Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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マニュアルひとつで23パーセント
また一日だけアルバイトをした。
先月アルバイトをしたのと同じところだ。

一日体が空いたので、家でゴロゴロしているよりはいいかと思って、朝早く家を出た。
出かける前に、家族の朝メシと昼メシの弁当、自分の弁当を作った。
そして、余計なことだとは思ったが、作業用のマニュアルもバッグに入れて、作業時間の20分前にアルバイト先に着いた。

事務所をのぞくと、先月世話をしてくれた班長の姿があったので、声をかけた。
私の顔を見ると、班長は「おお、達人! 久しぶりだな」と、嬉しそうに近づいてきた。

「ずいぶん早く来たな」と言われたので、「作業前にお話が」と、事情を説明した。

ザブングル顔の班長は、「まあ、座ろうぜ」と、事務所の一番隅のテーブルに私を連れて行って、折り畳み式の椅子を私に勧めた。
私は、テーブルの上に、A3のプリント1枚とA4のプリント1枚を置いた。

A3のプリントは、倉庫内の見取り図。A4のプリントは、効率のいい作業工程を書いたものだ。
倉庫内見取り図には、赤い矢印線で、ルートが書いてあって、出版社名も1から42まで丸付きで表示してある。

作業工程は、平易な言葉でワークフローを書いたものだ。
元々の仕事が単純なので、あとは、カートに入れる本の順番を乱さないように気をつけるだけ。
これは、最低限の注意力があれば、カートをひっくり返さない限り、誰にでもできる作業である。
まるでアルバイトを子ども扱いするような文章だが、この程度のマニュアルでも、あるのとないのとでは、能率が大きく変わってくる。

「一度、だまされたと思って、やってみていただけませんか」
アルバイトの分際で出過ぎたことを、と怒られても仕方ない提案ではあるが、班長は快く上司に話を繋げてくれた。

事務所内には、班長の他に女子事務員が4人、そして「部長」と呼ばれている人が1人いた。
班長は、その部長に、私の持ってきたプリントを見せて説明をしている。
部長は、歳は班長と同じくらいだろうか。緊張感のない、ぼやけた顔をした人だった。
班長の方がまだ、仕事に対する緊張感があって、外見からすると、班長の方が上司に見える。

部長は、プラスチックの物差しで背中を掻きながら班長の話を聞いていた。
そして、たまにチラッと、こちらを見るのだが、全体の雰囲気がぼやけているから、まるで暑さにだれた犬が無気力にまわりを見回しているようにしか見えない。

やはり、余計なお世話だったか。

私は社員ではないので、私の意見が採用されなくても、「まあ、いいか!」で済ませることができる。
その点は、気楽である。

そう思っていたら、班長が戻ってきて、「とりあえず、やってみていいってさ」と、サブングル顔で親指を立てた。
部長の方を見ると、もう完全に関心を失った顔で、うちわで顔を扇いでいた。
ゆる〜〜い会社のようである。

夏休み中なので、学生のアルバイトが多い。30人以上いるようだ。
その中で経験者は、4分の1程度だという。
班長が、全員にマニュアルのコピーを手渡していった。

マニュアルがあったからといって、すべての人に効果があるとは限らない。
やる気の問題もあるし、要領の問題もある。
経験者は、さすがにコツをつかむのが早いが、新人でやる気のない人は、結局右往左往するだけだった。
一度だけの説明では、アルバイトの意識を変えるのは、難しいのかもしれない。

しかし、午前中が終わって、弁当を食っている私のところに、嬉しそうな顔の班長がやってきた。
そして、「あげるよ」と言って、ペットボトルのコーラをテーブルの上に置いた。
私はコーラは飲まない主義だが、人の好意を無にするほど野暮ではないので、ありがたくいただいた。

私の弁当を見て、「愛妻弁当?」と言ったので、「愛自分弁当」と答えた。
班長は、「ほえっ?」と首を傾げた。

テーブルを挟んで向かいのテーブルに座った班長は、「午前中は、3割近いアップだね。確実に能率は上がったよ」と嬉しそうに、菓子パンにかじりついた。
3割アップなら、立派なものである。これは、かなりの効率アップと考えていいだろう。

「しかし、何度も言うようだけど、同じ日給しか払えないから、申し訳ねえよ」

それは、決まりですからね。でも、外部の人間が勝手に持ち込んだマニュアルをよく採用してくれましたよ。その柔軟性はすごいです。班長さんの決断力には、頭が下がります。

「いやいや、そんなことは・・・」

午後の作業は5時45分に終わった。
仕上がった箱の量は、昨日が381箱。
そして、今日が469箱。つまり、約23パーセントアップだ。

いつも、これだけ能率が上がるとは限らないが、最低でも15パーセントくらいは上がるのではないだろうか。
15パーセント作業効率が上がるということは、15パーセント人件費が削減できるということである。

「えっ、人件費が減らせるの?」
アルバイトの数を減らせますから、人件費は確実に抑制できますね。

「ということは、その分儲かるってこと?」
まあ、単純に考えれば、そういうことになりますね。

「本当かい? 儲かるのかい?」
いつのまにか、ぼやけた部長がやってきて、班長の隣に立っていた。

「15パーセント儲かるのか? 20パーセントは無理か? 20パーセント儲かる方法はないのかい? 20パーセント儲けが上がったらいいなあ!」
部長と班長が、ウットリした顔で、お互いの顔を見つめ合っていた。

その姿を見て、私は思った。

この会社・・・、大丈夫なのか?



★大丈夫じゃない会社は、CG「ゴミ箱から」



先日、テレビで「どろろ」を観ました。

ずっと観たいと思っていた映画を観ることができて、大変満足でした。
ただ、クルクルと変わる柴咲コウの表情と、脇に抱えた小太鼓を叩くときの可愛い仕草に「萌えて」いたため、話がまったく理解できませんでした。

結局、どういう話だったんでしょうか・・・?


2008/08/06 AM 06:28:25 | Comment(2) | TrackBack(0) | [日記]



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