Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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誇り高きエアコン
エアコンの調子が悪くなった。
それは、夕方に激しい雷雨のあった7月20日過ぎのことだった。

我が家のエアコンの製造年月日を見ると「1996年製」というシールが貼ってあるから、10年以上使っていることになる。
エアコンの耐用年数が何年かは知らないが、使い込んでいることは、間違いない。

エアコンの電源は入るが、冷房やドライにならず、風だけが送風口から出てくる。そして、ほぼ20分後に止まる。
これは、明らかに故障である、と家族は騒ぐ。
そして、新しいエアコンを買おう、と口々に騒ぐ。

パソコンが壊れたときのために、「パソコン貯金」をしているので、それを使えば新しいエアコンを買うことはできる。
しかし、世間で壊れたと判断されたものでも、「直してやろう」という余計な意欲を燃やす、貧乏性の男がここにいた。

そして、6割くらいの確率で、直してしまうのだ。
その割合が高いか低いかは、人によって評価が違うだろう。
しかし、私は全くの素人である。その素人が6割近い成績を残すというのは、奇跡と言っていいのではないだろうか。

その奇跡の男が言う。
「エアコンは、壊れたわけではない。なぜなら電源は入るではないか。室外機が回っていないだけで、壊れたというのはエアコンが可哀想だ。もう少し、長い目で見てやったらどうか」

当然、家族は、大ブーイング

7月下旬。これからさらに暑くなるのに、エアコンのない生活は耐えられない。
いま注文しないと、設置業者が混み合って、設置が遅くなる。
地獄の夏は、過ごしたくない!
はやく、エアコンを買いに行こう!


ブーイングの大合唱だ。
我が家の人間は、私以外は、暑さに弱い。
エアコンのない生活は、彼らにとって、生き地獄なのだろう。

ただ、もう少し冷静に考えてみたい。
このエアコンは、本当に壊れているのか?
少し休みたいだけではないのか。

誰だって、働きずくめは疲れる。彼(彼女?)だって、たまには休みたいんじゃないか。
それを誰が責めることができようか。
彼(彼女?)に休みを与えなかった人間が、悪いのではないか。
エアコンを責めてはいけない。彼(彼女?)は、精一杯頑張ったのだ。
彼(彼女? しつこい)を責めるな!

「おまえ、アホか! 冷房が使えないエアコンは壊れているに決まってるだろ! さっさと新しいのを買ってこい!」
娘は、珍しく感情的になって激怒していたが、まわりが怒れば怒るほど、私は冷静になる。

このエアコンが壊れていない証拠に、夜中の2時3時にスイッチを入れると、稼働することがあるのである。
昼間は役に立たないが、夜は動く。
つまり、完全に壊れているわけではない。

そこで、エアコン復活隊の隊長である私は、昼間、室外機まわりの外気温を計ってみることにした。
35度。けっこう高い。
そして、夜は26〜28度。
室外機まわりの気温が低いときは、エアコンが作動する確率が高いのだから、この老朽化した室外機は高温に弱いということがわかる。

そんなとき、私はテレビ東京の「ガイヤの夜明け」を見たのである。
省エネの特集をやっていたのだが、その中で、エアコンの室外機にスプリンクラーで水をかけて、無用な熱の放出を防いで、省エネを実践している会社があった。
それを見て、「これだ!」と思った。

我がエアコンの室外機は、オーバーヒートして動かなくなったのではないだろうか。もしかしたら、冷やしてやれば、まだ動くのではないか、と思ったのだ。
そう思った私は、翌日早速、室外機のまわりに水をまいた。
内部に水が入らないように、慎重に水をまいた。
そして、室外機まわりの気温を計ってみた。

水をまく前は、35度。まいた後は、29度。明らかに、温度が下がった。
エアコンのスイッチを入れた。
しかし、送風だけだ。冷房には、ならない。
そこで、室外機のまわりに、氷のかたまりを置いてみた。
それによって、室外機まわりの温度は、28度に下がった。

しかし、室外機は動かなかった。

「無駄だよ! 無駄! 壊れたんだよ。無駄な抵抗はやめて、新しいのに換えようぜ。もう、みっともないことはするなよ!」

そんな娘の罵声に自棄になり、私は室外機全体に水と氷をぶちまけた。
腹立ち紛れに、水をバケツで2杯、ぶっかけた。

すると、ウィー〜ン!
室外機が回り始めたのだ。

冷房のスイッチが、入った!
涼しい風が、送風口から出ているではないか。
娘が喜んだ。ヨメも、ガッツポーズをしている。息子は、踊りだした。

老朽化した室外機は、冷やすことによって、自分がエアコンの室外機であることを思い出したようである。
それからは、室外機を冷やせば冷房が止まることはない、ということがわかったので、一日に3回か4回、子どもたちを当番にして、室外機を冷やすようにした。

よかった、よかった、と大喜びしていたときに、ヨメがインターネットで嫌な記事を見つけた。
「エアコンの室外機を水に濡らすのはよくない。室外機は、水に強い構造にはなっていない。漏電の原因にもなるし、室外機自体が錆びる可能性もある。長持ちをさせたいなら、室外機は、極力濡らさないようにすべきである」
「ビルの屋上の室外機にスプリンクラーをつけて冷やしている光景を見かけるが、あれは業務用の耐水性の室外機である。家庭用の室外機に同じことをしたら、確実に壊れるであろう」
「室外機は日陰に置くべきである。日陰に置けないなら、室外機に陽が当たらないように工夫すればいい。すだれなどで陽を遮るのも効果的である」


そうか、室外機に、乱暴に水をぶっかけるのは故障の原因になるんだな。
陽を遮ればいいのか。そうすれば、室外機の内部が高温になることもないのだな。

早速、すだれを2枚買ってきて、ベランダの天井から吊し、室外機に陽が当たらないようにしてみた。
室外機に陽が当たらない工夫はした。
しかし、温度を測ってみると、室外機まわりの温度は、33度から35度もある。

そして、室外機は止まったままだ。
真夜中だけ、たまに冷房のスイッチが入る。
結局、元に戻ってしまったのである。

「何だよ! 日陰を作ったって、関係ないじゃないか! こいつら、嘘言ってるんじゃないか! もういいよ! 水と氷、ぶっかけようぜ!」

娘のやけっぱちのご意見にしたがって、また室外機を水と氷で冷やすことにした。
すると、ウィー〜ン!
エアコンは、またしても自分がエアコンであることを思い出したのだ。

あれから、2週間。いまも、エアコンは冷たい空気を吐き出している。
ただ、雷が近づくと、時々室外機が回らなくなるときがある。
そのときは、コンセントを抜いて、雷が遠ざかるのをひたすら待つ。
そして、雷が遠ざかったら、コンセントを入れて、また室外機に水と氷をぶっかける。それで正常に作動する。

我々はきっと、エアコンにとって、とても乱暴なことをしているのだろう。
それは、常軌を逸する行為なのかもしれない。
エアコンの室外機は、もっとデリケートなものだと思う。
だから、これは決して真似をしないでいただきたい。

いまは動いているが、このエアコンの寿命が尽きるのは時間の問題だというのは、想像がつく。
ただ、壊れる前の最後のひとときだけ、彼(彼女?)は、懸命に貧乏家族のために尽くしてくれているのだろう。

涙が出る。

私は、こんなエアコンを持ったことを誇りに思いたい(何のこっちゃ)。



★誇らしい人は、CG「プールにて」



北京オリンピックのはじまりはじまり。

開会式は、絢爛豪華。様式美の素晴らしさに、感嘆しました。
歴史のある国は、何をやっても、確固たる様式がありますから、それは「問答無用」の説得力となります。

つまりは、水戸黄門の印籠のようなもの。

ただ、何もかもがあまりにも、綺麗ごと過ぎるので、一時間で飽きてしまいました。
各国の入場行進を見ずに、テレビを消しました。

ニュースでは、ロシアとグルジアの戦闘が激化との報道。
まさに、戦争と平和です。

綺麗ごとで塗り込められた、張りぼての平和は、2週間以上続きますが、よその世界では、その間に何人のひとが死んでいくのか。

そんなことがあっても、別世界のおとぎの国は、閉会式が終わると、「成功だ! このオリンピックは成功した!」と、声高らかに叫ぶことでしょう。

「オリンピックは、そんなもんだよ」と言われてしまえば、それまでですが、何かが違うような・・・。


2008/08/10 AM 08:03:46 | Comment(3) | TrackBack(0) | [日記]



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