Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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俺は高校野球が嫌いだ
今年は、ついに堂々と宣言をした。

私は、高校野球が嫌いだ(ブログでは何度か書いているが、人前で宣言したのは、今回がはじめて)。
いや、正確には、甲子園で行われる全国高校野球大会が嫌いだ。

高校生がする野球に関しては、決して嫌いではない。
ただ、日本中が熱に浮かされたように、うっとりと「汗と涙の甲子園」を語るのが気にくわないのだ。
そして、甲子園大会に興味を持つのが国民の義務だ、というような断定的な話題の振り方をされるのが、押しつけがましくて我慢できない。

要するに、変人。

この変人が、得意先に行ったとする。
埼玉の会社だ。
すると、「Mさん、○○高校、どうですかね? 勝てますかね?」と、突然言われる。

「○○高校」と言われて私は、いつも悩むのだ。
俺は、そんな高校知らないぞ。それに、何だ! 勝てますかねって。何に勝つんだ?

話の流れで、それが甲子園大会の話だということは数秒後に理解するが、○○高校のことは、私はまったく知らない。
テレビで甲子園関係のニュースは見ないし、インターネットでも甲子園大会の情報は素通りしている。
新聞は、とっていない。
だから、私の脳細胞には、一行たりとも甲子園大会の記事が入ってこないのだ。

そんな変人が、突然「○○高校」と言われて、咄嗟に反応できるわけがない。
だが、相手は「埼玉県人なんだから、それくらい常識だろう」と、確信を持って話しかけてくるのである。

これが、鬱陶しい。

私の反応が鈍いと、相手は、まるで知らないことが悪いことであるかのような目で見てくる。

埼玉県の選手ではなかったと思うが、何年か前、サイトウ選手が活躍していたころ、どこに行っても「サイトウ、サイトウ、サイトウはすごいね」という話を振られたことがある。

世の中にサイトウさんは、たくさんいる。
その、たくさんいるサイトウさんのうち、どのサイトウさんがすごいのか、私にはまったくわからなかった。

昔、印刷ブローカーでサイトウというのがいた。
彼は、ベンツを乗り回し、中野の4LDKのマンションに住んでいた。
アルマーニ(?)のスーツを着て、グッチ(?)の腕時計をはめていた(?のところは、そんなブランドがあるか半信半疑なので)。

私のまわりには、そのサイトウしかいなかったが、まさかそのサイトウのことを言ってるわけがないとは思った。
彼は、そんなに有名人ではない。
有名人には、なりたかったようだが・・・・・。

では、どのサイトウだ?

みんなが、当たり前のように「サイトウ」と言っているのを聞くと、「すみません、どのサイトウですか?」とは、聞けないものだ。

「キタノ監督はすごいよね。まさに世界のキタノだよね」と言われて、近所のサッカーチームの北野一夫監督を思い浮かべる人は、絶対にいない。
「世界のキタノって誰?」とは、とても聞き返せない。

それと同じことである(同じではない?)。

このときは困った。
サイトウ選手が、甲子園を沸かせている人だとわかるのに、かなりの労力を必要とした。

類は友を呼ぶから、私の友人にも甲子園大会に批判的な人が多い。
中学1年の我が娘もそうである。

「クソ暑い中、まともに働いているのは、ピッチャーだけじゃないか! 格差社会の象徴だな!」
「金属バットの『コキン』って音が、軽くて嫌だ」(by 我が娘)
「何で高校野球だけが、いつも汗と涙なんだ! 差別だろう」
「北京オリンピックと開催時期がかぶる『空気読めない感』は、何とかならないか」(by コピーライター・ススキダ)
「みんなNHKと朝日、毎日に洗脳されてるんだよ」
「坊主頭が変だ。軍隊や刑務所じゃないんだから、髪型くらい自由にさせろ」(by テクニカルイラストの達人・イナバ)

友人というのは、同じ思考回路を持っているようである。
だから、この場合は、話が楽だ。
「甲子園大会は、よその世界のできごと」だから、話が盛り上がることはない。

しかし、得意先に行ったら、そうはいかない。
「○○高校、ナントカ選手、感動的な試合、泣けたよ、最高のドラマだ!」というのを予告もなく聞かされるのである。
映画館で、本編が始まる前に、頼みもしないのに、ホラー映画の予告編を何遍も見せられるようなものだ(?)。

これは、ストレスだ。
胃が痛くなることもある。

だから、今年からは、冒頭に書いたように宣言することにしたのである。

「私は、甲子園大会にまったく興味がありません。何が面白いかわかりません。だから、何を言われても私にはわかりません。私に甲子園の話をしないでください!」

そう言うと、ほとんどの人が一瞬、変人を見るような目で見るが、それはすぐに「まあ、広い世間、こんな変人がいてもいいだろう」という悲哀のこもった目に変わる。
大人の反応である。
しかし、一人だけこう言った人がいる。

「ああ、いますよね。そういう人。いいんじゃないですか。それは、人それぞれですから。でも、そういう人って、運動が嫌いで、子どものころ、体育の成績が『1』だった人に多いんじゃないですかね。まあ、気にしない方がいいですよ。スポーツができなくても、何の問題もありませんから。俺も、体育『1』でしたもん!」

甲子園大会に興味がないという話と、このご意見がどう繋がるのか、私はいまだに悩んでいる。



★興味のない人は、CG「もうすぐお盆」



ひまわり畑。

お盆にはまだ早かったのですが、墓参りに行ってきました。
一匹狼で変人の私に、控えめにデザインの極意をアドバイスしてくれた人、ニシグチさん(2年前、こちらのブログに書きました)。

お墓は、緩やかな丘の上にあって、見下ろすとひまわり畑が一面に広がっているのが見えます。
花弁の黄色と、葉の緑。そして、空の青。
鮮やかな色彩が、視界一杯に広がります。

しかし、その空が突然雲に覆われて、突風が吹いてきました。
そして、雨。
逃げる暇もありませんでした。

風雨を遮るものは、何一つありません。
数多くのひまわりが雨に濡れ、葉が大きな雨音をたてます。
逃げるのは諦めて、雨に濡れるのにまかせました。

「Mさん、油断しちゃいけないよ。人生、何が起きるかわからないからね」

豪雨の中で聞く、ニシグチさんの声。

雨が上がるとすぐに、真夏の青空が顔を出します。
ひまわり畑の水滴が、夏の太陽の日射しを照り返して、目を開けていられないほど眩しかった。

全身びしょ濡れになりながら、墓石に向かって、手を合わせる。

「Mさん、その格好、笑っちゃうね」
また、ニシグチさんの声。

笑うしかありません。

「笑いなよ、Mさん、笑いなよ」

笑ってますよ、ニシグチさん。
ひまわり畑も、笑っているし・・・。



2008/08/08 AM 07:36:03 | Comment(4) | TrackBack(0) | [日記]



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