当を大量に抱えながら家に帰ると、留守番電話がピカピカ光っていた。
聞いてみると・・・・・、

「ススキダだぁ! 懸賞で地中海旅行が当たったぞぉー! 初めてだよ! 懸賞に当たるなんて! キタ〜〜〜! 生きていてよかったぁー!」

どうやら、幸せのトンボは、違う方向に飛んでいったようである。



★トンボが逃げた人は、CG「森のバス停」



オリンピックネタ。

北京オリンピックの女子マラソンでメダルを取れなかったことに対して、色々な人が色々なことを言っています。
検証することは大事でしょうが、私には騒ぎすぎに思えます。

今までが、良すぎた。
それが、今回たまたま選手の調子が悪かったから、メダルが取れなかっただけ。
私は、単純にそう考えています。

マラソンは、人間の体を極限まで追い込んで走る種目です。
誰もが百パーセントの状態で走れる競技ではありません。
圧倒的な世界記録を持つラドクリフでさえ、オリンピックではメダルが取れません。

調整の難しいマラソンで、たった1回メダルを逃したからって何を騒いでいるんだ、というのが、今回の私の感想です。
男子柔道も、2個も金メダルを取って、なんで非難されなきゃいけないんだ、と私は思っています。

ただ、こんなことを言うと、どこでも「非国民」を見るような目で見られましたが・・・。


2008/08/20 AM 08:08:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | [日記]



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