Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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羞恥心はあるか?
友人の一流デザイナー・ニシダ君に子どもが生まれて、約5か月(そのことに関しては、こちらのブログに書いた)。

はたして、新米のパパとママは、子育てを真面目にやっているのか。
それが心配だったので、彼らの「親修行」を見に行った。

マンションのドアを開けると、いきなりママのチヅルさんが歌を歌い始めた。
「しゅうーちしん! しゅうーちしん!」
左手には、生後5か月の子どもを抱いている。

赤ん坊は、首も座って、人間の顔をしていた。
しかし、「しゅうーちしん!」とチヅルさんが歌うたびに、頭が少しグラグラしている。
その姿を見ると、何か可哀想な気が・・・・・。

リビングの椅子に座って、チヅルさんと乾杯。
ニシダ君は、酒が飲めないのでミネラルウォーターを飲んでいる。
我々は、バドワイザーだ。

そこで、「羞恥心」の話題が出た。
「いや〜、俺って、羞恥心のかけらもないからさ」とボケると、チヅルさんが軽く舌打ちしながら、「オヤジギャグ」と一言。
ニシダ君も「先生、それはちょっと・・・、先生にしては(?)レベルが低い」と追い打ちをかける。

オヤジは、バドワイザーをヤケ飲みする。
そんな私をほったらかしにして、ニシダ君が「あの歌は程度が低くて、聞くに堪えない」と首を振る。
それに対してチヅルさんは、「程度が低くてどこが悪い!」とテーブルを叩く。

また赤ん坊の頭がグラグラしたが、赤ん坊は起きない。
チヅルさん譲りで、肝が座っているようである。
それにひきかえ、ニシダ君はチヅルさんがテーブルを叩いただけで、オロオロしている。

すでに、勝負はあった、と見た。

私は、試合終了の笛を吹いた。

「まあ、流行っているということは、それはそれで一つの事実なんだから、程度が高い低いを言ってもしようがないんじゃないかな」

そもそも、私は「はやりうた」に、程度が高い低いはない、と思っている。
時代が求めている歌が、ヒット曲である。
その時代に受け入れられた歌が、「はやりうた」として認められる。

だから、いい歌、悪い歌、という言い方も適当ではないと思う。
その時代に生きた人が、「共感できる歌」あるいは「共感できない歌」。
歌には、その2つしかないのではないか、と私は思っている。

「でも、洋楽に、こんなひどいのはないですよ」とニシダ君は言う。
そうだろうか。
たとえば、アメリカのショービズでは、10代の小娘が意味もなくセクシーさをアピールして、みな同じようなダンスをしながら腰を振っている。
40を超えたような歌手でも、一定のリズムで腰を振り、セクシーさを振りまく。

男のラッパーも、まるで「韻を踏むのが一番大事」というような歌を同じようなリズムで、まき散らしている。
洋楽だって、過剰な色気とヒップホップが幅を利かせているだけの世界だ。
これは程度の問題ではなく、ただ時代が要求しているから、同じような歌が蔓延する、ということではないだろうか。

時代が選んだ歌に、いちいち目くじらを立てることはない。
「ただ、俺にはちっともいい歌に聞こえないな」で済ませればいい。そして、聞かなければいい。
私はそうやって、いつも自分好みではない「はやりうた」を聞き流してきた。

「だから、ニシダ君もそうすればいい」
私がそう言うと、ニシダ君は、首を高速で左右に動かしながら、「無理です!」と叫んだ。

「だって、朝起きるとミニコンポから必ず流れるんですよ。しかも、大音量で。さらに、怖ろしいことにチヅルのダンス付きなんですよ。このひと、フリを全部覚えているんです。それを毎朝見せられるんです。逃げられないんです!」

(唖然)・・・・・・・・・・・。

「先生の言いたいことはわかります」とチヅルさん。

「羞恥心のない人間が、『羞恥心』を歌うな、と。そんな熱唱する母の恥ずかしい姿を見たら、子どもも羞恥心がなくなる、と」
そう言いながら、ミニコンポのリモコンを手にとって、ボタンを押すチヅルさん。

聞こえてきた歌は、当然「羞恥心」。

熱唱するチヅルさん。
子どもを抱いているので、振り付けはなしだが、歌いこんでいるせいか、かなり上手い。
そして、何といっても楽しそうである。
リズム感も、本物たちより、あるかもしれない。

楽しくなって、つい私も「しゅーちしん!」と歌ってしまった(基本的におバカが好きなので)。
チヅルさんと乾杯をする。

ドンマイ ドンマイ ドンマイ ドンマイ

ニシダ君にも調子を合わせるように勧めたが、ニシダ君は強く首を振るばかりだった。

やはり彼は、羞恥心が強いようだ。

まあ、それが普通なんでしょうが・・・。



★羞恥心の強い人は、CG「嵐の前に」

2008/04/16 AM 07:02:52 | Comment(1) | TrackBack(0) | [日記]



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