Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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マックでお仕事をゲット
仕事は、忙しいときもあるが、暇なときもあるという中途半端な状態。

毎月のレギュラーの仕事が少ないから、あとは単発でもらう仕事をこなしているというところだ。
時々、同業者から「ちょっと手が足りないから」と言って、溢れた仕事が回ってくることがある。
これは、半分以上ボランティアのようなもので、それほど厳しい仕事ではないが、儲からないというケースが多い。

時々、新規開拓の営業に出るが、もともと営業の才能がないせいか、得点率が極端に低い。
蹴っても蹴ってもボールがゴールに突き刺さらない、役立たずのフォワードのようなものである。

ヨメが独身時代勤めていた会社は社団法人だったため、彼女は営業の血の滲むような努力というのを目の当たりにしたことがない。
だから、営業の本質をよく知らない。

営業に回れば、必ず仕事がもらえるものだと思っている。
彼女にとって、わざわざ営業に回ったのに、仕事をもらえずに帰ってくることなど、考えられない出来事のようである。
独立したてのころ、ヨメのその考えを覆すのに、私は、かなりのエネルギーを必要とした。

基本的に、今の世の中の仕事の総量は、ほぼ決まっている(もちろん多少の増減はあるが)。
その決まった量の仕事の中で、たった一度営業に来ただけの男に、簡単に仕事を与えるお人好しは、ほとんどいないと言っていい。
仕事があまっていれば、そういうこともあるだろうが、現在はそんな時代ではない。

何度も顔を出して、顔を繋いで覚えてもらい、自分をアピールした上で判断してもらうという手順が必要になる。
この場合、選択権は、百パーセント相手にある。
相手の心のどこかを動かしたものだけが、仕事を得る権利を得る(コネは別として)。

その相手のどこかを動かすテクニックは、簡単に会得できるものではない。
場数を踏むしかない。
空振りを何度も重ねて、何度もキックの練習を重ねなければ、いい球は行かないのだ。
練習もせずに蹴ったシュートなど、キーパーに届きさえもしないだろう。

そんな説明を何度もしたのだが、果たしてヨメが理解してくれたかどうか。

あれは、いったい何度目のシュートだったろうか。

今年の1月の終わりに、神田の広告代理店を訪問した。
昨年末に、一度電話でコンタクトを取り、メールを3〜4度送った。
どれも、ほとんど無視されたも同然の扱いを受けたが、失礼を承知で、いきなり訪問した。

すると、担当者は、予想外に好意的な応対をしてくれた。
ただ、好意的な応対をしてくれたからといって、すぐに仕事を手にできるほど、世間は甘くない。
それからも、何度かメールを送った。
電話でもいいのだろうが、電話というのは、相手の都合を考えない行為である、と常々私は思っている。

もしかしたら、大事な用があるかもしれない相手に、突然電話をかけて相手の自由を奪う権利は誰にもない。
その種の電話は、仕事だから許される、と考える人は多いだろうが、私はそうは考えないのである。
電話は、いつだって「押し付け」だ。
それは、自己中心的な行為である。

しかし、メールは多少の押しつけがましさはあるにしても、相手の自由を奪う度合いが、電話より遥かに低い。
だから、私のような人間には、便利なツールである。

訪問後も、何度かメールを送った。
神田の広告代理店の担当者は、私のメールを何度か無視しながらも、数回は返事をくれた。
打率は1割5分くらいか。
とても、メジャーに上がれる数字ではない。

しかし、ごく稀にだが、奇跡は起きる。
それが、一昨日のことだった。
友人の京橋のウチダ氏の仕事の手伝いで、神田の鞄メーカーに行った帰りに、神田のマクドナルドで一人コーヒーを飲んでいたのである。

ボーッとして飲んでいた。
私の場合、仕事をしているとき以外はいつもボーッとしている。
時に、仕事中もボーッとしていることがあるから、ボーッとする確率は、一日のうち5割を超えるかもしれない。
かなりの打率である。これなら、メジャーでも通用する。

そんなことを思っていたら、私の顔を覗き込んでいる男に気付いた。
無礼な!
睨もうとしたが、睨まなくて良かったと思った。
神田の広告代理店の担当者だったのである。

「あのー、スカイデザインさんでしたよね」

物事がうまくいくときは、トントン拍子にすべてが決まる。
ちょうど急ぎの仕事を抱えていた担当のKさんが、マックでコーヒーを飲みながら、スケジュールを考えていたところ、ボーッとした顔の私を見つけたのである(ボーッとしていて良かった!)。

こいつは、確かしつこくメールを送ってきている三流デザイナーではないか。
三流デザイナーは、ヒマなはずだ。
だから、この急ぎの仕事を押し付けても断られることはないだろう。

そうです。
ヒマな四流デザイナーは、嬉々としてその仕事を引き受けました。
さらに嬉しいことに、「この仕事は毎月くる可能性があるから、その時は頼みますよ」とまで、言われたのだ。

マクドナルドでボーッとするのも悪くない。
仕事の欲しい営業さんは、時には歩き回るのをやめて、「マックでボーッ」は、いかがでしょうか。

家に帰って、早速ヨメに今日の出来事を報告すると、ラベンダーの鉢植えを持っていたヨメは、鉢を持ったまま、「あったらしい〜、しごと〜」と言いながら、踊り始めた。

あったらしい〜、しごと〜、ゲット! ゲット! 神田でゲット〜、マックでゲット〜!

実に楽しそうである。

また、営業に出かけてみようかな・・・・・。



★営業に出たくなったら、CG「海を見ていた朝」

2008/04/20 AM 07:48:59 | Comment(2) | TrackBack(0) | [Macなできごと]



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