Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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モンスターからデーモンへ?
トンデモ110番。

深夜、インターネットを検索していたら、なぜかそんなニュースが表示された。

非常識な苦情を110番通報する人が、最近増えてきているらしい、という記事だ。

「彼女に捨てられた。どうしたらいいか」
「自販機のお釣りが少ない」
「アイスクリームが溶けた」
・・・などという、どうでもいい平和な話をわざわざ110番通報するらしい。

110番を受けた通信指令課では、その都度、状況を聞いて丁寧に対応するというから、この姿勢には頭が下がる。
電話をかける側は、自己中心的な思いに凝り固まっているから、電話の向こう側で、係員がどれだけ真剣に対応しているか想像ができない。
その結果、その要求は、エスカレートする。
本当に、たちの悪い人種だと思う。

そのニュースでは、こんな警察関係者の談話も載っていた。

「20年ほど前にも通信指令室で担当したが、当時もとんでもない通報はあるにはあった。しかし、今ほどひどくなかったですね。これは110番に限った話でなく、119番でも同じようなことが起こっている。やはりモラルの問題なんじゃないでしょうか」

この警察関係者の話では、こういった非常識な通報が、以前と比べて目に見えて増えたとは言っていない。
ただ、「一人の関係者の感想」として、通報の内容がひどくなったと言っているだけである。

とんでもない通報は、昔もあった。
しかし、それは記事にはならなかった。
だが、今は、記事になる。
それは、メディアが最近、非常識な通報を「モンスター」と表現すれば、人の目を惹くと、安易に考え始めたせいではないか、と私は思っている。

私の友人は、15年ほど前、2年近く警察官をやっていたことがある。
私は、彼から飽きるほど、その種の信じがたい話を聞いていた。
だから、この種の話を聞いても、今さら何を、としか思わない。

「盗まれた自転車を見つけたから、一緒に行って取り返して欲しいと言われて、相手の家に行くと、それは同じ型、同じ色の自転車だったが、正規の自転車登録をした違う人のものだった。すると、通報した人は、『そんなことないわよ! 絶対この自転車なんだから』と、その自転車に乗って帰ろうとした。慌てて彼が止めると、『警察が泥棒の味方をするわけ!』と、思い切り蹴飛ばされた」

「家に帰ると、テーブルの上に置いたティッシュの箱が消えていた。きっと泥棒が入ったに違いない。ティッシュの他に盗まれたものがないか探してみたら、牛乳パックの中身が減っている気がする。きっと泥棒が飲んだに違いない。気味が悪いので、牛乳は捨てた。絶対に泥棒が入ったんだ! 盗まれたティッシュを探してくれ、と言われてよく調べたら、会社でティッシュを切らしたので、自分で会社に持っていって使っていただけだった。牛乳は、朝出がけに自分が飲んでいた」

「財布を落としたので、家に帰れない。終電が行ってしまったので、タクシーで帰るしかない。だから、タクシー代として、5千円貸して欲しい。しかし、住所を聞いてみると、交番から5百メートルも離れていないところだった。給料日までお金が足りなくなったので、タクシー代を口実に生活費を借りようとしたらしい」

「隣の騒音がひどいという通報で駆けつけると、通報した本人は、寒い真冬に窓を全部開け放していた。なぜ開け放しているのか聞いたら、昨晩焼き肉パーティをしたときの臭いが部屋中にこもっていたので、臭いがとれるまで開けているのだという。騒音は、赤ん坊の泣き声だった。しかし、試しに全部の窓を閉めてみたら、それほど泣き声は気にならなくなった。窓を閉めれば、静かになりますよ、と言ったら、『俺に、焼き肉の臭いを我慢しろ、と言うのか!』と、怒鳴られた」

「深夜、鍵を落としたので家に入れないから何とかして欲しいと、交番に若い男がやってきた。住所を聞くと、すぐそばのアパートだった。一緒に行ってみると、確かに鍵がかかっている。管理人と連絡を取ろうと思ったが、管理人の連絡先がわからない。ドアノブをガチャガチャと動かしながら、どうしようかと考えていたときに、突然内側からドアが開いた。女の人が、鬼のような形相で、二人を睨んでいた。要するに、深夜帰宅したときの奥さんの反応がいつも怖かったので、旦那が一人で帰れなかっただけだった」


おそらく、この種の話は、昔も今も変わらずあるのではないだろうか。
ニュースとしては、少しも面白くないから、報道されなかった。
ただ、この種の話の前に「モンスター」をつけて形容すると、最近では、何か意図的で特別な記事になる。

いつの時代にも、世間の枠から大きく外れた非常識な人は、いたと思う。
「モンスター」という安易な言葉で、表現されなかっただけだ。

そう考えると、「モンスター」というのは、楽な言葉である。
つまらない内容でも、「モンスター」とつければ、読んだ人は「まったくなあ!」と怒ってくれる。
「そんなに怒るほどのものか」という反応しかしない私のような人間は、変人扱いになる。

そうして、私も、めでたく「変人モンスター」の称号を得ることになる。

そして、「モンスター」が、メディアから飽きられたとき、モンスターの称号は剥奪されて、ただの「変人」に格下げ。

あるいは、「モンスター」の次は、「デーモン」に昇格?

いや、それでは、デーモン小暮閣下に失礼か・・・。



★モンスターじゃない人は、CG「避難する?」



野口みずき選手が、マラソンの出場を断念しました。

前回のブログで、アスリートの生きざまに関して、勝手なことを書きました。
無責任な第三者は、今回の超一流のアスリートの判断を尊重したいと思います。

野口選手は、まだ30歳。
あと一回、大きな頂上を極める時間は、たっぷり残っています。

あとはただひたすら、世間も静かに、メディアも静かに彼女を見守ってあげること。

特に、この国のメディアは、成功者をいとも簡単に突き落とすのが好きなようですから、要注意です。


2008/08/14 AM 07:57:21 | Comment(3) | TrackBack(0) | [日記]



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